和響の一日。【PSO2二次創作】   作:ライドウ

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第29話 死神のための説教文

 

「んー・・・?」

 

何やら夢を見ていたらしい、バーカウンターに突っ伏したまま眠っていたらしく。

体中がバキバキだ。

 

「あいたたた・・・」

 

「あっ・・・こんばんわ。」

 

「ん?おう、死神。お前いつの間にそこにいたんだ?」

 

多分、寝ていたから気付かなかったのだろうがいたのだろう。

まさか死神に限って背後に突然現れたとかないしな。

 

「あはは、いつもの。ですか?」

 

「おう、頼むぜ」

 

死神は、いつも通りに手慣れた手つきで俺のお気に入りの酒を出してくれる。

ついでにちょっとしたツマミも出してきた。死神がこうやって気を利かせたときはたいてい何かがあるときだ。

 

「・・・何かあったのか?」

 

「やっぱり、バレちゃいます?」

 

困ったような笑みでえへへ。と笑う死神。

死神も自分が気に入っている飲み物を取り出し、飲み始める。

 

「実は、私・・・今日限りでこのチームを脱退しないと行けなくて・・・」

 

そんな話題に、俺は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になる。

あの死神が?このチームを脱退・・・?何の冗談だ?

と思ったが、死神の悲しそうな表情に何とも言えなくなりそのまま受け止める。

 

「なんでまた」

 

「それは、ちょっと言えないです。」

 

ごめんなさい。と言って、目を伏せる。

 

「まあ、言えないなら仕方ないさ。そっか・・・寂しくなるな。」

 

「ふふっ、セラさんらしいですね。」

 

「ん?そうか・・・?」

 

ふふっ、と笑いながらグラスを傾ける。

 

「・・・あっ、そろそろ。クエストに行かないんですか?」

 

「あー・・・そういえばそうだった。」

 

俺は、最後に一気に酒を飲みほす。

死神はちまちまとまだ飲んでいるが、

 

「ほら、行くぞ!!」

 

「えっ、ほえっ!?」

 

死神は、驚きながらもコップを置いて俺に連れ出される。

ちょっと、驚いた顔をしながら嬉しそうにはにかむ死神。

 

「な、なにに行くんですか?」

 

「うーん、常設でもいいが・・・フリーフィールドでのんびりいかないか?」

 

「ふふっ・・・いいですね!」

 

すぐさま、万遍の笑みになり俺と一緒にワープする死神。

ワープが終わると、ゲートエリアに進む。

 

「セラ~!死神くん!!」

 

クエストカウンターに向かっているとクロッピーがかわいらしい足音を鳴らして寄ってくる。

 

「これからクエスト?」

 

「はい、そうなんですよ。」

 

「ん?どうだ?クロッピーも一緒に来るか?」

 

「行く!」

 

すぐさま、死神とクロッピーにパーティー招待を送る。

すると、すぐに二人がパーティーに参加し、二人のAWが発生する。

 

「さて、森林行きますか!!」

 

「ちょうど、森林マグロが品切れだったんです。行きましょう!!」

 

「魚釣りだね!今夏だからちょうどいいね!!」

 

俺たち三人は、バカ騒ぎしながら惑星”ナベリウス”へと向かうのであった。

 

================

 

「なるほど・・・あの使えない人形は、連れ出されたか。」

 

誰もいなくなった、チームルーム。

そこには、ルーサーがなんともない顔で飄々と立っていた。

 

【もはや、あの子は貴様の手を離れた。諦めることだな。】

 

そしてルーサーの背後に、いつの間にかあの時の仮面の少女が立っていた。

 

「ふむ・・・【仮面】(ペルソナ)。君は、何をしたんだね?」

 

ペルソナはそっと仮面を外す、その顔は死神くんの素顔そのもので。

多少、不気味さが加えられていて、機械らしい部分が露出している。

 

「私は、夢を変えただけだ。本当の世界で冷凍睡眠状態の私が見ている夢を、バットエンドからハッピーエンドに変えただけだ。」

 

「くくく・・・そうかい。なら、僕は去ろう。もうそろそろシオンが見つかりそうだからね。」

 

「・・・・・・精々、幻想を見ることだな。ルーサー」

 

「幻想?全知の前ではそんなものは、ただの事象に過ぎないさ。」

 

そう言いながら、ルーサーは去っていく。

 

そして【仮面】の体は光り輝きだし、薄くなっていく。

 

「時間切れ、か。まあいい、目標は達成された。」

 

消えかけの仮面は、左腕から金のブレスレットを外し、死神が飲みかけのコップの隣に置く。

 

「・・・今度は、起きた状態で会おう。」

 

そう言って、仮面は消失したのであった・・・。

 

 

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