卑の意志を継ぐ者   作:新グロモント

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36:贖罪

 挟間ボンドルドは九尾チャクラで負傷した春野サクラを治療する。その治療で彼は、傷の治りが遅い事に気がついた。挟間ボンドルドの腕が鈍ったとかそう言う次元ではない。本来10秒と掛からず完治させられるのに、何かがチャクラの流れを邪魔している。

 

 その興味深い事象に、挟間ボンドルドは感動していた。今までに見たことがない負傷。是非、解剖して原因を究明し、治療方法を確立したいと考えた。延いては人類のためになる。

 

 妹弟子である事実が、春野サクラの命を救った。少なくとも、人として運用がされている彼女を医療の発展の礎にすることはない。

 

「ナルト君はこっちで封印します。サクラの事は頼みました」

 

「勿論です。その為に、私がいるのですから。封印が終わり次第、うずまきナルト君の治療にも掛かりましょう」

 

 挟間ボンドルドは、九尾チャクラを封印し持ち帰る事にした。九尾チャクラともなれば封印するには高度な技術が必要になる。だが、自来也がイタチの天照を封じた巻物を彼は買い取っていた。今ではそれと同等の封印術を使いこなせるに至る。

 

 春野サクラより丁寧に抽出した九尾チャクラ。経絡系に残滓すら残らないように抜き取る技術は神業。そして、医療忍術が正常に作用し春野サクラの状態が改善した事を確認した。

 

「すごい。さっきまでの違和感が消えました」

 

「どうやら完治しましたね。一緒にうずまきナルト君の治療をしましょう。推測の域を出ませんが、体内に残留していた九尾チャクラは時間経過でも消え去ったでしょう。今回は、後続の任務もあり急ぎますので抜き取りました。違和感があったら、いつでも言ってください」

 

 挟間ボンドルドは、うずまきナルトの治療にあわせて細胞の採取も忘れない。同じ九尾チャクラによる負傷であっても、春野サクラと異なり医療忍術が阻害されない。

 

 尾獣チャクラの特性なのか、人柱力の特性なのかなど調べる事は幾らでもあると、挟間ボンドルドは今から楽しみであった。そして、挟間ボンドルドは今後の事も考えて、うずまきナルトの精密検査を行う。同じ事態を防ぐ為、君の身体を守る為と言われれば誰も断る事はできない。

 

………

……

 

 カカシ班のサイが大蛇丸と共に消えた。連れ去られたのでは無く、自ら付いていった。つまり、コレは重大な裏切り行為だ。仲間の輪に片足を突っ込んだ所でのこの状況。

 

 ヤマトとしても、想定していたケースの一つではあったが頭が痛い。

 

 『根』出身の新人であるから特別な任務を受けている事は考えていた。だが大蛇丸に同行を許される程の任務だとは考えてなかった。つまりは、里を裏切って大蛇丸と繋がっているのは『根』の可能性が高いという事だ。

 

「状況から察するに、連れて行かれたというより付いていった可能性が高いですね。あの大蛇丸様が同行を許したとなれば、相応の手土産があったとみるべきです。大蛇丸様の信頼を買えるほどの」

 

「不味いな。里の機密情報が大蛇丸の手に落ちるなんて」

 

「どうすんだってばよ」

 

 長年、各国の指名手配を逃れてきた大蛇丸。見失ったら最後、探すのは困難だ。大蛇丸から芋づる式にうちはサスケを見つけるというナルト達の企みも崩れ始めた。完全に徒労に終わると。

 

「また、振り出しに戻るなんて……サスケ君」

 

「それなら大丈夫だよ、サクラ。こんな事もあろうかと、食事に僕のチャクラを仕込んだ木片を混ぜておいた。これで何処にいても探し出せる。バレない距離を保って追うよ」

 

「流石ヤマト隊長!今まで良いところが無かったけど、俺ってば見直したぜ」

 

 失礼な事を平然と言う うずまきナルト。九尾チャクラを纏った時の記憶が無いなら仕方が無い事だが………野宿しないで済んだり、九尾チャクラを押さえ込んだりと一番の功労者である事は間違いない。だが、子供はそこまで配慮しなかった。

 

………

……

 

 大蛇丸が潜伏しているアジトまで到着したナルト達。

 

 バレないように地下から潜入し、うちはサスケを探す事になった。だが、広いアジトである為、分散する事になる。効率的な方法だが、大蛇丸の拠点だとリターンよりリスクが勝る。

 

 挟間ボンドルドは、アジトに居る子供達や面倒を見る保母さん達を事前に避難させるように事前連絡済みだ。万が一、避難が間に合っていない場合には挟間ボンドルドが保護して後で送り届ける事にもなっている。

 

 勝手を知る大蛇丸のアジトを隅から確認をしていく。綱手との繋がりが分かる物的証拠の破棄。うちはサスケの子供が隠れて残っていないかなど。

 

「全く、子供を作りすぎるのも大変ですね。まぁ、大蛇丸様の事ですから、抜かりは無いでしょう。問題なのは、あのお二方。非力になったとはいえ、何か残している可能性もあります」

 

 サスケの一族復興。その一族は、音隠れの里へと安全に輸送される。多すぎる子供と母親。面倒を見る保母さん達と一緒にだ。

 

 

◆◆◆

 

 挟間ボンドルドがナルト達と一緒にアジトに来る数日前。

 

「やはり、ボンドルドは使えるわね。そう思いませんか」

 

 大蛇丸の機嫌は良かった。両腕が完治しただけでなく、挟間ボンドルドとの共同開発した新忍術が思いの外、有用であったからだ。

 

 術の基本は、穢土転生。そこに、挟間ボンドルドが魂を別の肉体に定着するように術式をアレンジ。つまり、生前の姿を取り戻す事をせず、別の肉体に魂を定着させる。

 

「儂等を復活させて何をさせる気かと思ったが……変わったな大蛇丸」

 

「まさか、穢土転生をこのように改良するとはな。だが、悪用される事を未然に防ぐ事が前提ならば大した物だな」

 

 赤髪の美女と銀髪の美少女。

 

 うちはサスケの子供達の面倒を見る保母さんだ。

 

「お二人に褒めて頂けるとは、他に自慢できそうね。経絡系を持たない肉体ですが、子育ては重労働。肉体能力は、上忍クラスです。ヒルゼン(・・・・)スキーさん、ハシラマ(・・・・)ックイーンさん」

 

 大蛇丸の腕の魂を取り戻したついでに、初代火影と三代目火影の魂も死神から回収していた。穢土転生の危険性を考えれば、初代火影と三代目火影を乱用されるくらいなら、受肉させて呼び出せないようにしようというアイディアだ。

 

 受肉には、一般人の遺伝子とウマの遺伝子を掛け合わせて作った特別製の肉体。チャクラが練れない身体である為、忍術に対する抵抗が0であり大蛇丸から逃れる事は不可能。

 

 第二人生をスタートさせた火影達。生前に人を殺しまくった事を考えれば、コレは償いとも言える。彼女達の贖罪の人生はこれから始まった。

 

 




米シャワーさんがTSしたら……マダラ似ていると記事をみてこの設定は使えると反映しましたわ。

サイゲのアレとにているけど名前も違うし、名言しなければセーフでとおらないかしらね。怒られたら変更か削除の予定です><
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