サスケ奪還失敗。
その報は、木ノ葉隠れの里中に直ぐに伝わった。うちは一族として注目度が高く、中忍試験でも期待のルーキーと目されていた為、注目度は抜群であった。人の悪い噂ほど伝達する速度は凄まじく、翌日には里の誰もが知る事になっていた。
だが、この任務はそもそも成功する事はない。
「ねぇ、パパ。里中が抜け忍の話題で持ちきりなんだけど、どうして里抜けが成功したの?パパだって、里抜けしないのに」
「簡単な事です。うちはサスケ君の利用価値より大蛇丸様との秘密裏の同盟の方が価値があったからですよ。綱手様と大蛇丸様との取引内容は、把握していませんが予想は出来ます。わかりますか?プルシュカ」
うちはサスケの目的は、力を付けて兄であるうちはイタチに復讐を果たす事だ。その為には、現状のままではどうやっても勝てない。視力低下を眼鏡で補い、挟間ボンドルドが定期的に医療忍術と外科的手法でうちはイタチに治療を施している。つまり、弱っていないうちはイタチは強い。
「うーーーん、イタチ叔父さんへの復讐でしょ。勝てるはずないじゃん。私だって、手も足も出ないんだから……わかった!!大蛇丸様に忍術を教わりにいったとか!?」
「50点です、プルシュカ。うちはサスケ君は、大蛇丸様の元で忍術を学ぶついでにパパになるんですよ。一族復興という大義を果たすため」
『大蛇丸様は、写輪眼が欲しくて色々動いていましたよね。人から奪うのではなく、産み育てる方向に動くとは仲よくなれそうです。仕方ありませんから、私がママ友になってあげます。今度、伺ったときに契約してきますね』
人は変わる者だ。
あの大蛇丸がママになろうとしている。この話を誰が信じるだろうか。大蛇丸の元親友である自来也ですら、想像できないだろう。いいや、仮に大蛇丸自身から「今は私が産んだ子を育てているのよ」と、言われたとしても誰も絶対に信じない。
そんな異常事態を引き起こした張本人……挟間ボンドルド。彼の一言で、大蛇丸は奪うより養殖するという手段にでたのだ。一族も復興できるし、平和的な解決方法ともいえる。
◇◇◇
新たな力を求め、大蛇丸の元を訪れたうちはサスケ。
うずまきナルトに勝利して、呪印の力も手に入れて気分は有頂天であった。兄への復讐が可能となる近道にいま彼はいるのだ。それを本人も十分理解している。
大蛇丸もその様子を確認し、気味悪い笑みを浮かべる。
全ては計画通りであった。
うちはサスケは、抜け忍となった。これで彼の退路は断たれたも同然である。彼が頼れるのは今現在大蛇丸以外に存在しない。何より、彼が望むモノを全て提供出来るのだから、お互いがwin-winな関係となるのは疑いようがなかった。
この日の為、万全な準備を整えている大蛇丸。挟間ボンドルドから提供されたうちはサスケの身体データや、異性の好みの情報から彼の性癖に100%マッチした容姿を準備し、転生を行った。
「俺は、何だってやる。早く、忍術を教えろ」
「焦る気持ちも分かるわ。でも、まずはお互いをよく知ることから始めましょう。サスケ君の目的は、うちはイタチの抹殺。それを実現する為の力を得ること、コレに相違はないわね?」
うちはサスケは、今更何を確認するのだと思っていた。だが、何より彼が疑問に思っていたのは、以前あった時と容姿が変わっていた事だ。黒髪ロングで大和撫子…更には巨乳と……性癖にドンピシャであった。しかも、程よい香水の良い香りがしており、中身が大蛇丸だと知らなければ、ヤバかったとすら思っていた。
「あ、あぁ。その通りだ」
「次に、一族の復興も果たしたい。コレも間違いないわよね?」
「当然だ」
「分かったわ。やっぱり、私達はお互いに良い関係が築けそうね。
ガチャリ
二人しか居ない部屋に大蛇丸が鍵を掛ける。
頭脳明晰な優等生でムッツリすけべのうちはサスケだったが、まだ正確に状況を理解しきれない。いいや、脳が理解を拒んでいるといった状況だ。服を脱ぎ徐々に大蛇丸の美しい裸体が披露される。
この状況を正しく理解出来る存在など誰もいない。
「なぜ、服を脱いでいる?」
「あら?ここまでやって分からないの? サスケ君、貴方がパパになるのよ」
何かを得る為には、何かを失わないといけない。そんな言葉をうちはサスケは思い出しながら天井の染みを数え始めた。
誰も不幸にならない…いい話だ。
次からNARUTO疾風伝に時代は飛びます。
青年期編だよね。
暁と大蛇丸とズブズブの木ノ葉隠れの里。
大蛇丸の元で