ジョジョの奇妙な鬼滅【Part1 ファントム・ブレード】   作:龍流

3 / 3
ご指摘を受けたので台本形式をやめました


決戦のはじまり

 身体が沈み込むような闇の中で、刃の火花が弾ける。

 

「ジョナサンっ!」

「おうっ!」

 

 炭壱の怒声に、ジョナサンが応えた。

 死角に回り込んでの連携攻撃。しかし、それすらも目の前の悪魔は読んでいたのか。

 余裕すら感じさせる笑みを浮かべながら、一言。その『スタンド』の名を言い放つ。

 

「『ザ・ワールド』ッ!」

 

 瞬間、目標に対して肉薄していたジョナサンの拳は受け止められ、目にも止まらぬ殴打のラッシュが反撃として見舞われた。

 闇の中で、爛々と輝く双眸。傲慢と邪悪を煮詰めて凝り固めたかのような、不敵な笑み。悪魔……ディオ・ブランドーは『この時代では発現していないはず』のその力を、喜々として振るう。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

「ぐぁああ!」

 

 鍛え上げられたジョナサンの肉体といえども、そのラッシュを正面から受けて耐えられるはずもなく。筋肉が詰まった重い体が、まるで紙人形のように吹き飛ばされる。

 

「ジョナサン!」

 

 炭壱の意思に応じて、ディオのものとは別の……炭壱の『ザ・ワールド』が地面に叩きつけられる前のジョナサンを抱き取める。仲間を気遣う的確なフォローに、しかしジョナサンは表情を歪め、焦った。それは、ジョナサンが心優しく、自身よりも仲間を想う性格であるからこその、焦り。

 

「炭壱さん、ダメだっ!」

 

 フォローに回った炭壱が、相手の『ザ・ワールド』を前にして丸腰になっていた。

 当然、ディオがその隙を見逃すはずがない。

 

「美しい友情だぁ……見ていて反吐が出るぞッ!」

 

 唸る『ザ・ワールド』の拳打の雨が、炭壱に降りかかる。だが、炭壱の額には汗の一粒すら滲んではいなかった。窮地の最中、炭壱の額には汗の一粒すら滲んではいない。

 短く、一言。炭壱は告げる。

 

 

「世界」

 

 

 ディオの叫びが。

 見開かれたジョナサンの瞳が。

 殺意が籠ったスタンドの拳が。

 閉ざされた夜の闇の中で、唯一人を除いて全てが動きを止める。

 

「……俺だけの『世界』か」

 

 一歩、握る刃に力を込める。

 二歩、踏み出した全身に吸い込んだ空気を行き渡らせる。

 三歩、斬るべき首を、静かに見据え。

 

 

 

 夜の闇を、日輪の一閃が奔った。

 

 

「無駄ァ!」

 

 だが、届かない。

 

「っ……!?」

 

 たしかに『停止した時間』の中で、息を吹き返したディオは迫る刃をすんでのところで避け、炭壱に反撃を叩き込んでみせた。

 

「貴様が『世界』を止められるのならっ! このディオに世界を動かせぬ道理はない!」

「なるほど……流石は、『悪のカリスマ』だな」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。