ガンダムビルドダイバーズ:狙撃屋商売外伝   作:ACGUYMAN

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すげぇ漸くポッと出で思いついたネタ書き殴ります


-壱-

 ───────────時刻は朝の5:50。

夕焼けの様に浅く薄暗くも紅い空の光が自身の部屋の窓から机に差し込む頃、机を覆う体勢で浅く眠っていた景悟は微睡みから目覚める。回転椅子で体を屈伸させ、その机にはスクラッチ作成のパーツの数々が在る。

 

 特に自身の愛機であるスニークジェガンの主兵装である特製ビームスナイパーライフルは砲身の劣化を極力減らす素材を使ってはいたが、流石にあまり連続で射撃すると流石に砲身限界が次第に少しずつ早くなってくるので、長期の間は保つものの一定期間のリペアは必然としては存在していた。

 

 それでもコッキングギミックに伴う弾筒パーツは安上がりだったが、一応戦闘する毎に一定のメンテナンスもまた必然であった。

 

 模型部にも入らずサバゲーのサークルにも入っている訳でも無く、帰宅部の高校生という身柄上ガンダムベース戸某のGBNの筺体ルームへガンプラバトルをする事はもはやまんま趣味以上の類…の筈だった。

 彼の場合地味そうな手際で戦闘のペースを相手から奪う事には特化していた。

 が、その戦闘スタイルとスキルは僅かプレイヤー歴が2~3年と経たずに戦術レベルの域を超えた腕前に成長し、より戦争じみた戦略規模の戦闘性を開花させていった。というのも、その要因は先ず"家庭環境"からも影響していた。

 

 「飯出来たぞ、景悟~。とっとと起きろ~」

 

 マッシュヘアーの頭を掻いて部屋着のまま部屋から食卓に出てくる景悟を出迎えたのは、パーマじみた長い地毛に長く角張った眼鏡をかけた景悟の父親だった。景悟の父親は目玉焼きをフライパンから器用に、野菜の乗った二つの皿に移し、更にトーストを乗せる。

 

 「おはよ…ってか母さん仕事?」

 「あー、まぁ急ぎだったから飯先に食って出勤したぞー。"女刑事"ってのに休みは無いのかね~」

 「ふーん…。父さんは出版社から何か連絡来てた?」

 「来ちゃいないが書斎にジャマするなよ~?一応こないだ長い原稿書く話来てたからなー」

 「はーい」

 

 要因その1。女刑事、というのはやや景悟の父親なりの古い表現だったが、景悟の母親の仕事は突拍子も無い話、警視庁強襲班に属しており、所謂SATの腕利きスナイパーにして、SF戦争物のサブカル作品の"同性愛"、とまぁ要するにBL組み合わせの恋愛小説を溺愛する詰まる所の腐女子である。

 

 続いて、

 要因その2。景悟の父親に関して出版社から連絡というのも、景悟の父親はSFサブカル系小説で売り出し中の名作家にして、その手のSFサブカル系作品に関しては現代から近未来及びサイバーパンクの類まであまりにも詳しすぎる上での、評論家という名を被るヲタクと呼ばれる人種であった。

 

 要するにそんな2人の意気投合の結果から、

片方からは機動戦士ガンダムシリーズのSF作品の知識を学び、

また片方からは"ピクニック"と称してお世辞にもサバゲーとくくるにはハードすぎる訓練を受けるという、

かなり特殊な英才教育をみっちり仕込まれ、その訓練を受けた経験と才能ぶりはGBNにデビューする頃瞬く間に開花し、いつの間にか数ある大型ルーキーの1人となっていた。

 

 「宿題済ませたらガンダムベース行ってきても良い?」

 

 「GBNか?筺体なら貸したって良いんだぞ?」

 

 「重いから父さんに私物は借りたくない」

 

 と告げ、景悟は塩だけ目玉焼きに大量にかけてから、急いで食べようとする。

 ちなみに景悟はこの時学校が夏期休暇中であり、この時季宿題を早いところ終わらせてから"一応彼なりに"有意義に余暇使いたいらしい。

 

────────「丸半日オンラインのゲーセンでブラブラするのもどうかと思うぞ?

