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今回は記念してストーリーにネタを入れてみますた、長いです。
「………ん?どこだここ?」
おっす、俺兵藤一誠。みんなからはイッセーって呼ばれていて最近悪魔になったばかりの新人悪魔さ!
俺は気が付くと暗い、とてつもなく広い部屋にいた。よく見ると周りにはたくさんの人が……ってよく見たら全員駒王学園の制服を着ている!それに部長や松田たちまで!?
「部長!どこなんですかここ?」
話しかけてみたけどなんの反応もない。むしろ何かをじっと見ているみたいに。
みんなが見ている方向を見ると、そこにだけ光があった。
そこに白衣を着たシグがいた。
何を言ってるかわからねーと思うが俺にもわからない。っていうかここはどこなんだよ、みんなは何してるんだ?
「まずは集まってくれたことに感謝する。諸君……私は昆虫が好きだ……」
………は?
「…諸君……私は昆虫が好きだ……」
…こいつこんな喋り方だったっけか?
「諸君、私は昆虫が大好きだ…」
「甲虫目が好きだ、チョウ目が好きだ、ハエ目が好きだ、ハチ目が好きだ、カメムシ目が好きだ、バッタ目が好きだ、トンボ目が好きだ、マントファスマ目が好きだ」
「森林で。草原で。都会で。田舎で。砂漠で。山地で。水中で。空中で。地中で。湿原で。この地上に生息している、ありとあらゆる昆虫が大好きだ…」
「花の茎で群れているアブラムシをテントウムシが捕食していく姿を見るのが好きだ」
「山の奥深くの木に止まっている70mmサイズのオオクワガタを見つけた時など心が躍る…」
「群れで生息している蛾やトンボを眺めるのが好きだ」
「蜘蛛の巣にかかって身動きができない状態のアゲハチョウを解放させた時など胸がすくような気持ちだった…」
「一列に進んでいるアリの進行路にトレハロースやミールワームを置いて餌を与えてやるのが好きだ」
「けっして敵わないはずの大雀蜂を撃退するために大量の蜜蜂が自らの命を犠牲にしてまで向かっていく様など感動すら覚える」
「地中から這い出て木によじ登る蝉が成虫へと変体していき飛び立っていく様はもうたまらない……」
「秋の田や街を飛び回る蜻蛉が僕のたてた人差し指に停まるのはもう最高だ」
周りのみんなが拍手をあげる。っていうかなんだよこれ!?新たな宗教!?なんでみんな伊瀬都の話真剣に聞いてるんだ、松田、元浜、お前たちはエロにしか興味がなかったんじゃないのか!?
「民家に住み着くゴキブリが殺虫スプレーから逃げ切り安堵している瞬間アシダカグモに捕食された時を目撃した時など絶頂すら覚える」
「野外で捕獲した幼虫を成虫へと飼育するのが好きだ」
「自身の住処が人の都市開発で破壊され、数多くの虫たちが命を絶っていく様はとてもとても悲しいものだ…」
「蛹の姿の昆虫の脱皮する瞬間を写真に収めるのが好きだ…」
「鳥類に自身の体をクチバシで咥えられた虫が、もがきながら躊躇せずに胃の中に運ばれていくのは屈辱の極みだ……」
「アリジゴクを捕獲して自分の庭でウスバカゲロウへと育て飛び立つ瞬間が好きだ」
「諸君、私は昆虫を、自然界に生きる全ての昆虫が好きだ」
「諸君、この場に集まってくれた駒王学園生徒一同諸君、君たちは何を望んでいる?」
「
「よろしい、ならば
「我々は日常生活において今まさにその全てを昆虫に捧げる愛好者だ…」
「諸君、昆虫を!この世界に我らと同じ昆虫愛好者を広め!昆虫のための世界を築き上げていこうではないか!」
「わああああああああああああ!!」
・・・・・・・・
なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!?
