家族揃って高みの見物を決め込む挟間一家。
今、木ノ葉隠れの伝説の三忍と言われた者達による死闘が始まっていた。ボンドルドの膝の上にはプルシュカがおにぎりを食べながら、忍術の応酬を見て学び取っていた。
「ね~、パパ。大きなママは、まだ~?」
「プルシュカ、もうすぐです。もうすぐ、綱手様が呼び出してくれます。血のトラウマで今でこそ動きが鈍いですが、それも間もなく終わるでしょう」
挟間ボンドルドは、うずまきナルトに絶対的な信頼を持っていた。世界の修正力が綱手を復活させると。そうでなければ、ここで全てが終わってしまう。
昨日、宿場町で100人を超える行方不明者が出たというイレギュラーがあったが、全ては順調に進んでいる。それが世界が求める流れだ。
その証拠に自来也は、綱手によってしっかりと一服が盛られていた。綱手の脳内プランでは、第一計画が大蛇丸による穢土転生、第二計画が挟間ボンドルドによる転生術の開発だ。どちらに転んでも障害になりえる自来也の排除に動いていた。
「ボンドルドー!! お前も手伝わんかい。今の儂じゃ、少しばかり荷が重い」
「ガマ仙人様、動きが悪いと思ったら……綱手様との夜戦で一服盛られましたかな。それと、大蛇丸様と敵対する事はお断りさせていただきます。折角、家族に手を出さないとお約束いただいたのです。私個人としては、どちらの側が勝利しても問題ありません」
自来也の動きが悪いのは、挟間ボンドルドが言うとおり綱手が一服盛ったことが原因だ。自来也程の忍者に有効な毒など、早々に手に入らない。超がいくつも着くほどの凄腕忍者が、単純な罠にはまったのだ。自業自得だ。
流石の自来也も否定できなかった。文字通り綱手の体をはった行動のお陰で自来也は、本来の何分の一の実力しか出せていない。本調子ならば、今の大蛇丸など瞬殺だった。
………
……
…
うずまきナルトの身を挺した行動に感化された綱手は、トラウマを克服した。そして、揃って口寄せの術を行使する。呼び出されたのは、三忍の象徴とも言える口寄せ動物。
カツユ、マンダ、ガマ親分である。睨み合うマンダとガマ親分……だが、カツユだけがソワソワと周りを窺っている。
『久しぶりじゃの~。ちょうど蛇革の財布が欲しかったところだ』
『食うぞゴラァ!!』
これから激戦になろう試合会場にボンドルドがプルシュカを肩に乗せて近付く。プルシュカは眼をキラキラとさせていた。本当に大きな母親を眼の前にして興奮が抑えられない様子だ。
勿論、ボンドルドの隠れ家には2m級のカツユならばいるが、この大きさは規格外。
「ママ!! すごーーーい!! プルシュカも乗せて乗せて」
「これほど大きなカツユを呼び出せるとは流石は綱手様です。さぁ、メーニャも情報連携をしてあげてください。あちらのカツユも待ち望んでいるようです」
『ちょっと、ガマ親分さん。娘がいるんだから禁煙して頂けますか。全く、大人なんですから、その位の配慮くらいして欲しいものです』
『娘って、お前……そのちっこいのが娘?』
『ざまーねーな。怒られてやがる。で、大蛇丸――あのちっこいのは本当にカツユのガキか?』
メーニャが大きなカツユと融合し、分裂してからの情報が共有される。ボンドルドの妻として、プルシュカの母としての記憶と経験が引き継がれ、カツユが更に進化を遂げる。生命としての規格が完全にそこら辺の生物から逸脱している存在だ。
そして、情報統合された後に再びリニューアルされたメーニャが戻ってくる。
「その通りよ。あの仮面を着けた黒ずくめの男が夫。敵対関係じゃないから、巻き込まないようにね。カツユが本気で敵対すると厄介よ」
マンダとしても信じられない光景であった。
