義縁が幻想郷に居つくことになって3日ほどが過ぎた。
「・・・」
彼は日課にしようとしているそう広くない庭で『戯厭』を使っての素振りをを終え、着替える。
人里の端の一戸建ての家。この家を渡された時、義縁は戸惑った。紫に聞いてみると
「いいじゃないの〜。色々あって私が持ったはいいけど倉庫にしちゃってた場所を開けただけだから。水道ガス色々繋がってるから使えるわよー!」
と言った。
(しかし・・・いつまでも八雲紫さんに頼ってばかりもいられない・・・今収入も八雲紫さんからの支給に頼ってるし・・・)
「なら・・・仕事だな。さて・・・どうしたものですかね。」
「何がだぜー?」
「おおう!?」
突然ピシャリと戸が開いて魔理沙が入ってきた。
「お邪魔するぜー!」
「なんで度々来るんですかねぇ・・・」
「今日は私も一緒よ。二兎咬くん?」
霊夢も入ってくる。
「博麗霊夢さんまで・・・。何やってるんですか?神社どうしたんです?」
「いーのよ。どうせ参拝客なら来ないし。」
「そうですか・・・。」
心の中でいたって無機質に週一くらいで参拝にでも出かけようと決めた義縁だった。
「そんでもって暇だし魔理沙と来たってわけ。」
「何故そこで僕の貸してもらってる家に来るんですか・・・」
「友達の家に遊びに行くのは普通だぜ?」
「・・・」
「ところで二兎咬君は何してるのぜ?」
「僕はこれからの生活どうしようかと考えていました。収入のために仕事を探そうかと。」
「仕事ねぇ・・・私は賽銭と異変解決とかで食い扶持繋いでるけど・・・」
「私は魔法の森のキノコとったりして生活してるぜ。」
「そうですか・・・どうしましょうかねぇ。」
「それよりも遊びに行こうぜ!まだ色々面白いところはあるからな!」
「それもそうね。行きましょう!」
「・・・分かりました。ちょっと待ってください。」
と、義縁は立ち上がると、件のバックルとカードホルダーの入ったいつものショルダーバッグを肩にかけ、立てかけてあった『戯厭』を手に取る。
「・・・それ持っていくの?」
「私物が近くにあるとなんだか安心するもので。」
「・・・やっぱり何も思い出せないの?」
「・・・」
義縁はここ3日で人里をウロウロしたりしながら自分の過去をゆっくり思い出そうとした。しかし、ここに来る前、自分が何者で何をしていたか全く思い出せないのだ。記憶という紙がハサミですっぱりと切られたかのように。彼は鍵は魔理沙とダブって見えた金髪の女かもしれないと考えているが、手がかりもゼロでお手上げ状態なのだ。
「まぁいいさ。それは後々然るべき時に思い出すのぜ。そんな思い詰めるなよ。」
「・・・そうですね。」
そう言って彼は靴を履いた。
*
「ふんふふんふーん!」
「楽しそうね?」
「楽しそうで何より。」
人里を歩くめちゃくちゃ楽しそうな魔理沙といつも通りの霊夢と少し離れて付いていく義縁。
「だって楽しいじゃん!友達と遊びに行くのは!」
「・・・そうですか・・・」
「あ!妖夢じゃん!」
魔理沙はお友達を見つけたらしい。
同年代くらいの女の子だった。白のシャツに緑のベストの胸元に黒い蝶ネクタイ、ベストと同じ色の短めのスカートに黒い靴。白いボブカットの髪に霊夢とは違うタイプのリボンをつけている。背中に長刀短刀をくくり付けてある。白いふよふよしたものが周りに浮かんでいる彼女の灰色の目は売り物の野菜に向けられている。
「よーっす。妖夢?元気?」
「む?魔理沙じゃないですか!お久しぶりですみょん!」
「・・・みょん?」
「むむ?誰ですみょん?」
「3日前に入って来た二兎咬君だぜ!」
「私は魂魄妖夢だみょんみょん!よろしくだみょん!」
「・・・二兎咬義縁です。」
妖夢はニコニコと笑っている。
義縁は無表情だった。
「幽々子のご飯の買い出しか?」
「うん。幽々子様がいつも通り食べちゃうから買い出しが重いみょん。」
よく見るまでもなく彼女の両腕にはパンパンに詰まった袋をいくつも掛けてある。
「私たちが持とうか?妖夢?」
「ほんとかみょん!?ありがとう!」
霊夢と魔理沙と妖夢で一つづつ、義縁は二つ持つことになった。
「・・・重い。」
「これ・・・何キロあるのよ・・・」
「んー、5キロかみょん?」
「ご・・・!?」
「・・・どれだけ食べるんですか?そのユユコさんって人は・・・」
「そりゃあもういっぱい・・・あ、義縁さん。」
「・・・何ですか?魂魄妖夢さん?」
「妖夢でいいみょん。この杖、刀ですよね?」
「・・・」
『戯厭』は今、妖夢の手にある。義縁が妖夢のように背負おうにも縛る紐がないし、手に持つこともできないから困っていると、妖夢が持つというので、心苦しいし、心配だが預かってもらったのだ。
「この刀・・・どこで?」
「・・・わからないんです。僕、記憶喪失みたいで・・・ここに来た時に持ってた数少ない持ち物で・・・」
「そうかみょん・・・ごめんなさい。」
と、謝る妖夢。
「いいんですよ。それで?その刀がどうかしました?」
「あの・・・刀使えるんですよね・・・?」
「・・・?まぁ・・・少しは。」
「それならお願いだみょん!手合わせをお願いしたいみょん!」
「は?」
マイパソコンが届いたけどあまり機械に強くなくて四苦八苦している戯言遣いの偽物です。私が小説を書きはじめた理由の一つに西尾維新先生に憧れたというのもあります。図書館で借りて読んでたのですが、最近のコロナ騒動で借りれないので悲しいです。自分でも買いたいんですけどお金がなくて全然買えてません。新刊出たのに買いに行けない・・・。それはともかく私は西尾維新先生のようなすごい文章を書けるような人間ではないのですが、目指して頑張ります。それではこれからも『偽奏録』をよろしくお願いします。感想もお願いします