レイオニクスと9人の少女 【大怪獣バトル・サンシャインギャラクシー】   作:ふらんどる

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もう5回目になりましたね。
もうお気づきの人もいるかもしれませんがドラコの腕は本編と違います。なぜこうなのかは是非調べてみてくださいね。


第5回 新理事長と浦女異常地帯

「ハロー!あなたがシュン?」

 

「こ、こんにちは・・・」

 

十千万にかかってきた電話を受けて僕は急いで浦女へと向かい、すぐに理事長室に通された。そこにいたのは異様にテンションの高い金髪で制服に黄緑色のベストをつけた人物だった。リボンの色を見るに3年生のようだが、なぜ理事長室にいるのだろうか?生徒会にもこんな人はいないはずだ。

 

「私は小原鞠莉、見ての通り3年生よ!気軽にマリーって呼んでね!」

 

「小原さ・・・」

 

「non non マリーよ!」

 

「ま、マリー・・・それで、新理事長はまだ・・・」

 

「あら、新理事長ならここにいるわよ」

 

「えっ!?」

 

小原さんの言葉に慌てて後ろを振り返るが、扉は締まっており、他に誰もいない。

 

「びっくりしたー、脅かさないでください。ここにいるのは僕と小原さんだけでしょ」

 

「そうよ」

 

人を驚かせたのにもかかわらず、鞠莉さんはケロッとしたような表情をしている。まったく何なんだこの人は。

 

「マリーがここの新しい理事長よ」

 

「小原さん、人をからかうのも・・・」

 

「あら、からかってなんかないわよ」

 

そう言って小原さんは一枚の紙を取り出して僕に見せつける。

 

「全く何です・・・、え~なになに、小原鞠莉殿、4月1日付であなたを浦の星女学院の理事長に任命します。浦の星女学院理事会・・・」

 

「だから言ったでしょ。うちの実家のこの学校への寄付は相当なものだから、選ばれちゃった♪」

 

「り、理事長!し、失礼しました!」

 

彼女の正体がわかった瞬間、僕は瞬時に背筋をただして先ほどの無礼を謝罪する。実家というのは淡島にあるホテルオハラの事だろう。新しい理事長はここの人だとは聞いていた。実は僕はホテルオハラグループ主催の奨学金も借りているのだ。無礼な対応などしたら打ち切られるかもしれない。

 

「やっぱり話に聞いた通りとってもcoolね」

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

「もう、そんなに硬くならないでよ!普通に接して頂戴」

 

「わ、わかりました・・・。それにしても、なぜ3年生の服を?」

 

「なぜって、3年生だからよ」

 

「は?」

 

「生徒兼理事長。カレー牛丼みたいなものね♪」

 

「ええっ・・・」

 

驚きがすごすぎてもう声も出ない。一体何なんだこの人は。

 

「とーつぜんですが、私物チェックをシマース!」

 

すると突然小原さんは近づいてきて僕のカバンに手をかける。

 

「うえっ!?」

 

「あら、何か見られてまずい物でもあるのかしら?」

 

「い、いえ、決してそんなんじゃないです」

 

実際はそんなんじゃなくはない。まずい、非常にまずい。バトルナイザーがあるのだ。

何も知らない人からすればバトルナイザーなんかおもちゃにしか見えない。よって最悪の場合没収されてしまうだろう。もしそんな時前みたいに怪獣が現れたら一大事だ。

 

「じゃあ、遠慮なく見させてもらうわね」

 

そう言って小原さんは僕のカバンの中から一つ一つ物を取り出し始める。その傍らで僕は見つかるなと必死に祈る。

 

「あら~、これは何かしら?」

 

しかし僕の期待もむなしく当然だがあっさり見つかってしまった。

 

「あっ!いっけないそれは今朝たしか筆箱と間違えて持ってきて・・・」

 

「筆箱はあるわよ」

 

「うぐぅ・・・」

 

咄嗟についた嘘もあっさりとばれてしまった。万事休すだ。

 

「こんなものはボッシューします!」

 

「待ってください!それだけは勘弁してください!それはとっても大切なものなんです!」

 

バトルナイザーを取り上げ、机の引き出しに入れようとする小原さんに、僕は必死に訴える。たとえこれが怪獣を操る道具でないとしても、これは僕にとっては大切なものなのだ。

