卑の意志を継ぐ者   作:新グロモント

2 / 82
忍者なんだし、この程度当たり前ですよね^-^


02:卒業試験

 幼い子供達は、夢と希望を携えて忍者アカデミーの卒業試験に挑む。そして、卒業試験(表)に見事合格した者達は、家族とその喜びを分かちあっていた。

 

 忍者に憧れる子供……チャクラを操り、正義を貫き、富と名誉が手に入ると本気で信じていた。その憧れは、決して間違いではない。忍者代表である火影などの一面だけを見れば、まさにその通りである。何処が堪え忍んでいるのかという疑問は、ココではおいておこう。俗物まみれの子供達が忍びの世界に一歩踏み込んだ。ソレが大事であった。

 

 子供達は、まだ知らない。

 

 忍者に一度なった者は、死ぬ以外で辞める事が出来ない事実を。年を取った忍者は、予備兵力扱いになる。更に、上忍などだった場合には生涯移動制限などが設けられて、里を離れる事を許されなくなる。無論、某3忍や3代目の様な年を取っても並の上忍が束になっても勝てないヤバイ級は別だ。

 

 

◇◇◇

 

 狭間ボンドルドは、任務を遂行する為に夜の忍者アカデミーに居た。

 

 下忍達が童貞と処女を卒業する記念すべき場所になる。そして、昼間の卒業試験(表)の合格者達が集められていた。

 

 名門と言われ数多の優秀な忍者を輩出する家にとっては、これから行われる内容について既に知っていた。だが、親達は何も伝える事が出来ず涙を流し可愛い子供を送り出す。ある親は今生の別れの如く涙を流し激励の言葉を贈る。ある親は、ボラギノールをそっと渡し送り出す。

 

………

……

 

 夜の学校というのは、無駄にテンションが上がる。その中でも、現状を正しく分析しようとする優秀な者もいた。

 

「なぁなぁ、シカマル。卒業試験が終わったのになんで、オレらが夜の学校に来なきゃいけないんだろう」

 

「さぁな。だが、ここに居る連中は全員卒業試験の合格者だけだ……つまり、2次試験があるという事だ」

 

 奈良シカマルは、親から渡されたボラギノールに何か深い意味があると考え続けた。きっと、何かヒントがあると。だが、経験値が少ない彼は回答に辿り着くまでは至らなかった。

 

 他の者達も周りとお喋りをしていると、集められた教室に幾人かの忍びがやってきた。

 

 その異質な雰囲気に飲まれるものも多く、皆が息を飲んだ。その突出した怪しい忍者が狭間ボンドルド。そのお陰で、昼間の卒業試験で不合格であった"うずまきナルト"が彼等と同じタイミングで入室した事に注目される事はなかった。

 

「こんな夜分遅くに、新たに下忍になった皆さんにお集まり頂き感謝致します。私は、特別上忍の狭間ボンドルド……今日は、皆さんの心のケアをする為にココに参りました。本当に君達のような優秀な下忍が多くいて嬉しい限りです」

 

 この世代の下忍達は、不幸中の幸いである。

 

 医療忍術が使える狭間ボンドルドがいるのだから、心のケアだけでなく例え尻の穴が裂けても翌日には元通りだ。

 

「同じく特別上忍の秋道タカカズ。お前達に堪え忍ぶ心得を教える」

 

 木ノ葉隠れの里において、恐怖の代名詞……忍者の身元確認を尻鑑定できるという極めて希な特技を持つ男だ。彼が知らない尻=他里の忍者と判断される。一芸特化どころか、一ゲイ特化タイプだ。

 

 馬鹿みたいな特技だが、本当に有能であった。そんな世にも恐ろしい男と倍化の術が合わさるという最悪な事態を誰が引き起こしたのだろうか。事の最中誰もが神を恨んだ。

 

