大剣を振るう、かわされる。
避けようとする・・・フェイントで剛腕に殴られる。
こんなとき、キャスト体でよかった。と心底心の底から思う。
もし、ヒューマンとデューマンだったら間違いなく床ペロだったし。
ニューマンは言わずもがな肉塊にすらなっていた危険だってあった。
しかし、自分はキャスト・・・元々頑丈なつくりの体だったから・・・恩人でもあるハイレを逃がすことができた。
(まあ、死んでも床ペロ。なんだけどね・・・)
左腕の違和感を無視しながら、ヒーロー大剣の構えをする死神。
しかし、左腕がないことによるバランス感覚の崩壊で、構えるだけで精いっぱいであった。今頃ハイレは、キャンプシップに戻れたんだろうか・・・
そんなことを考えながら、真っ赤になっている視界で嘲笑うかのように踊っているかのような動きをするロックベア。
「煽り行為かよ・・・だっせぇっ」
その言葉と一緒に血の混じった唾を吐きかける。
どうやらそのロックベアにはそれが何を意味するか分かった様で、狂ったようにドラミングと怒りが混ざった雄たけびを上げる。どうやらこのロックベアは知能が高いようだ・・・それなら、通信機が使えなくなった理由も理解できる。
(こいつ、キャストの潰し方を徹底的に理解してやがる)
まずは、仲間を放心状態にして逃亡させ、最初の一撃で連絡手段がある左腕を潰し、耳にある通信機を使えないように重点的に左側の頭を殴り続ける。
そうすればあら不思議、助けを呼ぶ通信手段を封殺できるうえに、キャストは死ぬことができない。
床ペロも(自分たちはゲームだから完全に死なないが)完全ではないし。
意識が飛ぶとはいえ、あの感覚がなれるなんてことは異常者でもない限りはない。
・・・そしてしびれを切らしたロックベアが勢いよく剛腕を死神にたたきつける。
それを死神は、這う体で何とかかわす。しかし、
「あがあぁっ!!」
ロックベアはそれを完全に読んでいた。
(あぁ、ゲームオーバー・・・か。)
ずしんずしんと、ロックベアが近づく。
多分このロックベアは用済みとなった身体はズタボロにした後、中核コアを捕食する気だろう。ただし、自分は一回ゲームオーバーとなって意識がタイトル画面に戻されるだけだ。(まあゲームダイブはEP4で公式がやってるからね)
(まあ・・・ハイレさんがそれを味わわないなら、それでいいか)
ほぼあきらめの中で、死神はそっと目をつぶる。
でも一瞬でも痛いのは嫌だなぁ・・・まあ、こんな時に助けてくれる人間なんて・・・
ピッ、ピッ
(・・・えっ)
≪セラがパーティに加入しました≫≪クロッピーがパーティーに加入しました≫
その直後、ロックベアの悲痛な叫び声と共にのけぞる姿が目に入る。
動けないからでも…まあわかる。
「邪魔するぜ」
このオートワードは・・・