レイオニクスと9人の少女 【大怪獣バトル・サンシャインギャラクシー】 作:ふらんどる
この作品は更新する際に必ず1話ストックを作るようにしてますので完成してもすぐには更新してません。
「ドラコ気をつけろ!」
立ちはだかる2匹の怪獣に向けて威嚇するように咆哮を挙げるとまずはサドラに向けて突進し、鞭を振り下ろすが、サドラの大きな腕のハサミでキャッチされてしまい、逆に引っ張られて地面に倒されてしまう。
「しまった!」
そしてその機に乗じてサドラが跳びかかってきたが、間一髪のところでかわし、逆に腹に力強い蹴りを入れて、さらに左手の鎌で切りつける。
「さすがに2対1は大変ッピ」
すると今度はサタンビートルがロケット弾を連続発射した。
「うわっ!!」
「ピぃ!!」
ドラコは瞬時に羽を広げて飛び上がってかわしたが、僕たちはその爆風で吹き飛ばされてしまった。
「痛ってぇ・・・ピグモン大丈夫!?」
「大丈夫だッピ」
怪獣との戦いの中で自分が怪我をするのは初めてだ。改めて戦いの恐ろしさを思い知る。
飛び上がったドラコはそのまま近くにいたサドラめがけてドロップキックを仕掛ける。
『ギャェェェェェ!!!!』
悲鳴に似た鳴き声と共にサドラが倒れ、そのまま向かってきたサタンビートルに鞭の一撃をくらわせる。
「よしっ!」
しかし、次の瞬間倒れていたサドラの両腕が伸びて、その大きな手のハサミでドラコの腕をがっしり掴む。その光景を見てサドラの腕は地上にいる獲物を捕食するために伸縮自在になっていたことを思い出す。
「危ないッピ!」
腕をつかまれたドラコは苦しそうな鳴き声を上げ、逆にその場に張り倒される。
そこにサタンビートルの黒くてとげとげしい腕が次々に振り下ろされる。
サドラの腕のハサミを何とか振りほどいたドラコはお返しとばかり倒れたままサタンビートルの腹めがけて蹴りを入れ、今度は振り返ってサドラに頭突きをくらわし、左手の鎌で切りつけた。
『ガァァァァァ!!!』
次の瞬間、咆哮が響き真っ黒い物体が地面を突き破って現れた。
「あっ、マグラーだ!」
全身が棘状の真っ黒い体に大きな口、そして頭の一本角。
地底怪獣マグラーが現れたのだ。
よく見るとまたもやブルトンの突起から細長い触覚が出ている。
「くっそぉ、ブルトンめぇ・・・」
地面から這い上がってきたマグラーは大きな真っ黒い体でドラコめがけて体当たりをかます。
立ち上がってドラコも応戦するがやはり多勢に無勢、ドラコはピンチに陥る。
「畜生・・・どうすれば・・・」
3怪獣は交代に攻撃したり、ドラコを押さえつけたりして次々と攻撃を仕掛ける。
「あれ、どうしたッピ?」
「霧だ!」
すると周囲がだんだん真っ白い霧に包まれだし、途端に視界が悪くなった。
「サドラの仕業だ!」
サドラの皮膚から分泌される液は電磁波を含んだ霧を発生させるのだ。
視界が利かない中ではっきりとは見えないがんドラコがピンチに陥っているというのはわかる。
「くっそお、なにか手はないのかよ」
すると、僕たちの目の前でマグラーとサタンビートルがぶつかった。
するとどういうわけそのまま二匹は戦い始めた。
「どうして喧嘩しだしたッピ?」
「わかった!!サドラの霧のせいだ!」
「霧のせい?」
サドラが発したあの霧は電磁波を含んでいて、視界を撹乱させる効果がある。サドラは霧の中でも相手を認知する器官が発達しているから問題ないが、他の二匹は霧のせいで互いを認識できず、互いを敵だと思って同士討ちになってるのだ。
サタンビートルとマグラーはドラコそっちのけで乱闘を始める。
「そうだ!このままいけば・・・」
マグラーはパンチや大きな体で繰り出すタックルで、サタンビートルも棘の付いた腕や頭の大きな角で互いに激しくぶつかり合う。
サドラはそのままドラコと戦い、戦力の分散に成功した。
サタンビートルは飛び上がって空中からロケット砲を撃ち下ろしたり、毒ガスでかく乱したりしてマグラーを翻弄する。
サタンビートルは飛行しながらの体当たりをして、その大きな角をマグラーの腹めがけて突き刺す。
角を抜いた後、腹のロケット砲をゼロ距離で発射した。
至近距離で発射されてはたまらず、マグラーは悲鳴を上げてその場に倒れた。
一方のサドラとドラコも激しく戦っている。