あのカツユが子持ちになったのだ。蛇と蛙は犬猿の仲だが、蛞蝓とは別にそうでもない。それに、巷では紳士で通っているマンダだ。子供の前で母親を攻撃するほど外道ではない。
『カツユ、今回は見逃したる。子供の前で母親を攻撃するほど、腐っちゃいねー。ほら、プルシュカといったか、カツユの背中にでも乗ってよーーく戦いを見てやがれ!! 俺様が勝利する様子をな』
「ママ、あっちでお話しよう。おっきなママと沢山話したい事があるの。プルシュカ、この日のために一杯勉強もしてきたんだよ」
大きなカツユの足下でプルシュカが母親に抱きついていた。微笑ましい様子に戦いが一時中断するほどだ。
だが、後方に下がろうとするカツユを止める存在……綱手がいた。対外的にも一戦交えていないと立場的に辛い。仲間に一服盛った以上、それをこの機に挽回しておかねば、今後に憂いを残す可能性があった。
「駄目だ、カツユ。この場で自来也に協力して大蛇丸を討つ!!」
『そういいつつ、昨日は自来也様に一服盛っていましたよね。そして、都合が悪くなったからといって、何事も無かったかのように味方するのはどうかと思います。綱手様、物事には引き際というのがあります。呼び出して頂いた事は大変ありがたく、出来る事ならその恩に報いたいのですが……やらかしすぎです。自分のケツは自分で拭いてください』
「あ、はい」
綱手も何も言えなかった。確かに、いいとこ取りしようとして色々とご破算になっている。それを無理矢理無かった事にしようとしたが、理性的なカツユの前には出来ない相談だった。
そんな様子を見ながらボンドルドは、うずまきナルトの治療を粛々と行っていた。シズネも主人である綱手がカツユから正論を言われて謝る様が情けなくなっていた。なにより、喪女同盟の筈なのに、いつの間にか自来也と一夜を共にしていたなど許しがたい裏切りをされていたのだ。
その結果、呼び出したカツユに見放された綱手は、単身で大蛇丸と闘う事になる。
◇◇◇
乱戦の結果、原作通り大蛇丸が撤退する結果になった。だが、戦いが終わった後の方が大問題であった。
『いやーーー、ママはプルシュカちゃんとボンドルド様と一緒に暮らすの!!』
「えぇい!! いい加減に戻れカツユ。チャクラを無理矢理引き出しすぎだ」
眼に入れても痛くない愛娘との別れを拒否するカツユ。その可愛らしい姿にボンドルドが妻を宥める。
「大丈夫です、カツユ。何処にいても貴方を思う心は変わりません。プルシュカも同じです。私が呼び出したカツユは、今色々と手が離せないので送り返せておりませんが、今後は定期的に情報連携をするようにします」
「そうだよ、ママ!! もう少ししたら仙術を学びにママの実家に遊びにいくから待っててね!! 大好きだよママ」
挟間ボンドルドが呼び出しているカツユは、今大事な調整作業で忙しいのだ。
『ママも大好きですよ、プルシュカちゃん。わ、分かりました。代わりに~、
「えぇ、勿論そのつもりです。カツユに寂しい思いはさせません」
大きなカツユのお腹を優しく撫でる挟間ボンドルド、愛の溢れる行為に彼の株価が更に上がる。つまり、そんな株価の高い存在を部下として扱う事で自らの株価も相対的に上げようと模索する綱手がココに誕生した。
挟間ボンドルドを優遇する事でカツユを間接的にコントロールする。それこそ、綱手が取る道だ。
綱手捜索編は、これで終了!!
次は、木の葉隠れの里でサスケが抜けるあたりです!!
追忍部隊がなぜでなかったのか、
そこら辺を作者の独自解釈でいけたらと思っております。
※追忍部隊隊長は、秋道タカカズ!!
木の葉の「黄ばんだ閃光」と呼ばれ、卑猥針の術を使う凄腕忍者です。下忍卒業試験で腸内マーキングがされており、どうなるかは分かっていますよね?
それだから、木の葉隠れの里では抜け忍がすくないんです。