レイオニクスと9人の少女 【大怪獣バトル・サンシャインギャラクシー】 作:ふらんどる
毎回一話ストックをつくると言ったな。あれは無理だ。
いよいよあいつの登場!そして俊くん大ピンチ!
どうぞ!
「この間はありがとう。改めてお礼を言うわ」
廊下で鞠莉さんに会って一番にそう告げられた。
「今更お礼なんてそんな、僕は僕にできることをしただけですよ。こちらこそありがとうございます。立派な部室までくれて」
「約束を守っただけよ。お礼なんていいわ」
体育館を満員にした僕たちに対して鞠莉さんは約束通りスクールアイドル部を承認し、部室まで提供してくれたのだ。
「それにしても、あなたが飛び降りた時なんかほんとにどうなるかと思ったわ。ダイヤなんか気絶しちゃうし」
「結局あれは集団パニックってことでよかったんですかね」
無論「あれ」とは例のブルトンが起こした一連の四次元現象である。当時学校にいたのは僕たちの他にあアレンの生徒や先生たちもいたが皆僕たちと同様の体験をしたそうだ。
「よかったもなにも、そうするしかないわ。騒ぎを小さくするの結構大変だったのよ」
「そりゃお疲れさまでした。で、今度は何です?」
「ちょっと伝えておきたくって。最近school idolに近づいてくる不審者がいるから気を付けてって通知が来たのよ」
「不審者?」
「ええ、もう何人か行方不明になってるって噂よ。managerであるあなたに伝えておいた方がいいって思って」
「了解です、みんなに伝えておきます。特に千歌の奴なんか無警戒そうだし」
「お願いね。ごめんね、呼び止めちゃって。掃除中でしょ」
「いえいえ、ありがとうございます。僕の方こそ何かわかったら連絡しますので」
僕はそう言って急いで部室に戻るのだった。
「ごめんごめん遅くなって。手伝うよ」
「もう俊くん遅いよ!」
僕は部室へ戻った途端千歌に叱られた。最初は汚れていた部室も千歌たちの掃除のおかげですっかり綺麗になったのだ。
「鞠莉さんが最近不審者が出るから気を付けてくれって呼び止められちゃって」
僕は先ほどの事を3人に説明する。
「わかった、気を付ける。これから図書館に本を返しに行くんだけど俊くんも手伝って!」
「女の子に重い物を持たせるなんて男の子としてひどいであります!」
「わかったわかった」
こうして僕は一人で半分以上を持たされるはめになってしまったのだ。
「こんにちは」
「ピギィ!」
「あ、俊さんに千歌さん」
図書室のカウンターには案の定花丸ちゃんがいた。そしてその後ろには赤い髪がちらちらと見えている。
「花丸ちゃん!とぉ、ルビィちゃん!」
「ピギィ!こんにちは・・・」
「ねえ二人ともスクールアイドル一緒にやらない!?絶対キラキラするよ!」
例によって千歌は早速二人に勧誘を始める。もう同じ胃の光景だ僕はそうしている間にようやく重荷を下ろすことができた。
「ルビィはそういうの・・・」
「おら、じゃなかった、マルも苦手で・・・」
「こら千歌、二人が嫌がってるだろ」
「そうだよ千歌ちゃん、入学したばかりの二人に無理言っちゃ悪いわ」
「えへへ、ごめんごめん・・・。それじゃ、私たち、いつでも待ってるから!」
そう言って千歌たちは図書室を後にする。
そして、僕も続いて立ち去ろうとした瞬間、
『浅間俊、浅間俊・・・』
何者かが僕の名前を呼んだ。明らかにルビィちゃんや花丸ちゃんの声ではない。
「な、なに!?」
「うゆ?」
「俊さん?」
横を見ると二人が不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「ああ、なんでもないなんでもない。それよりもごめんね、千歌がしつこくって。それじゃ」
「あの、俊さん待ってください・・・ルビィ、実は・・・」
僕が帰ろうとするとルビィちゃんが引き留めた。何か言いたげにもじもじしている。
「ルビィちゃん、頑張って」
