変態企業サイバーランス  ~世界はこいつらの遊び場~   作:はめどりろぼ

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転機

2042年、タイニーオービットにてホビー用小型ロボットLBXが発売された。しかし、あまりの性能の高さから子供用のホビーとしての安全性を確立できなかったため販売中止に追い込まれた。そんな中、LBXに心を惹かれた男がいた。

 

その男の名は才場 槍介(さいば そうすけ)。日本のIT企業、サイバーランスを親から受け継ぐ形で若く社長の座に立ったものである。サイバーランスは当時のIT業界の中では他社と競合する形ではあったが多数のシェアを持っていた。そんな会社を何の実績もない者がなれるわけがない。では何故なれたのか。

 

それは彼が天才であったからだ。サイバーランス社が急激に成長し始めたのは20年前、当時この男が五歳であった時の話である。

 

彼がこの世に生を受けたとき世界は停滞を始めていた。IT革命が起きてから大分経ち、技術革新はなかなか行われなかった。そして彼の父親の会社であるIT企業も大手にはかなわず、会社は倒産の危機に至った。しかし彼は、経営者としては優秀だった。彼が生まれても会いに行く余裕すらなかったが、少し落ち着いたとき会いに行き、彼の父は何かを感じたのか、彼の母に教育を頼んだ。彼が望むものはすべて用意すると告げて。彼の母親はそれを訝しみながら、少し年上の幼児に教える内容を教えた。最初は言葉を覚えたり、使うことに苦戦していたが、一度覚えるとすらすらと理解していった。初めは優秀な子だと認識していたが教えていくうちにその認識を改めさせられた。この子は本物の天才だと。五歳になるころには最先端技術を学んでいた。

 

学んでいたある日、彼は会社の統括システムに違和感を感じたのか父に相談した。どうしてみんなはこんなに回りくどいの、と。

それを聞いた父は、彼に対して「自分のやりやすいように直してごらん」と告げた。すると彼は、かつて誕生日にプレゼントしたパソコンを用いて、修正していった。技術者として一流ではなかったため、会社の開発部にこれはどうかと、彼のことを伏せて聞いた。すると、開発部にいる者たちは最初は何を馬鹿なことをといった調子だったが、解析していくうちに自社のシステムよりも優れている部分をいくつも発見していった。流石に多少の荒は見受けられたがそれも修正していけば、より効率的に並列的な支持を出せるはずであると開発部は気付く。

 

このシステムの解析を済ませた開発部は、社長である父に詰め寄った。

 

「一体どこの会社のものですか」

 

彼の父親は相当悩んだようだが、真実を開発部に告げる。

 

「それは自分の息子が我が社の統括システムを自分なりに作ったものだ」

 

目を見開く社員たちにさらに告げる。

 

「信じられないのも無理はないが、事実である。そして息子は一人で作った」

 

失神しそうになるが、やはりそこは技術者。ぜひご子息に会いたいと社長に申し入れる。社長も予想していたのか、ここに連れてきていると開発部の人間を彼のもとに連れて行った。

 

そこでさらに驚く。息子である彼はまだ十にも満たない様子であったからだ。しかしその眼には確かな理性を感じさせてくれる光が見えた。ひとまず質問として彼に対して問いかけた。

 

このシステムを作ったのは君なのか。

 

彼は「そうです」と簡潔に答える。

 

しかし答えるだけならできると考え、

 

「どのように改善したのか教えてください」というと、彼はすらすらと問題点や改善点話し始める。途中彼にいくつか質問を投げかけたがそれも答えた。

 

開発陣は本当にこの幼い子供が作り出したのかと戦慄する。そして一旦ひと段落したと考えた社長が話し始める。

 

曰く、息子はこのITの分野に強く興味を抱いていると。彼は家ではなく設備の整った会社にて作業したいと。しかし社長が息子の凄さを理解しても周りにも認められないと、不和が起きる可能性があると。そして、この分野の専門知識を持っている開発部に認められたら許可すると。

 

社長は開発陣の反応から彼の能力を認めたことを確認し、社員からも同意を得るつもりであったと。

 