『お兄ちゃん起きて!……起きないんなら、キスしちゃうからね?』
「う……あ」
目が覚めると俺は自分の部屋の中にいた。辺りを見てもさっきみたいな暗い場所なんかじゃない、ここにいるのは俺一人だ。
……よかった、夢だったんだな。もうあのことは忘れよう……。
「イッセー!何してるの!早く起きなさい!」
「起きてるよー!」
とりあえず、新人悪魔イッセー。今日もがんばります!だって昨日からチラシ配りも終わって契約取れるようになったんだ、最初は失敗したけど今日こそは成功させてみせるぜ!
翌日
「……で、結局今回も失敗したんだね」
「言うなちくしょー!余計に悲しくなるわ!」
放課後の部活が終了した後の帰路。そこには涙を流している兵藤とテンを頭に乗せたシグが並んで帰宅していた。
この二人が珍しくも同じ帰り道を歩いているのは単に家の方向が同じだからである。もっとも、距離は50m以上離れているのだが。
「大体なんだよ!魔法少女にしてくださいって!しかも以来主が筋骨隆々の『漢』って!」
「それは想像したくない……。大変だったね」
「だろう!?二度連続の契約破談なのにアンケート好評価で部長たちも困惑してたんだぜ?俺はいつになったら出世街道まっしぐらのハーレムエンドに辿りつけるんだよお!」
「とりあえず、帰り道に大声でそれを言うのは止めてほしい、近所迷惑。……あと僕まで同類に見られるから」
「明らかにあとの方が本音じゃねえか!?」
こんな他愛のないやり取りをしながら夕方の路上を歩く二人。兵藤は拳を握り締めながら叫び、シグはそれを見ながら笑っている。
「はわう!」
「ん?」
「んー?」
突然後ろから二人の耳に届く声、同時に何かが転がる音が聞こえ、振り替える先には顔面から路面へダイブしているようは状態で突っ伏しているシスターがいた。
どうやったらこう転ぶのか知りたいものである。
「……だ、だいじょうぶっスか?」
兵藤はシスターに近寄り起き上がるのは手伝うように手を差し出した。それを見たシグは『紳士だね……変態だけど』とか思っていたりする。
「あぅぅ。どうして転んでしまうのでしょうか……ああ、すみません。ありがとうございますぅ」
シスターが起き上がった瞬間、風が吹きシスターのヴェールが飛んでいってしまった。それにより隠れていたシスターの素顔が露になる。
金髪の長髪でストレート、ブロンドの髪が夕日に照らされてキラキラと光っていた。目はグリーンの綺麗な瞳。兵藤は金髪美少女に目を奪われた。
「あ、あの……どうしたんですか?」
「あっ。ゴ、ゴメン。えっと……」
「はい、ヴェール落としたよ」
「あ、ありがとうございますぅ」
兵藤は少女の質問に誤魔化そうと頭を捻っていたがシグが彼女のヴェールを拾い話がずれたおかげでその心配もなくなった。
『見惚れていたなんていえるもんじゃないよな……、助かったぜ伊瀬都!』
「どうしたんだこんなところで……旅行?」
「いえ、違うんです。実はこの町の教会に今日赴任することになりまして……あなた方もこの町の方なのですね。これからよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる少女。
「………」チョイチョイ
「ん?なんだよ伊瀬都?」
「…通訳してくれない?僕には何いってるかわからないから」
「え?………あっ」
この少女は見たところ日本人ではない。そしてこの町に赴任して来たばかりということは日本に来て間もないということになる。この少女が喋っているのは日本語ではない。
しかしそれならばなぜ兵藤には少女の言葉が理解できるのか?
答えは明白。彼が悪魔だからである。
悪魔には特典のようなモノが存在する。これはその内の1つ『言語』である。悪魔になった人間はその瞬間から自身の言語が万国共通に通じるようになるのだ。
つまり兵藤の言葉を聞いたのがアメリカ人ならば英語に、フランス人ならフランス語に聞こえるのである。
以前兵藤はこれを利用して英語の授業で楽をすることができた。『音声言語』のみの限定モノだが。
よって兵藤にはこのシスターの言葉が全て日本語に聞こえるという訳である。
ではシグの場合は?
