それではどうぞ。
ホミカからバトルを挑まれた次の日、いつもの体操に波導の訓練を追加し、リオとで済ませたあと朝食をとり、ポケモンセンターを出発した。そして昨日場所を教えてもらったライブ会場に向かう。
それにしてもいったい何対何のバトルになるのだろう。一応カティでも戦えるように朝のうちにカティの使える技を確認しておいたが、それでも私はリオとカティの2体しかポケモンを持っていないから最大でも2対2のバトルしかできないのだが。いや待てよ、そんなことはないな、2対2になるのは相手が了承したらの場合か。いったいどんなバトルになるのだろうか。ホミカの実力次第だが2対多数だと正直きついな。まあ仮にも将来ジムリーダーになるような人だから2対2でいいと言ってもらえるだろう。
そんなことを考えながら歩いていると目的の場所に着いた。ライブ会場はどうやら地下にあるらしい。地下へと続く階段をおりていってその終点に着くと中から音が聞こえてくる。どうやら何か演奏しているようだ。扉を開けて中に入ってみると、予想通りホミカとそのバンドメンバーによる演奏が行われていた。
「~♪~♪」
そして奏でられている音は盛り上がりをみせ、ホミカの歌声がライブ会場に響く。しばらくするとバンドの演奏が終わる。
「いいものを聞かせてもらった」
私はパチパチと拍手をしながら言う。
「おいおい、まだライブは始まってないよ。今は練習中だから帰んな」
バンドメンバーの女の子が言う。
「いや、いいんだ。アタシが呼んだんだ」
ホミカが返す。
「よぉ、よくきたな。今バトルの準備をするから少し待ってて」
続けてホミカが言う。
「えっ! バトルってあの子が昨日言ってたたトレーナーなの? まだ子供じゃない」
どうやらバンドメンバーの女の子たちは私に驚いている様子だ。
「ほらみんなも手伝って」
ホミカが言うとほかのバンドメンバーも手伝い始める。
「元々ここはバトル場だったんだ。それを改装してライブ会場にしたんだ」
「へえ、そうなんだ」
私はホミカの説明に相槌を打つ。
「よし、準備完了! じゃあさっそくバトルといきますか! アンタ、ポケモンは何体持ってる?」
ホミカは問いかけてくる。
「昨日のガーディを合わせて2体しか持ってないんだけど……」
「わかった。じゃあ2対2だね。アンタはそれでいい? もし昨日のガーディじゃまだ戦えないってんなら1対1でもいいけど?」
挑発するかのようにホミカが言う。
「いや、大丈夫、2対2でいいよ」
こちらはその挑発に応えるように言う。
「そう。わかった。2対2でいいんだね。マリン、悪いけど審判を頼む」
そう言ってにやりと笑うホミカ。マリンと呼ばれた女の子は審判を始める。
「ではこれよりタチワキシティのホミカ対ヒオウギシティのメイのポケモンバトルをはじめます。それでは、よーい、始め!」
「まずはアタシからだ! アンタの理性ブっとばすから! めっちゃ爆裂! クロバット!」
『っしゃあ! いくぜ!』
そういって出てきたのは紫色の体をした4枚の翼をもつクロバットだ。
「じゃあこっちも。カティ! Start the Struggle!」
そう言ってカティを繰り出す。
『早速アタイの出番ね!』
そしてバトルが始まる。
「先手はアタシがもらう! クロバット! クロスポイズン!」
『くらえっ!』
クロバットの十字に切りつけるクロスポイズンがカティに襲い掛かる。
「カティ! こうそくいどうで避けて!」
『ふふん! あたらないわ!』
カティはこうそくいどうですばやさをあげつつクロスポイズンを避ける。
「まだまだ! クロバット! エアカッター!」
『まだまだいくぜ』
クロバット今度はクロスポイズンのような狭い範囲ではなく広範囲に及ぶ攻撃のエアカッターで攻撃してくる。
「カティ! 避けてかえんほうしゃ!」
『よっ……と』
カティはぎりぎり避けきり、かえんほうしゃを放つ。
「避けて! クロバット!」
『はっ、余裕!』
しかしカティの放ったかえんほうしゃも避けられてしまう。
「まだ足りないか……。カティ! もう一度こうそくいどう!」
『まだまだ、ギアあげてくよ!』
カティはこうそくいどうで更にすばやさを上げる。
「こっちもすばやさを上げるよ! おいかぜだ!」
『こっちも上げていくぜ!』
それに対しクロバットもおいかぜの効果ですばやさを上げる。
「クロバット! クロスポイズン!」
「カティ! ねっぷうで迎え撃て!」
『ぐわあ!』
クロスポイズンを当てようと接近してきたクロバットに広範囲に炎を飛ばすねっぷうがヒットする。
