東方黒翼狂の続きでーす
今後ともよろしくお願いします
自宅元い慧音先生の家に辿り着いた俺は玄関を開け中に入る。帰ってきた俺を慧音先生は暖かく出迎えてくれた。だが俺の浮かない顔を見て慧音先生から大丈夫かと心配されたが、今はちょっと話す気分ではないと伝え自室に戻った
未だに口の中に血の味が残っている。普通なら気持ち悪いと感じる筈なのだろうが今の俺にそんな感情はない
自室の窓から外を見る。外はもう暗く人里の人々は仕事を終え自宅に戻る者もいれば居酒屋に行き今日仕事を頑張った自身を労うように酒を飲み騒いでいる
それを見て、昔を思い出した。グランスルグ・ブラックモアの肉体になってから数ヶ月しか過ごしてないのに昔の自分にもそう言う時があった事をなぜか懐かしく思う。
「……何を感傷に浸っているのだ私は」
今の自分はグランスルグブラックモア。化け物だ
人の血は吸わないと心に誓ったが、その誓いは己の身に危険が迫り簡単に砕けた
「もう寝るとしよう……明日は、願わくば平和に過ごしたいものだな」
立ち上がり寝るための準備を始める
すると窓からコンコンっと叩く音が聞こえる
振り返り窓の方を見ると、そこにいたのは風見幽香との戦いで犠牲になった大妖精がいた
妖精とは復活するものだと聞いたが、こんなに早いんだな
…何を言われても、何をされても全て受け入れよう
俺はそれだけの事をしてしまったのだから
窓を開けようと向かうが足どりは重い。まるで足に鉛でも付けているように
ガラガラっと窓を開ける音が静かな部屋に響くように感じる
「あ、やっぱりここに居たんですね!ブラックモアさん、先程はありがとうございました!」
窓を開け、開幕早々にお礼を言われた
正直困惑した。俺は彼女の血を啜り生きながらえ、こうして喪にふくす訳でもなくこうしている俺に怒りは感じないのか
「君は…君は私が怖くないのか?過程がどうであれ私は君の命を奪った相手だぞ?」
「ふぇ?で、でも!ブラックモアさんは私達を助けてくれたじゃないですか!だから、怖くありませんし怒ってませんよ」
ニコッと微笑む彼女の顔が眩しかった。聖人か君は
「フッ、変な奴だな貴君は」
「えぇー。そんな事ありませんよ、私は至って普通です」
笑い合う2人。しかし、ここでふと疑問に思った
なぜ彼女は俺の居場所がわかったのか
そこで彼女に聞いてみると
「えっ?知らないんですか?新聞に載ってましたよ、ブラックモアさんのことが」
「……なんと」
おのれ、あのパパラッチめ。新聞に載せるなと言ったのに載せやがったのか
許せん。今度会ったらセクハラしてやる
「ふむ。済まないが大妖精。その新聞は持っているかね?」
「えーと、今は持ってませんね。でも私なんかが知ってるぐらいだし幻想郷全員に知れ渡ってると思いますよ?」
ふはははは、ちきしょう。慧音先生には迷惑をかけないようにしようと思っていたのに
これじゃ風見幽香がいつ復讐しに来るかわかったもんじゃない
一刻も早く手を打たなければ
「大妖精よ、魔法の森の中に空き家や捨てられた小屋など人が住めそうな場所がないか知らないか?」
「うーん……あ、それなら森の奥に誰も出入りしてない空き家がありますよ!実はそこチルノちゃんと私の秘密基地なんです」
おぉ、聞いてみるもんだな。よし、ある程度の荷物をまとめてすぐにそっちに移ろう
「秘密基地か…済まないがそこを借りることは出来ないか?」
「別に構いませんよ、ブラックモアさんなら」
ニコッと微笑む彼女。そんな笑みを向けられたらときめいちゃうやろうが
さて、そうと決まれば慧音先生に伝えるか
「ふむ、感謝するぞ大妖精。では私は慧音にこのことを伝えるので少し失礼するぞ」
そう伝え、自室から出て慧音のいるであろう部屋に向かう
慧音の部屋の前まで来た。扉に手をかけガラガラっと音を立てながら開ける
「失礼するぞ、慧音。少し話が……」
俺の目に飛び込んできたのは疲れて眠ってしまっている慧音先生だった。机には今日の晩御飯の献立や寺子屋で教える授業の内容、人里関係の書類……様々だ
「…ん……」
寝返りをうつ彼女。その時綺麗な首筋が見えた途端
俺はそれに吸い付けられるように顔を近づけている事に気がつく
そっと起こさないように顔を離し彼女に毛布をかける
言葉で伝えたかったが、彼女の机から紙を取り手紙を書きその場から離れた
静かに部屋から立ち去ろうとすると
「……んぅ……グラン……」
寝言でそう呟いた彼女。振り返り彼女の額にキスをした
何故そんなことをしたのか自分でも分からない
恥ずかしいさも相まって足早に部屋から出た
玄関まで行き扉を開けるとそこには大妖精が待っていてくれた
「あ、ブラックモアさん!慧音とお話終えましたか?」