 秋道チョウジだけが、ボラギノールが何を意味しているか理解してしまった。同族であるが故に、噂などを知っていたからだ。ここで声を上げて叫ばなかったのだけは、評価に値した。万が一、叫び散らす事になっていれば最初の被験者は彼になっていただろう。

 

「山中あかり、他の二人と同じく特別上忍よ。今日は楽しみましょうね」

 

  木ノ葉隠れの里において、クレイジーサイコレズと陰で言われる女性だ。山中一族という事で秘伝忍術で一般女性に乗り移り自慰行為を繰り返した事で度々厳重注意をされた人物。処罰されないのは、被害届が出されていない事と他里のくノ一を寝取る事に掛けては里随一だからだ。

 

 下忍達の不安を無くし心のケアをする事が仕事であるボンドルドは、皆の不安を解消するために、率先して動く。

 

「では、我々ばかり話していてもつまらないでしょう。何か質問がある人はいますか? では、うちはサスケ君」

 

「これから2次試験がある事は雰囲気でわかった。だったら、何故昼間の試験で不合格だったコイツがここにいる!!」

 

 今になって、他の者達もうずまきナルトがこの部屋にいる事に疑問に気がついた。首を傾げる者、実は合格していたと考える者など様々であった。

 

「そんな事ですか、簡単ですよ。火影の一存で昼間の試験は合格になりました。しかし、うずまきナルト君は本当に運が良いです。もし、下忍で先ほどと同じ事をしていたら無期懲役は確定でした」

 

 うずまきナルトは、唆されたとはいえ木ノ葉隠れの里の"封印の書"を盗み出した。発見が遅れて他里に渡った場合、その損害は計り知れない。火影とて擁護する事が難しい程に。だが、下忍でない一般人に"封印の書"が軽々と盗みだされたとなっては忍者の沽券に関わる事態である為、事件は闇に葬られた。

 

「ふざけるな!! そんな事がまかり通って良いはずがないだろう」

 

「おやおや、おかしい事を言いますね。別に、うずまきナルト君の合格に貴方の許可は必要ありません。あまり、文句が多いと君の合格が火影の一存で取り消されますよ」

 

 狭間ボンドルドが口にした内容に嘘偽りなど一つも無い。

 

 子供にとっては受け入れられない事も多々あるのは事実だ。だが、コレが社会の現実。お金が流通する世界において権力者の力とは絶対的である。

 

「さぁ、不安もあるでしょうが、大丈夫です。何も恐れることはありません」

 

 狭間ボンドルドの安心感のある声を聞きつつ、下忍達は幻術で眠りに落とされた。

 

 それから担当上忍が生徒を運び、幻術で心の欲望を全て聞き出す。そして、ハニートラップ訓練が始まりを告げる。

 

「そうだ、担当上忍の皆様、忍具の使用をお忘れ無く」

 

 狭間ボンドルドの優しさで忍具改め避妊具が用意されていた。

 

 

◇◇◇

 

 担当上忍によって、事が済んだ下忍達が次々と木ノ葉隠れの里の秘匿施設に運び込まれてきた。

 

 運び込まれてきた下忍達の苦痛に満ちた顔は文字通り一皮剥けた証拠。その反面、一部の担当上忍達は無駄にすっきりした顔をしている。まさか、金を貰ってこんな役得な仕事ができるとはといった感じであった。

 

「上忍の皆様、お疲れさまです。隣の部屋に軽食とお飲み物をご用意しております。後は、私の仕事ですので、ご安心ください」

 

「しかし、いつになってもこの卒業試験は嫌な思い出にしかならない。えーーと、メンタルケア担当のボンドルド特別上忍だっけ?正直、この試験が必要と思っているのか?」

 

 愛読書がイチャイチャパラダイスの男……巫山戯た雰囲気はあるが確固たる実力を持つ上忍のはたけカカシは疑問を呈した。だが、疑問を口にする割に随分と楽しんだ事は明らかであった。

