花のように可憐で… 作:Black History
誤字報告もいただきました。
『倉橋家』が『高橋家』になってたようです……高橋さんって誰でしょう?
そんな中言いにくいのですが、今回の話に友奈ちゃんは出てきません。友奈ちゃん好きの方、申し訳ありませんm(__)m
代わりと言ってはなんですが、ある子達との会話があります。
とりあえず、本編をどうぞ
―友奈と別れて何日も経った
貰った押し花はこっそり学校に行く際にポケットに隠して持って行ってる
…バレたら没収されちゃうけど、逆に言えばバレなきゃいいのだ。
「…おはよう、翔太君」
「おはようございます。倉橋さん」
「すまないね、毎朝朝食を作ってもらって…無理はしてないかい?」
「大丈夫です。むしろこれぐらいして当たり前だと思いますよ?そもそも僕は養子として出てるんですし」
「そうか…ならご厚意に甘えよう」
「お任せを!」
養子として出た倉橋家の倉橋さんはとても温厚でいい人だ
正直悪いように使われないか…と少し不安だったのだが、まったくそんなことなく家族として扱ってくれている
そして肝心の学校生活については…
「zzz…むにゃむにゃ~」
「・・園子ちゃん~?起きて~」
「むにゃ?…いっしーおはよう~」
「はい、おはよう。相変わらず可愛らしい寝顔だったね~」
「えへへ~ありがとう~!」
「翔太君…あまりそのっちを甘やかしちゃ駄目よ?」
「少しキザだったぞ?今の翔太」
同じ【お役目】を背負っている者同士『乃木園子』、『鷲尾須美』、『三ノ輪銀』の三人と仲良くなれて、意外にも楽しい学校生活を送れていた
最初は会話等色々とぎこちなかったのだけど、一緒に『お役目』をこなしてるうちに今では幼馴染のように親しくなった
そう、、まるで【幼馴染】のように…
《翔ちゃんー!》
「・・友奈…」ボソッ
やっぱり…どこか寂しいな
昔から一緒にいるのが当たり前のような子が身近にいないというのは…妙にむなしくなってしまう。
・・こんな姿、友奈に見せられないな
そう苦笑していると、隣の席に座っていた銀ちゃんが勢い良く立ち上がる
「よーし!今日を頑張ったご褒美として、久しぶりにイネスへ行こう!もちろんみんなで!」
「びっくりした…急すぎない?」
「突然どうしたの?銀?」
「みのさんはアクティブだね~」
「いやさ…前の遠足帰りの時、結局行けなかったじゃん?」
「・・急にお役目がきたからね~」
そういえば……今でこそ笑い話にできるものの、、あの日のお役目は地獄だったっけ…本当に死を覚悟したよ、あの日は
「・・そういえばそうだったわね…」
「あはは…あの日はそれどころじゃなかったからね」
「…主に翔太が一人で突っ走ったからだけどなー?アタシが戻るまで待っててくれれば良かったのに…」
「うぐっ…け、結果オーライだよ。ほら、今はこうしてみんな無事なんだからさ…それで良くない?」
「「「良くない」」」
「・・えー?」
何もみんな口を揃えて言わなくても…だってあの時一番ケガが軽かったの僕だったじゃん!適任だったじゃん!
「本当に心配したんだからな?アタシ達…もう一人で無茶するなよ?翔太」
「…約束はできな「す・る・な・よ?」はい。もうしません」
「翔太の言質も取ったことだし、イネスにさあ行こう!」
「お~!」
「・・僕の扱い酷くない?」
「無茶した罰よ、翔太君」
「そんなぁ……」
罰にしても強引すぎるような…昔友奈にも同じようなことされたよ
前を走る園子ちゃんと銀ちゃんに苦笑しつつ、須美ちゃんと一緒に二人を歩いて追いかける
「・・ねぇ、翔太君?」
「何だい?」
「その…大丈夫?ちょっと顔が暗かったけど、、何か困り事?」
「…いつから気付いてた?」
「銀が叫ぶ前からよ。ちょっと声をかけようとしたら銀に遮られて…」
さすが元気っ子代表の銀ちゃん。須美ちゃんの声をかき消すとは…
・・別に隠すほどのことじゃないし、言ってもいいかな…少し恥ずかしいけど。
「いや、転校する前に仲良かった幼馴染のことを考えててね」
「幼馴染?」
「うん、とってもいい子だったよ。それに銀ちゃんに負けないぐらいの元気と明るさもあって…大切な幼馴染だよ」
ポケットに入っている押し花を見せる
「・・それは?」
「別れる前に幼馴染から貰った押し花。僕の大事なお守りなんだ~毎日学校にも持っていってるぐらいのね」
「そうなの……ん?学校にも?」
「……あっ」
いい忘れていたが、須美ちゃんはルールといった決まり事に非常に厳しい。
よって今の状況は警官の目の前で自分が行った犯罪を告白するのと同じだ
よって……
「…翔太君?ちょーっと私と『お話』しましょう?」
「あ、いや、その…」
こうなるのは当然である
うん…バカかな?僕何やってんだ?
