μ'sとの日常   作:Miroku

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話が纏まったので投稿。



プレッシャーほど怖いものはない

俺が目覚めた日から数週間がたった。最初はリハビリが大変だったが、μ'sのマネージャーに復帰するために毎日頑張った結果、生活にほぼ支障なく動かすことが出来るようになった。そうしているうちに、遂に退院することになった。

 

 

退院後、自宅に帰ったのだが...何故か綺麗なまま放置されていた。最初は仲のいい大家さんが掃除してくれていたのかと思っていたが、違うらしい。なら一体誰が...?まぁ掃除をしてくれる分には有難い。誰かは知らないが感謝しないとな。

 

 

「今日はμ'sの練習がある日か」

 

 

今日はμ'sの練習がある日だから、今日から復帰しようと思ってる。入院中に聞いたのだが、第二回ラブライブが開催されるらしい。今回は前とは違ってランキング制ではなく、ライブ次第で出場が出来る。つまり、パフォーマンス次第では出場できる可能性があるわけだ。まぁウチの地区にはA-RISEがいるのだが...でもみんなならきっと大丈夫だろう。俺は出来ることをやるだけだ。しかし、本選は3月か...3年生にとっては最後のチャンスだな。卒業したらスクールアイドルでは無くなる。その時、μ'sはどうなるのだろうか...そんなことを考えながら部室に入った。

 

 

「この部室も久しぶりだな...」

 

 

「あ、悠くん!体のほうは大丈夫なの?」

 

 

「ああ、大丈夫だ。無理しすぎないようにしてる。これからもみんなのために頑張らなきゃダメだからな!」

 

 

「そこまで考えてくれていたなんて...いい夫になりますね♪」

 

 

海末にはそう言われたが、マネージャーとして当然のことだからな。これくらいはやらせてほしい。...いい夫っていうのは少し気になるけど。

 

 

「た、大変です!」

 

 

「どうした花陽?」

 

 

「今回のラブライブの予選なんですが...未発表の曲しか使用が出来ないみたいです...」

 

 

「今までの曲が使えないってことか...」

 

 

「なんでも、希望するチームが多く、中にはプロのコピーをするグループがあるからだそうです」

 

 

「ようするに見極めるってことね」

 

 

今までの曲が使えないとなると...必然的に新曲を作らないといけない。予選まであまり時間はないし、この状況を打破するためにはどうすれば...あ、これなら曲を作ることが出来るかもしれないな...

 

 

「1つ提案なんだが...合宿をしてみないか?」

 

 

「奇遇ね...私もそう考えていたところよ」

 

 

どうやら絵里も同じことを考えていたらしい。問題は合宿場所だが...真姫に頼めるなら頼みたいところだ。

 

 

「ということで、真姫...頼む!」

 

 

「...しょうがないわねぇ...」

 

 

これで合宿場所は確保できた。真姫の家は本当にすごいのだと改めて認識する。...少し羨ましい。

 

 

「じゃあ決まりね。今度のこの日程でいくから、準備しておいてね」

 

 

夏の合宿とは違い、海ではなく山だからな...まぁ登るわけではないと思うが、一応準備は万全にしておこう。こうしてμ'sの合宿は始まった。

 

 

*

 

 

「おお...!すごい綺麗な場所だな」

 

 

「真姫ちゃんすっごいにゃー!」

 

 

「ま、まあこれくらい普通よ」

 

 

真姫は相変わらず素直じゃないが、普通にすごくいい場所だ。景色は綺麗で空気も澄んでいる。これほど合宿に向いている場所は無いだろう。ところで...海末が重装備なのが気になる。まさか山マニアなのか...?

 

 

「ところで、みんなはどうして軽い荷物なんですか!?山を登るには向いていませんよ!?」

 

 

「あの...山に登るために来たわけじゃないからさ...」

 

 

そんな会話をしているうちに、何かを忘れていることに気づく。

 

 

「なんか足りないような...あっ!ほ、穂乃果は!?」

 

 

「アイツ絶対寝てるだろうな...今頃焦っているだろうし、少し待っておくか」

 

 

そして数分後...やっときた。

 

 

「みんなひどいよぉぉ!」

 

 

「いや普通に忘れてたわ。ごめんな?」

 

 

「...帰ったらデート一回ね」

 

 

頼むからハイライトの無い目で見ないでくれ...普通に怖い。

 

 

「あ、ああ...わかった。だが、今は合宿に集中しよう」

 

 

夏の合宿の時も驚いたが、こっちの別荘も豪華だな...

 

 

中に入ってみると、大きな煙突が目に入った。冬につけると暖かそうだ。まだつける季節じゃないけどな。てか、ここもピアノがあるけど、他の別荘にもピアノが1台あるのか...?

 

 

「真姫ちゃんすっごいにゃー!」

 

 

「暖炉に火を...」

 

 

「つけないわよ...つけたらサンタさんが来ないじゃない。この暖炉はずっと私が掃除してきたの。ほら、中を見てみて」

 

 

中を覗くと、サンタの絵と、メッセージが書かれていた。いいお父さんじゃないか...

 

 

「ぷぷっ...あの真姫がサンタだなんて...!」

 

 

「にこ!それは絶対言ってはいけない!それだけはダメだ!」

 

 

「そうだよ!それは有罪だよ!」

 

 

なんとかにこを止めることに成功した。...絶対に言わせないからな!

 

 

「じゃあ、早速練習開始よ!」

 

 

*

 

 

別荘についてから早々に練習を開始した。真姫、海末、ことりの三人は別荘で作業し、残りの6人は外で練習に励んでいる。俺は休憩中に、あらかじめクーラーボックスに入れていたスポーツドリンクを渡し、みんなの練習風景を見ている。いつも以上に気合いが入っているため、みんなの体調が心配だが...大丈夫だろう。

 

 

しかし、別荘にいる3人が気になるな...後で飲み物でも渡しにいこうか。そう思って飲み物を渡しに別荘に戻ったのだが...

 

 

「「「はぁ...」」」

 

 

外でため息をついている3人を見つけた。一体どうしたのだろうか...?

 

 

「どうしたんだ3人とも?」

 

 

「実は、スランプに陥ってしまいまして...」

 

 

「スランプねぇ...一体どうして?」

 

 

「予選に向けてのプレッシャーだと思いますが...なかなかいい詞が浮かばないのです」

 

 

予選まで時間はないし、なによりこの3人がスランプになるとまずいな...どうにかしたいのだが...と、そこで練習をしていたみんなが帰ってきた。みんなに事情を話してみたところ...

 

 

「それぞれ3人で別れて考えるのはどう?くじ引きで決めた3人で考えるの。これならいい案が浮かぶと思うのだけど...」

 

 

「なるほど...いい案だと思う。じゃあ早速くじ引きで決めていくか」

 

 

そして、くじ引きの結果...

 

 

「綺麗にユニットごとで別れたな...」

 

 

「じゃあこの3人で決定ね。それで、悠は...」

 

 

「俺はここに残って夕飯の準備をしておくよ。何かあったら呼んでくれ」

 

 

「わかったわ。じゃあみんな別れて動きましょう」

 

 

こうして俺達の合宿は本格的に始まった。

 

 

 

 

 

 

 


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