卑の意志を継ぐ者   作:新グロモント

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81:飛雷神のマーキングは決して消えない

 挟間ボンドルドが、対うずまきナルトに用意した必中即死忍術ビルド。だが、尾獣の尾を犠牲にして回避し続けていた。しかし、うずまきナルトも何年にも及び死ぬより辛い経験を積んだ影分身の経験値をフィードバックされて、心肺停止に陥る。

 

 今までの敵であれば、何故か!完全な死を確認しないで立ち去ったり、復活まで待ってくれるなど『祝福』の力が作用していた。しかし、その力を認識して対抗するまでに至った『祝福』を持つ挟間ボンドルドが相手では無意味だ。

 

『ボンドルド様、次弾も準備しておきますか?最年長は使い切りましたが、まだ弾は残っています』

 

「同じ忍術が二度も通じる生やさしい『祝福』ではないでしょう。それにしても、心肺停止状態にも関わらず九尾チャクラが解除されない。これは、嫌な状況です。仙法・火葬砲!!」

 

 挟間ボンドルドは、うずまきナルトの肉体を完全に焼却する為、仙法を放つ。あらゆる物質を原子レベルで焼き尽くす即死忍術。心肺が停止し、地に伏せたうずまきナルトでは防ぎようが無い……はずだった。

 

 火葬砲がナルトの肉体から伸びた尾の一部を犠牲にして、軌道が逸れる。

 

『ナルトォ!早く目を覚ませ』

 

「これは、実に興味深い。宿主が心肺停止状態だというのに、寄生している尾獣は自由に行動出来るとは。しかし、本体が持つ『祝福』の影響下に無いようですね。そうでなければ、6億枚の火遁・起爆炎陣で無傷で凌ぎ、火葬砲で尾を失う説明がつきません」

 

 物理ダメージ無効化が発動しない。この事には、九尾も驚くしか無かった。本来であれば、挟間ボンドルドの攻撃を無傷で軌道をずらす予定が尾を失う程の大ダメージ。九尾自身も長い年月、うずまきナルトに寄生していたお陰で感覚が麻痺していた。

 

『つまり、今なら殺せるって事ですね!ボンドルド様』

 

「えぇ、より正確に言えば。やっと、同じ土俵に降ろせたという事です。うずまきナルト君は、我々とは異なる物理法則が働いておりました。その為、死と言う概念を含んだ忍術以外では碌な成果もあがらない。それが、今はない。いいですか、残りの尾の数は4本……つまり、四尾相当。やってやれない事はありません」

 

 うずまきナルトの『祝福』が一時的に作用しなくても、十分強いのは事実。それに、挟間ボンドルドには確信があった。早く殺さねば、パワーアップして復活してくると。それを考慮すると、このタイミングでなんとしても九尾を殺しきるのがベストアンサーだ。パワーアップを遂げたとしても九尾が居なければ、挟間ボンドルドにも十分勝機が存在している。

 

『あまり、ワシを舐めるなよ若造が。ナルトが居なくてもお前等に後れはとらん』

 

「それは楽しみです。では、第二ラウンドを始めましょう。今まで貴方達の敵が味わってきた理不尽を教えて差し上げます。ギャリケー、上昇負荷。土遁・土陸返し」

 

 挟間ボンドルドが祈手に指示をだす。祈手(ギャリケー)には、挟間プルシュカの万華鏡写輪眼がある。当然、その能力を使う事を前提にして鍛えられている。上昇負荷のターゲットとなった瞬間、挟間ボンドルドが土遁を使いうずまきナルトを上空へと打ち上げる。その高さ6mを超える。

 

 一瞬にして襲い掛かる体調不良に加え、成れ果てへの肉体変化。死を感じた九尾は、尾に全ての不調と肉体変化を押しつけて切り抜ける。これにより、上昇負荷のターゲットからも外れてしまう。

 

『糞が!よく分からん忍術を使いやがって』

 

「尾を命のストックみたいに使うのですね。原理的には、カートリッジに近いのでしょうか。残り3本……スウマーマ」

 

