和響の一日。【PSO2二次創作】   作:ライドウ

17 / 19
第28話 誰かがいないチームルーム

 

俺たちは、集会と称して集まりを開いていた。

ポートが元から管理していたバーカウンターで集会後の宴会をしているんだが・・・

 

ガッシャンっ!!

 

「うおっ、派手にやったな・・・大丈夫か?ポート。」

 

「うん。でもなんだかなれなくて。」

 

・・慣れない?慣れないって言うのはどういうことなのだろう。

俺の記憶によれば、ここに立っていたのはずっとポートのはずだ。

 

 

「んー?」

 

「どうしたハイレ」

 

「ポートの味って困難だったっけ?」

 

「お前いつも食ってるのに味も分からないのか?」

 

このおバカ。と言いつつハイレの頭を軽く叩く。

そういえば、和歌も誰かが足りないと言って、勧誘してばっかだ。結果はまあ惨敗だが。

クレアとザイカは、何やらお菓子が恋しいらしくフランカ'Sカフェに出入りしているが求めているものが見つからないらしい。

ミーヤも、なんだか誰かがいないようで寂しいらしく、しばらくクエストには出ていない。かくいう俺も、ここ数日はロドス狩りに出向いていない。

 

クロッピーはと言うと、ほんの3日前に行方不明となった。

作戦行動中に突然、反応が焼失したのだ。

 

・・・ああ、今日の集会はそれの捜索も兼ねていたが・・・

 

(結局のところ手掛かり、無し。か。)

 

「おれ、ちょっとショップエリアで酒買ってくるわ。」

 

「えっ、お酒ならいっぱい・・・」

 

「あー・・・なんか違うの飲みてぇんだわ。」

 

「あ、了解。」

 

ポートにそう断って、代わり映えのしないチームルームを出る。

変わるのは・・・たまに飾り付けられてパーティする時だったか?

 

違和感を抱えつつ、ゲートエリアを通り過ぎ、ショップエリアに向かおうとする。

そのすれ違い際に

 

 

”何やら見覚えのある黒と赤の少女とすれ違った気がした”

 

 

「っ!?」

 

すぐさま振り返るが、そこには誰もいない。

いつも通り、変態のようなプレイヤーや真面目なプレイヤーたちがロビーで騒いでいるだけだった。

 

「・・・誰だったんだ。いまの。」

 

よく目を凝らすと、クエストゲートからどこかに向かうのが分かる。

 

「・・・追わねぇと。」

 

そんな気持ちに襲われ、走り出す。

 

==========

 

いつの間にか。

 

そう、いつの間にか、うちのチームルームにいた。

 

いや、ただのチームルームではない。

 

 

”何者かに襲撃され、大破したチームルームに”俺はいた。

 

 

「なん・・だ。これ」

 

ほぼほぼ無人だが、最近出入りした形跡が色濃く残っている。

フラフラと、バーカウンターの方に足を向けると・・・

 

「っ、クロッ・・・ピーの着ぐるみかこれ・・・あと、金のブレスレット・・・?」

 

そこにあったのは見慣れたクロッピーの着ぐるみ。

あいつ、これ脱ぐことができたのか。

そして、誰かがしていた気がする金のブレスレット。

これには、何か懐かしさを感じる。

 

そんなことを考えつつ、あたりを見渡す。

しかし、そこには何もない。

 

「・・・帰るか。」

 

そう思った矢先に目の前に小さな仮面をかぶった少女が現れる。

 

・・・ご丁寧に、ダークファルスの反応をもってだ。

 

「・・・・・・ここには、何もないぞ。」

 

なにやらくぐもった声だが、その声には聞き覚えがあった。

・・・しかし、それが誰なのかが、思いだせない。

武器を構えない・・・交戦する気はないのか?

 

「・・・教えてくれ、ここで何があった。」

 

「お前に教える義理も情報もない。去れ。」

 

「教えてくれ、頼む。」

 

「去れ!」

 

胸ぐらをつかまれ、睨まれる。

悔しそうに、口を歪ませ武器を首元にあてられる。

見慣れないソードだが、でも、どこか覚えはあった。

 

「もはや貴様に、できることなどない!!貴様は、間違えたのだ!!」

 

「だからどういうことか説明しろって言ってんだよ!!一体、俺は誰を忘れているのか!!」

 

胸ぐらをつかむそいつに対して逆に胸ぐらをつかみそう叫ぶ。

 

すると、グランとあたりの風景が歪みだす。

 

「そこまで言うなら、変えて見せろ。そして、覆せ。それは、できるはずだよ。セラ」

 

最後は、聞き覚えのある声に変わり・・・

 

「お願い、10年前に起きた悲劇を・・・変えて」

 

願うように。そう言われた。

 

「・・・おう、任せとけ!!」

 

 

二つ返事でそう返し、俺は”過去”へと戻る。

ああ、そうだ。声を聴いて思い出した。

 

「待ってろ、死神。今にお前に説教くれてやるからな!!」

 

そう叫び、俺は光の中へと飛び込んでいった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。