今後もよろしくお願いします
「ご馳走様ー」
「美味であった」
「はーい、お粗末さまでした」
霊夢が作ってくれた夕飯はとても和風で美味しかった
白いご飯、味噌汁、漬物、焼き魚……やっぱり和風は好きだ。
魔理沙は食べ終わると俺のことをじーっと見つめて口を開く
「それにしてもブラックモアは箸の使い方は上手いんだな」
「む?そうかね?普通だと思うが…」
「吸血鬼って言うからもっとこう…人の生き血を貪る感じなのかなーって」
「偏見は良くない。吸血鬼にも色々いるのさ、血を好み人々を襲う奴や人を大切に思う奴…様々なのだよ」
まぁ、俺の場合は転生?いや、この場合は憑依になるのか?どっちにしろ中身は俺なのだから人の血を飲むなんて論外だ
すると食器を片付けが終わった霊夢が台所から顔を出す
「そう言えば、アンターー「グランスルグ・ブラックモア、長いからグランっと呼んでくれ。私はアンタと言う名前では無いのでな」……わかったわよ、グラン。」
面倒くさそうに溜息を着く腋巫女。
「グランは今どこに住んでんのよ?暇になったら遊びに行くから教えなさい」
「一応、人里の守護者…慧音の所でお世話になっている」
「へぇー、同棲してんだな!結構やるじゃないかブラックモア」
同棲と聞いてニヤニヤと悪い顔をしながら茶化す魔理沙
それに対して霊夢はまたしても興味無さそうな反応だ
「さて……私はそろそろ失礼させて貰おう。博麗霊夢、夕飯をありがとう。感謝するぞ」
「はいはい、今度来る時はお酒とお賽銭用のお金持ってきなさいよー」
がめついな。まぁ、今は早く人里に戻ろう
いつ八雲紫が襲ってくるかわからないし
俺は縁側から外に出ると漆黒の翼を広げ空へと舞い上がり人里へと飛んだ
「紫、見てるんでしょ。いい加減姿を現しなさい」
グランスルグブラックモアが飛び立ったのを見て呟くと何も無い空間が裂けるとそこから1人の女性が姿を現す
「あら、気づいていたの。偉いわ霊夢」
「五月蝿いわね。それで?なんでアイツを襲ったのよ?幻想郷は全てを受け入れる…そう言う世界じゃないの?」
「確かにな。それは私も気になるんだぜ」
幻想郷の賢者、八雲紫を前に臆することなく睨み付ける魔理沙と霊夢
その視線を無視するように笑う
「えぇ、幻想郷は彼を受け入れた。けどね……私は"アレ"を認めてないの。何故かって?そりゃ決まってるじゃない……人でも化け物でもないあんな意味不明な存在を幻想郷において置けばどんな事が起きるかわからない」
「だからって殺すことはないんじゃないの?」
「甘いわね……その甘さで貴女…母親を失ったのを忘れたの?」
瞬間ーーーー。
霊夢からとてつもない殺気が溢れ出した。近くにいた魔理沙もぎょっとした表情を浮かべる
「お、おい。霊夢!」
「……大丈夫よ、魔理沙……ありがと」
霧雨魔理沙は気がつけば叫んでいた。友の名を。
そうしなければ八雲紫を殺そうと動いていたに違いないからだ
いくら博麗霊夢が強かろうと八雲紫は次元が違い過ぎる
目の前で最も親しい友を死なせる訳にはいかなかった
「ふふっ……怖いわ〜☆それじゃ、私は"アレ"の監視を続けなきゃダメだからまたね」
「……ふん」
最後まで嗤い、スキマの中へと消えていた八雲紫
さっきまで楽しそうな雰囲気はなく静かに沈黙が長い事続いた
だが先に沈黙を破ったのは霊夢だった
「はぁ……さてと、グランが持ってきたお酒でも飲みましょ。今夜はとことん呑むから付き合いなさいよ魔理沙」
それを聞いた魔理沙はゲッ!っと嫌そうな顔をするが仕方ないなっと呟きグランスルグブラックモアが持ってきた袋からおつまみと酒瓶を取り出した
「今夜は飲むぞ〜!」
一方、人里に向かっていた黒翼公は
絶賛ピンチに陥っていた。
彼の目の前には花の大妖怪…風見幽香が居たからだ
まるで新しい玩具を貰った子供のような表情で黒翼公をジロジロっと見ていた
なぜ風見幽香と出会ったのかと言うと
ーーーーー30分前ーーーーーー
全く、博麗神社に行って挨拶するだけだったはずなのにこんな事になろうとは……今後は気をつけて過ごそう
できる限り目立つようなことは避けーーーーー
「た、たすけてーー!!」
「……今度はなんだ」
避けようと思った矢先にコレだよ。神様、貴方は残酷過ぎる
思わず溜息を漏らしながら声をする方へと飛ぶ。
そこに居たのは身長はかなり低く、青い服装に氷の羽根を持つ少女と髪の色は緑、左側頭部をサイドテールにまとめ、黄色いリボンをつけている。服は白のシャツに青い服を着用し首からは黄色いネクタイやリボンを付けて少女…そうあの二人は
「チルノちゃん!なんで幽香さんのひまわり畑に入ったの!」
「だ、だって!大ちゃんにアタイが最強であることを証明したかったからー」
「無謀過ぎるよ!!」
「待ちなさい、馬鹿妖精。良くも私のひまわり畑の7割を凍らせてくれたわね…覚悟はいいかしら」