 四本の手を持つ巨躯の祈手(スウマーマ)。彼は、必殺とも言える特別な能力は有していない。そんな彼に九尾は、食らいついた。現状、一人でも挟間ボンドルド側の戦力を削る必要があり、一人だけ突出して出てくれば狙うしか無い。それに、祈手を壁にすれば火葬砲などを撃ってこないと九尾は予想した。九尾は長年生きてきた為、人を見る目はあった。だからこそ、挟間ボンドルドが他者を犠牲にしたやり方は使わないと本能で理解する。

 

「(地獄まで)ご足労願います」

 

『どうやら変な能力は無いようだな、力比べか?』

 

 うずまきナルトが目覚めるまでの時間を何とか確保したい九尾。だからこそ、突進してくる祈手の誘いに乗った。両者がぶつかり合い手を組んだ。その瞬間、相手の手を利用して印を組み始める祈手(スウマーマ)

 

 本家本元の大蛇丸ですら称賛するレベルの印を結ぶ速度。左右両方の手で術が完成する。

 

「忍法・双蛇相殺の術」

 

 自らの命を犠牲に使い捨てる道連れ忍術。しかも、組んだ左右の手で行う事で二度術を発動する。確実に印を結び、この世のルールに則った自爆忍術。正規手順で行われては、九尾とてリスクを負わねば回避出来ない。つまり、その回避方法が尾を犠牲にする身代わりだ。

 

『貴様ーー!仲間に死を強要するとは見下げた奴だ』

 

「仲間?何を言っているんですか。祈手は全て私です」

 

 挟間ボンドルドは、仲間を見捨てたり犠牲にする男だと思われた事を心外だと感じていた。祈手達は全て、自らの精神を分割している存在。挟間ボンドルドと祈手達との差は、ほぼない。

 

 他者を犠牲にしないという崇高な精神の持ち主だ。

 

『なんだとぉ!? 影分身……いいや、違うな。匂いは完全に別物だ。認めてやる。今、貴様には勝てない。だから、ナルトが目覚めるまで悪いが戦略的撤退だ』

 

「あの雷影にも匹敵する速度で動ける貴方には私では追いつけません。ですが、逃げても最後の尾は消費させて貰いますよ。貴方が死ねば、うずまきナルト君だけなら問題にはなりませんから」

 

 うずまきナルトの肉体を操り、後方へ逃げ出す九尾。防御に重きを置いた挟間ボンドルドや祈手達では到底追いつけるレベルでは無い。それに、3分が経過して仙人モードも解除されてしまった。一定時間のインターバルを挟まねば、再度仙人モードにはなれない。

 

『ボンドルド様、私が狙い撃ちましょうか。運が良ければ当たる可能性も』

 

「それには及びません、カツユ。貴方は、チャクラ供給の要ですので、現状維持でお願いします。それに、この二代目様に教わった忍術を使うには良い機会です」

 

 挟間ボンドルドが起爆札を取り出した。その裏側には、飛雷術のマーキングが施されている。

 

『アレを使うんですね。それにしても、本当に卑劣な彼女は碌な忍術を開発しませんよね』

 

「同意します。うずまきナルト君、君の為に用意した最後の忍術です。二代目様の忍術、四代目の得意な忍術……そして、四代目の弟子が残したマーキング。私自身、この術への適正は低いですが、起爆札程度を飛ばす事は出来ます。そして、飛雷神のマーキングは決して消えない」

 

『でますか!?彼女が考案したあの忍術』

 

「卑遁・腸内飛雷互乗起爆札」

 

 木ノ葉隠れの里には、悪しき風習がある。下忍の卒業試験でハニートラップ対策が施される際、木ノ葉の"黄ばんだ閃光"による腸内マーキングが施される。このマーキングの詳細情報を挟間ボンドルドは、"黄ばんだ閃光"から教えて貰っている。その位には、持ちつ持たれつの仲だった。

 

 『祝福』による絶対防御を失った状態で、体内から無限にも思える起爆札が突然わき出す恐ろしい忍術。初手の6億枚に比べれば爆発規模は比べるまでもない。しかし、人間一人を跡形も無く消し飛ばすには十分だ。

 

『ボンドルド様、あっちの方で爆発音がします』

 

「向かいましょう」

 

