花のように可憐で… 作:Black History
深夜テンションもありで書きましたので、少し不安なのですが…ご感想等いただけると幸いです。
今回はシリアスが多めかもしれません…ちなみに作者はヤンデレも好きですが、シリアスも同じくらい好きです。
・・はい、どうでもいいですね。さっさと本編入ります、、どうぞ。
「そういえば、、僕ってどこのクラスなんだろうか?」
入学式を終え、今からそれぞれクラス別に移動するところなのだが…僕はどこのクラスに行けばいいの?
クラス表が書いてある紙とか見てないのだけど……
「翔太君、ちょっといいかな?」
「あ、はい…えっと……」
「初めまして、君のいるクラス担任の佐藤です。どこの教室に行けばいいかわからないだろう?案内するよ」
担任の先生だったのか、助かった…
先生が来てくれなかったら校舎内を右往左往するところだったよー。
「なるほど、担任の先生でしたか。よろしくお願いします」
「よろしくね。それじゃあさっそくだけどついて来てもらえるかな?」
「はい!」
「ここだよ…うん。どうやら他のみんなはもう集まってるみたいだね」
「時間取らせて申し訳ないです…」
「いやいや、大丈夫。どうせみんなに自己紹介してもらおうと思ってたから、むしろこの状況は好都合だよ」
「あぁ、そういえばそうですね」
そっか、そういえば自己紹介というものがあったな…
・・やばい、、何も考えてないぞ?
無難だが、好きな食べ物とか趣味の読書とか言えばなんとかなるか、、?
「教室に入った後、僕の自己紹介を先にさせてもらうね。そのあとに教室内で合図するから、そのあとに入ってきてもらえるかな?」
「りょ、了解です」
「翔太君の自己紹介が終わったあとに他のみんなにもそれぞれ自己紹介してもらうから…トップバッター頼んだよ?」
「は、はい!」
先生、、プレッシャーかけないで…
「いい返事だ。それじゃあ、合図出したらよろしく頼むよ」ガラガラ
扉を開けて先生が先に入って行く
そうしてしばらく時間が経ったあと、今度は教室内から「いいよー!」と呼ぶ声が聞こえてきた。
・・第一印象は大事だよな…とりあえず噛まないようにだけ気を付けよう
ガラガラ!
「皆さん初めまして。僕の名前は倉橋翔太って言います。趣味は読書、好きな食べ物はお茶漬けです。どうかよろしくお願いします」
「翔太君は見ての通り、数年前に交通事故に巻き込まれたせいで『美森さん』と同じく体に不自由があります。なのでみんな優しく接してあげてください」
・・『美森さん』という子はもしかしなくても『東郷美森』…昔『鷲尾須美』だった子のことだろう。
先生のフォローがありがたい…それでも奇異の目で見られるのは避けられないんだけどね。仕方ないことだけど
クラスの子達全員を一度見渡してみる
やっぱり不思議な物を見るような目で見られるよね、、ん?
「(・・あの赤髪…もしかしたら…)」
人違いかもしれないが…少なくとも赤髪の子なんて、僕の知ってる『幼馴染』ぐらいしかいないと思うんだけど?
「それじゃあ翔太君、あそこの空いてる席に座ってくれ」
「あっ、はい。分かりました」
先生の言葉で我に帰る
えーっと?隅っこの席か…いいね。
授業中に後ろから奇異の視線を感じることがないのはラッキーと言える。
松葉杖を机に当たらないよう慎重に動かして、無事席につくことができた
「翔太君の自己紹介が終わったところで…次は他のみんなにも自己紹介してもらいます!今度は先生と翔太君に、みんなのことを教えて下さい!」
「「「えぇ~!!」」」
そういえばみんなにも自己紹介してもらうって言ってたっけ…
「じゃあ記念すべき一発目に行きたい人はいますかー?」
・・うん、そりゃあ一発目なんて嫌だよね。誰も手をあげてないよ。
「あらら、いないのか。なら先生が当てちゃおうか「先生!なら私行きます!」…お?ならお願いしようかな」
「はい!」
赤髪の女の子が手をあげながら先生の声を遮り、そう話した。
―その声…やっぱり…?
そんな疑問が膨らむ僕を知ってか知らずかはわからないが…赤髪の子が席を立った時、一瞬こちらを見たような気がした
そして女の子の自己紹介を聞いて、僕の疑問は確信に変わる。
「讃州中学一年、『結城友奈』です!趣味は押し花、好きな食べ物はうどんです!よろしくお願いします!」
―あはは、、僕の人生もまだまだ捨てたもんじゃないなぁ
久しぶりに会ったが…どうやら彼女の明るさと、花のような笑みはぜんぜん衰えてなかったらしい
放課後ーーーーー
「翔ちゃん!!」
「友奈…久しぶりだね」
「うん…会いたかったよー!」
新しく配られた中学校の教科書を纏めていると、久しい幼馴染である友奈が話し掛けてきた…かと思ったら強い力で抱き付かれた。
少し痛いけど、、我慢しよう。
相変わらず距離が近いけど…うん。懐かしいなぁ……まさか本当にこうして友奈と会話できる日がくるなんて
「うれしいなぁ~。翔ちゃんとまた一緒にいられるなんて」
「・・・うん。僕もうれしいよ」
あぁ、うれしいとも
あぁ、すごくうれしい
実に感無量だ…でも、、
・・・こんな『化け物』のような体ではなく、『人間』の体で再会したかった…というのは我が儘だろうか?
