卑の意志を継ぐ者   作:新グロモント

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50:自来也豪傑物語

 挟間ボンドルドは、雨隠れの里に暁の調査に訪れた自来也にご挨拶をする為、小南と自来也の戦いの場に足を運んだ。

 

 そこには、自来也に油塗れにされて髪で縛られている小南がいる。

 

 挟間ボンドルドの登場に、自来也もやはりそうだったかと言う顔をする。

 

「これは、自来也様。数日ぶりですね。先ほど、腰の具合が悪いと情報を得ましたので、ご挨拶も兼ねて治療をさせて頂こうと思いましたが…お取り込み中でしたか。親子ほど離れた妙齢の女性――小南さんを油塗れにして拘束しているなんて。そういった事がしたければ、ご相談頂ければ幾らでもご都合して差し上げましたのに」

 

「どうして、お前のような立派な忍びが暁なんぞに荷担する。もし、暁に荷担している原因が、木ノ葉隠れの里にあるというなら儂が何とかしてやる。プルシュカの将来も考えれば、手を引くなら今しか無い。ボンドルドが暁だという事は、何処にも漏れてはいないはずじゃ」

 

 挟間ボンドルドは、何故か暁といつも勘違いされる。S級犯罪者として指名手配されており、暁と一緒に登場したら当然の事だ。

 

「違いますよ、自来也様。木ノ葉隠れの里でも伺っていたと思いますが、私は暁ではございません。誘われましたが、全てお断りしております。そうですよね、小南さん」

 

「何度も誘っているのですが、断られています。まぁ、人は見た目が10割とも言いますから、誤解するのも理解できます」

 

 自来也が挟間ボンドルドと小南の双方をよくよく観察する。そして、嘘偽りでない事を理解した。だが、それならそれで何故この場に居るのかが謎になってしまう。木ノ葉隠れの情報で暁メンバーと行動を共にしているとあったが、ここまで暁の中枢に部外者が居る事などあるのか、などと思考を巡らせていた。

 

「では、なぜボンドルドまでここにいる」

 

「あぁ、私は暁の主治医も務めておりますから。元は、木ノ葉隠れの任務で彼等の健康管理をしておりました。今では、一人の医師として彼等の健康管理をしております。暁の方々は、本当に健康に難がある患者が多くて困ります」

 

 大蛇丸と秘密裏に繋がっていた事は自来也も把握はしていた。大蛇丸と和解した際にそういった話題を飯のネタにして盛り上がった事を思い出した。だが、まさか、暁とも関係があったとは寝耳に水。

 

「綱手め、見境がなさ過ぎだろう」

 

「同感です。それと、暁が利用している忍具の大半も木ノ葉隠れの里から納品されている事実もあります。見方によっては、暁は木ノ葉隠れの里とズブズブの関係です。表沙汰になれば、五大国を揺るがす事態になるでしょう。だからこそ、表に出る前に綱手様が派遣できる最大戦力である自来也様がここに導かれたかと」

 

 うちはイタチが、干柿鬼鮫と一緒に闘う前提で勝率が5割と言い切った相手の自来也。立ち回り次第で一人で暁を壊滅する事も可能とする特記戦力であった。

 

「………知りたく無かったの~。そんなこと。だが、儂は、これでも木ノ葉隠れの忍びじゃ。例え、綱手にどんな思惑があったとしても儂は暁の行動を止めねばならん」

 

「そうですか、では頑張って下さい。私は、争いごとは苦手ですので高みの見物をさせていただきます。ちなみに、ペインは強いですよ。戦闘データを取るためにも奮戦を期待しております」

 

 挟間ボンドルドは、開発した六道システムの実戦データを期待していた。どのような状況にも対応できるようにと設計開発された。挟間ボンドルド謹製のAIを積み込んだ時代を先取ったシステム。

 

「後は、こちらで引き取ろう。先生は小南と一緒に下がっていてくれ。口寄せの術!」

 

 長々と会話している隙に長門の畜生道がその場に現れる。油を洗い流すカニを口寄せして、選手交代を果たす。

 

………

……

 

 挟間ボンドルドは、娘の挟間プルシュカを連れて高みの見物をしていた。雨隠れの里に現れた世界トップクラスの忍者である自来也。それに対峙するのは、暁でも最強の一角であるペインこと長門だ。

 

 挟間一家と同じ場所に小南も退避してきており、戦いの行く末を見守っている。

 

「パパ、自来也のおじさん凄いね。初見でペイン三人を相手に勝つなんて。それに、仙人モードも使えるなんてパパや大蛇丸様が凄い忍者っていうのがよくわかったわ」

 

『シマ様とフカサク様が仙人モードのサポートをしていますね。――閃きました!私もプルシュカちゃんと融合すれば』

 

 メーニャ(カツユ)が後で妙木山に行って二人に融合方法を聞こうと考えていた。仙人モードは、挟間プルシュカも会得できていない。

 

