笑わない提督   作:オマエモ

21 / 28
艦娘の前で全く笑わない提督。
友人と初の合同演習。



笑わない提督18

合同演習日、はるばるさむそん鎮守府から我が鎮守府に矢間田率いる艦娘たちがやってきた。

 

朝早く、鎮守府正門で私と大淀、扶桑で出迎える。

矢間田たちを乗せているであろうバスが、鎮守府前に停止し次々とさむそんの面々が降りてきて整列している。

うむ、キビキビした良い動きだ。

最後に白い提督服に帽子を被ったの矢間田が降りてきた。

肩に届きそうなロン毛になってる以外は相変わらず爽やか王子って感じだなぁ。

 

私と矢間田が向かい合う。

 

「今日はよろしく頼むよ」

 

「うむこちらこそ世話になる、ようこそ当鎮守府へ。

来てもらって早速だが演習に入ってもらいたい、今日は君たちさむそん鎮守府の力を貸してほしい。

演習が終わったらささやかだが夕食を振る舞わせてもらおう」

 

「了解した」

 

「扶桑、大淀、さむそんの艦娘たちをドックまで」

 

 

扶桑と大淀の案内でドックへ向かうさむそんの一行を見送り、私と矢間田も港に向かう。

 

 

「へぇ、思っていたより提督って感じだね?」

 

「まぁな、こんな私でも彼女たちが誇れるような提督になれるように努めているつもりだ。そう見えているんなら、良かった」

 

「ふふ、ウチの娘たちは誠一郎の姿が見えたとたんキビキビしだしておかしかったよ」

 

「普段は違うのか?そういえば、私とは面識のない娘たちばかりだったな、怖がらせてしまったか…」

 

「………、一応僕の友人だとは言ってきたけど厳格な提督に見えたのかもね。まぁ久しぶりに会えて僕は嬉しいよ」

 

「私もだ、矢間田、良くきてくれた。ありがとう。

それにしても髪、随分伸びたなぁ」

 

「あぁ、へ、変かな?」

 

「良いんじゃないか、似合ってるし。私がやるとどうなるだろうか?」

 

「君は止めときなよ」

 

友人との久しぶりの会話を楽しみながら、港に泊めてあるボートに乗り込む。

このボートから合同演習の様子を見たり監督したりするのだ。

 

準備を終え、演習に参加する娘たちがボートに近寄って整列し始める。

 

「あー、そんなに生真面目に固くならなくても良い、まずは対空演習からいこうか、あいにくウチには空母がいなくてな。さむそんの皆からウチの娘たちに手解きをしてもらいたいのだ」

 

ボートの近くに集まった娘たちに告げた。

ウチから対空演習に参加する娘は、磯波、潮、朧、五十鈴、鳥海、最上。

 

「瑞鳳、秋月」

 

矢間田が呼ぶと二人が前に出てきた。

やはり私のようなメキシカンマフィア顔の前に立たされたせいか、硬くなっている気がする。

 

「君が瑞鳳か、今日は来てくれて本当にありがとう」

 

「あ、は、はい頑張ります!」

 

「こっちの秋月は防空に秀でた娘でね、お手本になればと思って連れてきたよ」

 

「秋月、そうか、期待している。よろしく頼む」

 

「お、おぉ、お任せください!」

 

「さむそんからはあと、…春雨、五月雨、山風。君たちも参加だよ」

 

矢間田が連れてきたのはまだ錬度の低い新人もいるらしく、今回で経験値を稼がせたいようだった。

 

 

 

瑞鳳やウチの利根、筑摩が放つ艦載機のダミーを秋月の指導の下に撃ち墜とし、動き回る艦娘たち。

とても有意義な演習になっているように見える。

合同演習を提案してくれた矢間田にさむそんの瑞鳳、秋月には感謝だな。

 

パシャリ、パシャリ……パシャシャシャシャシャシャシャ!

 

「……矢間田、何をしているんだ?」

 

「え?ウチの娘たちの頑張っている姿を撮っているのさ。あぁ~、山風、五月雨、春雨ぇ…いいヨォ…」

 

「あ、相変わらず白露型に熱を入れているのだな…」

 

確かに庇護欲を掻き立てられそうなほど可愛いらしい娘たちだし、提督として自分の艦娘に対してだと特別大切な存在と認識するようになるが……。

 

「いいのか?機密だとかあるんじゃ……」

 

「僕の大切な物を秘密裏に保管するスキルを甘くみないほうがいい、君がバラさなきゃ問題ないさ!」

 

「お、う、うん………」

 

なんだか、横須賀の長門さんを彷彿させるなぁ。

この後の矢間田からリクエストされた水雷戦隊の模擬戦ではウチの白露と夕立を出すつもりだが、こいつはどんな反応を見せてくれるだろうか?

 

じぇいこぶ鎮守府にとって非常に有意義な対空演習が終了し、昼休憩を挟んで補給した後、私と矢間田のお互い水雷戦隊同士での模擬戦となった。

じぇいこぶチームのメンバーは

旗艦を球磨とし、那珂、電、白露、夕立、陽炎。

さむそんチームは

旗艦、長良、以下那珂、春雨、五月雨、山風、秋月

とのことだ。ほう、さむそんチームにも那珂がいるな。

 

「まぁ、今回は胸を借りるつもりでウチの新人たちの経験にさせてもらうよ」

 

矢間田はそう言いながらカメラを構えた。

ドックからそれぞれの艦隊が海上に繰り出し、配置につく。

 

 

 

「イッチバーン!」

「ぽーい!」

「こらこら、一応よそさまの提督の前だから真面目にやるクマ!」

 

 

 

「!!、!!、!?…!!、…!!」

 

「うぉ!ど、どうしたっ!?矢間田…?」

 

突然、私の顔を見たと思えばじぇいこぶチームを凝視し、また私の顔を見てそのまま空を仰ぎ膝をつき眉間にもんのすごいシワを寄せて顔を伏せた矢間田。

 

先ほどウチの白露と夕立を見せたらどんな反応をするかと考えたが予想外の矢間田の奇行に私は面食らった。

 

「誠一郎……僕たちトモダチだよね?」

 

「!あ、あぁそうだが…?」

 

「おくれ」

 

「は?」

 

「白露と夕立、おくれよ」

 

何言ってんだコイツ……!?

 

「…いや、やらんが?」

 

「なるほど!!この模擬戦で勝利した方が白露と夕立の提督ってことだね!!」

 

何言ってんだコイツ……!?(二回目)

 

 

 

 

 

模擬戦は姉妹艦がいたからか、いつもよりテンションの高い白露と夕立の大車輪の活躍でフツーに勝利した。

 

 

 

 

 




登場人物

斧田誠一郎
合同演習が恙無く終了しホッとした。

矢間田時雨
白露型これくしょん。


雀怜さん、誤字報告ありがとうございました。
主にドックをドッグと誤表記しておりました。

反省して明日は艦これアーケードで時津風が出るまで建造回してきます。(出来るのか?) ←6/5
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。