ズルリズルリと、そいつは魔理沙たちに近づく。
「な・・・なんでもいいのぜ!今度こそぶっとばしてやる!」
魔理沙は立ててあった箒にまたがる。
「二兎咬君は逃げて!ここは私がやるのぜ!」
「危ないですよ!霧雨魔理沙さん・・・」
「だから大丈夫だって。行きな!」
と、魔理沙は飛んだ。
怪物は不思議そうに見上げる。
「消えな!星符『ドラゴンメテオ』!」
と叫び、ミニ八卦炉を下に向ける。そこからまたあの極彩色の光の柱が伸びた。クレーターがさらに深くなる。
「これで・・・!」
「ヴガァァァァァァ!」
奴はまだ立ち上がった。所々焼け焦げていたがピンピンしている。
「うぇ!?なんで!?」
「オマエ、アツイ。イタイ。キライ!コロス!」
怪物は両手を大きく開く。すると、胴を一文字に走る巨大な口がミシミシ・・・パキパキ・・・と何かが軋む音を立てながら開いていく。
「は・・・?」
「ヴァァガァ!!」
口が一瞬光った。
次の瞬間、白い光線が天を穿った。
「うおおおおおおおおお!!!!!???」
魔理沙は全速力で横へ避けた。
しかし、それでも間に合わずスカートと箒の先が少し焦げた。
「なんなんだよ!お前!」
「ハズシタ・・・デモ・・・ツギハハズサナイ!」
と、怪物はもう一度打とうと構えた。
「やっべ・・・」
「クラ・・・グッ!?」
奴が不意にふらついた。背中から血のようなものが噴き出した。
「・・・」
「テメェ・・・ナニシヤガッタ?」
義縁であった。魔理沙に言われて大人しく隠れていたが、思わず飛び出して、怪物を『戯厭』で斬りつけてしまった。
「バカ!何でてきてるのぜ!二兎咬君は逃げるのぜ!」
「・・・いえ。女の子に守ってもらうのも男として申し訳ないですからね。」
「そんなことないのぜ!だから下がって!」
「オマエ・・・クウ!」
と、化け物は標的を義縁に変え突撃する。
「おぉおぉぉぉぉ!?」
転がって避ける義縁。
空ぶった怪物は身体中の顎関節など使ってグニャリとバク転のように回転し、義縁に蹴りを入れる。と同時に彼は『戯厭』を振り、化け物の腹を横に切りつける。彼が掴んだ『戯厭』の白銀の刃はダマスカス鋼のような紋様が浮き出ていた。双方転がる。
「グフッ・・・」
「イッテェ!」
「二兎咬君!もういい!逃げろ!」
「そうもいか・・・ん?」
バックルが落ちていた。大きな傷のついた白いそれはまるでそこにあるのが当然だというようにそこにいた。
(バッグは隠れていたところに置いてきたはずだ。なんでここに?)
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!」
「ああもう!」
義縁はバックルを拾い、立ち上がる。
「僕が何者か知らないけど!これが何か知らないけど!こいつに恩人を助ける力があるなら・・・使ってやる!」
と、腰にバックルを嵌めた。
バックルからベルトが伸び、ガッチリとロックされ、横側にバッグに一緒に入っていたカードホルダーが吊りさがった。
「・・・」
ホルダーが勝手に開き、そこからカードが一枚飛んだ。
「おっと・・・」
義縁がカードを掴むと、黒一色だったカードが白く輝いて、変わる。
「・・・?これは・・・」
魔理沙だった。カードに描かれていたのは黒い魔女帽子を被ったあの金髪少女だった。
「・・・?まぁいいよ。」
義縁はバックルの傍を引き、バックルを90度回転させる。
「これは・・・こうか?どうやってやるうぇ?」
「ヴァァガォォォ!!」
義縁が四苦八苦しているうちに怪物は攻撃してくる。腕や脚、そこについた牙と爪を用いて乱撃。それをギリギリで避けながらなんとかスロットにカードを入れる
TOUHO RIDE!
「む?」
バックルから音声が流れた。
「シネェェェェ!!!」
「うおおおおお!?」
化け物が飛びかかると同時に彼はバックルの傍を押して90度回転させる。
マリサ!
バックルから八角形のエンブレムが飛び出し、怪物を吹き飛ばした。たくさんの黒い棒と陰陽のマーク。魔理沙のミニ八卦炉に描かれているのと同じものだ。
「おいおいおい!なんですかなんですか!」
その光るマークがジリジリと近づいてくる。
「怖い怖い怖い!!」
義縁は少し後ずさったが、エンブレムは彼を飲み込んだ。
光で目が眩み、目を閉じた。
そして開けてみるもさして視界は変わらなかった。
目と鼻の先にあの化け物がいる。それだけだ。
(む?使い方が違うのか?)
「な・・・なぁ、その格好・・・」
後ろに魔理沙がいた。少し引いているような顔だ。
「格好・・・ですか。」
義縁は格好を見る。腰にはあのバックル。黒の服にエプロン。そしてスカート。
(・・・エプロン?スカート?)
肩のあたりに何か触っているので触っているのでサラサラとした金色の髪だった。
(・・・金髪。)
彼はさっきまで気づいていなかったがいつのまにか頭に魔女帽子が乗っかっていた。
(そういえば声が高いような・・・)
「・・・これは・・・どういう状況でございましょう?霧雨魔理沙さん。」
「あの・・・二兎咬君が・・・私になっちゃってる?のぜ?」
「・・・ですよね。なんでだよ・・・」
義縁は少し頭を抱えたくなった。
はい『偽奏録』です。東方のキャラはみんな好きですが、特に好きなのは魔理沙です。可愛いですよね。もふもふしてそう。友達になったら毎日楽しそうです。それではこれからも『偽奏録』をよろしくお願いします。