「あまり、過保護過ぎるのもダメですよ。ほら、自来也様がコチラに眼を向けました。手を振って応援をしてあげましょう」

 

 片腕を失った状態でペイン六道を相手に勝利を収めるなど事実上不可能だ。忍術の肝となる印は基本的に両手で結ぶ必要がある。印が結べない以上、自来也の忍術はほぼ全て封じられたも同然。

 

「頑張れ~自来也おじさん。もし、勝ったらプルシュカのお風呂を覗いたこと許してあげるから」

 

『くっ、プルシュカちゃんが許してあげるなら仕方がありません。私も勝てたら許してあげます。負けたら、去勢しますからね』

 

 

◇◇◇

 

 油断した結果、左腕を失った自来也は完全に追い詰められていた。現状、彼に残された道は逃亡か死のいずれかしか無い。

 

 目の前には、ペイン六道が揃っている。そして、少し離れた場所には挟間一家と小南。そんな中、挟間プルシュカの明るく可愛い声とカツユの美声での応援。

 

『なんじゃ、自来也ちゃん。あんな幼子のお風呂まで覗いているのか。それに、この気配……カツユ様か』

 

『嘘こくなや、とうちゃん。カツユ様がこんな場所に……おったわ。どういうことや』

 

「あぁ、お二人はご存じありませんでしたね。あそこに居る長身の黒い服の男が、カツユの旦那で挟間ボンドルドといいます。そして、横にいる銀髪の少女が二人の娘で挟間プルシュカ。敵ではありませんが、味方でもありません。詳しい事情は、ここを切り抜けたらお話いたします」

 

 二大蝦蟇仙人は、今すぐにでも詳しい事情を知りたかった。

 

 超常の存在であるカツユが結婚しており子供まで居るなど、なんでそうなったか詳しく知りたいと思うのは当然だ。しかも、そんなカツユの娘のお風呂を覗くなど、失礼極まりない行為をした自来也。生きて帰ったのならば、お祝いを申し上げるついでに、自来也の無礼を詫びなければと本気で思っている二人であった。

 

 それから自来也は奮闘した。

 

 片腕が無い状態でペイン六道相手に一人を完全に破壊する偉業を果たす。更には、その遺体を木ノ葉隠れに持ち帰らせる事に成功するなど、その功績は計り知れない。その対価が命であっても帳尻が取れるほどだ。

 

 今や、自来也の背中には何本もの支柱が刺さっており心臓も止まる寸前。最後に、ペイン六道の秘密に気がついたがそれを伝える術が無かった。

 

 そんな死に際の傍らに、挟間ボンドルドがやってくる。

 

『貴様!挟間ボンドルドとかいったな、自来也ちゃんに何をする気だ!!』

 

「ご安心下さいフカサク様。彼の教え子が居る場所に送って差し上げるだけです。フカサク様もご存じのミナトさんが居るところです」

 

 完全にトドメを刺しに来たと誤解されてしまう挟間ボンドルド。間違っては居ないが、知らない者が聞いたら完全に勘違いするのは無理も無い。

 

『何が安心出来るか!自来也ちゃんが何かを伝えようと…よし、分かった』

 

 最後の気力を絞って自来也は、フカサクの背中にダイイングメッセージを記す。その行動を、邪魔をしないのは挟間ボンドルドが敵でも味方でもない証拠だ。

 

………

……

 

 それから暫くして、木ノ葉隠れの里に自来也の訃報が伝えられた。それと同じくして音隠れの里で新たな生を享受する者がいる。

 

 その傍らに立つのは、挟間ボンドルド。

 

「お体の方は、いかがでしょうか」

 

「いや、何となく予想はしていたが……もう少しどうにかならんかったのか」

 

 新しい肉体は、何も不備などない。だと言うのに、不満がでると言う事に挟間ボンドルドは悩んだ。本人が望む望まぬは別として、生き返るだけで無く、若返りまではたした。それは、本来どのような対価を支払っても手に入らない事の方が普通だ。

 

「これで女風呂を覗く必要もありません。ご希望されておりました弟子との温泉旅行も可能になりました。それと、昔を思い出せるように一部髪の毛も白くしております。何がご不満なのでしょうか?」

 

「儂は、男として女風呂を覗く事やあの抜群の肉体の弟子と温泉旅行に行きたかったんだよ。下の方に大事な物が無いだろう大事な物が!!」

 

 大事な物はちゃんとついている。無論、バ体としてのだが。

 

「それに関しては諦めて下さい。バ体は全て女性体しかありません。これからは、第二の人生をお楽しみ下さいメジロジライヤ(・・・・)ンさん」

 

 忍界でのお勤めを終えた伝説的な忍者がまた一人、音隠れの里にログインした。 




サスケ お前は俺にとっての新たな光だ!!

タカデーース というチームを結成しているサスケ君が遂に兄と対面。

視力問題が眼鏡で解決し、肉体的な不調も治ったパーフェクトイタチさんの出番ですな。

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