「大丈夫か! クロバット!」
ホミカは心配する様子を見せる。
『まだまだ、いけるぜ!』
しかしクロバットはまだ元気があるようだ。
「よし! クロバット! アクロバットだ!」
するとクロバットはフィールドを所せましと飛び回り他者を幻惑するような動きを見せながらカティに向かって体当たりしてくる。
『そらそらぁ!』
「カティ! 避けて!」
しかしクロバットの動きに翻弄されたカティはクロバットの攻撃を避けきれずに喰らってしまう。
『キャイン!』
一発もらってしまったか、だけど。
「まだいけるよね! カティ!」
『当然!』
まだまだ倒れるには早いよな。
「っしゃあ! カティ! さらにこうそくいどう!」
『さらに上げていくよ!』
そうしてさらにすばやさを限界まで上げていく。
「クロバット! もう一度アクロバットだ!」
『はあっ!』
ホミカの指示によりクロバットはまたフィールドを飛び回る。カティはまた動き回るクロバットに翻弄される。
「カティ! 落ち着いて! 動きをよく見るんだ!」
カティが私の言うことで落ち着き、そしてそこにクロバットの攻撃が襲いかかる。
『いくぜ!』
クロバットがそう言った瞬間のことだった。
「今だ! カティ! バックステップ!」
突然の指示にもカティは動じずにその場から後ろに素早くステップする。するとクロバットはアクロバットを当てようとしていたカティのバックステップに対応できずにカティがさっきまでいた場所でバランスを崩し墜落する。
「今だ! カティ! 全力のフレアドライブ!」
『はああ! 喰らええええ!』
『ぐわああ!』
バランスを崩して立て直そうとしているクロバットのところにカティの炎を纏った渾身の一撃が炸裂する。当たったクロバットは吹き飛んでいくが空中でバランスを取り戻す。しかしフレアドライブが効いたのかふらついている。
一方でカティも攻撃の反動とさきほどのアクロバットのダメージが残っているのか肩で息をしている。次の一撃で決まるな。
「クロバット! ブレイブバードだ!」
『おおおお!』
「カティ! フレアドライブ!」
『はあああ!』
お互いの必殺技が炸裂しカティとクロバットがぶつかり合う。
「カティ!」
「クロバット!」
するとカティとクロバットは互いに目を回して倒れてしまった。
「りょ、両者ともに戦闘不能」
「……ふう。戻れ、クロバット。よく頑張ったな」
「お疲れ様カティ、戻って」
どうやら相討ちになったようだ。
「すごいな、アンタ。昨日捕まえたばかりのガーディでここまで戦えるなんて」
「いやあ、それほどでも~」
なんか褒められた。いやあ褒められるのは照れるな。
「でもまだまだ! ここから盛り上げてあたしが勝つの! 爆裂ッ! ペンドラー!」
『クオオオ!』
そういってホミカが出してきたのは毒々しい紫色の体をしたメガムカデポケモンのペンドラーだ。おそらくホミカの切り札だろう。ではこちらも真打登場といきますか。
「望むところ! リオ! Start the Struggle!」
『ガウッ!』
「今度はこっちが先手をもらう! リオ! あくのはどう!」
『はあっ!』
リオから黒い波導が溢れ出しペンドラーへと襲いかかる。
「ペンドラー! ハードローラーでつっきれ!」
『おらあ!』
そういって体を丸めたペンドラーは広がるあくのはどうの中をものともせずに転がり進んでくる。
「そのままメガホーン!」
『喰らええ!』
ホミカの指示が飛び、ペンドラーは体を元に戻し角を光らせリオに向かって突進してくる。
「リオ! 受け止めてカウンター!」
リオは両腕を前にだし受け止める態勢を整えるとそこにペンドラーが突っ込んでくる。
『ふっ、ぐうう! はっ!』
『くう!』
リオは後退させられながらもメガホーンを受け切り、態勢の崩れたペンドラーにカウンターを打ち込む。するとペンドラーも後退しながらもまだピンピンしていてこちらを睨みつけてくる。
「そのルカリオがアンタの切り札か。なるほど、よく育てられているよ」
「そりゃどーも」
「でもアタシは負けない! ペンドラー! じしんだ!」
『はああ!』
「! リオ! ジャンプ!」
『はっ!』
ペンドラーの起こしたじしんによって地面が揺れ、地を這うようにエネルギー波が襲いかかるがそれをリオはジャンプしてかわす。
「今だ! ペンドラー! メガホーンでルカリオをぶっ飛ばせ!」
『おおお!』
「させるか! リオ! メタルクローで迎え撃て!」
『はああ!』
