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中忍試験の第一試験が行われている最中、木ノ葉隠れの里の
担当上忍といえども、中忍試験の内容については知らされていない。公平性を保つため当然だ。特に、開催里である木ノ葉隠れの里の担当上忍が事前にテスト内容を知っていたとなれば、後から各方面から突き上げられるだろう。
「正直、俺としちゃ……試験合格後の卒業試験の方が不安なだけどな。耐えられるかな~あいつ等。今回は、一次試験と同じくイビキが担当だからな」
「カカシの心配は当然だな。特にお前の班は、若すぎる。トラウマにならなければ良いんだがな。だが、卒業試験のサポートでボンドルドも付くって聞いたぞ」
「どんな人なの?イビキとボンドルドって」
はたけカカシ、猿飛アスマ、夕日紅が送り出した生徒の試験合格を祈っていた。だが、それと同時に合格して欲しくないとも少なからず思っている。忍者である以上必要な訓練とは言え、大の大人ですら泣き叫ぶ卒業試験がある。
担当上忍達だけで会話している最中、余った一次試験の用紙を破棄に向かう挟間ボンドルドが偶然通り掛かった。そして、名前が聞こえたので、それをネタに親交を深める事にした。
"祝福"の強度を上げる実験でもある。原作キャラ達と接する事で"祝福"の強度が上がると彼は考えていた。
「これはこれは、担当上忍の皆様お揃いで。私の名前が聞こえましたが、ご用でしょうか?」
「悪いね、挟間ボンドルド特別上忍。別に悪口を言っていたわけじゃないんだ。ただ、下忍卒業試験について、ちょっと心配でね。うちの班、若い子が多いから」
「この人が……ボンドルド特別上忍なの? 夕日紅よ、よろしくね」
「よろしくお願いします、夕日紅上忍。下忍卒業試験について、担当上忍の方が危惧されるのも当然です。ですが、医療忍者の私がサポートしますから安心してください。治す前より完璧に仕上げます」
女性である為、男二人より感性がまともであった夕日紅は全く安心できなかった。彼女も通った道だから分かるが、辛いという次元ではない。いっそ殺してくれと懇願する程の拷問であった。
だが、その経験は幻術にも活きており、彼女の忍術を更に高めた事実は存在する。同じ経験を追憶させる事で忍者を無力化する。同じ里の者には効果は薄いが、他里の忍者にはそれなりの効果があった。
「アスマ、意見を聞きたいんだけど……卒業試験で担当を選べるなら、イビキと彼のどっちがマシだと思う?」
「そりゃ~、紅。医療忍者のボンドルドだろう。上忍になりたてのお前はあまり縁がないだろうが彼の腕は本物だよ。俺や同期も何回も世話になった事がある。手足がもげようが、元通りだ」
本職よりはマシだろうという程度の猿飛アスマの回答であった。実際、どちらがマシかは両方の拷問を受けてみなければ誰も分からない。
「ボンドルド特別上忍……第八班全員とは言わないわ、せめて日向ヒナタだけでも貴方が担当してくれないかしら」
「いいね、じゃあサクラもお願いしようかな」
「ずりーーな。だったら、いのも頼むわ」
担当上忍達が、全員便乗する形になった。
挟間ボンドルドは、影分身が使えるので一度に複数人の拷問も可能だ。だが、同僚だとは言え、タダで請け負うのは宜しくない。ソレが立場上では、上の者からの依頼であってもだ。忍者が故に、安請負はだめだ。
「森乃イビキ特別上忍とは知らない仲ではありませんので、交渉できるでしょう。ですが、お互いの関係のためにタダとはいきません。都合の良い事に、白紙の札が300枚もあります。誰かが、起爆札に仕上げてくれたら、やる気も起きるんですけどね~」
「いいわ、分かったわよ。どうせ、試験中は暇だから作ってあげるわよ。但し、合格した際は絶対だからね。これアスマの分、こっちがカカシの分よ」
さりげなく、両名に120枚ずつ配る夕日紅。分配率が可笑しい事に苦笑いをする皆であった。
「やっぱ、こうなるのね。まぁ、波の国の時と違って財布が傷まないからいいか」
