レイオニクスと9人の少女 【大怪獣バトル・サンシャインギャラクシー】 作:ふらんどる
「ヤプールに謎の怪獣・・・。頭が痛くなることばかりだわ」
「ええ、ますます大変になりますよ」
休日、鞠莉さんのプライベートルームで紅茶を飲みながら二人でこの間の件について話す。例の件は鞠莉さんも目撃しており、やはりショックは大きかったようだ。
「でも、無理は禁物よ。今のところ戦えるのはあなただけなんだから」
「それもどうですかね・・・」
実はあの戦いで羽をもがれたドラコは大きなダメージを受け当分戦えない状態になってしまったのだ。バトルナイザーの中にはあと2体まで怪獣がいるそうだが、今のところ呼び出せるのはドラコ1体だけだ。
「それじゃあどうすれば・・・」
「当分の間出てこないことを祈るしかないですね」
僕は窓の外に広がる海を見ながらため息をつく。「そうも言ってられないわ」
そう言って鞠莉さんは傍らに於いてあった新聞を取って僕に見せた。
「これはっ・・・」
それは英字新聞で記事の内容を把握するにはいたらなかったが、そこに掲載されていたのは何匹もの怪獣の写真だった。しかも、どれもここ内浦に現れたものではない。
「アメリカやオーストラリア、それ以外の各地でも同じような怪獣現象が世界各地で発生しているの」
「これは、ゴーデス!?それにアメリカのこいつは・・・・ザンボラーの亜種か?」
「すごいわ・・・、あなたは何でも知ってるのね」
「僕も怖いくらいですよ。それじゃ、船の時間もあるので僕はこの辺で。あっ、この新聞借りていいですか?」
「あげるわ。あと、何度も言うけど、無理しちゃダメよ。何かあったら私に相談して、約束よ」
「了解です鞠莉さん、それじゃ」
僕は鞠莉さんに一礼してそのまま部屋を後にした
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「多いわね、人」
日曜日。沼津駅前の高いビルの屋上に一人の女が立っていた。
眼下には大勢の人々が行き交っている。
彼女は別にここから飛び降りようとしているわけではない。ただ、道行く人話眺めているだけだ。
「こんなところに連れてきて目的は何なの?」
『この人間たちが幸せそうに見えるか、紫乃』
虚空から発せられた低い声は彼女にそう問いかけた。
「ええ、そうね・・・」
紫乃と呼ばれた女は低い声で答えた。その拳は固く握られている。
「憎い・・・憎いわ・・・」
『これを使え紫乃・・・』
その瞬間一陣の風が吹き、一枚のカードのようなものが彼女の前に舞い降りた。
「これは・・・へぇ、面白そうね」
それを受け取った彼女は不敵にほほ笑んだ。
「でも、ヤプールの事が心配ね。本当に迷惑千万よ」
『心配するなそれより紫乃、見ろ・・・あそこにいるのがもう一人のレイオニクスだ・・・』
「へぇ、彼が・・・」
駅から出てきたひとりの男を見つめて、そう言って彼女はまたも不敵な笑みを浮かべるのだった。
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「やっぱ混んでるな・・・」
今日僕は買い出しついでに千歌に頼まれた買い物のため沼津のショッピングセンターに来ていた。
まずはおなかを満たそうとのフードコートに入ったが、休日ということもあり席は大混雑だ。
「えーっと・・・あった!」
僕もやっとのことで席を見つけて昼食にありつけた。
「ねえ、前いいかしら?」
食べ始めてからしばらくして女の人に声をかけられた。
声の主は強い紫ががった長い髪に、端正な顔立ちと少し釣りあがった目。一目見ただけで美人とわかる。
「えっ、あっ、どうぞ」
「ありがとう」
そう言って彼女は僕の向かいの椅子に座る。その動作一つだけでも上品だ。
しばらく僕はまたそのまま食べているが、不思議なことにその女の人は一向に何かを注文しに行く気配はない。
「そういえば、あなたの怪獣やられちゃったみたいね」
「ゴホッゴホッ!」