「・・だけど、翔ちゃんのその体…」
「あはは…これかい?ちょっとした交通事故に巻き込まれちゃってね」
「大丈夫…?」
「確かに不便なところも多いけど、生活できないほどではないから大丈夫だよ。リハビリもたくさんしたし」
「・・そっか……何か手伝えることがあったら言ってね?力になるよ!」
「ありがとう。頼もしいよ」
ぎゅっと力こぶを作って見せつけてくる友奈を見ていると、少し落ち込んでいた心が和むのを感じるよ。
心強い幼馴染を持って、僕は幸せです
「あっ、そうだ翔ちゃん」
「ん?どうしたの?」
「実は翔ちゃんに紹介したい友達がいるんだけど…時間大丈夫かな?」
「大丈夫だけど、、珍しいね?昔にも紹介とかされたことなかったのに」
友達こそ多い友奈だが、紹介までされたことは一度もなかったので新鮮だ。
「…まぁね。じゃあ連れてくるよ~」
「楽しみだな~。どんな子だろう?」
友奈に親しい人ができてうれしい限りだ…さて、どんな子なのだろう?
そう期待に胸を弾ませていると、どうやら連れてきてくれたようだ。
「えっと……『東郷美森』です。友奈ちゃんのお友達をやらせてもらっています。よろしくお願いします」
「…堅いよ~東郷さんー」
「そんなこと言われても…殿方と話したことなんてほとんどないのだから、しょうがないでしょう?」
「なら翔ちゃんで慣れちゃおう!」
「無茶言わないでちょうだい…」
―世間は狭いと言いますが、さすがにちょっと都合良すぎませんか?
車椅子に乗った少女、『鷲尾須美』こと、『東郷美森』ちゃんを見る
・・美森ちゃんと友奈が仲のいい友達になっているだなんて、はたして誰が想像できただろうか?
…少なくとも僕はできてませんでした
「翔ちゃん?どうしたの?」
「何でもないよ。倉橋翔太です。よろしくね、東郷さん」
「えぇ。よろしくね、倉橋く…ん?」
「?東郷さん?どうしたの?」
僕の名前を呼ぶかと思ったら、やけに歯切れが悪い。
「何か気に障っちゃったかな?」
「いえ、そういうことじゃなく……倉橋君の名前を呼ぶとき、なぜか―
―すごく懐かしいような気がしたの」
「っ……!」
「そうなの?もしかしてどこかで会ったこととかあるんじゃ…」
「私は無いと思うのだけれど、、倉橋君はどうかしら?」
―あるさ、大ありだよ
「・・僕も無い…初対面だと思うよ」
「そうよね…不思議だわ」
「不思議だね~」
「・・・・」
知ってるよ。
そう口に出したいのを必死にこらえる
たった一言、口に出すのは容易だ。
しかしそのたった一言が彼女にとってどう運ぶかなんてわからない
もし僕が美森ちゃんの立場にいたら…きっと変に混乱してしまうだろう
―だから『嘘』をつく
はたしてその嘘は美森ちゃんについているのか、はたまた自分についているのか…そんなのわからない
「まぁ、よくある話じゃないかな?どこかで見たことあるような~なんて」
「そうかもね。そういえば私も友達からそんな話聞いたことあるな~」
「そうかしら…」
「うんうん…だからよろしくね。とりあえず友好の証に握手でもしない?」
「そうね、、よろしくお願いします」
優しく手を握り、友好の握手をする
仲の良かった友人に忘れられているのはもちろん悲しく、辛いものだ
「そうだ東郷さん。友奈が何か迷惑とか掛けてないかな?」
「えっ、翔ちゃん!?」
「うーん…友奈ちゃんは勉強面で少し不真面目な所が目立ってるわね」
「うぐっ…」
「友奈は覚えこみいいんだけどね…やっぱりそこの所はまだ治ってないか」
「すみません…」
「あと他にも何かあったりする?」
「そうね、他には少しおっちょこちょいな所があると思うのだけど…」
しかし今もこうして彼女が無事に生きてくれているのなら…僕はそれでいい
「思いだせ」なんて言わない
記憶が無いなら無いで……
「もうやめてよ~!二人とも~!」
「「友奈(ちゃん)が悪い」」
「なんでもう息が合ってるの!?」
「「友奈(ちゃん)が悪い」」
「二人とも酷いよー!!」
「ふふふ」「あはは」
『初めまして』から、また始めよう
0からまた楽しい思い出を作ろうよ、須美ちゃ……いや、美森ちゃん。
帰り道にてーーーーー
「私達の家はこっちなんだけど…翔ちゃんの家ってどこにあるの?」
「僕の家?ちょっと待ってね…」
ポケットに入れておいた大赦さんからもらった紙を手にとる。
えーっと、、お?これはこれは…
「僕もそっちみたいだね」
「え!?翔ちゃんも!?」
「すごい偶然…」
「ほら、この地図見てみてよ」
「・・本当ね、、ってあら?この家がある場所って…」
「うん?何かあるの?」
「ちょうど私と友奈ちゃんが住んでる家のすぐ近くにあるわね…この家」
「・・マジですか」
ご近所さんに知り合いがいるのはうれしいけど…こんなに偶然って重なる?