そして、しばらくにらみ合いが続いた後サドラが近づいてきた瞬間に、ドラコの右手の鞭が瞬時に首もとに巻き付いた。
ドラコそのまま鞭を引っ張り付け、サドラはもがき苦しむ。
そして、しばらくの後サドラは泡を吹き倒れ、そのまま動かなくなった。
続いてドラコとサタンビートルの一騎打ちが始まった。
まずサタンビートルは毒ガスを吐き出すが、ドラコは広げた大きな羽で風を起こしてそれをはね返す。
そして、周囲がガスで曇った一瞬の隙をついてドラコは接近し高く掲げた左手を振り下ろす。
『ビィィィィィ!!』
そした、鎌は頭の上に生えた大きな角を切り裂いた。
サタンビートルは悲鳴に似た叫び声をあげてのたうち回り、そしてその隙にドラコは脇頭を突っ込ませバックドロップを決める。
「やった!!」
激しい音と共に地面に激突したサタンビートルには決め手となったようで、そのまま動かなくなった。
「よし、次はブルトンに!」
僕の声を受けたドラコはブルトンめがけて口から火炎弾を発射する。
しかしその瞬間ブルトンは一瞬にしてその場から姿を消し、地面に大きな炎が燃え上がった。
「ありがとう、ドラコ戻れ!」
僕はバトルナイザーを掲げてドラコを収容する。
「あっ、見て見て!周りの景色が!」
すると徐々に空の色や周囲の景色が変化していき、最終的に僕は校庭の真ん中に立ち尽くしていた。
辺りを見回すといつも通りの穏やかな光景が広がっていた。
『戦え、そして思い出せ』
その時どこからともなく声が響いた。
「なっ!?誰だ!」
しかしその威厳のある重たい声は僕の問いかけに答えることはなかった。
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「皆さん良く来てくれマーシタ!」
数日後改めて僕は理事長室に呼ばれた。結局この間の事件は証拠がなにもないので、結局集団パニックみたいな形で処理されたのだ。今後のためにもそれれがいいだろう。
「そ、それで新理事長・・・」
「ノンノン、マリーよ!」
しかし、今日は一人ではない。千歌、曜、梨子の三人とそれになぜか生徒会長のダイヤさんも一緒だ。無論スクールアイドル3人娘やダイヤさんは最初は信じていなかったが、僕に見せた任命状を見せたら納得してくれた。それにしてもまたカレー牛丼の例えを使っていたが、この人の好物なのか?
「ま、マリー・・・それで私たちに何の用が・・・」
「この浦の星にSchool idolが誕生したと聞いて、ダイヤに邪魔されちゃあかわいそうだから急いで応援に戻ってきたのデース!」
『戻ってきた』というのは、鞠莉さんは1年生の2学期から今までずっと海外に留学していたそうだ。ダイヤさんとも旧知の仲?のようだ。
「このマリーが来たからにはもう安心よ。debut liveにはアキバドゥームを用意したわ!」
鞠莉さんは手に持っていた小型パソコンを見せる。
「奇跡だよー!」
「it`joke!」
「冗談のためにわざわざそんなもの用意しないでください」
梨子ちゃんが冷静に突っ込みを入れる。つくづく思うが本当にこの人のやることはわからない。この間なんか砂浜で練習しているときにヘリコプターに乗って現れたし。
「実際はここよ!カモン!」
そして、僕たちが連れてこられたのは学校の体育館だった。
「ここ、ですか?」
「Yes!ピッタリでしょ」
確かに鞠莉さんの言う通り、「スクール」アイドルの初ライブとしては最適な場所だ。
「ここを満員にできたら、人数に関わらず承認してあげるわ」
「本当!?」
千歌が喜びを隠しきれないような声で言った。
「でも、もし満員にできなかったら?」
「その時は、残念だけど解散してもらうデェス」
やはり思っていた通りそう簡単にものは進まなかった。それにしても「解散」とは厳しい条件を出す。さすが生徒兼理事長といったところか。
「解散って・・・」
「嫌ならいいわよ?」
「やります!!」
勢いよく千歌が答えた。その瞳はやる気に満ち溢れている。
「OK!取引成立ね。それとシュン!」
「はい!」
鞠莉さんに指さされ僕は背筋を正す。この前の癖が抜けてないな。
「理事長として、あなたに彼女たちのmanagementを命じます!」
「へ?」