「ルビィ、本当はスクールアイドルやりたいんです。でも・・・」
「でも?」
「お姉ちゃんが嫌がるから・・・」
彼女が言う『お姉ちゃん』とは生徒会長の黒澤ダイヤさんの事だ。彼女とは僕も親しくさせてもらっている。確かにスクールアイドル部の設立を頑なに認めようとしていなかったところから見るにスクールアイドルによい印象を持ってないのだろう。
「なるほど。ルビィちゃんがもし入りたければ、僕からもお姉さんに言っておくから。じゃ、そろそろもどるね」
「あ、ありがとうごじゃいましゅ・・・」
そう言って僕は図書室を後にするのだった。
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目が覚めた。
いつものように朝食を取り着替えて家を出る。
しかし、外の景色はいつもの内浦ではない。
血のように真っ赤に染まった海と、空は暗い緑色の雲が覆っている。
「な、なんなんだ・・・」
山肌を覆う木々は枯れ果てており、建物はみな廃墟となっている。
周囲に誰かいないか呼びかけるもそれにこたえるものはない。
「私の声が聞こえるか浅間俊・・・」
「だれだ!」
どこからともなく声が聞こえてきた。昼間図書室で聞いたのと同じくおどろおどろしいような低い声だ。
「我々は異次元人ヤプール・・・」
「ヤプール!?」
すると突然帽子から靴まで真っ黒な衣装に身を包んだ人物が目の前に現れた。
「我々はレイオニクスが憎い、だから貴様を殺す・・・」
「なに!」
すると、その人物はみるみるうちに大きくなり、やがてその姿を異形の怪物に変えた。
その姿に、僕の記憶がピンときた。
蛾超獣ドラゴリー
蛾と宇宙怪獣を合体させた超獣でその性格は残忍極まりない。
特徴は怪力で、その力は相手を文字通り八つ裂きにしてしまうほどのものだ。
現れたドラゴリーは手当たり次第に建物を破壊し、口から吐く火炎で周囲を火の海に変える。
「やめろ!」
僕は咄嗟にポケットに入っているバトルナイザーを取り出す。
しかし、手に取ったバトルナイザーは灰色一色に変わっており、次の瞬間僕の手の中で砂になってその形を失った。
「貴様を殺す貴様を殺す・・・」
次第にその言葉が頭の中で何度も何度も響き渡る。
「貴様を殺す貴様を殺す貴様を殺す貴様を殺す・・・」
「やめろ!やめてくれ!」」
「はぁ、はぁ・・・夢か・・・」
気が付くといつもの自室のベッドの上だった。時計の針は3と4の間を指しており、カーテンの隙間からは月光が漏れていた。
結局その日は例の悪夢のせいか一日中体調が思わしくなかった。しかし放課後、そんなことを忘れさせるニュースが飛び込んできたのである。
「二人とも!ようこそスクールアイドル部へ!!」
何と花丸ちゃんとルビィちゃんが体験入部することになったのである。
「やったぁこれでラブライブ優勝だよ!レジェンドだよ!」
千歌は体験入部だというのにもうこのはしゃぎようである。
「こら千歌落ち着け。まだ仮だぞ仮」
「あの、お姉ちゃんには・・・」
「わかってる、内緒にしておくよ。それじゃあ、さっそく練習だね」
練習メニューは桜内さんがいろいろなスクールアイドルのを参考に考えてきてくれた。さすが桜内さんだ。
「そういえば、練習どこでやってるんですか?」
「あっ、そうだった・・・」
「確かに」
グループ名に続きまたも基本中の基本を忘れていた。残念ながらスクールアイドル部は新しくできたので、体育館、グラウンド、中庭といった練習に適した場所はすでにほかの部に使われているのだ。いつもやっている砂浜も遠いので使えない。これは困った。
「あの、屋上はだめですか!μ´sも屋上でやってたって・・・」
「「それだ!」」
結局ルビィちゃんの提案で練習場所は屋上に決定した。
「二人ともすごいよ!」
練習を見て見ると二人とも思っていた以上にいい動きをしている。特にルビィちゃんはよほどスクールアイドルをやれてうれしいのかステップもよく弾んでいる。