2人の少女が振り向くとすぐそこまで風見幽香は迫ってきた。それも鬼のような形相で
それを見た2人の妖精。チルノは目から滝のように涙を流し、大妖精に至っては真っ白に燃え尽きたようになるとバタリッと倒れた
「ふふっ、ふふふふふふふっ!!さぁて、仲良く吹き飛びなさい」
傘を構え、妖力を収束させて一気に放出する
―――【マスタースパーク】-------
圧倒的な破壊力。直撃すればピチュるのは確定していた
「チィッ!」
俺は空からその様子を伺っていたがさすがにマズいと思い急降下し少女2人を抱き上げ空に飛び上がった。
ギリギリのところで回避することは出来たが
「へぇ〜……貴方、何者?その子達のお友達かしら?」
「いや、違うな。だがーーー。この子達を助けるのに理由など必要ないだろ」
「アハッ!いいわ、ヒーロー気取りのつもり?でもね、生憎と私は被害者なのよ。私が大切に育てたひまわり畑をその氷の妖精は7割凍らせたの。よってぶっ潰す」
あらら……完全にチルノが悪いじゃん
えー、どうやってすれば安全かつ仲良く出来るだろうか
「……確かにこの妖精達にも非がある。だからと言って命を奪う必要はないはずだが?」
「あら、安心して……そいつらは妖精なの。殺してもものの数分で復活するから大丈夫♪それとも……貴方が相手してくれるのかしら?」
そして、現在に至るのだ。非常に不味い……凄い楽しそうな笑みを浮かべっちゃってるもん
これは死んだわ、確定演出入ったよ
「生憎と私も命が惜しい……だが、そんな理由でこの子達を見捨てる訳にはいかんのだ。それに復活すると言っても死ぬ瞬間の恐怖と痛みはある筈だ」
「そうね、痛いでしょうね…でも知らないわそんなこと」
「そうか……それは残念だ」
「えぇ、残念ね」
先に動いたのは黒翼公、距離を取り塞がった両手を解放する為にチルノと大妖精を木々に放り投げ指先から『ガンド』を放つ
『ガンド』とは相手を指差す事で体調を悪くして病気にするという、一種の呪術。
西洋における「人を指差す事は失礼である」というマナーの由来になったという説もあった
あくまでも病気にする呪術であるため普通なら物理的な効果は持たないが、最上級のものは「フィンの一撃」と呼称され、物理的な破壊力を有するが、風見幽香はそれ等全てを傘で弾き落とした
「面白い技を使うわね、貴方。死ぬ前に名前ぐらいは聞いてあげるわ」
「おっと、これは失礼した。私はグランスルグ・ブラックモア。ただの吸血鬼だ。失礼だが貴君の名を聞いてもいいかな?」
「風見幽香、大妖怪よ。よろしく……そしてさようなら!」
そう言うと大量の弾幕を放つ。速度、破壊力、共に最高レベルと言って間違いはないだろう
当たればタダでは済まなさそうだ
「ハッ、大妖怪とは言え所詮はその程度か?私をガッカリさせるな」
おいぃ!勝手に喋るなよ、この口め!
なぜ今このタイミングで煽ったし
「あら、今のはただの小手調べ。全力で放ったら折角の玩具が壊れてしまうもの」
小さく嗤う彼女。同時に彼女の姿は消える
マズいッ!
咄嗟に魔術回路を全て防御面に回し肉体を強化し回避を試みるが懐まで接近を許してしまった
「バイバイ、哀れな吸血鬼さん」
ドゴッ!と鈍い音共に吹き飛ばされる黒翼公
木々を何本もなぎ倒しようやく吹き飛ばされた勢いが弱まる
魔術回路を防御面に回したとは言え凄まじい威力だった。
「今日は……厄日だな、全く」
身体を起こし眼前へと視線を向ける。そこには魔王が君臨したかのように空からゆっくりと地面に着地する風見幽香
魔力、身体共に限界が近かった彼には相手が悪過ぎる
「あら、結構本気で殴ったつもりなのだけど……まだ動けるのね。素晴らしいわ、褒めて上げる」
「貴君に褒められても何も嬉しくはないのだがな」
身体を起こし自信に付いた土汚れを落とし目の前の敵に集中する
八雲藍との戦闘で使った『黒い剣』を使えれば勝てるかも知れないが……あれを出す術など知らない
万事休すと言った所だ。そんな時
《情けない。実に情けないな、貴様は》
ッ……!?声が聞こえた。
周りを見渡してもそれらしき人物はいない
《何を驚いている。それよりも、我が肉体で好き勝手に暴れるのはやめたまえ…不愉快だ》
「一体…何者だ。何処にいる!」
「……はぁ?貴方、変な所に頭でもぶつけた?」
突然喋り出した相手に驚く風見幽香。
《ハッ……1度は救ってやったが……まさか1日で2度目も救わなければならないとは》
「救った?何の話だ…何を言っている」
《分からないか?ほんとに?ならあの時、九尾の妖怪との戦闘で起きた出来事を貴様は忘れているのか?》
まさか……いや、そんな……
《そのまさか、だ。名乗らせて貰おう。我が名はグランスルグブラックモア。私は赤い姫の家臣が一人『黒翼公』なり》
今後もお楽しみにー( ´∀`)フハハハハ