「つ・ま・り、あなたは3人のマネージャってことよ」
「ええっー!!」
あまりにも突然なので驚きを隠せない。
「やった!俊くんも」
「ほら、千歌っちも喜んでるみたいだし、ちなみにあなたに拒否権はないわ。それじゃ、チャオ~♪」
そう言い残し、鞠莉さんは去っていった。いくら抗議しても覆せっこないのはこの人と話してわかってる。実際僕も手伝うって言ったんだし、ここは認めるしかない。
「やったぁ!ファーストライブの会場は確保できたし、俊くんもマネージャーになってくれるし、いいことずくめだよ!」
「ちょっと待って・・・」
大喜びする千歌とは反対に、桜内さんは考え込んだ表情を見せる。
「梨子ちゃんどうした・・・あっ!」
「わかった、そういうことか・・・」
体育館を見まして僕はあることに気づいた。曜も同じらしい。
「ほぇ?どうしたのみんな」
状況がわかってない千歌はきょとんとした表情で首をかしげる。
「いいか千歌、よく聞けよ」
「うん」
「全校生徒、いや、先生や用務員さんを集めても、ここは満員にはならない」
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「す、スクールアイドルのライブでーす。お願いしまーす」
僕たちは千歌の発案で人の多い沼津駅でビラ配りをすることとなった。
「お願いしまーす、あっ、ありがとうございます!」
しかしやはりそううまくいくものではなく、なかなか減らない。配っている中で唯一の男子だからしかたないか。
他の3人はどうかと見ていると
「ライブやります、是非!」
千歌は女子に向かって手を片方壁に付けて何やら強引に迫っている。壁ドン?といったかな。
「ライブのお知らせです!お願いします!」
曜は皆の中で一番積極的に声をかけており、見るみる内に手に持ったチラシが減っていく。さすがの曜だ。
「あの、お願いします!」
「ぬぅ!?」
続いて千歌に促された梨子ちゃんがチラシを渡したのはもう暖かいのにコートを着て、マスクとサングラスをつけた人物だ。いかにも怪しい。
「あれっ、あの娘・・・」
身長といいちょっと聞こえた声といい、どこかで見かけたような気がしたが、気のせいだろうか?
しばらくその後もチラシ配りを続けていると遠くから見慣れた人物がやってきた。
「あっ、浅間さんこんにちは」
「花丸ちゃん久しぶり。それにしてもすごい量・・・さすが図書委員だね」
「はい、本はいろんな世界を見せてくれるからどれだけ読んでも飽きないず・・・ないです」
花丸ちゃんとは入学式の後に図書室で再会した。話してみると予想通り穏やかな文学少女だ。そして今その後ろには赤髪のツインテールがちらちらと見え隠れしている。ルビィちゃんだ。
「そうだね、あと無理して方言直さなくていいよ、かわいいし」
「か、かわいい!?」
「ピギィ!」
「むー、俊くんは女の子に『かわいい』って言葉を使いすぎだよ!」
「その通りであります!」
花丸ちゃんは驚き、僕は千歌と曜に詰め寄られる。何か変なことしたかな?
「花丸ちゃんもルビィちゃんもライブ来てね!」
「らいぶ・・・?」
「やるんですか!」
するとひょこっと勢いよくルビィちゃんが飛び出てきた。やっぱりこの娘はスクールアイドルが好きなんだな。
だが、恥ずかしいのかすぐに花丸ちゃんの後ろに隠れてしまった。
「絶対満員にしたいんだ、来てね」
そんなルビィちゃんに千歌は優しく語り掛けながらチラシを渡す。その時のルビィちゃんの目はキラキラと輝いているように見えた。あの日の千歌と同じように。
「じゃあ、私もっと配らなきゃいけないから、じゃあね!」
「じゃ、またね二人とも」
そう言って僕たちはチラシ配りに戻ろうとする。
「あのっ!グループ名、グループ名はなんていうんですか!」
背後からルビィちゃんが意を決したように大きな声で聞いてきたので僕たちは咄嗟に振り替える。
「あっ・・・そういえば私たち」
「グループの名前」
「決め手なかったよね・・・」
「あぁ・・・」
スクールアイドル(とマネージャー)を始めた僕たちの前に、またも難題が突き付けられたのであった。
お読みいただきありがとうございました。誤字報告や文の乱れがあったら報告お願いします。
次回は1stライブ!