まさかの発言に耳を疑い驚いて思わずむせ返ってしまう。
「あら、そんなに驚くことないじゃない。浅間俊さん」
そういう彼女は不敵な笑みを浮かべてこちらを見つめる。
「なんで僕の名前を、それにあなたはいったい何でそんなことを・・・」
「そんなことは今いいじゃないの。それよりもいいの?こんなところにいて、また怪獣が現れちゃうかもよ」
そう言って彼女は先ほどと変わらぬ表情でこちらを見つめる。
「あ、あなたには関係時無いじゃないですか」
「関係なくないわ。色々話したいことがあるの、場所を変えない?」
「い、いいでしょう」
どういうわけか僕は敬語で返事をし、彼女についていく。
「ここならいいでしょう、人もいないし」
謎の女につれてこられたのは室外機や段ボールが置いてある建物の裏側の路地であった。通行人もたまにしか通らず、放すには絶好の場所だ。
「あなた、どれだけ知ってるんですか」
「まあ、ほとんど全部と言っていいわね、あなたの出自以外は」
何のためらいもなく彼女はひょうひょうと答える。
「なんで・・・」
「なんでって、レイオニクスはあなただけじゃないのよ?」
そう言って彼女は不敵な笑みを浮かべて持っていたカバンに手を突っ込む。
「あっ、バトルナイザー!」
「せいかーい♪でもフツーのじゃないわよ」
彼女がカバンから取り出したのは僕には見慣れたバトルナイザーだ。しかし、その色は液晶部以外は真っ黒に染まっている。
「もしかしてドラゴリーと戦ったのは・・・」
「そう。かわいかったでしょ、私のガルベロスちゃん」
「なっ・・・!?」
驚きの連続に思わず言葉を失ってしまう。
全く理解が追い付かないが、僕もポケットからバトルナイザーを取り出す。無論使えないことはわかってる。
「ふふっ、構える姿様になってるわよ。でも、ヤプールなんかに負けるようじゃまだまだね」
「なにをっ・・・。いったいあなたは何者なんですか・・・」
すると女はゆっくりとカバンから一枚のカードのようなものを取り出す。、
「こ・う・い・う・も・の・よ」
そして、そのカードを漆黒のバトルナイザーの前方部にスキャンした。
『バトルナイザー・モンスロード 』
いつもの物とは違うおどろおどろしい声が鳴り響き、液晶部から真っ黒い稲妻のようなものが天高く伸びていった。
「なにっ!?」
その稲妻は天に登り、徐々にあるものの形を作っていった。
小豆色の体ついた巨大な羽、前に突き出た長い首とその先端の大きなくちばし。
超古代怪竜メルバが現れたのだった。
「メルバちゃん、やって」
その声でメルバは大きく羽をはばたかせ突風を巻き起こす。
周囲には悲鳴が響き渡り、突風で車や看板などが次々と吹き飛ばされていく。
「ふふっ、やっぱり気持ちがいいものね。シアワセが壊れる音って」
「なんてことを!」
「そんなに怒るならとめてみれば?今のあなたには無理でしょうけどね」
彼女はあざ笑うかのような目と口調でそう告げた。
「あんたはいったい何者なん!」
僕は先ほどと同じ問いを彼女にぶつける。
「あら、言ってなかったわね。私の名前は夜霧紫乃、じゃあね」
そうれだけ言うと彼女は背後の逃げ惑う人混みの中に消えていった。
「待!・・・うわっ!」
僕は追いかけようとするがその瞬間にメルバの羽から繰り出す突風にあおられ、立ち上がれなくなってしまう。
「くっそお・・・」
するとその瞬間ショッピングセンターの大きな看板が僕の上に落ちてくるのが見えた。
「あっ!」
もうだめだ、そう思った瞬間。
巨大な咆哮が響いた。
そしてメルバとは反対方向から飛んできた光線のようなものが看板に直撃した。
そして、看板は爆発四散し、その破片が周囲に降り注いだ。
「えっ!?」
僕は驚いて光線が飛んできた方を見上げる。
漆黒のごつごつした肌にぎろりとした目、そして頭の一本角。
そこには、用心棒怪獣ブラックキングが立っていたのだった。
海外の怪獣はグレートとパワードネタです。
さあて紫乃さんにはこれから活躍してもらいます。ますます面白くなるねぇ