 爆発音が響く場所へと向かう挟間ボンドルドと祈手達。その行く手を拒む者は誰も居ない。忍連合の忍者は、既に挟間プルシュカと湿骨林の愉快な仲間達によってほぼ駆逐されていた。

 

 

◇◇◇

 

 うずまきナルト。

 

 影分身からのフィードバックを受けて、意識を失っていた。その際、夢の中で尾獣達と話し合い、各々の思いを知る。そして、必ず助けて平和な未来を作ると約束する。しかし、その場には九尾だけが居ない事に僅かな疑問も持っていた。

 

 目覚めたときに話せばいいやという楽観的な思考を持つうずまきナルト。

 

 そして、夢は覚めた。

 

 目覚めると同時に自らが地面に横たわっている事を理解する。寝起きのように意識がハッキリとしなかったが、九尾の存在が感じられない事に気が付く。

 

 現状を正しく把握するため、立ち上がり周囲を見渡したうずまきナルト。だが、何もなかった。起爆札の切れ端などがある事から何かしらの爆発があったのだろうと察する事ができる。その影響で、衣服が全て吹き飛んだのだと彼は考えた。

 

「なにがあったんだってばよ」

 

 ポンとうずまきナルトの肩に手を置く存在がそこに居た。うずまきナルトの感知を完全にすり抜けて、背後からだ。今までに、経験したことがない状況にうずまきナルトも混乱する。

 

 彼が持つ絶対的な『祝福』は、敵の接近を許さない。何かしらの方法で本体がそれを察知できるシステムがあった。しかし、それが発動しなかった。その原因は、うずまきナルトが九尾を喪失した事により、『祝福』の総量が挟間ボンドルドの方が圧倒的に多くなった為だ。

 

「うずまきナルト君は、九尾に愛されておりました。九尾が最後の尾を犠牲にして、貴方の蘇生を成し遂げたのですから。仕事的には、九尾を外道魔像に渡したかったのですが……尾を数本喰わせているので、うちはマダラさんも許してくれるでしょう」

 

 今まであったものを失ったうずまきナルト。この時初めて、恐怖という感情を理解する。彼の自信の根底にあった九尾という存在。その莫大なチャクラを利用できるからこそ、うずまきナルトは最強たり得る存在だった。

 

 持ち前のチャクラは既に枯渇寸前。全裸で忍具の一つも無い。更には全国放送されているこの状況。忍連合側の切り札であった九尾が完全に失われた瞬間であり、影達も挟間プルシュカによって殺されており、忍連合作戦本部も全滅している。

 

 八尾もうちはオビトによって、捕縛されている。ここからの逆転の目など全く無かった。

 

「例え、九喇嘛が居なくたって俺は折れねーぞ。最後まで、戦い抜いてやる。父ちゃんとも約束したんだ。絶対に父ちゃんを超える立派な忍びになるって。だから、あきらめね~」

 

「それでしたら、ご安心ください。既に、そのプランで動いております。親子が切磋琢磨する舞台はとても素敵な物になるでしょう」

 

 うずまきナルトは、第四次忍界大戦を一人でも戦い抜く決意を抱く。

 

 だが、その場に駆けつける完成形仙人モードで須佐能乎を構える挟間プルシュカ。

 

 八尾を血祭りにあげて、マイト・ガイとはたけカカシを始末したうちはオビトも駆けつける。

 

 更には、挟間ボンドルドと祈手達もほぼ全員が無傷で残っているこの状況。

 

 ここから、うずまきナルトは全員を倒して第四次忍界大戦に勝利する必要があった。

 

「ちょっと、待ってくれってばよ」

 

「うずまきナルト君。三対一です、頑張って下さい」

 

 今までの理不尽さをその身で味わう事になるうずまきナルト。そんな理不尽な状況を遠くで見ている彼の両親は、既に女物の服を大量に用意していた。

 




第四次忍界大戦は次話でお終いの予感!
のこりは消化試合にしかならないかもしれないけど、許して下さい。

ちゃんと、ナルトは金髪が似合う彼女にしますので。
そして、某種馬が急接近するかもね。
第七班は仲よくしなくちゃとかで!
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