第十一話『日常①』
玲綺の川神学園での日課は毎日図書室に行くことだった。
そこで、玲綺は三国志の呂布について歴史を調べている。キッカケとしては、自分が呂布の血を継いでいるからという理由だから。
記憶のない彼女にとって、祖先の情報だけでも知ることはとても嬉しい限り。ただ、強いて言えば呂布の歴史は他の英雄達に比べればあまり良き歴史ではなかった。
『裏切りの呂布』
力あるものに従い殺し、そして君主へ。
有名的な英雄ならば通り名は永遠と続く。恐らく自分に名を与えた者たちも玲綺をどこかしら裏切り性格だと思っているはず。
だが、裏切り行為など三国志時代どころかこの現代までも普通にしていること。そこまで問題視する必要はないが、過去の祖先が犯した罪が孫の代でも続くのはよくある話であり、それが世の中だ。
だからこの汚名を晴らすためにはその通り名を消すほどの偉業を成し遂げなければいけない。
そしてそのチャンスが川神百代の打倒。それが呂布の血を受け継ぐ玲綺は川神百代を打倒するべき理由・・・そう思っていた。
しかし、実際はそう上手くはいかない。
自分も駄目、義経達も駄目、直江も駄目となかなか思うように事が運ぶことができなかった。
「・・・」
玲綺は読んでいた本を閉じた。
「今日もここにいたんだ玲綺ちゃん?」
声を主は松永燕。先週の出会いからよく一緒にいるようになった。どうしてそうなったといえばお互いに川神百代打倒の情報交換目的なのだが、最近ではそんな話などなくて、たわいのない雑談話が多く、お互いもそれに気づいているが気にすることはなくったっていた。
「燕殿か。今日は一体どんな情報を教えてくれるのだ?」
「じゃーん!新作の松永納豆のお知らせだよ♪」
「・・・それが彼女を倒す秘策?」
「うん。モモちゃんに松永納豆を大好きにしてもうそれしか生きていけないほどの体質にしちゃうんだよ?」
「・・・中毒か?」
もちろんそんなことはありえないし、まったくの無駄話だ。
しかし、いつしかこういうたわいのない話はとても楽しいと思える自分がいた。
「面白いなそれは・・・」
だから彼女はつい乗ってしまうこともある。
「・・・」
燕は微笑んだ。
「・・・? どうした燕殿」
「いや、ようやく玲綺ちゃん笑ったなーって思ったの」
「・・・そうなのか?」
「うん♪ 鏡見てごらんよ。いい笑顔だよ?」
玲綺が懐から手鏡を取り出す。
「・・・」
笑顔の自分がいた。
「・・・」
―――と同時に血まみれの自分が微笑んでいた。
まるで過去の自分を写すように。
まじこいPしてます。