「おーい!二人とも遅いぞ~!」
「早く早く~」
「!今行くよー!…というわけで須美ちゃん、さきに行ってるね!」
「あ、ちょっと!待ちなさい!」
「待てと言われて待つ人はいない!」
しかし結局行く先は同じイネスのため、数分後に椅子の上で僕が正座することになったのは言うまでもない
「翔太君?ちゃんと聞いてる?」
「はい…聞いてます…」
「・・また何かやったのか翔太?」
「ははっ…ちょっとねー」
「翔太君?」
「すみません…」
嫁の尻に敷かれる旦那さんってこういう気分なのかな…?
・・通りすがりの人の視線と足のしびれに耐えること数分。ついに解放された
「おう…足に力が入らない」
「大丈夫ー?肩貸すよ~」
「ありがとう園子ちゃ…近くない?」
肩を貸してくれるのはありがたいけどさ、そんなに寄る必要ないよね?
「ん~。やっぱりいっしーの隣はすごく落ち着くんよ~」
「…まいっか、園子ちゃんだし」
『落ち着く』ねぇ……昔友奈にも同じこと言われたことあったっけ。
僕にそんな癒し効果ないと思うけど…
思わず隣にいる園子ちゃんに対して手を伸ばし、撫でてしまう
「へ…?い、いっしー?」
「あ、、ご、ごめん!」
やっちゃったよ…
つい友奈にやってた時の癖で、、さぞ気持ち悪かったことだろう。
「・・続けて~?」
「え?」
「いいからいいから~」
「あ、うん……強さとか大丈夫?」
「ベリーグッドだよ~」
「・・さようですか」
・・友奈の時と同じだなぁ、これ
自然と笑みがこぼれる
「ふふっ」
「…?いっしー?何で笑ってるの?」
「ちょっと、昔仲良かった幼馴染との出来ごとを思いだしちゃってさ」
「それが今の状況とまったく同じだったから、つい…ね」
歴史は繰り返すってやつかな?
まぁ、ただ僕が学べてないだけなのかもしれないけどさ。
そう考えて苦笑しつつも園子ちゃんの頭を撫でていると、撫でていた腕を園子ちゃんに掴まれる。
…どうしたのだろう?
疑問に思い、顔を園子ちゃんに向ける
「・・・それって、女の子?」
「そうだけど…それがどうかした?」
「いやー?何でもないよ~?ただ気になっただけ~……これは一度三人で話し合わないと駄目かもね~」
「ならいいんだけど、、」
「でもやっぱりみんなで幸せになりたいから…その子も一緒がいいなぁ~」
「?」
掴まれていた手は無事離してくれたが、今度は小声でぶつぶつと話し始めた
小声のため内容を聞き取ることはできず、ただ首を傾げることしかできない
「な、なぁ!翔太!」
「ん?どうしたの銀ちゃん?」
「あ、いや……その、、」
「?どうしたの?」
そんな指を弄りながらこちらをチラチラ見られても…僕はエスパーじゃないから、銀ちゃんの思考は読めないよ?
「さ、さっき園子の頭撫でてたろ?」
「うん。絶対気持ち悪がられると思ってたんだけどね。気に入ったみたい」
「アタシも…やってほしいなーって」
…What?
「・・熱あるんじゃない?」
「…恥ずかしいこと言ってる自覚はあるけどさ?それは酷くないか?」
「近くに病院は…無いか。仕方ない、タクシーでも呼んですぐに病院へ…!」
「だからどこもおかしくないって!」
「なら…君はもしかして偽物…?ドッペルゲンガー?」
「本人ですー!本物の三ノ輪銀ですー!純度100%の銀様ですよー?」
「ならもしかして…」
「…いいかげんにしないと泣くぞ?」
ちょっとだけのつもりが銀ちゃんの反応が面白くてついやりすぎてしまった
こちらを若干潤んだ目で睨んでくる銀ちゃんを見て、少々申し訳なく思う。
驚いたのは本当なんだけどね…
「ごめんごめん。いいよ、おいで?」
「・・あ、、本当に落ち着く…」
「それは何よりだけど…」
距離が近いせいで、銀ちゃんの髪の毛からシャンプーのいい匂いが……
っていかんいかん!