まさかとは思うが、大赦さんが何かしら手を回したのでは…?
「…ということは・・・また翔ちゃんと一緒にいられるんだね……」
「ん?友奈、何か言った?」
友奈が小声でボソボソと何か言ってたような気がするが、聞き取れなかった。
うれしそうな顔をしていたけど、何かいいことでもあったのかな…気になる。
「何でもないよ!なら翔ちゃんも一緒に帰ろうよ、道案内してあげるから!」
はぐらかされたけど…まいっか
確かに気になりこそするが、問い詰めるほど知りたい訳じゃない
道案内は素直にありがたいから、ここは友奈のご好意に甘えよう。
「それはありがたいね。なら頼みますよ?結城友奈先生」
「うむ、任せたまえ!」
「ふふっ…仲がいいわね、二人とも」
「友奈とは幼馴染だからね~。純粋に友奈のノリがいいってのもあるけど」
「私だけじゃなく、東郷さんも一緒に翔ちゃんに道案内しようよ!仲間外れはなしだからね?」
「わ、私も?」
「うん、僕もそうしてもらえるとうれしいな。嫌じゃなかったら、簡単にでいいのでご案内を頼みたいのですが…駄目でしょうか、東郷美森司令官」
「!司令官…私が…」
美森ちゃんは自他共に認めるほどの愛国心をお持ちの変わった女の子だ。
確か昔の戦艦や空母とかにも詳しかったはずなので、司令官呼びにしたんだけど…効果は抜群のようですな。
「任せて!必ずや翔太君をお家まで導いてあげるわ!私の大和魂に誓う!」
「…何かよくわからないけど、かっこいいよ!東郷さん!」
「・・あれ?おかしいな?僕はろうそくに火をつけようとしたんだけど…どうやら間違えてダイナマイトに火をつけてしまったみたいだ」
…神樹様は記憶こそ消せても、彼女の愛国心までは消せなかったか、、
そう内心苦笑しつつ、意気揚々と前を行く二人に案内されるのだった
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「ただいまー!」
「お帰りなさい友奈…どうしたの?いつも以上に笑顔で楽しそうだけど、、何か入学式でいいことでもあった?」
「うん!翔ちゃんと再会したの!」
「あら、翔太君に会えたの?それは良かったわね~友奈」
「それだけじゃないよ!昔みたいに家もすぐそこにあるんだ~!」
「そうなの?なら明日あたり挨拶に行かないと駄目ね…楽しみだわ」
何かお菓子あったかしら…そうぶつぶつ言いながらリビング戻るお母さんを見送ったのち、自分の部屋に入る。
「翔ちゃん、、えへへ…また会えて今すごいうれしいよ~」
呟きながら、四つ葉のクローバーが入った押し花をぎゅっとだきしめる
―あの時の『またね』は嘘じゃなかったんだね翔ちゃん…私、信じてたよ
…翔ちゃんは知らないだろうけど……翔ちゃんが教室に入ってきた時、私すごく嬉しかったんだよ?
《あはは…これかい?ちょっとした交通事故に巻き込まれちゃってね》
・・・ある一点を除いて…
少し前からベッド下に入れてあったアルバムを手に取り、ゆっくりと開く
そこにある写真には確かに『眼帯』や『松葉杖』を使っていない、笑顔で元気な翔ちゃんの姿があった。
「・・翔ちゃんは大丈夫って言ってたけど…昔と違って表情が堅くなってた。前はもっと元気で明るかったのに…」
―ポタリ
「翔ちゃんだって、翔ちゃんだって…私に心配かけてるじゃん……」
―ポタリ
「翔ちゃんは私に『無茶するな』って言うけど…私は翔ちゃんに『無茶するな』って言いたいよ…!」
《一番大事な友達が傷ついているのを見て楽しいわけないでしょ?》
「馬鹿…翔ちゃんの馬鹿ぁ…!」
―その日私は笑顔で写る大好きな人の写真の横で、そう静かに嘆いた
いかがでしょうか?
作中で翔太君は友奈ちゃんによく『無茶するな』なんて言ってますが、彼も友奈ちゃんと同じぐらい強い【自己犠牲精神】を持ってます。
・・もしくはそれ以上かも…?
佐藤先生はオリジナルです。
これからもちょくちょく小さなオリジナル要素が顔を出すかもしれませんが、大して気にしないでくださるとうれしいです
最後に…新しく『ハーレム』タグを追加したのですが、『結城友奈』のタグを外すつもりはありません。
理由は、、話を読んでいる皆様が大体お察していると思いますので、あえて言いません。