そして、最後に淡島に行き神社まで階段を上ることとなった。
「ここを上るんですか!」
「高いずら・・・」
新あめ手見上げると本当に高い山だ。僕たちは何度かここに練習として上っているが相当きついものだ。この階段を悠々と上り下りできるのは毎日上っている果南さん以外いないだろう。
「まあ、ライブで何曲も歌うにはなんたって体力だからね」
「もう、俊くん偉そうなこと言って!一番ばてるの早い癖に!」
「なっ、千歌、それを言うか」
千歌の言う通り、僕、浅間俊は持久力がないという欠点がある。跳び箱とか短期的に力を発揮するのには強いんだが。
「よし、いっくよー!」
こうして、淡島登山が始まった。案の定僕は一番びりだ。一年生にも負けるとはなんとも悔しい。どういうわけか花丸ちゃんは途中でリタイヤしてしまったようだ。
そして、帰り道に事件が起きたのである。
「ダイヤさん!?」
「浅間さん!?これは、どういうことですの・・・?」
休憩に立ち寄った展望台に何とダイヤさんがいたのである。スクールアイドルが嫌いなダイヤさんからすれば妹がスクールアイドル部に体験入部していることなんか知れたらたまったもんじゃないだろう。
「違うんですダイヤさん・・・」
「お姉ちゃん!ルビィね!」
するとルビィちゃんは自ら前に進み出て大声で叫んだ。
スクールアイドルが大好きで、ずっとやりたかったこと。それでもお姉ちゃんが嫌がるっから遠慮していたこと、すべて話した。
そして、それを聞き終えたダイヤさんは、何も言わずに立ち去った。
「ルビィちゃん・・・」
ダイヤさんと別れた僕たちはそのまま淡島を一周して帰ることになった。
「いやあ二人ともよく頑張ったね。大丈夫?」
「はい、ルビィも信じられないです。あんな高い山に登ったなんて」
「マルは途中でばてちゃったからぜんぜんだめず・・・です」
「気にしないで。最初はみんなそんなもんだから」
「きゃぁっ!!」
悲鳴の方に顔を向けると、前を歩く3人に蛾がまとわりついていたのだ。しかも普通のに比べて異様に大きい。
「あれはっ!」
そして、その羽のまだら模様には見覚えがあった。
「みんな離れて!」
僕は急いで駆け寄って手で蛾を追い払う。
「このやろっ!」
僕は道端に落ちていた小石をその蛾にめがけて思い切り投げつけた。
石が当たった蛾はふらふらとしながら遠く海の方へ飛んでいった。
そして、すさまじい咆哮と共に蛾はその正体を現した。
ドラゴリーだ。
「ピギャァァァ!!!」
周囲に咆哮と絶叫が響き渡る。
「えっ、何!?」
千歌と曜は狼狽しており、桜内さんなんかは声を失うほど怯えている。
ドラゴリーはこちらに向けてロケット砲を発射してきた。
「ルビィちゃん危ない!」
すると花丸ちゃんが咄嗟にルビィちゃんの方へ走り、彼女にとびかかってそのまま二人とも地面に倒れた。
そしてその直後にロケット砲の直撃を受けた斜面に生えた大きな木が先ほどまでルビィちゃんが立っていたところに倒れてきた。
「二人とも大丈夫!?」
僕は急いで二人の所に戻る。どうやら怪我はないようだ。
「はい!」
「二人とも早く逃げて!」
「千歌、みんなを頼む!」
「俊くんは!?」
「いいから!」
その瞬間、ドラゴリーが吐き出した火炎によって柵や木々に燃え広がり、周囲は黒煙に包まれた。
「俊くーん!!」
遠くから千歌の声が響いた。
僕は煙を振り振り払い、周囲に人がいないのを確認してから急いでポケットからバトルナイザーを取りだす。
「ドラコ、頼んだぞ!」
『バトルナイザー・モンスロード!』
空中に現れたドラコは真っ先にドラゴリーめがけてドロップキックをかまし、大きな羽を広げて地面に着地した。
海面に倒されたドラゴリーもすぐさま立ち上がって手からロケット砲を発射するがドラコは瞬時に飛び上がってこれをかわす。