煩悩退散、煩悩退散!
大事な友達をそんな目で見るな僕!
・・・しかし、何だろう?
どこかから視線を感じるような…
「・・・・」ジィー
「・・・須美ちゃん?」
「…な、何かしら?」ソワソワ
「えっと、、来る?」
近くの椅子をポンポン叩く
幸い僕達以外のお客さんは少ないし、もう一人増えても大丈夫だけど…?
「・・不束者ですが…」
「そんなことないと思うけど?」
「んっ、、銀とそのっちの気持ちがよく分かる気がするわ……」
「力とかは大丈夫?」
「私はこのままで…」
「アタシはもうちょっと強く!」
「はいはい」
そう言えば、、他のお客さんがこの光景を見たらどう思うのだろうか?
少し気になって周りを見渡してみると、他のお客さんに生暖かい視線を送られていることに気付いた。
やめて…こっちを見て「若いわね~」とか話さないで…恥ずか死ぬから…
「・・・あー!わっしーもみのさんもずるいんよー!私も私も~!」
「ちょっ、、園子ちゃん?今はお願いだから黙ってて?またいつかちゃんとやってあげるから…」
これ以上はご勘弁願いたい…せめてここ人前では我慢してほしい…。
「本当~?ならいいよ~!」
「・・アタシもまた今度でいいから、お願いできないかな?」
「・・わ、私も…」
「う、うん。わかったから…早く家に帰ろう?お家の人に怒られるよ?」
「げっ、、もうそんな時間かぁ」
「ならここで解散ね。みんな、また明日会いましょう?」
「そうだね~。また明日~」
「バイバイー!」
帰り道、ふとみんなを撫でていた自分の手を眺める。
「そんなにいいものなのかなー?頭を撫でられるって」
ぽすんと頭上に手を下ろし、ゆっくりと動かしてみるが、何も感じない。
そりゃそうだ…だってそもそも自分でやるものじゃないんだし
ポケットに入った押し花を手に取って、それを優しく一回撫でる
―友奈といい、銀ちゃん達といい、、男に撫でられて何がいいんだか。
苦笑がこぼれるが、悪い気はしない
少し日が暮れているおかげで、地面に僕の長い影がうっすらと映る
「・・また会えたら…何がいいのか改めて聞いてみよっかな~」
―友奈、こっちは楽しく過ごせてるよ
―銀ちゃんも園子ちゃんも須美ちゃんもとってもいい子で…大切な友達だよ
―君がいなくても、、僕は大丈夫。
―だから……
「僕の心配なんてしてないで、自分の体について考えててくれよ?君は本当に無茶しやすいんだからさ」
友奈の自己犠牲精神は素晴らしいけど、僕としては止めていただきたい。
見ててこっちがヒヤヒヤするんだよ…
・・そんな友奈が、もしも【勇者】になったとしたら…ぴったりだろうな
「『結城友奈は勇者である』って感じでね…気持ち悪いぐらい合ってるな」
…もっとも、友奈に【勇者】になってほしいだなんて一ミリも思わないが
そろそろ日が本格的に暮れてくる頃だ
早く帰らないと、倉橋さんに余計な心配をかけちゃうな…急ごう。
押し花を片手に持ちながら走る
―不意に押し花がキラリと光ったような気がした
「…ね、ねぇ?あなた?」
「ん?どうした?」
「…そこに男の子がいるじゃない?」
「…おう、いるな。それが?」
「その、、『影』が…」
「『影』?影がどうし……?あれ?」
「……おかしいわよね?確かにあそこにいるのはあの男の子【一人】なのに」
「・・・影ではいないはずの誰かと手を繋いでて【二人】映ってるのよ…」
「・・・【女の子】みたいに見えるが…まさか心霊の類いか…?」
いかがでしょうか?
今回はほのぼの?寄りです。
最後に話していた方々は今回限り登場の通行人さんです。
…はい。悪く言えばモブさんです。
深夜テンションで仕上げましたので、誤字や文の構成に一部違和感があるかもしれません…深夜テンションって色んな意味で怖いですよね。(経験あり)