東方黒翼狂   作:娯楽のチェスター

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どーも、娯楽のチェスターです。
これからも頑張って投稿していきますのでよろしくお願い致します


第八話 紅魔館の悲劇

「大妖精に、君がチルノか。それとチルノよ、私は黒いやつではない。グランスルグ・ブラックモアという名前が…「そんなことより!空が紅くなったぞー!お前の仕業か!」…否、私ではない。だがこの原因は知っている…貴君らは紅い大きなたてものをみたことはないか?まるで悪魔城ドラキュラのような建物を」

「それなら私、見たことがあります!」

 

チルノと俺のやり取りに苦笑いしていた大妖精は寺子屋の生徒のように手を挙げる

「ふむ、貴君には感謝しきれんな。その方角は分かるかね?」

「確か……あっち、あっちです!このまま南に飛んでいけば見えて来るはず」

大妖精が指を向けた方向を見る

「分かった。貴君らは危険だからここから動かないでくれ、私1人で向かう」

「そんな!私達も行きます!」

「駄目だ。分かってくれ、大妖精よ。貴君らにもしもの事があれば私は狂ってしまう」

 

事実、大妖精を守れなかったしあんな思いは二度としたくない

恐らくまた同じ光景を見たら俺は、"俺"でなくなる自信がある

ショボーンと落ち込んだ様子に頷く大妖精。それを見たらこっちも悲しくなるからやめて……

 

「わかりました……」

「…理解してくれたこと、感謝する」

優しく頬を撫でると真っ赤になり熱暴走のに慌てる大妖精。えっ、なにこれ。可愛い…っとこんなことをしてる場合ではないな

大妖精の教えてくれた方向に向かった

 

 

ーーー黒翼公飛行中ーーー

 

 

 

紅魔館にむかって飛んでいると紅い大きな建物が見てた。周りが暗く紅い霧のせいで雰囲気がとてもいい

門の方を見ると既に何者かが戦闘した跡が残っていた

そこに壁にもたれかかって座る女性が1人

俺の存在に気が付いたのか苦笑いしている

丁度いいし、挨拶しておくか

 

彼女の前に降り立つと傷を負っても尚、彼女は戦う意思を見せる

「弱っている貴君を倒して何になる…とりあえずその傷を見せろ」

「……貴方は…何者ですか、先程の紅白といい白黒といい…幻想郷には強者しか居ないんですかね…いや、そんなことより私より早く彼女達を追って下さい」

 

あら、ここの門番は仕事ちゃんとしてるのね

それに紅白と白黒ということは魔理沙と霊夢達も既に来ているのか

 

「ふむ。彼女達なら大丈夫だろう。それよりも貴君の方が大事だ」

 

とりあえず治癒の魔術を唱える

徐々にではあるが彼女の顔から痛みが消えた

 

「あ、貴方も魔法使いなのですか?」

「いや。私は魔術師と言ったところだろう…まぁ、貴君の主君と同じ吸血鬼だがな」

 

それを聞いた途端に目つきが変わる。殺意と怒りだ

 

「貴方も…お嬢様とフランちゃんを狙うのですか…?」

「……違うな、彼女達を狙う理由はない。ただこの霧を止めに来ただけだ」

そう伝えるとよかったと呟き意識を失った彼女。

何があったのか聞こうと思ったが仕方ない。とりあえず治癒の魔術を優先しようとする。が、しかし

屋上から爆発音が響いた

どうやら上で戦いが起きてるらしい

ある程度の治療を終え、戦いに参加すべく屋上へと舞い上がる

そこにいたのは紅魔館当主、レミリア・スカーレットと博麗霊夢、霧雨魔理沙の両者が生きるか死ぬかの戦いを行っていた

俺の存在に気が付いたのか霊夢が声をかけてくる

 

「あんたは…グラン!」

その声に反応してレミリア・スカーレットも俺の方を睨みつけ弾幕を放つ

その弾幕を避けると彼女達の間に立ち塞がる

 

「この戦い、我がグランスルグブラックモアが預かる。双方1度下がるいい」

 

「ちょっと何言ってんのよ。この異変を起こしたのはそこの吸血鬼よ。邪魔するなら貴方もまとめて退治するわよ」

殺気バリバリの博麗霊夢。その傍らに魔理沙が彼女を落ち着くように説得してくれている

一方、レミリア・スカーレットは俺の存在に苦笑いをもらしながら溜息を着く

 

