和響の一日。【PSO2二次創作】   作:ライドウ

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今回はハイレくん視点です。


第20話 後悔とマヌケ

 

雨、雨が降っている。

同時に、赤い水たまりが多く出来上がる。

 

(寒い)

 

こんなに寒いのはいつ以来だろう。

凍土でも、こんなに寒いと感じたことは無い。

俺の手の中には、死神がしていた金のブレスレットが血のようなオイルのような液体で汚れている。

 

(さむい)

 

服が重い、武器が匂い立つ。

原生種の死体が塵となって還ってゆく、だけど死神は帰って来ない。

 

後悔が心に重くのしかかる。

あの時、少しだけ怒りを抑えて周りを警戒していれば。

そもそも、喧嘩さえしなければ・・・

 

(サムイ)

 

あぁ・・・

 

 

死神の優しい笑みが、頭から消えない。

 

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「・・・ただいま。」

 

俺と兄さんのマイハウス。

兄さんは玄関の前に立ち、俺にタオルをかけてくる。

 

「・・・風呂、入ってこいよ。今日は、カレーだ。」

 

「・・・うん。」

 

責めることもせず、慰めてもくれない。

明日には死神が戻ってくると、兄さんも理解しているから・・・でも、俺はどんな顔をして死神と顔を合わせればいいんだろう。多分あいつは、無事でよかったです!とまたあの笑顔で言うだろう。死ぬよりも辛い苦痛を味わっているのに、だ。

 

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そこそこ大きいバスに体を預ける。

暖かいお湯に漬かり、膝を抱えてうずくまる。

 

「・・・ハイレ、湯加減は?」

 

兄さんの声が、聞こえてくる。

腰にはタオルを巻いて入る気満々の姿だ。

 

「・・・ちょうどいいよ。兄さんも入るんでしょ」

 

「ああ、カレーはもうできてるからな。」

 

よいしょ。呑気な声が聞こえてきた。

兄さんも、色々考えているんだろう。多分、兄さんはどうやって俺に謝ろうか必死に考えているところだろう。

 

「死神のことは、大丈夫だ。お前が1番わかるだろ?」

 

「まあ、な。」

 

あいつは、強い。

装備してる装備こそ、特別なカスタムもスキル調整もされていないごく普通の星13武器だ。それをアイツは1番器用に使う。ボス戦の火力は頼りないが集団戦のヘイトを多く取り長く生き残っている。そして、そんな時でも笑顔なのだ。

 

「・・・どうして」

 

「?」

 

「どうして、死ぬとわかっていて。あんな笑顔を浮かべたんだろう。」

 

死ぬより辛い苦しみのはず。

俺なら多分、突き飛ばさずにむしろ生贄にする。

それなのに、アイツは自分を犠牲にして俺を守った。

 

「・・・・・・1度、アイツと話し合った時があった。そんときな」

 

「?」

 

「ハイレさんは、私の憧れですから。多分あの人がピンチなら、私はボロボロでも身を呈して庇いますよ。って言ってた」

 

その言葉が、留めていた涙を出させる言葉となって突き刺さる。すぐさま大粒の涙が溢れたし、拭っても拭っても、それは止まらなかった。

 

「にい・・・さん、おれっ・・・おれぇっ、死神が食われた直後、死神が突き飛ばしてくれて安堵した!しちまった!!俺は最低なヤツだっ!」

 

兄さんの胸板に顔を押し付け貯めていた弱音を吐き出す。アイツがディアボイグリシスに食われてる時、安堵していた。俺が食われなくてよかった。食われたのが死神でよかった。と、そしてその直後、安堵した自分に驚いて・・・失望して、怒り狂った。

 

「お前は最低じゃないさ・・・死神は、分かってて突き飛ばした。大丈夫、アイツはハイレを責めはしないさ」

 

「でも、でもっ!」

 

「大丈夫、大丈夫だ。」

 

泣き崩れている俺を、兄さんは優しく撫で続ける。

大の男同士で、見られたら恥ずかしい1面だがてそれでも今はそうしたかった。

 

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風呂場で思う存分、泣き喚いてスッキリしたあと。

兄さんと晩飯を食べ始める。ちゃんと服は着てるからな。

 

「ほらハイレ、あーん。」

 

「あっ、あーん。」

 

兄さんが差し出してきたスプーンに食らいつく。

小さい頃は、よくやっていた行為だが・・・つまり、兄さんは俺の事は成長してないって思ってるのか?

 

(なんだか、少し・・・悔しい。)

 

そして、カレーは普通に美味しかった。

 

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今日は兄さんが甘やかすためなのか、俺のベットに兄さんが潜り込んできた。

 

「おっとと、狭いな。」

 

「・・・それなら自分のベットに戻ったら?」

 

そういうと、悲しいこと言うなよ。と言って、抱きしめてくる。なんだか、抱き枕にされてるみたいだ。兄さんの太い腕が微妙に固くてちょっとイラッとする。

 

(・・・もう我慢できない。)

 

勢いよく起き上がり、兄さんを押し倒したような体勢になる。さすがに予測してなかったのか、兄さんもキョトンとした表情で混乱していた。

 

「は、ハイレ?」

 

「・・・・・・兄さんがイケないんだ。」

 

そう言って俺は、兄さんの首元に噛み付いた。

マヌケで、俺を誘うようなことをする兄さんが悪いんだ。

 

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ここから第三者視点です

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翌日、

 

「不肖、死神!五体満足、新製ボディーを持って復活しまし・・・・・・えぇ(困惑)」

 

いつものチームルームは、少し異色を放っていた。

「おう、おかえり・・・ってどうした?そんな顔して」

 

「そうだぞ。いつもより間抜け面じゃねぇか。」

 

クロッピーと、ミヤ、クレアとザイカはまあ変わってない。むしろこの人たちはいつも通りだ。

だけど、

 

「・・・昨夜はお楽しみでしたね。」

 

「ば、ちっちげぇし!!」

 

「ちょっと何言ってるか分からないな?!」

 

そういう死神の言葉を否定している兄弟にはお互いに色々と隠せてない跡が残っており、明らかに致した事が伺える。

 

(・・・まあ、やっとって感じなんだよなぁ。)

 

ちょっとだけ三白眼になりながらも、死神はそう思ったのであった。

 

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死神「ていう夢を見たんですけど」

クロ「死神くんそんな夢見たの!?‪w‪w」

ミヤ「面白いね〜‪w‪w‪w」

クレ「ウケる‪w‪wね、ザイカ!‪w‪w」

ザイ「面白い」

 

セラ・ハイ「「・・・・・・」」

 

死神・クロ・ミヤ・クレ・ザイ「「「「「!?」」」」」

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