花のように可憐で…   作:Black History

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@taroさん、青と緑のメガネくんさん、タイプ・ネプチューンさん、貴重な評価をありがとうございますm(__)m

今回は前回の続き…つまり友奈ちゃんの部屋からの話です。

今回、色々な方々が書いているヤンデレ小説を読み漁ったりして、自分なりに頑張って書いてみたのですが…キャラ崩壊とかがすごく心配です。

何かありましたら、気兼ねなく感想等でお申し付けくださいm(__)m
文の構成とかも不安ですので、その点でもありましたらお待ちしております。

とりあえず…どうぞ。



たった一人の幼馴染

友奈の部屋にてーーーーーー

 

 

「久しぶりだね…こうやって翔ちゃんが家に泊まっていくなんて」

 

「・・小学校低学年以来だよ、お泊まりなんてさ…」

 

「またこうして翔ちゃんとお泊まりできるなんて、思ってもなかったよ~」

 

「いや、むしろあっちゃ駄目なんだよ?僕達はもう中学生なんだからね?友奈、そこのところわかってる?」

 

「えへへ~♪寝るまでまだ時間あるし、お話しようよ翔ちゃん!」

 

「・・・うん、、いいよ」

 

絶対僕の言葉聞いてないだろうけど……もういいや。

 

ベッド上で幸せそうな笑みを浮かべながら隣をポンポン叩く友奈に苦笑する

 

 

「…はぁ。少しぐらいは警戒してほしいんだけど、、っと」

 

「?何で私が翔ちゃんに警戒しないといけないの?」

 

ため息と共にベッドに座ると、僕の言葉の意味が心底わからないといったふうに、友奈が首をこてんと傾げた。

 

それを見たのち、もう一度先ほどよりも長いため息をはく

 

 

―まったく・・この幼馴染は…

 

 

純真無垢なのは友奈のいいところなのだけど、、さすがにこのままだと友奈の将来が心配だ。

 

さすがに少しは男という生き物について知ってもらわないと…

 

 

「あのね、友奈。男は狼なんだよ?」

 

「お、狼?」

 

「そう。だから友奈みたいに可愛い女の子は絶好の標的なんだ」

 

「えっ!?私なんてそんな…」

 

僕の『可愛い』という言葉に反応して、頬をほんのりと赤く染める友奈

 

 

…いや、友奈は身内の贔屓とか無しに可愛いと思うんだけど?

 

「いやいや、じゅうぶん友奈は魅力的な女の子だと思うよ?」

 

「・・不意打ちはずるいよ…」ボソッ

 

「え?何か言った?」

 

「何でもないよー!ただの一人言!」

 

「それはそれでどうなの?」

 

何もないのに顔が赤くなるんだったら、むしろその方が心配だよ…

 

 

「それよりも…翔ちゃんが狼か~」

 

「・・何その目」

 

友奈から疑惑の眼差しを向けられる

 

…何だよその「本当に~?」とでも言いたそうな目は?

 

「いや~翔ちゃんが狼とはちょっと思えないよー?」

 

「むっ…」

 

「翔ちゃんは狼というよりも…ウサギさんのイメージだなぁ、私は」

 

「・・随分と言ってくれるねー?」

 

自分でも分かってるけど…だからこそ人に言われるとムッとなる。

 

 

・・そこまで言われたらさ、男として……黙っておけないなぁ?

 

友奈には話して伝えるよりも、実際に体験してもらったほうが危機感を持ってくれそうだし…一回痛い目にあってもらおう

 

 

トンッ

 

 

「・・え?翔ちゃん…?」

 

「友奈?さすがの僕でもその発言は…ちょーっと許せないな?」

 

友奈をベッドに横たわるように押し倒す

 

もちろん友奈に危機感を持ってもらうための演技なので、友奈が怪我などしないように押す力は優しくしてある

 

「口で言ってもわからないんだったら、、その身に教えてあげるよ…」

 

 

友奈の腕をベッドに押さえつける

 

 

「翔ちゃん…」

 

 

そのまま上に跨がり、顔の距離をだんだんと近付けていく。

 