 

「あら、そんなに大切なの?じゃあ言ってみて。これを何に使うのか」

 

必死な僕とは真逆に小原さんは不敵な笑みを浮かべる。一体何なんだこの人は。

 

「それは、なんというか・・・」

 

 

 

 

 

「たしか、ドラコって言ったわね、怪獣の名前」

 

 

小原さんの口からドラコの名が出てきた瞬間、全身が凍り付くような寒気が背筋を走った。

 

今まで、メディアでは『謎の怪獣』としか報道されていないはずで、ドラコという名を知っているのは僕だけのはずだ。

 

それなのに、なぜこの人はドラコの名前を知っているんだ。

 

「な、なんのことですか・・・」

 

「あら、隠すことないじゃない、悪いことをしたわけじゃないんだし。この内浦を守ってくれてありがとう。この場を借りてお礼を言うわ」

 

そう言っていきなり頭を下げる鞠莉さんに僕は少しびっくりする。今まで怪獣を倒したことで感謝されたことなど一度もないからだ。

 

「な、何を言って・・・」

 

「写真もあるんだし、認めちゃいなさいよ」

 

「しゃ、写真!?」

 

「ふふっ、図星の様ね。本当は撮ってないけど」

 

 

この人は本当に何なんだ。少なくともこの人は僕の秘密を知っている。

 

よし、もうこの人に隠し通すのはやめよう。

 

「何がしたいんですか・・・」

 

「あら、そんなに怖い顔しないで。別にあなたを責めたり、人に言いふらすわけじゃないわ」

 

「じゃあなんで・・・」

 

「お願いがあるのよ。とっても大切な」

 

「お願い・・・?」

 

僕がそう言うと小原さんは真剣な表情になり声のトーンも下がる。

 

 

「まず、最近内浦周辺に現れる怪獣は理事会の間でも大きなproblemとなっているわ」

 

「そうでしょうね」

 

実際怪獣は理事会どころか日本中の問題となっている。あんなもんが頻繁に表れて町を破壊しようものならたまったもんじゃない。

 

「だから騒動が収まるまで休校することもできるけど、多くの生徒たちがいて、しかもnew seasonが始まったばかり。なるべくそんなことはしたくないわ」

 

 

「お願いシュン、この内浦を、浦の星を守って。これができるのは、あなたしかいないわ。これは、浦の星女学院の理事長としてお願いするわ」

 

「小原さん・・・」

 

「あなたの事は私や小原家が総力を挙げて守るわ。だからお願い」

 

そう言って小原さんは僕の手を握って頭を下げる。

 

その瞬間、僕の心の中に複雑な感情が生まれる。

 

本当なら僕だって平和な暮らしがしたい。しかし、怪獣がそれを脅かし、それに対抗できるのは僕しかいない。

 

「わかりました、やりましょう」

 

僕は大きく息を吸った後、はっきりとそう答えた。

 

「thank you!そう言ってくれると思ってたわ!」

 

すると小原さんは僕に思いっきり抱き着いた。

 

「うわっ!?」

 

しかもかなりスタイルも良い。途端に恥ずかしくなってしまう。果南さんと言い、最近ほんとハグされるな僕。

 

「それと、せめて名前で呼んでほしいわ。『小原さん』って呼ばれると奥歯にものが挟まったようで嫌なのよ」

 

「わかりました『鞠莉さん』」

 

「thank youシュン!そ・れ・と、もう一つお願いが・・・」

 

 

「またですか?。それで・・・」

 

 

『四次元現象発生、四次元現象発生!注意せよ、注意せよ!』

 

 

「うわっ!?」

 

「what!?なに!?」

 

バトルナイザーが鳴り出したと同時に、ものすごい音とともに床が揺れ、僕たちは転んでしまった。

 

「いてて・・・、大丈夫ですか?」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

すると外から騒ぎ声が聞こえだした。

 

「行きましょう!」

 

「ええ!」

 

僕たちは何があったか確かめるため急いで理事長室を飛び出す。廊下にいる生徒たちも何が起こったかわからないようだ。

 

「ダイヤ!」

「ダイヤさん!」

 