再び角を光らせ突進してくるペンドラーを空中からの落下速度を利用したメタルクローで迎え撃つリオ。そしてメガホーンとメタルクローがぶつかり合い、空中にいたリオはこらえきれず吹き飛んでしまうが、空中で身を翻し華麗に着地する。
しかしまずいな、このままじゃジリ貧だ。互いのメインウエポンは効果がいまひとつだが向こうにはこちらに効果が抜群のじしんがある。それに対しこちらには有効な技がなく、あくのはどうは無効化されてしまうとなるともう相手に通じるのは威力が低いメタルクローとボーンラッシュしかない。
なら、質がだめなら量だ。
「ペンドラー! じしんだ!」
『喰らえ!』
再度じしんが襲いかかる。
「リオ! みきりでペンドラーに近づいて!」
『しっ!』
リオはみきりを用いてじしんのエネルギー波を避けてペンドラーに接近する。
「よし! メタルクローでラッシュをかけろ!」
ペンドラーに接近したリオはメタルクローの連撃を喰らわせようとする。
『うおお!』
「ペンドラー! メガホーンで迎え撃て!」
『はあっ!』
ガキン! ガキン! という音を立てて互いに技を打ち合うリオとペンドラー。
「リオ! メガホーンはみきりで躱してメタルクローを打ちこめ!」
『わかった!』
そこへ私は指示を飛ばし、リオの動きを矯正する。するとリオはメガホーンを躱しながらメタルクローをペンドラーに喰らわせていく。徐々に鋭さを増していくリオのメタルクローに対しホミカは指示を出す。
「いったん距離を取れ! ペンドラー!」
『おうよ!』
「逃がしちゃだめ! でんこうせっかで追いかけてメタルクロー!」
『逃がすか!』
逃げるペンドラーに対して追いかけてさらに追撃のメタルクローをくらわせるリオ。
「ペンドラー! こうそくいどうで引き離せ!」
『くっ! これなら!』
するとこうそくいどうによりすばやさのあがったペンドラーはリオの追撃から逃れる。
「ペンドラー! じしんだ!」
『くらえ!』
追撃から逃れたペンドラーは再度じしんを放つ。
「リオ! みきりで躱してはどうだん!」
『はっ!』
じしんをみきりでかわし、ペンドラーにはどうだんをくらわせようとするリオだが、
「ペンドラー! はどうだんなんか弾き飛ばせ!」
『こんなの効くか!』
タイプ相性のためかほとんどダメージをあたえられない。
しかしどうする、接近戦によるメタルクローの物量作戦ももう通じないすばやさになってしまっているし、かといってはどうだんではまともにダメージが通らない。
こうなったらもうメガホーンに対してカウンターを打ち込むしか勝つ方法はない。問題はタイミングだ。もういちどメガホーンを全力で放ってくるタイミングを見極めるんだ。
ペンドラーを見てみるともう肩で息をしている。全力の一撃を放ってくるタイミングはもうすぐのはず。
「ペンドラー! つるぎのまいだ!」
『はあっ!』
今度はこうげきを上げてくるペンドラー。
「リオ! はどうだん!」
『ふっ!』
それに対しこちらは、はどうだんで牽制する程度に止める。
「ペンドラー! はどうだんを弾いてもう一度つるぎのまいだ!」
『さらに!』
さらにつるぎのまいを積んでくるペンドラー。その一挙手一投足を見逃さない。
「ペンドラー! さらにつるぎのまい!」
『もういちど!』
ペンドラーの行動に対しこちらはその行動を見守ることしかしない。
「どうした! もう諦めたのか!」
ホミカは挑発するように言う。
「リオ! 挑発にのっちゃダメ! 相手をよく見るんだ!」
『うん!』
「こないならこっちからいくよ! ペンドラー! じしん!」
『おらあ!』
襲い来るじしんのエネルギー波。
「リオ! みきりで躱してはどうだん!」
『ふっ!』
それに対しリオはみきりを用いてじしんを躱しはどうだんを放つ。
「今だ! ペンドラー! メガホーンだ!」
『クオオオオン!』
するとペンドラーは、はどうだんをものともせずにメガホーンで突っ込んでくる。ここだ!
「リオ! メガホーンを受け止めろ!」
「! まずい! 止まれ! ペンドラー!」
しかしペンドラーは勢いのままリオに向かってメガホーンを叩き込む。
ドゴオオオンという激しい衝撃とともに大きく後退するリオであったがメガホーンをなんとか受け止めきる。
「今だ! リオ! カウンター!」
『はあっ!』
渾身の一撃を耐えられて大きな隙を晒していたペンドラーにリオのカウンターが突き刺さりペンドラーは吹き飛んでいく。
「ペンドラー!?」
そしてペンドラーは目を回して倒れた。
「ぺ、ペンドラー戦闘不能。よって勝者、ヒオウギシティのメイ!」
審判のマリンから私の勝者宣言がなされた。
ありがとうございました。