 

 ただ、周囲に同意を求めて少なからずある罪悪感を減らす行為に過ぎない。

 

「無論必要です。同じ場所、時間、経験を共有する事で人は仲間意識を得ることができます。特に、カカシ上忍が担当する子達は大変特殊な育ちです。少しでも仲間意識を与える事は大変意味があると考えます」

 

 見た目からは想像できないほど立派な意見をいう挟間ボンドルド。その真摯な言葉に、はたけカカシは一定以上の信頼が置ける人物だと判断する。彼の人を見る目は確かであった。

 

………

……

 

「イヤァァァァァァーーー!!」

 

「おぉぉえぇぇぇぇ」

 

 目覚めた下忍達は、差はあれど誰もが叫びを上げた。そして、自らの体をペタペタと触り異常がないかを確認する。だが、下半身に感じる痛みや違和感から現実だと悟ると狼狽する。

 

 特に、女性の反応は酷い。発狂一歩寸前といった下忍もいる。

 

 ここで医療忍術が使える挟間ボンドルドの出番であった。そのメンタルケアの方法も既に決めていた。

 

「下忍の皆さん、卒業おめでとうございます。恐らく、少なからず気分が優れないでしょう。今から言う事を落ち着いて聞いて理解してください。先ほどまでの出来事は、忍者アカデミーの卒業試験です。これで、晴れて忍者のスタートラインに立ちました。おめでとう、君達は実に素晴らしい忍になるでしょう」

 

「ふ、巫山戯ないでよ!! あんな事をしておいて、よくもぬけぬけと。訴えてやる」

 

「春野サクラさん、里によって卒業試験は様々ですが……木ノ葉の里は、比較的良心的です。それに、忍者ならば誰しも通る道を経験しただけで訴えていては、キリがありません。あの程度の責め苦で辛いなど思っていては、敵に捕まった時にどうするんですか?」

 

「捕虜の扱いは、取り決めがあるのを知っているんだから」

 

「春野サクラさんは、物知りですね。ですが、その回答は予想済みです。ですから、敵側に捕まった末路をお見せしましょう」

 

 学校の体育館のような場所だと考えていた下忍達は、周囲の壁が解放され驚愕の景色を目にした。手足をもがれダルマにされた男女が拘束され、何十人も並ばされていた。頭にはプラグのような物を差し込まれ電流を流し込む様が今まさに披露された。

 

「ねぇ、幻術に掛けられているんでしょ!! お願いだから、そう言ってよ」

 

「いいえ現実です。ここは、尋問室。そもそも忍者に捕虜の人権などありません。あるのは、里の情報を抜かれるだけ抜かれ、あのようになる末路です。このような結末を回避する為にも、今回の卒業試験が活きる機会が必ずやってきます」

 

 ちなみに、手足がないのは木ノ葉隠れの里の忍者達が有効利用しているからだ。任務で怪我をする事があっても換えの手足がココで調達できる仕組みができあがっている。医療忍術の使い手として、移植の経験だけで言えば、里随一の挟間ボンドルドだ。

 

 下忍達は、先程までの不幸な出来事など目の前の事に比べれば些細な事だったと感じ取った。感覚が麻痺していた。更に言えば、目の前の最悪を回避する為の経験が積めたとなれば少しだけ心の活力が回復するという謎現象。

 

 自分より不幸な人間を見つける事で幸せを感じ取る。それにより、心をケアするという非常に有効なメンタルケア方法だ。

 




このノリでサクサク進めていきたい!!

次回は、忍者の沽券を守る大事なお仕事です。
忍者相手に嘘の依頼を言うとどうなるか……分かっていますよね(にっこり


オリ忍者の紹介※今後出番は、たぶんない。
 秋道タカカズ(イメージキャラ:阿部高和(くそみそテクニック))
 山中あかり(イメージキャラ:赤座あかね(ゆりゆり))
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。