とりあえず霊夢は後から追いかけてきた魔理沙と共に落下物・・・もとい落下者の男をえっちらおっちら博麗神社に運び込み、床に寝かせる。
「さて・・・紫ー?紫ー?ロリBB・・・ブグォン!?」
霊夢はドロップキックを食らった。真横から飛んでくる足に吹き飛ばされた。
「ロリBBA言うな!霊夢!」
裂けた空間から出てきた少女はプンスコ怒っている。背丈はひょろりと高く、魔理沙と同じ金眼金髪ロング。しかしその長い髪は赤のリボンで毛先をくくって何本かの束にしていてこれまた赤いリボンのついた白のナイトキャップを被っている。道士服風前掛けとフリル付きのドレスを着ている。彼女の名は八雲紫。結界を操る妖怪である。
「で?何かしら?霊夢?あら?伸びてるじゃないの。」
「あんたがやったんだろ・・・八雲紫・・・」
呆れたように言う魔理沙。
「そこにいるやつがダイナミック迷い込みしてきたのぜ。」
「あぁ、迷い人ね。どれどれ・・・?」
と、紫は男の顔を覗き込む。
「・・・ふぅん?」
「どうしたのぜ?」
「なんでもないわ。ほら、起きなさい人の子よ♪」
と、男を突いた。
「・・・っ?」
と、男の目が開き、起き上がった。
(・・・?なんだあの目・・・)
彼は深い穴のような光を反射しない目をしていた。
「ねぇ君、おはよう。」
「・・・」
「私は八雲紫。そこの金髪魔女っ子が霧雨魔理沙。そこで伸びてる巫女さんが博麗霊夢。よろしくね。あなたの名前は?」
「・・・」
彼は少し考え、
「・・・わからない。」
と答えた。
「ふーん?何か覚えてることはある?」
「・・・」
静かに首を振った。
「記憶喪失かしらね・・・魔理沙ちゃん?持ち物なかった?」
「あったけど・・・」
と、魔理沙は霊夢の脳天を強襲した件の杖と彼が持っていた大きめのショルダーバッグを渡す。
「ありがと。杖は仕込み杖・・・良く斬れそうな刀ね。これは置いておきましょう。こっち開けていい?」
「・・・構いませんよ。」
ショルダーバッグが開けられた。中からは色々なものが出てきた。身元を示すものは一つもなかったが、よくわからないものが出てきた。まず前面に大きなヒビが走っている白い箱のついたバックルのような何か。その箱の横の部分を引くとガチョンと90度回転した。もう一つはこれまた白い長方形の箱。これを開くと何も描かれていない黒いカードがたくさんあった。どうやらカードホルダーのようだ。紫曰く昔『外の世界』でやっていたという『仮面ライダーディケイド』という特撮番組のヒーローの変身道具に似ているという。後は壊れたパソコンとスマホ。それくらいだった。
「んー、名前もわからず・・・か。ん?」
と、紫は仕込み杖の先にさっき気がつかなかった掠れて読みにくい文字があった。
「
「・・・?はい。」
「じゃあ
「いきなりだな。八雲紫。」
「・・・わかりました。」
「そうね・・・姓は・・・」
「
彼が呟いた。
「へ?」
「ニ匹の兎を咬むでニ兎咬・・・だったような気がします。下の名前は思い出せませんが・・・」
「・・・わかったわ。じゃあ、ニ兎咬義縁君。幻想郷はあなたを受け入れるわ。」
「ありがとうございます。八雲紫さん。」
彼・・・義縁は頭を下げた。
はい、『偽奏録』です。この作品は私が公開した初めての小説です。公開した理由としてはTwitter上の友達が書いているのを見て、「書いてみよう!」ってなったからです。ほぼ見切り発車で始めとクライマックスだけ考えてあってその間の展開に苦しんでいます。頑張ります。それでは、『偽奏録』をよろしくお願いします。