笑わない提督   作:オマエモ

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艦娘の前で全く笑わない提督。実質陽炎回。



笑わない提督12

その日、陽炎がわざわざ執務室まで来て私に直談判してきた。

 

「ほう、装備を改修したい、と…」

 

「そうなの司令官、…あ、エンゼルパイちょうだい!」

 

装備の改修とエンゼルパイを要求してきた。

とりあえず私はエンゼルパイとお茶を陽炎に提供する。

 

「改修なら明石に言えば良いのでは?」

 

「改修に必要な資材とかあるから、まずは司令官に許可をと思って」

 

「…陽炎、偉いなぁ」

 

他の者たちは明石に頼んで、その後明石からの資材の要求が私のところにくるものだが、わざわざ陽炎は私に話を通して、と考えてくれたらしい。

 

「あと、司令官のところ行けばエンゼルパイ貰えるって電が言ってたから…」

 

「そ、そうか……」

 

それにしても、陽炎はどんな感じの装備を望んでいるのだろうか?

 

「…で、改修はオッケーなの?」

 

「もちろんだ、お前の使い易いようにカスタムしてもらうといい。…ところでどんな感じの装備にしたいんだ?」

 

執務も一段落したところだ、陽炎とのコミュニケーションでも取るか、と私は陽炎に問いかけた。

陽炎はエンゼルパイをもぐもぐしながら答えた。

 

「シカゴチョッパー!」

 

「え?」

 

「シカゴチョッパーだよ、司令官!」

 

シカゴ…チョッパー……?

なんだろう、刃物系か?確かによその天龍や木曾が刀のような艤装を装備していたのを見たことがあるが……。

 

「あー、えーと、ザクマシンガンみたいなヤツでぇ、連射力に優れていてフリーカーの大群相手にも凄く強いサブマシンガンなの!」

 

「ザクマシンガンにフリーカーとやらがどんなものかは分からないが、非常に優秀な装備なのだな?」

 

「そうそう、単装砲をどうにかしてシカゴチョッパーみたいにしたいなって…」

 

「ふむ、改修というより開発になりそうだな。

いいだろう、優秀な装備ができればお前たちの安全にもつながり、国防のためにもなる」

 

「やったぁ、早速明石さんに相談しに行くね!」

 

そう言って陽炎は執務室を出ていった。

あのはしゃぎようは見た目相応の子供が欲しいオモチャを買って貰える時のそれに見えるが、優秀な装備案を思いついて気分が高揚しているのだろう。

 

連射力のあるサブマシンガンのような武器は制圧力があり、相手が多勢の場合は非常に有効だ。連射力という点では連装機銃があるが、主砲レベルで使えるようなモノはない。

明石と陽炎がどんな装備に仕上げるのか、見ものだな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

潮です。今日は五十鈴さんと陽炎ちゃんと私で哨戒任務があります。

今は五十鈴さんと一緒に出撃ドックで陽炎ちゃんを待ってます。

 

「陽炎のヤツ、遅いわね…」

 

出撃予定時間の10分前ですがまだ陽炎ちゃんはやって来ません。

 

「そういえば、今日は明石さんから新しい装備を貰えるって言ってたから、工廠に寄ってるのかもです」

 

「もう、そんなの出撃時間に間に合わせなさいよね!」

 

「で、ですよね……」

 

ホントは30分くらい私より早く出たはずなのに、陽炎ちゃんどうしたんだろう…?

 

「ごめーん!二人とも!」

 

ギリギリになって陽炎ちゃんがきた。

 

「明石さん、ギリギリまで新装備の調整してくれててさ、もしかして、私、遅刻?」

 

「遅刻じゃないけど、ギリギリよ。たく、仕方ないわね…」

 

「ごめんて、まぁ敵艦と戦闘になったら頑張るから」

 

「あの、もう出撃しないと……」

 

「それもそうね…五十鈴、出撃します。続いて!」

 

「よーし、両舷全速!陽炎、出撃しまーす!」

 

「潮、まいります」

 

 

 

 

近海に出てしばらくすると敵艦を発見しました。

イ級3、ヘ級1の水雷戦隊です。

 

向こうもこちらに気づいたようです。イ級が高速で接近してきました。

 

「約束通り、ここは私に任せて!」

 

「無理は駄目よ、陽炎」

 

陽炎ちゃんが満を持してといった感じで前に出ました。

新装備を見せてくれるようです。

 

「…こいつはいい武器だ」

 

陽炎ちゃんがうっとりしながらドラム式のマガジンがついた単装砲を出しました。

うーん、なんかイヤな予感がするよ…

 

「くらいやがれっ!」

ドパパパパパパパパパパパパパーーー!!

 

陽炎ちゃんの単装砲があり得ないくらい連射されました!!

こちらに突撃していたイ級が瞬時にハチノスになり、爆発しました!!

 

「へっ、汚ねぇ花火だぜ!」

 

「やだ、すごいじゃない!陽炎!!」

 

イ級の無惨な散り様を見たヘ級はすぐさま反転して撤退していきました。

 

「あっ、待ちやがれ!スキッゾ!逃がさねぇぞ!!」

 

「か、陽炎ちゃん!深追いはしなくていいよぉ!」

 

「アイアンマイク!…てめえの言い分は分かるがスキッゾを生かしておくといつかこのキャンプを危機に晒すことになるぞ…」

 

「」

 

陽炎ちゃん、なんか口調がおかしいよぉ…

アイアンマイクって私のこと?スキッゾって誰?キャンプってなに?

 

「まぁまぁ、その新装備が凄いってのは分かったから」

 

「リッキー、分かってくれたか」

 

「イヤ、誰よ、リッキー…」

 

「…そろそろ帰ろうよ」

 

「そうね、今回は哨戒だけに新装備の紹介って感じだったわね」

 

五十鈴さん?

とりあえず、哨戒を終わらせて帰投することになりました。

 

「じゃあ帰って、ブーザーに報告しとくか」

 

ブーザーって誰!?もうさっきから陽炎ちゃんがおかしいよぉ。

 

 

 

 

陽炎ちゃんはハマッたゲームに影響を受けておかしくなることが度々あるというのを、この時の私はまだ知りませんでした。

 

 




登場人物

斧田誠一郎
しばらく陽炎からブーザーと呼ばれる。
スキンヘッドではない。

陽炎
ここしばらくデイズゴーンにハマッているゲーム脳。
明石にトンプソンマシンガンのような主砲を作って欲しいと無茶な要求をする。
自称、陽炎セントジョン。

明石
しばらく陽炎からアルカイと呼ばれる。
単装砲の砲身を強化し、ドラム式マガジンで陽炎の要望になんとか応える。


この後、陽炎のデイズゴーン生実況プレイを見る。

五十鈴
陽炎が何言ってるかは分からないけど、任務に支障はないし陽炎が楽しそうならいいんじゃない?ってスタンス。
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