「助かりました。私はチャクラ量が少ないので、これだけの枚数は大変でした。あぁ、それと時間が余った暇つぶしに今回の試験用紙をどうぞ。要らなかったら破棄してくださいね」
挟間ボンドルドが去るのを確認した担当上忍達。
受かると想定し、担当上忍達は黙々と起爆札を作成する。その合間、休憩中に試験用紙を見た担当上忍達は目が点になる。それもそのはず、アカデミー卒業以来、忍者は自己学習以外で学問を学ぶ機会がない。
暇があれば体を休めたり、忍術や体術を鍛えてばかりいる。つまり、忍者の基本的な学歴は忍者アカデミー卒業となる。書類上であるが、下忍と学歴という面では上忍とて大差ないのが当たり前であった。
忍者が忍者を抜け出せない原因の一つがそこに存在していた。
◇◇◇
中忍試験といえども、戦闘が伴わなければ救護班の出番は存在しない。
その合間に挟間ボンドルドは医務室で内職に勤しんでいる。その一つが、起爆札の作成であった。大口顧客が存在しており、木ノ葉隠れの里の暇な忍者は大方その大口客への納品を行っている。
今、起爆札の内職が手を離れたので、次の内職を手がけていた。それが、コートの作成だ。
「まったく、外生地は黒、中は赤。後、雲の刺繍……可笑しいですね。どこかで見覚えのある服です。里の未来が心配です」
某組織のコートは、製造元が木ノ葉隠れの里という驚愕な事実を発見し、挟間ボンドルドは里の危機管理能力が大変宜しくないと感じ取っていた。他里では手に入りにくい強靱な生地を使っているので、安く大量に作ろうと思えば依頼先が必然的に何処になるかは明白であった。
暗殺などと違い、Dランク任務なので身元調査などは存在しない。
手作業で丁寧にコートを仕上げていると、コンコンと医務室の扉を叩く音がする。
「開いていますので、どうぞ」
「失礼するわ、先生。手持ちの薬を切らしてしまってね。分けて欲しいのよ」
草隠れの額当てをした蛇っぽい受験生が、薬を求めてやってきた。見るからに不健康そうな受験生を平常心で挟間ボンドルドは暖かく迎える。
医師は患者を助ける者だ。一切の邪念をそこに持たせない……と、強靱な精神力で対応する。
「それはいけませんね。処方箋はありますか? 市販薬ならば、大体揃っています」
「言っても分からないでしょうから、勝手に貰っていくわ。………その服、あなたの?」
蛇っぽい受験生が、縫いかけの暁コートを指さした。先ほどまでと打って変わって空気が一気に重くなる。
「これですか、内職です。今月までに10着作って納めないといけません。中忍試験の救護班は、報酬が安くて困ります。あぁ、内緒にしておいてくださいね。勤務中に内職は、規則違反なので」
「(里の愚かさに)呆れて物も言えないわ。それにしても、縫い目が雑よ。ここをしっかりと縫わないと全体的に歪になるわ。いいかしら、着る人間からしたら裏も表なのよ。裏側だからって手を抜くと、それは服として成立しないわ。ちょっと、そこを退きなさい。薬をもらったお礼に裁縫が何たるかを教えてあげるわ」
蛇っぽい受験生は、マネキンを口寄せし、なぜか裁縫講座がはじまった。
デザイン、パターン、裁縫と全ての行程を懇切丁寧に説明してくれた。挟間ボンドルドは、一言一句を覚える意気込みでこの時間で可能な限り学び取る。一方、教える側の蛇っぽい受験生も、想像以上に優秀な挟間ボンドルドの指導に熱が入る。
………
……
…
気がつけば、かなりの時間が経過していた。
「あら、いけないわね。ついつい、熱が入ってしまったわ」
「いやはや、草隠れの方は知識が豊富で素晴らしい。大変勉強になりました。娘の服を作る時は、是非今学んだ事を実践します。里は違えど、貴方とは今後も良い関係でいたいものです。それと、これから試験だというのに貴重な時間をありがとうございます」
「そうね……だったら、まずは死なない事ね」
蛇っぽい受験生が薬を持って、医務室を出て行く。
挟間ボンドルドの蛇っぽい受験生への感想は、気が合いそうな面倒見が良い人であった。
次は、みんな大好きな二次試験……の舞台裏ですけどね!!
やっぱり、原作組と一緒に試験参加系の作品もおおいですが、
本作品はそういった事は無い予定です!!