「まさか、この世界にも吸血鬼が居たなんてね。そんな運命は見えなかったのに…まぁいいわ。まとめて相手になってあげるわ」

「これ以上の争いに意味などないだろう。レミリア・スカーレット。おっと申し遅れた、私はグランスルグ・ブラックモア。貴君と同じ吸血鬼であり死徒である」

 

死徒と聞いて目の色が変わった。憎しみ、怒り、負の感情の様々が見て取れる。恐らく幻想郷に来る前の世界で彼女達は死徒に襲われたか何か嫌な記憶があるのだろう

まぁ、他人の人生だ。深追いはしない方がいいと偉い人も言っていた

それに原作知識のある俺は彼女、レミリア・スカーレットがなぜこの異変を企てたのか知っている

 

「貴君がなぜこの異変を起こしたかは知っている。貴君の妹君、フランドール・スカーレット。彼女の為であろう?幻想郷を支配すれば妹に手を出すものが居なくなる…故にこの異変を起こした。違うかな?」

 

妹の存在を知らなかった霊夢達は驚いた顔をしている

レミリアも同様、驚いた顔しながら少し黙りゆっくり口を開いた

 

「えぇ、そうよ。この世界をフランの住みやすい世界にする為に私はこの異変を起こした。だが、異世界の吸血鬼よ、なぜ貴様がフランの存在を知りこの異変の真相まで知っている!」

「さてね、想像にお任せするよ。それにこの紅い霧は君の魔力、そしてあの赤い月は貴君の魔力を高める為のもの……人を喰らい血を啜れば魔力など回復する筈なのにそうしないのは君の従者の存在もあるのだろうな」

「なんでもお見通しって訳ね…私と似た能力があるのかしら?」

「いや、私に運命を見る能力などない。そしてここには貴君らを襲う者はいない。ならこの異変に意味などないだろう?すぐにこの霧を止めて欲しいんだが」

 

その瞬間、パリンッ!っと何かが割れる音が聞こえた

全員がそちらの方に視線を移すと金髪の幼い吸血鬼がそこにいた

 

「ふ、フラン…!?」

「あれが…ッ…なんて禍々しい。人の怨念?いや違うわね、あれは」

そうそこに居たのはフランドール・スカーレット、レミリアの妹だった

だが明らかに正常ではない。禍々しい魔力を見に纏い

俺達を見ていた

 

「おい、レミリア!コイツがお前の妹なのか?なんか様子がおかしくないか?」

さすがは魔理沙、さっきまで戦ってた相手に普通に接することが出来ている

彼女の問に答える間もなく俺達に向かって叫ぶ

 

「あなた達は早くこの場から去りなさい!あれは、あれはフランじゃないわ!フランに取り憑いた怨念そのものよ!」

 

「あら、お姉様。酷いわ。私よ、フランよ…ふふふふふふふふふふっ」

狂ったように笑みを浮かべるフランドール・スカーレット。

俺自身吸血鬼だからわかる。あれは以上だと

人間だけの怨念が彼女に取り憑いたのではない。他の何かが取り憑いていると

その時、門のとこにいた女性の言葉とレミリアの言葉を思い出した

 

「…レミリア・スカーレット、貴君に尋ねる。彼女に取り憑いているのは人間の怨念だけではないな?あれは…」

「……えぇ、そうよ。アレは我が父上の怨念。実の娘を人間殲滅の為に利用しようとして自滅した哀れな吸血鬼の怨念……いい加減にフランを返しなさい!」

 

怒りの矛先がフランに取り憑いた怨念へと向けられる

 

「……ふふっ、愚かなレミリア・スカーレット。返して欲しければ人間を殲滅せよと言ったはずだ。それを貴様は人間と仲良く?ふざけるな。人間は我らの餌でしかないのだ……それを貴様らは」

 

突如、フランは苦しみ出した。

微かに聞こえる彼女の本心…誰も傷付けたくない、誰か助けて、殺してと。

 

「フランドール・スカーレット、貴君に問う。貴君は"生きたいか"?それとも怨念共に消滅することを願うか?」

 

