挟間ボンドルドが請け負った仕事は順調に進んでいた。10万人の白ゼツを人間爆弾へと改修し、カツユがリモート操作出来るようにシビュラシステムの構築も順調に進んでいた。
挟間ボンドルド自身が多重影分身を使い、祈手達も同じく多重影分身を使う事で60人体制で行うデスマーチでの開発。意思疎通が完璧だからこそ、できる離れ業であった。その作業の最中、挟間ボンドルドの耳に五影会談の情報が飛び込んでくる。
うちはサスケが五影会談襲撃により、めでたくS級犯罪者の仲間入りをはたした。そして、同行していた鷹のメンバーも当然仲よくS級犯罪者になる。もはや、木ノ葉隠れの里だけの問題に留まらないため、鷹メンバーのS級犯罪者に対して取り下げをする事は5大国と中立国の鉄の国…この六カ国から承諾を得ることが必要になる。
「事実上、私と異なり彼の犯罪者認定を取り下げることは不可能でしょう。どれだけの功績があれば、恩赦がでるのかわかりません。世界を救うレベルの功績になります」
『片道切符だと思っていましたが、よくあの場から逃げられましたよね。トビさんの時空間忍術は、忍界最高峰みたいです。そういえば、うずまきナルト君がうちはサスケ君に恩赦を求めて、雷影に会いに行きました。この戦争って、彼が『祝福』を使ってサスケ君の恩赦を勝ち取るために起こったとかありませんよね~、まさかね……ありませんよね?ボンドルド様』
カツユの斬新な推理。だが、うちはサスケが持つ『祝福』は、うずまきナルトにも匹敵する。その為、うちはサスケが恩赦を望まない限り、一方的になる事はない。
「うちはサスケ君の『祝福』がうずまきナルト君に劣っていれば、その可能性はあります。ですが、彼等の『祝福』は同等ですのでその可能性はほぼありません。そろそろ、トビさんが合流する時間ですね」
暁の拠点に時間ピッタリにトビが時空間忍術で移動してくる。事前に電話連絡して時間通りにくるブラック企業暁の裏のトップは、意外と律儀であった。今や、彼の手札は少ない。五影に対して忍界大戦を宣言した手前、既に後には引けず社員を大事にするようになってきている。
「うちはサスケと鷹メンバーの治療を頼むぞ。派手に暴れた割には、五影を誰も倒せないとは口惜しいな。だが、五影相手の戦闘で積んだ経験は大きい。サスケが自然回復するまで待っていては時間の無駄だ。ダンゾウが里に帰るまでに始末をつけたい」
トビにとって、挟間ボンドルドは実に便利な駒だ。
暁の業務を理解しており、あくの強いメンバーからの信頼も厚い、暁に足りない医療忍者、しかも大体の事が出来る高水準なレベルの忍者だった。暁の勧誘を断っても何もされないのは彼くらいである。他の連中は、暁に入るか死ぬかの二択になる。
「無論、喜んで治療致しましょう。状態を確認しないと何とも言えませんが一時間以上かかる事はありません。それで、五影会談はどうなったのですか?うちはサスケ君が大暴れしたようですので、延期か中止のいずれかでしょうか」
「いいや、五影会談は無事に終わった。第四次忍界大戦を宣言してきた。五影達は対暁に忍界初めての連合軍を結成する。素人目にも結束力は、高くは無い。今まで積み上げられた過去の因縁が多すぎる」
トビの言う通りだった。特に、砂隠れの里は他里に対して懐疑的だ。今まで支援要請を無視されただけでなく、風影がピンチの時に岩隠れの里による襲撃を受けている。その際に、姉であったテマリを失った。
全ては、五代目火影の陰謀だ。砂隠れの里側は、岩隠れの里が冤罪を主張しているが、いまだに信じてはいない。事実、岩隠れの里は暁を利用してきた事が五影会談で明言された事から、信憑性が増したというものだ。
だからこそ、砂隠れの忍者達は、あわよくば戦争に紛れて暗殺も辞さない考えでいる。そういった考えの末端忍者は多数居るため、戦争では目の前の敵だけじゃ無く周囲の暫定味方にも気を配る必要がある。
「それが忍者ですから仕方がありません。昨日の敵は今日の友……という言葉がありますが、現実的には難しい。上からの指示であっても、素直に割り切れる者達も多くは無いでしょうね」
「だろうな。世間話もここまでだ。サスケの治療は俺の異空間で行って貰う。忙しいところ悪いが、終わったら少し付き合って貰おう。どうせ、無傷ではダンゾウには勝てないだろうから、医療忍者は側に居た方がいい」
医療忍者として、うちはサスケが志村ダンゾウを倒すのに同行する事になった挟間ボンドルド。忙しいところ悪いという奴は、絶対に悪いとは思っていない。忙しくてもやれるよなという言葉の言い換えに過ぎない。