 重くても私物でも良いから遊ぶなら家庭用ゲーム機で非課金で遊びなさぁーい」

 

と忠告する景悟の父親。口うるさいかもしれない、過保護とも呼ばれがちかもしれない。

 だが共通すぎてしまうと呼ばれど、恩恵的に与えられた楽しみと趣味である。家族間の繋がり上大切にもしたい。という意図の答えから

 

「言ったね、父さん」という言葉を返して同意した。

 

───────時間が経過して午前中と少しの時間帯のうちに、景悟は宿題の一日分を終えらせる。景悟的にもゲーヲタ面にも特化した欲求から、やらなきゃならない事と趣味のオンオフ加減はガッツリメリハリが出来てしまっていた。

これも両親から与えられた趣味と英才教育の恩恵とその賜である。

 

 時刻として14:45頃、父親が趣味で買った一台の装置のある家庭用のダイバースペース機器のある部屋へ行き、デバイスであるダイバーギアをセットしようとした…、

と、その時だった。

 

 スマホに着信の振動が鳴り、景悟はメールを見る。

 見たことの無いアドレスとみて何らかの怪しい広告かと思った…。特に最近は自分との対戦プレイやミッションのプレイぶりから観て大分クソゲーじみた戦略を繰り出すもんだから、誹謗中傷及びクレームも来ても可笑しくない。無論それに意図かしてか意図しなくても引っかかり、返り討ちにすることもあった。

だが文面に、『GBN運営より』更に『AVALON』という文字を見て景悟は表情を変える事となり、即座にダイバーベースをセットしバイザーを被れば、GBNのターミナルのオンラインへ急ぐ事となる。

 

────────────青いホログラムの映像を通り抜けて、景悟、基、K5<ケーゴ>はGBNにログインしターミナルに着く。旧ナチス党のSSの様な軍服と目深に被ったヘルメットに紅いレンズのゴーグル。

その姿はほぼアーミーで且つ質素なデザインのアバターである。そんなアバターのケーゴはターミナルを暫し歩いて、飛び交う機体が観覧できる待合スペースまで行くと、GBNでは伝説的に上位フォースランカーことAVALON<アヴァロン>の整ったオリジナル制服を着た二人の男女が待ち構えていた。大体が知らない者は居ない副隊長のカルナとエミリアである。

 

 「お前がアカウント名"K5<ケーゴ>"というプレイヤーらしいな?フォースAVALON<アヴァロン>の副隊長エミリアだ。」

 「宜しくお願いします…。でも何で…」

 

 と、エミリアの軽い自己紹介とケーゴの返事が交わされかけた時、

 「へぇ~。

クソゲーみたいに強いソロプレイヤーって聞いたからどんな奴かって思ったら、案外派手なアバターじゃないんだなァ。

俺はもっと"獄炎のオーガ"みたいな奴かと思ったぜ。」

 

とカルナが呟くが、ゴーグル越しだったとしてもまるで鉄面のようにケーゴは何も表情が無かった。

条件反射的にムッとしたのでは無いかと察したエミリアがカルナの後頭部を一発平手打ちするが、

「良いんですよ。どうせこんな扱いなれてますから。」とケーゴは告げ、

「いや、フォースメンバーとして非礼は詫びる。」というやりとりが交わされ、

「エミリアさんそんな言い方は無いでしょ~?こんなどこの馬の骨か知れないプレイヤーに…」「肩を持つだけの価値はある。生憎お前以上にな。そうだろう?」とエミリアは視線をケーゴに向ける。

 「"事情"は詳しく訊かせていただきます。無論協力も辞さないつもりです」とケーゴは受け答えれば、

 

その後に二人に連れられる様にアヴァロンのフォースネストに向かった。

 

────────西洋あるいは欧米風の城が聳え立つフォースネスト、というかフォースのエリアにアヴァロンのフォースネストは存在した。

 

 3人の機体はドックに着地し、徒歩で城の中にあるフォースリーダーの部屋を目指す。

 

 かつてこのフィールドでは、ガンプラへの思いから生まれし異邦人"ELダイバー"の命運を賭けてアヴァロンとビルドダイバーズ、更にそれらを取り巻く有志連合らと、

ビルドダイバーズに加担するフォースの2大勢力との大混戦が巻き起こった伝説の地であった。

 

 そんな場に出くわしたケーゴは興奮や白熱といった感情は湧き起こっては居なかったが、逆にやや緊張に近い感情と、そんなフォースを介して誘われた"とあるミッション"に正直嫌そうな表情をゴーグル越しに露わにしていた。

 そしてそんなケーゴに対してやや不信感をカルナは抱いており、さらにそんな2人の間に居たエミリアも、正直言って貧乏くじを引かされていた。

 

 やがてフォースリーダーの部屋の前に辿り着けば、エミリアがドアをノックする。

 「あぁ、入りたまえ」

 とフォースアヴァロンのリーダーであるクジョウ・キョウヤの声が響けばドアをカルナが開き、3人は部屋に入る。

 