「彼女なら寝ていたので手紙だけ置いて来た。では、待たせてすまなかった。それでは行くとしよう」
バサッと音ともに漆黒の翼が広がる。大妖精と共に目的地へと向かったのだった
慧音side
廊下から足音が聞こえた。妹紅では無い、彼女は今日もかぐや姫と喧嘩、元い殺し合いをしてくると言っていたからな
なら恐らくこれは彼だろう
しかし、珍しいな。彼が私の部屋を訪ねてくるなんて
少し驚かせてやろう
そう思った私は机に突っ伏すように寝たフリをした
「失礼するぞ、慧音。少し話が……」
ふふっ、近寄ってきた所を脅かしてやろう
寝返りをうつ振りをして彼が近づいてくるのを確認するといつの間にかすごく近くまでいた
その時の彼の瞳は今まで以上に紅く、綺麗に輝いていた
ゆっくりと彼の口が開いていくのがわかる。その刹那、血を吸われるかもしれないと思った私は起きようとしたがグランが先に私から離れ毛布を掛けた
そして机の上にある紙を取り何かを書いていたが彼の表情は何処と無く悲しそうにしていた
思わず私は
「んぅ……グラン……」
と寝言のように彼の名を呼んでいた
振り返る彼、再び近く彼に対して恐怖はなかった
血を吸われるかもしれない、でも彼ならばそんなことはしないだろう
不思議とそう思えたからだ
すると額に暖かく柔らかな感触が当たった
そう…額にキスをされたのだ
足早に部屋から出ていく彼。思わず顔が熱くなり身体をこし額に手をやる
暖かい。思わず笑みがこぼれた、誰もいない部屋で1人にやけてしまう。恥ずかしいものだ。恥ずかしさを紛らわす為に彼が書いた手紙に手を取り広げ読む
言葉が出なかった。手紙の内容は、世話になった。私はここから離れ魔法の森へ移住するとのことだ
急いで立ち上がり玄関へ急ぐと彼の背中が見えた
呼び止めようと声を出そうとするが一足遅かった
彼はそのまま飛び去ってしまった
外に飛び出し空を見上げる。漆黒の羽がひらひらっと1枚落ちてくる。呼び止めてどうする?なぜ私は彼の事をこんなに考えてしまうのだ、なぜ、なぜ……
考える。だがいくら考えても分からない
頭の中に思い浮かんだのは彼の微笑んだ顔
私の瞼がじーんっと熱くなる
そうか…私は彼のことを…
黒翼公side
人里から離れ、大妖精について行く。魔法の森の上空を飛んでいると彼女が指を指した
「あそこに私が言っていた小屋がありますよ!」
指を指す方向に目をやるとやや大きめの建物が見える
建物の前に降り立つ
見た目は人里で見たことのある和風の家
窓から中の様子を伺う。人が昔住んでいたのだろう、椅子や机、棚が置いてある
「部屋の中は見つけた時に綺麗に掃除したので大丈夫ですよ」
「感謝しよう、大妖精。だが…本当に使ってもいいのか?貴君らの秘密基地なのだろう?」
「問題ありませんよ。もうチルノちゃんたらここの秘密基地の存在を忘れて違う所に新しい秘密基地作ってしまいましたから」
そう言うと彼女は扉に手をかけて開けてくれる
ゆっくりと中に入ると、ほんとに綺麗に掃除されていた
彼女1人で掃除したのだろうか。良く綺麗に掃除してある
「それじゃ、私はチルノちゃんを待たせてあるのでここで失礼しますね!また今度遊びに来てもいいですか?」
「無論構わないとも。貴君ならばいくらでも歓迎しよう」
そう言うと嬉しそうに微笑む大妖精
その笑顔がとても尊い
手を振りながら飛び去る大妖精を見送り自分の荷物を置く
荷物と言っても日記とお金の入った財布
食べ物はまた人里で買うか
とりあえず布団やその他生活物資を手に入れなければならないだろう
しかし、時間的にどの店も閉まってるだろうし今回は仕方ないか
すると周りの空気が豹変した。赤い霧が出てきたのだ。冷たく、苦しい。
辺りを警戒するも敵らしき者はいない
ならば上空かと考えた俺は空に飛び上がった
やはりか、空を見ると紅く染まり月は満月から紅の満月に変わっていた
森に住む妖怪の唸り声が微かに聞こえる
この赤い霧が原因だろう
このままでは大変な事になりかねない。
もし、これが原作通りならこの異変は紅魔館当主、レミリア・スカーレットが起こしたもの
この異変を止めるには紅魔館に向かう必要があるが…場所が分からない
さて、どうしたものか……
空に浮かびながら考えていると遠くから声が聞こえた
「ブラックモアさーん!!」「おーい!そこの黒いやつー!」
振り返るとおてんば妖精チルノと大妖精の大ちゃんがこちらに向かってきた
彼女達ならあるいは紅魔館の場所がわかるかもしれない
さて…紅霧異変、原作での第一作目【東方紅魔郷】。
その幕が今開演された
ヒロインは……慧音先生で決まりかなぁ、なんて考えてます
それよりも黒翼公先生の口調はこんな感じまでいいのでしょうか……悩ましい所です