彼は成績が悪い訳ではない、日頃から昆虫関連ならなんでもござれの彼はある程度外国語にも触れている。
しかしそれだけなのである。『読む』ことはできても『聞く』ことには慣れていないのだ。彼は人間で悪魔の特典など備わってはいない。
よってこの場ではシスターと兵藤は普通に会話することができるがシグには兵藤の言葉しかわからないという状況なっている。
「この町に来てから困ってたんです。その……私って日本語うまく喋れないので……道に迷ったんですけど、道行く人皆さん言葉が通じなくて……」
これを聞いて兵藤は納得した。このシスターは日本語が喋れないからシグには通じないのだと。
「………って訳らしい、伊瀬都は教会の場所知ってるか?」
「うん、知ってる。以前アリの行列に着いてった時に見つけた」
「だってさ」
「ほ、本当ですか!あ、ありがとうございますぅぅ!これも主のお導きのおかげですね!」
涙を浮かべながら二人に微笑むシスター。二人はその姿を見て可愛いなどの好印象を浮かべたが兵藤は彼女の胸元で光っているロザリオに拒否反応を起こしてしまっている。
しかしそんな状態でも困っている少女を放っておけない兵藤。シグに連れていってもらうという手はあるが本当にまっすぐ行けるか心配だ。
よって三人でその教会に向かうことになった。
◆
「ここだよー」
シスターと出会った場所から数分後、三人は公園から少し離れた古ぼけた教会に到着していた。
途中で公園で泣いていた男の子のけがをシスターが治したり、その力が『神器』によるモノだと発覚したり。飛んでいた蝶をシグが追いかけて行きそうになるのを止めたりと色々あったが、無事に教会に辿りついた。
「あ、ここです!良かったぁ」
「……大丈夫?兵藤」
「あ、ああ、大丈夫だ。……嫌な汗や悪寒は半端ねぇけど」
「悪魔なんだから無理しないで、シスターを見送ったら走って帰ろう?」
「そ、そうさせてもらうよ……」
教会を見つめている兵藤の脚は震えている。悪魔にとって神や天使に関係する教会や神社は敵地、拒否反応を起こすのは致し方ないことだ。
「じゃあ、俺たちはこれで」
「待ってください!」
兵藤が別れを告げてこの場を去ろうとしたものの、シスターに呼び止められてしまう。
「私をここまで連れてきてもらったお礼を教会で_____」
「いや、俺たち急いでるからさ、もう暗くなってきたし」
「……でも、それでは」
困る彼女、ここまで連れてきてもらったお礼をしたいという気持ちは確かにありがたいが、ここでのお茶はかなり危険である。
「俺は兵藤一誠。周りからはイッセーって呼ばれてるから、イッセーって呼んでくれよ。んでこっちが「伊瀬都シグ、好きなモノは昆虫。伊瀬都でもシグでもいい」キミは?」
「は、はい!私はアーシア・アルジェントと言います!アーシアと呼んでください!」
「じゃあ、シスター・アーシア。また会えたらいいね」
「シーユー」
「はい!イッセーさん、シグさん、必ずまたお会いしましょう!」
ペコリと頭を下げるアーシア。二人は彼女に手を振って別れを告げた。彼女が教会に入ったらダッシュして帰ろうと考えていたが、彼女は二人が見えなくなるまでずっと見送ってくれていた。
「いい子だったなぁ、アーシア」
「…もしかして惚れちゃったとか?」
「なっ!バカ言うんじゃねえよ、確かに見惚れるぐらい可愛かったけどよ……」
「見惚れちゃったんだー」
「ちょっ、みんなには言うなよ!主に今の部部分!」
「わかってるー」
「ならその棒読みを止めろー!」
この二人と少女の出会いが、物語を加速させることになる。
今思うと、最初の必要だったんでしょうか?後悔はしている、反省はしていない。
これからもがんばっていきます、応援よろしくお願いします!