和響の一日。【PSO2二次創作】   作:ライドウ

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第17話 些細な喧嘩

ある日いつものチームルーム。

 

 

「それでさー」「へー・・・」

 

何やらセラと死神くんが話し合っていると、怒り心頭のハイレとあたふたしているクロッピーが。

 

「ん?どうしたハイレ。」

 

「セラ!!冷蔵庫にあった俺のプリン食っただろ!!」

 

「あー・・・プリン?何の事って・・・ああ、食べた」

 

ズンズンとハイレが近づき、セラの胸倉をつかんで持ち上げる。

その様子を見た死神とクロッピーは硬直し、どうしたらいいか戸惑い始める。

今までは、ちょっとした微笑ましい喧嘩だったが・・・今回のこれはいつもとは気迫とハイレの怒気が違うと物語っていた。

 

「あれ、俺が楽しみにとっておいたフランカズカフェの30個限定プリンなんだぞ!!もう売ってないんだよ!!」

 

「わ、悪かった。ゆるしてくれ、な?」

 

 

平謝りするセラ・・・しかしその態度がハイレの逆鱗に触れたのか、ハイレがセラを殴って吹っ飛ばした。吹っ飛ばされたセラは壁にぶつかって、痛がるそぶりも見せずにただ唖然としていた。

 

「行くぞ、死神!!」

 

「えっ、ど、どこに!!」

 

「憂さ晴らし!!」

 

「は、はいぃぃぃっ」

 

イライラしているハイレは、あたふたしている死神の首根っこをつかんでそそくさとどこかへ向かってゆく。

残されたのは、ちょっとだけ遠い目をしているセラとポカーンとしているクロッピーだけだ。

 

「おー・・・いってぇ、本気で殴りやがって・・・・・・あぁ、あの蓋の名前はハイレだったんか・・・てっきり死神くんのかと」

 

何事もなかったかのように立ち上がり、殴られた部分を確認するセラ。

その余裕は大人の余裕にも見えたが、どうにもそわそわしている様子がクロッピーには感じ取れた。

 

「・・・追わないの?」

 

クロッピーが恐る恐る聞いてみる。

 

「・・・今追ったら、さらにキレるから・・・ちょっと死神くんに任せるか。」

 

よいしょっ。その掛け声と一緒にバーのようなカウンターにある椅子に座る。

いつもは死神くんが管理しているそこも、本人がいないとただの味気ない飾りのように感じる。

 

「氷氷ッと・・・あったあった。」

 

適当に袋に氷を詰めて、殴られた箇所に押し当てる。

 

「・・・初めて弟から殴られた感想は?」

 

「うれしさ半分、悲しさ半分ってところかな。やっと、反抗期が来たーって感じ」

 

そういうセラは微笑んでおり、最初から二人を見ていたクロッピーは成長したなぁ・・・と感じるのであった。

 

====================

 

「あ”ーもう!!ほんっと、兄さんったら俺のプリン勝手に食いやがって!!」

 

八つ当たり気味に出てきたダーカーを倒すハイレ。

怒りで周りが見えていないからなのか囲まれているが、そこは死神くんがうまくカバーしてしなないようにしている。

 

「まあまあ、きっとセラさんが、蓋に書いてあったハイレさんの名前に気付かなかったんだと思いますよ?」

 

「兄さんに限って・・・・・・むぅ。」

 

喧嘩中の相手をフォローしようとして頬を膨らませるハイレ。

子供っぽいな。と死神くんは思いながらも周囲の警戒を続ける。

 

(いまのところフリーの森林で・・・なんともないけど・・・・・・なんか嫌な予感するなぁ)

 

「ハイレさん、早く切り上げてフランカズカフェに・・・ハイレ!!」

 

ハイレは死神が急に呼び捨てしてタックルしてきたことに対し唖然としていた。

なんだ、お前まで俺を・・・そう思い怒り心頭に顔を向けると・・・

 

 

 

死神の左腕が・・・・・・目の前に転がってきた。

 

 

 

「し、しに・・・・・・がみ?」

 

 

(*彼らはアークスですが”原作主人公(ガーディアン)”並みに強いというわけではありません)

 

 

キャスト体とはいえ、目の前に親しい友人の左腕が転がるその様は、まさしく恐怖そのものだ。

当の本人は・・・・・・ロックベアにつかまっており、苦悶の表情を浮かべている。

 

「し、死神っ!!」

 

「行けっ!!」

 

そう言って死神が、ロックベアの目に向けてTMGを乱射する。

偶然目に当たったのか苦しみだしたロックベアが死神から手を離す。

 

「走れっ!」

 

恐怖しているハイレに、雑な言葉を放ちロックベアに攻撃を与えて注目を引く死神。

急なことで何も考えられていない頭が真っ白な状態のハイレは、その言葉に従ってロックベアに背を向けて逃げ出す。

 

===========

 

 

「はぁっ、はぁっ・・・うあぁっ!!」

 

走って逃げきれたハイレ・・・息を切らして、ついに転んでしまう。

逃げ切れたことによって、少しだけ頭が冷静になる。

そうだ、こういう時は広域の救難信号を発信して・・・

 

「た、たしかっ・・・ここを押して・・・」

 

いつもは使わない広域の救難信号の操作を、思い出しながら操作するハイレ。

・・・でもそれで、死神が助かるかは分からない。

 

 

「っ・・・・・・」

 

 

ハイレは、僅かな希望を胸に・・・兄、”セラ”に連絡を飛ばすのであった。

 

===========

 

 

pipipi...pipipi...

 

「ん?ハイレから?」

 

チームルームで、殴られた箇所を冷やしていたセラ。

その連絡を、機嫌が直って謝ろうとしてるんだな。それで恥ずかしくて・・・

そう思いながら、応答のボタンを押すと・・・

 

 

≪に、兄さん!!た、たすけてっ・・・死神が死んじまう!!≫

 

 

震えた声で、助けを求める弟の声だった。

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