 するとそこには机の椅子にクジョウ・キョウヤが待ち構えているだけでなく、

 ケーゴ自身のみは全く見慣れない初見であるシアンカラーのSDのガンダイバーの姿をしたアバター、

基、"ゲームマスター"

といった面々が居合わせていた

 

 「キョウヤ。"彼がそう"なのか?」

 「あぁ、腕の立つ"射手"だ。2人共御苦労だった。」

 

 とキョウヤはカルナとエミリアを部屋から外へ下がらせ、部屋はキョウヤとゲームマスターとケーゴの3人だけとなった。

 

 「こうして僕等と相対するのは初めてかな?K5君。よろしく頼むよ。」

 「我々も記録は見ている。安心したまえ。君は至ってバグも規約違反もしていないプレイヤーだ。」

 

 と、2人は告げたが、

 

 「じゃあ何なんですか?

"特例運営推進イベントミッションの指名"って。」

 

 と尚もケーゴは、メールに来ていた内容としてざっくり言わゆる所、

"どこか不明確な運営やフォースを経由した指名"として、

"どこのフォースにも属していないプレイヤー"であるにも関わらず、自身が選ばれた理由を疑る。

 

 「失礼、まずはこれを見たまえケーゴ君」

 と告げたのはゲームマスターであり、彼はコンソール画面を操作すると、部屋のドアから左側面にプロジェクター映像が映り、

 

 そこにはGBNの市街地エリアのフィールドで行われた祭典の様なパレードであった。

 

 「これは?」

 「1年前行われたELダイバーとの交流記念パレードの映像記録だ…。"訳あって"、全ての一般プレイヤーからはこの記録は一部始終削除されている。」

 

 とゲームマスターが告げたその直後だった、

 

 

 

 

 ELダイバーと思われる者達が乗る機体が、フラッシュの様な光の直後の瞬間、粉々に爆四散し、巻き込んだダイバーも被害が及んでいた。

 

 

 

 

 

 「なるほど…そりゃ"流せない"ですよね。"犯人"は解ったんですか?」

 

 と呟くケーゴ。

 

 

 「残念だが、"爆破予告が在った以外"情報は無く、最初は我々運営もただの悪戯だと判断し動けず、キョウヤとアヴァロンに警備を頼む他は無かった。」

 

 と口惜しい様子のゲームマスター。犠牲となったELダイバーの事を考えれば、

 これが記録として公開されればELダイバーやそれを支持するダイバーからの暴動は止められない。

 更にパレードは今年も近日開催される筈である。

 

 「ケーゴ君、君はこの事件を如何見る?ただの爆破テロに見えるかい?」

 

 と尋ねるキョウヤ。ケーゴはやや思案した後、

 

 

 

 「光った直後から爆発まで"タイムラグ"がありました。

多分旧仕様のビームライフルか、

対艦ライフルでも可能な"狙撃"っすね。爆破の線はまず無いような……」

 

 

 

 と言い、キョウヤは驚きながら口元を緩ます。

 

 「そんな事が可能なのか…?」

 

 疑るゲームマスターだったが。

 

 「出来ますよ。こんだけ人が居るなら"観測手"<スポッター>が紛れ込んでいてもおかしくないし。」

 

 とゲームマスターに言い切るケーゴ。

 

 「"クソゲー強キャラプレイヤー"と罵られる噂は

"伊達じゃなかった"みたいだねケーゴ君。

私の人選は間違いじゃなかったようだ。」

 

 と、キョウヤとゲームマスターとの間で察していた可能性が、ケーゴの思案とだいぶ接合した事を察したキョウヤであり、

 

 「貴方にだけは一番言われたく無い。

 

てか本当にこの仕事に巻き込みたい理由が、まだ訊けてない気がするんですけど?」

と堂々と悪態を吐くケーゴ。

 

 「無論これは僕等のミッションだ。

 だが僕等は少し大所帯過ぎてしまってね。そこで僕とゲームマスターで話し合った結果、

 

 "何処のフォースにも属していない"

という意味で人員の都合上小回りの利くソロプレイヤー、

 

 しかも

 "相手のスナイパーと互角以上の実力の戦闘員"

 という事で君が選ばれたのさ。」

 

 とキョウヤにここまで言わされバツが悪そうに、やや頭を抱え考え込んでいたケーゴだったが、

 

 

 「解りましたよ。

請け負えば良いんでしょ?請け負えば。

 

報酬はちゃんと貰いますからね。」

 

と吐くように言い放つケーゴだった。

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