苦しむ彼女の片方の目から涙が流れ落ちるのを俺は見た

『生きたい』、彼女の目にはその意思があった

俺の後ろにいる霊夢に尋ねてみた

「霊夢、彼女だけをその場に留め怨念だけを外に出す術はないか?」

 

それを聞いた霊夢は静かに首を横に振り口を開く

 

「無理ね。あれだけ強い怨念に取り憑かれては殺す他ないわ、歴代の巫女ならそれが出来たかもしれないけど」

「ふむ。可能性はゼロではないと言うことか…私が彼女からアレを引き剥がす、その瞬間に仕留めてくれ」

 

それだけを伝えフランに向かって突っ込む

苦しみ悶えていた彼女は糸が切れた人形のように静かになった途端、狂ったように周りに無数の弾幕をばら撒く。

無差別に放たれた弾幕は建物や魔理沙、実の姉レミリアに向かう

だがそれ等を全て回避、弾くなどをして防ぐ彼女達

 

俺も弾幕を避け彼女に近くと肩を掴み彼女の首筋に食らいつく

本来、グランスルグブラックモアに血を吸われた者は頭部だけが鳥の姿となりキメラ型になるが俺の場合は違う。大妖精の際、血を吸った時その反応は見られなかった

これは賭けだ。上手くいけば彼女の中の怨念を俺の体の中に移すことが出来れば彼女は傷つくことは無い

 

「き、貴様…何を…!」

 

(彼女の生きたいと言う意思が強まったことで制御出来ぬのだろう?ならば、我が肉体に入るがいい…彼女よりいくら力はあるぞ)

 

もちろん嘘だ。フランと戦って勝てる自信などないが、それを聞いた怨念はニヤリと嗤う

 

瞬間、禍々しい魔力が身体の中を巡っていくのがわかる。気持ちが悪い

死なない程度に吸い上げ彼女を解放すると彼女から禍々しいさが消えた。その反面、俺の肉体に異変が起きた。体の内から抑えきれない禍々しい魔力、全てを破壊し奪い去りたい、消し去りたい。そんな想いが思考を鈍らせる

意識の失ったフランは地へと落下するがそれを見事にレミリアが受け止める

 

【素晴らしい!貴様の肉体は実にいいぞ!それに貴様は中々に面白い奴だな、元人間であり吸血鬼になり死徒と成り果てた可笑しな魔術師よ!】

 

俺の中で怨念、レミリアの父親がそう告げる

が、俺の中に入ったのが最後だ。共に朽ち果てろ

 

「霊夢!私ごとコイツを消し去れ!」

 

暴れそうになる内なる破壊衝動を押さえ込み霊夢にそう叫ぶが、彼女は躊躇う

それは博麗霊夢の優しさであり弱点なのだ

 

それを妨害しようと勝手に身体が彼女を襲う

 

「霊夢!」

「博麗の巫女!」

 

彼女身の危険に叫ぶレミリアと魔理沙。だが、既の所で俺の動きが止まる。

そう、もしもの事があった時に俺自身に魔術による糸を絡ませておいた

これで動けない

 

「聞け、博麗霊夢よ。貴君に辛いことをさせているのは分かる。だが!どうか頼む…私を彼女達を救う為にもこれが最善なのだ!早ク…ワ タ シ…をヤれ……!」

 

頬から生暖かい物が流れるのがわかる。血だ。

内なる破壊衝動が俺の身体を侵食し、彼女を幻想郷を壊そうとしている

薄れゆく意識、思考がぼやける。

 

「ッ…アンタは…!」

 

悲しみ、怒り、戸惑い、様々な思いや感情が交差する

意を決して5枚の御札をブラックモアの上に掲げる

放たれた博麗の巫女の必殺奥義、『夢想封印』

ブラックモアが光に包まれる瞬間、今までに見せたことのない笑みを浮かべていた

刹那…莫大な爆笑音と共に黒煙が上がる

煙が消え、血塗れで横たわるブラックモア

 

意識が闇に飲み込まれるその時まで彼の頭の中にはある女性が浮かんでいた

上白沢慧音。彼女のことだ

なぜか彼女の笑顔が頭の中をチラつかせる

 

最後に会いたかったな……

そう思い重い瞼をゆっくりと閉じる

 

 




ヒロインは慧音先生や!
可愛いもん!
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