「トビさんの頼みならば仕方がありません。志村ダンゾウさんの忍術には興味がありましたからね。死んだはずなのに生き返る……まるで、転生忍術みたいな謎が多い術でした」
「ほぉ~、あのダンゾウがそんな忍術を。そういえば、プルシュカは何処に行った?鉄の国の土産を渡そうと思ったが……まぁいい。カツユ、現地の特産品を一通り買ってきたから皆で食べると良い」
『あら~、何時も悪いですねトビさん。プルシュカは、トビさんの
「だろうな、
挟間ボンドルドは、木ノ葉隠れの里で手に入れたSSR万華鏡写輪眼を挟間プルシュカに与えた。これで、片眼は永遠の万華鏡写輪眼となりノーリスクで神威が使える。その試運転も兼ねて、芭蕉扇と神威と上昇負荷と仙人モードを掛け合わせた戦い方を模索していた。
おかげで、トビ相手であっても攻撃を当てられるメタユニットだ。暁においてほぼ最強の地位に彼女は上り詰めていた。
「休める時に休んでおけ、第四次忍界大戦ではプルシュカにも大役を任せたい。では、ボンドルドは、治療に掛かれ」
挟間ボンドルドは、神威空間で鷹メンバーの治療を行った。鬼灯水月と重吾は、自分達が置かれている状況を理解すると、大蛇丸に捕まっていた時代がどれほど幸せだったか思い起こすようになる。
働かずして、衣食住の全てが提供される。研究と称して多少の血液検査や忍術調査こそあるが、破格の待遇。希少性が認められれば、子孫を残すため異性が宛がわれる事もあるため、大蛇丸の研究所にいる忍者達は基本的に喜んでモルモットをしている連中ばかりだ。むしろ、そんな噂を聞いたニート志望の血継限界持ちなどが、自ら売り込みに来る事もしばしばある。
………
……
…
挟間ボンドルドは、鷹メンバーの治療を終えて神威空間で呼ばれるのを待っていた。うちはサスケも肉体は治りきっている為、今では大人しくチャクラ回復に努める。
そんな空間に乱入者が現れた。
新たに神威空間に入ってきたのは油女トルネ。しかも全身が紫になっており、致死性の蟲を使った絶対殺すモード。この異空間という逃げ場があるようで無い場所に、こんな奴を繰り込んでくるとは鬼畜もいいところだ。
ナノサイズの蟲を操り遺伝子レベルで細胞を破壊する忍者を倒す方法…それは、コチラも原子レベルで相手を消滅させればいい。
「もしかして、私に殺させるつもりで送り込んだのでしょうかね。トビさんもお人が悪い」
「っ、ここは……お前は、挟間ボンドルド!何故ここに」
「仙法・火葬砲」
仙人モードに移行している挟間ボンドルドは相手が行動に移す前に必ず殺す技……仙法・火葬砲を放つ。神威空間にどんな影響があるかなど考えていない。油女トルネが自爆覚悟で猛毒を散布するより幾分かマシであるのは確かであった。
それから程なくして、第二陣として山中フー。だが、コンビネーションプレイを基本とする彼の戦闘力は低い。秘伝忍術を使えるとは言え、目の前に仙人モードの挟間ボンドルドがいる。
そんな彼が最後にみたのは、挟間ボンドルドの鉄仮面から繰り出される紫色の閃光――雷遁・
◇◇◇
第四次忍界大戦が宣言されていようが音隠れの里は平常運転中だ。そんな平和の里で、ハシラマックイーンは財布を落として困っていた。
「くっ、これでは昼飯が…」
その様子を近くで見ていたトビラマテイオー。彼女は、姉が何故財布を無くした程度で困っているか理解に苦しむ。
「
「正気も何も、当たり前だろう。そうだ、トビラマテイオー。悪いが昼飯代を貸してくれ」
トビラマテイオーは、財布を持っていれば金を貸すことは吝かでは無かった。だが、抑も彼女は財布を持たない。正確に言えば、持つ必要がなかった。
「金など無くても昼飯にありつける方法がある。まぁ、見ていろ……美貌とはこう使うんだ」
トビラマテイオーが金を持ってそうな無害な大名に目をつける。大名達の目的は、最近音隠れの里で一大ブームを巻き起こしているバ体達のレース観戦だ。各国の大名達も集まるため社交の場として活用されつつもあった。
「ねぇねぇ、大名~。さっき、僕のレース見てくれていたよね。折角だから、もっと僕たちの事知って欲しいな~。ちょうど、お昼時だしご飯でも食べながらさ……今なら、ハシラマックイーンも一緒だよ」
「メスガキがいい気になりおって、何でも好きな物を喰わせてやるぞ」
やったーと、腕に軽く抱きついて相手をその気にする。その様子をみた、ハシラマックイーン……過去は卑劣と言われ、今では卑しい奴になったわと思うばかりであった。
最近、ナルト二次がそこはかとなく増えてきて嬉しい限りです。
正式な六代目火影は、写輪眼のないカカシですかね。
この場合、コピー忍者のカカシが異名になるのかしら。