そしてそのまま相手の目の前に着地して左手の鎌で切りつけ、続いて右腕の鞭を振り下ろす。
「よしっ!」
しかしドラゴリーはそれを両手ではさみ、逆に思い切り引っ張ってドラコを海面に引き倒す。
そしてそのまま畳み掛けるようにキックや火炎放射を繰り返し、一転攻勢となった。
「見て怪獣しゃんが!」
「これはまずいであります・・・」
なんとか立ち上がったドラコだが、その様子から明らかに攻撃に疲弊している様子が目に見える
ドラコは火炎弾を発射するが、それもかわされ逆にロケット砲の直撃を受け、皿に接近されてパンチの連続攻撃を受ける。
「まずいぞ・・・」
『ギェェェェェェ!!!』
ドラコの絶叫と共に羽の一枚が海面に落ちた。
ついにドラコの片方の羽をもぎ取ってしまった。
「くっそぉ・・・」
見るからに凶暴な3つの顔、血管がむき出しとなった茶色と青のおどろおどろしい体色に3つの口から生えたた鋭い牙。
『付近にフィンデッシュビースト、ガルベロスの反応を確認。注意せよ』
紛れもない付近にフィンデッシュビースト、ガルベロスである。
「そんなっ、何で!?」
こいつは他のものと違って自然に出現するものではない。こいつが敵だったらもう確実に勝ち目はない。
しかし、ドラコには目もくれずに、ガルベロスはドラゴリーめがけてとびかかってきた。
「えっ!?」
ガルベロスはそのままドラゴリーを圧倒する勢いで攻撃を続ける。
そして、ついには3つの口の中で一番大きな中央の口で腕をかみちぎった。
『ギィェェェェェ!!!!』
周囲にドラゴリーの絶叫が響く。
そのままガルベロスは3つの口を使って次々とドラゴリーの体を噛みちぎっていく。
余りにもショッキングな光景に思わず目をそむけてしまう。
「な、なんなんだあいつは・・・」
僕を含め、その光景を見ているものは皆その場に立ち尽くす。
そして、ドラゴリーを文字通り八つ裂きにしたガルベロスは、ドラコを一瞥するとそのまま消滅していった。
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「先輩、よろしくお願いしましゅ!」
此の間の体験入部の結果ルビィちゃんはめでたいことにスクールアイドル部に加入することとなった。
「ありがとうルビィちゃん!これでAqoursもレジェンドに・・・」
「待て千歌早まるな。そういえば、花丸ちゃんは?」
しかし、その場には同じく体験入部していた花丸ちゃんの姿はなかった。
「」
確か彼女はこの間淡島で後れを取っていたのでで自信を無くしていたように見えた。
「ルビィ呼んできます!」
「えっ!?」
するとルビィちゃんはそう言い残して部室を飛び出した。僕たちもあわてて後に続く。
そして案の定目的地は花丸ちゃんがいる図書室だ。
「ルビィ、ルビイね、ずっと花丸ちゃんのこと見てた!」
そしてルビィちゃんは語った。花丸ちゃんが無理して自分に付き合っていたんじゃないかということ、そして、本当はスクールアイドルをやりたいんじゃないかということを。
遅れて僕たちはようやく追いついた。
「僕は花丸ちゃんは何て言うんだろう・・・、秘められた力があると思うんだ。この間だって淡島でルビィちゃんを助けたじゃないか」
「だってあれはルビィちゃんが・・・」
「それだよ。花丸ちゃんはすごい勇気を持ってるんだよ。僕だったら怖くて動けなかった」
「勇気・・・」
「その勇気があれば怖い物なんてないよ。きっとどんなものでも乗り越えられる。僕はそう思うんだ」
「俊さん・・・」
僕は心の中で思ったことを正直に伝える
「花丸ちゃん、大事なのはできるかどうかじゃない、やりたいかどうかだよ!」
千歌は花丸ちゃんに向けて勢いよく手を伸ばす。
そして花丸ちゃんは千歌の手を取った。
こうしてAqoursは5人になった。
ありがとうございました。誤字や文の乱れがあったら報告お願いします。
次回はヨハネ・・・ではないですよ。