そして……

 

 

 

 

 

「えいっ」ペシッ

 

「あいたっ!」

 

友奈のおでこにでこぴんを一発当てた

 

 

「…え?何?」

 

「どう?これで少しぐらいは危機感を持ってくれた?」

 

自分でも分かる

今の僕はさぞかし意地悪な笑みを浮かべていることだろう。

 

 

・・友奈に危機感を持ってもらうというより、ただ見返してやりたくてやったのは内緒だ。

 

…反省はしてる。だが後悔はしてない

 

「僕が幼馴染にそんな酷いことするわけないだろ?ただの演技だよ」

 

「え、演技?」

 

「もちろん。友奈だって知ってたんだろ?僕が草食系男子ってこと」

 

「あいにく僕にはそこまでできる勇気も、力も、度胸もないよ~」

 

自分で言った自虐ネタに自分で笑いつつ、友奈の上から避けてベッド端に座る

 

 

「これで少しは僕のことも狼として見てくれたかな?友……友奈?」

 

「・・・・」

 

チラッと友奈の方を見ると、何故か顔を俯かせて細かく震えていた。

 

 

・・もしかして、、怖くて震えてる?

 

調子に乗ってやり過ぎたかもしれない…まさかそこまで響くなんて…

 

「あ、あはは…友奈?大丈夫?」

 

「・・・ねぇ、翔ちゃん…親しき仲にも礼儀ありって知ってる?」

 

「へ?あ、うん。知ってるよ…」

 

「…翔ちゃん。幼馴染の私だって、されたら嫌なこととかあるんだよ?」

 

…友奈の言うとおりだ

 

『親しき仲にも礼儀あり』

比較的付き合いの長い友奈が相手だろうと、何でもしていいわけじゃない

 

お互いの仲がどれだけ良かろうと、されたら嫌なことは必ずある。

 

 

さすがにやり過ぎた僕が悪い…だからここは素直に謝って―

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

・・・・え?

 

 

友奈にいきなり引き寄せられたと思ったら、僕がたったさっきやったように押し倒される。

 

 

 

 

「・・翔ちゃんが悪いんだよ?」

 

「私はずっと抑えてたのに…翔ちゃんからそんなことしてくるなら……」

 

 

 

 

 

「少しぐらい、、いいよね?」

 

 

そんな言葉と共に僕の上へと股がる友奈

 

 

・・・赤色の瞳をとろんとさせて…

 

 

「ゆ、友奈?もしかして…僕に対する仕返し?ちょっと冗談キツイよ…?」

 

「…冗談だと思う…?」

 

「ちょっ、友奈!本当に近いって!」

 

ただでさえ近かった距離をますます詰める友奈に、じたばたして抵抗する

 

…しかし運動神経皆無の僕と運動神経抜群の友奈とでは力の差は明確。

僕の抵抗は友奈によって簡単に押さえ込まれてしまった。

 

 

「っ…びくともしない…」

 

「・・翔ちゃんって本当にうさぎさんみたいだよね…可愛い♪」

 

そんな僕を見て友奈がうれしそうに口元を三日月状に歪ませ、そう呟く。

 

 

 

 

1cm、また1cmと距離が縮まっていく…

 

 

そうして気付いたころにはもう、友奈の顔が目の前にまで迫ってきていた

 

 

「…こんな近くで翔ちゃんの顔を見たことなかったから、すごく新鮮な気分だよ~」

 

「くすぐったいから喋らないで…。友奈、いくらなんでもこの距離は…」

 

目の前に友奈の顔があるため、当然友奈が喋れば吐息が僕にかかってくすぐったい…ぞわってする。

 

 

―いくら幼馴染とはいえ、、この距離はさすがにやり過ぎだ。止めないと…

 

 

「お願いだから退いてくれ…大丈夫。誰にもこのことは言わないから」

 

「・・・・」

 

「だから早く―」

 

退いてくれ

 

そう続いて言おうとしたが、それは叶わぬこととなった。

 

 

 

 

なぜなら、、

 

 

 

 

「むぐっ!?」

 

「・・・・♪」

 

 

 