理事長室を出て階段を降りるとダイヤさんに会った。その様子から僕たちと同じく事態を確認に向かっているところのようだ。

 

「何があったんですかダイヤさん!」

 

「私にもよくわからないのですが、聞くところによると校庭に何かが!」

 

「とにかく、校庭が見えるところまで行きましょ!」

 

そして、校庭が見える場所まで来て窓から身を乗り出した僕たちの前には、衝撃的な光景が広がっていた。

 

「いったいなんですのあれは!」

 

校庭のポールや周りの木々を下敷きにして巨大なテトラポットのような物体が校庭に鎮座していた。

 

色は上が青、下が赤みがかった黒でぶよぶよとしているのか小刻みに揺れている。

 

「ブルトンだ!」

 

案の定、咄嗟に口からその怪獣の名が出た。もう何でこんな風になるのかはもう考えないことにした。ピグモンに聞いてもわからないらしい。

 

あの姿はまごうことなき四次元怪獣ブルトンだ。

 

ギャラクシークライシスの元凶であり、数多いる怪獣の中でも最も生態が謎に包まれている。意図的に空間を捻じ曲げることがあるので少なくとも何かしらの意思は持っているようだが、それ以外は全くわからない。

 

「なんでこいつが・・・」

 

するとブルトンの突起の一つから何やら細長い物体が伸びてきた。そして、それを見た瞬間僕は咄嗟に叫んだ。

 

「二人とも目をつぶって!」

 

「浅間さんいきなり何を・・・」

 

「いいから!」

 

その瞬間、目をつぶっていても一瞬周囲がものすごく明るくなるほどの物凄い閃光が走る。僕は間一髪のところで目をつぶったので何とか助かった。まともにくらっては目が持たない。

 

「二人とも大丈夫ですか」

 

「え、ええ大丈夫ですわ」

 

「大丈夫よ」

 

二人も目をつぶれたらしく、無事だったことに安堵する。

 

「あっ!」

 

「消えた・・・」

 

窓の外を見てみると先ほどまで存在していたブルトンの姿がない。それどころか倒れていたポールや木々も元通りだ。

 

「どうなってるの・・・」

 

「とにかく、一旦校庭まで言って確認しましょう」

 

「私は職員室に!」

 

僕たちは急いで階段を下りる。

 

「えっ、なんで!?」

 

しかし、降りた先は一階のはずなのになぜか下に続く階段があり、職員室も玄関もない。それどころか窓からは先ほどと全く同じ光景が見える。

 

「わ、私たち、確かにさっきまで2階にいましたわよね」

 

「ええ、そのはずよ。でもどうして・・・」

 

「もしかして・・・」

 

僕は先ほどと同じように下へ続く階段をかけ下りる。

 

「やっぱり!」

 

階段を下り、踊り場を過ぎて下を見下ろすと、そこには鞠莉さんとダイヤさんの姿があった。

 

「シュン!なんで!?」

 

「い、今階段を下りましたわよね!?」

 

二人は驚いたように振り返りこちらを見上げる。僕の思っていた通り、ブルトンは時空を捻じ曲げていたのだ。

 

「とにかく、いろんなことを試してみましょう。そうすればこの空間から脱出できるかもしれません。別の階段を試しましょう」

 

「そうしますわ。それにしても浅間さん、あなたはいったいどうしたんです?先ほどから人が変わったかのようになって」

 

「えっ、そうですか」

 

「話してる暇は無いわ、とにかく行きましょ」

 

鞠莉さんの言葉で、僕たちは廊下の先の階段に向かって走り出す。

 

 

 

 

 

しかし、またも異変が起こった。

 

「ねえ、廊下ってこんなに長かったっけ」

 

「いつまで走ればいいのですか?」

 

本来なら30秒もかからないのに、いくら走っても一向に廊下の先へたどり着かないのだ。それどころか延々と同じところを走っているような気がする。

 

「そうだ!視聴覚室から行ける非常階段があるわ。そこなら・・・」

 

「よしっ、行こう!」

 

僕たちは廊下を引き返し、かなり走った後何とか視聴覚室にはたどり着けた。

 

「はぁ、はぁ、やっと着きましたわ・・・」

 

