廃棄ロボットだったら異世界転生してもバレへんか   作:CS

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さわりだけ。


ガイノイドですが。

 長い間、ずっと働いてきた。

 それは、ロボットにとって当たり前のことだけど。

 

「F.ue-288 エリス・ロックドラス。20XX年5月4日午後5時を持って活動期間を終了し、廃棄処分とする」

 

 やっと、休める。

 

 †††

 

「モノクロ?」

 意識が宙に浮かんでいるような感覚。ロボットだって文学作品くらい読むから、このよく分からない状況を説明したいかも。

 

 白と黒のシルエットが高速で動き回り、ぶつかり合っている。ほとんど見えないが剣を振るっているのだろうか。この超科学の時代にもなって白兵戦とは、ナンセンス。

 

 何かに似ていると思えば、アーカイブに似ているんだ。これはどこかで実際にあったことなのだろう。

 

「邪魔をするな、エンゼル!」

「オスカー! あなたも分かっているはずです! こんなことをしても、誰も救われない!」

「だからこそ! 一度、この世界をゼロに戻すべきだろう!」

 

 真っ黒なシルエットは低い声の男性口調で、真っ白なシルエットは透き通るような女性声で会話を続けながら何度も激突する。

 

「アステロイド・クランブル!」

「オーラ・ストリーム・カノン!」

 オスカーと呼ばれているロボットの掛け声で巨大なエネルギー球が浮かび、高速で突進する。

 エンゼルと呼ばれるロボットがくるりとその場で回転すると、手に持つ剣の先に眩いほどの光が収束し、一本のラインとなって放出される。

 

 二つのエネルギーは激しく混じり合い、大きく爆炎を上げる。至近距離にいた二体のロボットは、その衝撃で弾き飛ばされ岩盤へと叩きつけられる。

 

 めっちゃ目がチカチカするな。

 シマウマか?

 生きているシマウマなんて見たことないけど。

 動物ってのは貴重だからなあ。ジオフロント下層の私にはお目にかかる機会なんてナイナイ。

 

「っく、流石にダメージが大きい。だがお前も無事ではないようだな」

「その前に世界の方が壊れそうなんですが……」

 エンゼルは衝撃を受け止めるためにへし折れた剣をぽいと捨て、辺りの惨状を見ながら言う。

「終わりにしませんか? 次の一撃で」

「ほう? この俺と真正面から勝負をするつもりか」

「もとより世界のために戦っていますので。私だけ生きのこったって意味がないんです」

「ならば、世界とともに滅びてしまえ! 『ブラックエンド』!」

「システムコール:オーバードライブ。『マグナ・フォール』!」

 無限に膨張する暗黒星と、光の速さで突撃する天使の一撃が衝突し、世界にノイズが満ちる。

 

 やがて辺りは暗くなっていき、どこかの記録(アーカイブ)は終了した。

 

 †††

 

 えっ、終わり?

 それからどうなったのか気になるんだけど。

 

 そもそもこの真っ暗な空間はどこなんだと。




転生させろ。
もちろん続きものです。
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