光を失った瞳の友奈に文字通り、口を塞がれたからだ

 

 

突然のことに驚いて一瞬状況を把握するのが遅くなってしまったが、すぐ我に返って友奈から距離を取る。

 

「ぷはっ!友奈、何し…んぐっ!?」

 

「・・途中で離れちゃ駄目だよ」

 

「や、やめ…んんっ~!!」

 

だがやっと離れられたというところで、友奈が僕の首の後ろへ腕を回し、強引に引き寄せられて強制的に口付けを再開させられる。

 

 

 

 

数分程経ってやっと満足したらしく、回されていた腕がほどかれ解放される

 

一筋の銀色の糸が伸び、ぶつりと切れたところを見て、先ほどまで自分達はどんなことをしていたのか嫌というほど認識させられる。

 

 

 

友奈と・・・『キス』…しちゃった…

 

 

「ぷはっ。えへへ…私のファーストキス、翔ちゃんにあげちゃった~」

 

「・・・友奈…何で……」

 

「え?理由なんて特にないよ?ただしたくなったからした…それだけだよ?」

 

 

…『したくなったからした』?

キスなんていう大事なことを?

 

 

・・わからない…どういうことだ…?

全然、わけがわからないよ…友奈…

 

 

「あっ、もういい時間だね…そろそろ寝よっか、翔ちゃん」

 

そう頭の中で一人困惑していると、友奈に現実へと引き戻される

 

近くの目覚まし時計を確認すると、確かに良い子はもうそろそろ寝る時間を指してあった。

 

 

「一緒に寝ようよ!翔ちゃん!」

 

キスをしていた時の黒く濁っていた目はどこへやら…むしろキラキラした目でこちらへ訪ねてくる友奈。

 

 

「・・あぁ、いいよ」

 

「やった!なら早く布団の中に入って入って!すぐ電気消しちゃうから!」

 

「・・うん」

 

いそいそと友奈の横に入る

 

 

あんなことをした後のせいか、一緒に寝るのなんか気にならない。

 

 

 

 

むしろ気になるのは……

 

 

「それじゃあ、消すね?」

 

「わかった…おやすみ、友奈」

 

「うん。また明日ね!」

 

 

あんなことがあったのにも関わらず、『いつも通り』に振る舞える友奈のことだ

 

 

さっきまでの光がない、濁った目の君はいったい何だったんだ?

 

 

 

―そんな僕の疑問は誰にも届かず、眠気と共に闇へと消えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「・・・もう寝たかな?翔ちゃん」

 

スゥスゥと静かに寝息をたてる翔ちゃんの方向に、ゆっくりと体を向ける

 

 

無防備で柔らかい表情を浮かべている幼馴染の姿を見て、少し胸が熱くなる

 

「翔ちゃんに狼なんて似合わないよ。むしろ狼はどっちかというと…」

 

今日の出来事を思い出し、自分でもだらしなくにやけているのが分かる。

 

 

 

―優しくて、心強くて、暖かくて、物知りで…たった一人の大好きな幼馴染

 

 

そんな彼と今日…初めてのキスをした

 

 

 

静かに隣で眠りにつく彼に近づき、

 

 

「ずーっと会えなくて、やっと会えたと思ったら今度は心配かけて…」

 

「だから……少しぐらいは私のわがままも聞いてくれていいよね?」

 

 

そっと抱きしめる。

彼が起きないように優しく、優しく…

 

 

 

「もう何回目かわからないけど…」

 

 

 

 

「大、大、大好きだよ。翔ちゃん」

 

 

今日のキスも、翔ちゃんのファーストキスが誰かに取られたりする前の先手を打っての行動だったんだけど…翔ちゃんには絶対にそんなこと言えないよ。

 

 

 

―ねぇ、翔ちゃん?

 

 

 

―花は一人で咲けないんだよ?

 

 

 




いかがでしょうか…?

友奈ちゃんのキャラを個人的にはなるべく保ちつつ、攻めて書いたのですが…どこか違和感とかありますかね?


まだまだ拙い本小説ですが、今後も読んでいただけるとありがたいです。

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