彼は社長から、会社に行く許可を得た翌日から、開発部の方に顔を出してきた。最初はめんどくさいと思ってた開発部だったが、仕事を手伝ってもらってからは、仕事仲間のように接していった。彼は我々の想像を遥かに超えることをしてきた。次々と技術を生み出そうとしている彼に社員は尋ねたらしい。

 

君は一体何を目標としているのか、と。

 

彼は少し考えると次のように述べた。

 

「僕は世界を作りたいと思っている。人に想像できることは実現できる。本で読んだだけだけど、この百年の間にたくさんの進化をしている。100年前は、今のような電子機器はほぼなかったんだろう。そして結果を出し天才と呼ばれるものが表に出てきて、時代を、社会を作り出していった。それって凄いことだと思うんだ。昔の人にとっては今のような生活は想像もできないだろう。しかし僕はこう考える。天才と呼ばれる一部の人間だけが今の生活を予想してたのではないか。そして天才たちは自分好みの世界に作り変えていく。だから急激に世界は変化していったのだと思う。この100年が天才たちが現れるピークだったんじゃないかな。だから僕は世界を作りたいんだ、まだ進化は止まらない、止まってはいけない。止まったら人はそこで満足してしまうから。だからゆったりと進む世界の変化という帆船に追い風を与えたい。何より、そんなことが出来ると考えたら、たまらないだろう。」

 

とスケールの大きな夢を語ってくれた。

 

SFのような世界を目指す。そんな夢を聞いて奮い立たない技術者がいるだろうか、いや、いない。彼らは売れる商品を作ろうとしていたものなのだ。他人の希望するものしか作れないなど詰まらない。だからか開発陣たちは本来の能力を発揮できずにいたのだ。しかし彼の熱に当てられたものたちは止まることを知らない。彼らは自分たちの起源を思い出す。何故、この仕事に就こうと思ったのかを。サイバーランスにとってはこれが運命の日であったのだろう。今までの普通の技術者から一転、自分のしたいことだけをし続けるHENTAIへと至ったのだ。

 

すぐさま彼らは行動を起こした。社長に対しては受注した仕事を終わらせた後に自分たちのしたいことを告げた。社長は最初は反対する様子だったが理由を聞くと、期限を設けられたが自由に自分のしたいことをすればいい、だが何かしら開発できた時点で報告しろと言われた。

 

そこからの彼と彼らは狂ったように新技術を生み出していった。

 

ホログラムの基礎技術やファイアウォールの強化案、空を飛べる宇宙服、フックを出す巻取り式のリールなどいくつもの特許を得ていった。すると倒産寸前だった会社は持ち直していき、国内では他社の追随を許さないほどの速さで進化していった。実際に未来で使われている技術の基礎のほとんどがこのサイバーランス社にて生まれた。

 

彼が10歳になるころには世界は大きく変わろうとしていた。もちろん彼も開発に携わっている。宇宙服やホログラムを設計したのは主に彼だ。彼も狂ったように開発を続ける。宇宙服には衝撃を50%以上吸収するものも組み込まれている。それは搭乗者の命にかかわる危険から守ってくれるというものであった。これを見た父は、争いの基となるかもしれないと考え発表を辞めた。しかしその機能には人類が新たなフロンティアを目指すことも可能になるような技術が詰め込まれているため、開発、研究を続けるようにお願いをした。彼は発表されないことに不満を抱いたが父の意見には納得する部分が多いため同意した。開発陣も何もしてなかったわけではない。彼が生み出した技術の小型化や、グレードダウンした一般向けのホログラム。さらには宇宙服に手を加えて様々な運用を可能にしたのは彼らだ。この会社は新開発するものと、開発されたものに磨きをかけるものがいたおかげで止まることなく開発が進んでいった。

 

 

 

そして誰も手に負えなくなったところで、サイバーランス社は一人の天才と会合する。

 

その天才の名は、山野淳一郎

 

後世において【万能の天才】として伝わるものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず天才同士を引き合わせる。

エタるけど許してください。


__________________________

開発したもの

・ホログラム

・IS擬き(二次創作界の王者インフィニット・ストラトスから)

・グラップリングフック的な何か(主に不安定な場所での命綱として使われる)
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