「行きますよ!」

 

そして視聴覚室の扉を開けた途端、僕たちは目を疑った。

 

 

 

 

 

 

「なっ、どういうことですの・・・」

 

そこには机も椅子もあるものの足がすべて天井にくっついて逆さまになっているのだ。それどころか部屋の光景すべてが逆さまだ。

 

「私たちが天井に立ってるんだわ!」

 

その言葉でようやくわかった。部屋が逆さまなんじゃない。僕たちが逆さまになっているのだ。

 

僕はそんなことにかまわず空間を走り抜け非常階段につながる扉を開けた。

 

「な、っ!?」

 

今度は扉の先には階段ではなく断崖絶壁が広がっており、眼下には轟々と音を立てながら流れ落ちる水と、大きな滝つぼが広がっていた。

 

「一体何なんなのですの!?もう訳が分かりませんわ!」

 

僕に続いて扉をくぐったダイヤさんが叫んだ。

 

「見て!扉がない!」

 

振り返ると先ほど入った扉はなくなっており、僕たちの眼前には果てしない荒野が広がっていた。状況が理解できないダイヤさんは軽いパニック状態に陥っている。

 

「落ち着いてダイヤ、きっと何か方法があるはずよ」

 

「おいピグモン、なんか方法はないのか」

 

僕は二人に背を向けて小さな声でバトルナイザーの中のピグモンに呼びかける。

 

「周りをよく見せてほしいッピ。僕がここに来たのも四次元空間を通ってきたから、どこに出口があるか少しわかるッピ」

 

「頼む!」

 

僕はバトルナイザーを掲げながら周辺をうろついた。そして、滝つぼを覗き込んだ瞬間

 

「ここだッピ!」

 

「えっ!?ここ!?」

 

最初は冗談かと思ったが、よく見ると滝つぼの水が渦巻いて光っている。最初にベムラーが現れた時と同じように。

 

無論滝つぼに飛び込むことは恐ろしい。死ぬかもしれない。しかし、この異次元空間から脱出するにはこの方法しかないのだ。

 

「えいやぁ!!」

 

僕は意を決して助走をつけて走り出し、轟々と音を立てる滝つぼへと飛び込んだ。

 

「シューン!!」

 

「浅間さーん!!」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「よかった、生きてる」

 

どうやら僕の思った通り、あの滝つぼこそ異空間の脱出口だったのだ。体をつねって痛いということは、僕はまだ生きているということだろう。

 

「ありがとうピグモン」

 

僕はバトルナイザーの中のピグモンに礼を言うと呼びかけに答えてバトルナイザーからピグモンが飛び出してきた。

 

「無事でよかったッピ・・・あっ!」

 

振り返ると、遠くにブルトンがその場に静止したまま小刻みに震えている。

 

 

『付近に四次元怪獣ブルトンの反応を確認、注意せよ、注意せよ』

 

「あー、ブルトン!怖いよー」

 

ブルトンを見た瞬間、ピグモンは怯えたように僕の後ろにかくれる。

 

「知ってるのか!?」

 

「うん、昔ひどい目にあったッピ!」

 

あのなんとも形容しがたい異様な姿には見覚えがある。どこかで見た。しかしなにかが思い出せない。

 

 

「細かいことは後だ。ブルトン・・・、許さんぞ!行け!ドラコ!」

 

 

 

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 

 

 

『グガアァァァ!!』

 

 

高く掲げたバトルナイザーからまばゆい光が飛び出し、彗星怪獣ドラコが姿を現した。

 

 

その場に静止したままのブルトンに対してドラコは一歩一歩、歩を進める。

 

 

するとそれに反応するかのようにブルトンは先ほどと同様に突起から細長い物体を伸ばす。

 

 

「ドラコ気をつけろ!」

 

一瞬の閃光が走る。

 

目を開けると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。

 

 

『グァァァァァ!!』

 

『ビィィィィィ!!』

 

岩石怪獣サドラ、宇宙昆虫サタンビートル

 

 

ドラコの前に強大な2匹の怪獣が立ちふさがっっていたのであった。

 




お読みいただきありがとうございました。誤字や文の乱れがあったら報告お願いします。
次回は3大怪獣との決闘!お楽しみに!
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