配信中です。 | 上位チャット▼ 〇日本代表 え!?何!? 〇第三の性別 ウーン(失神) 〇つっきー もう勘弁してください 〇ミート便器 どうすんの?どうすんの!? 〇外から来ました 解散 〇火星 やっぱこれどんどん 〇red moon 嫌ああああ!!本当にやめてください!! 〇トンボハンター このタイミングの覚醒で神域権能に片足突っ込んでくるの本当に迷惑を通り越えて恐怖 〇みろっく ウッワァァーッ!?外部展開がデフォになってんの!? 〇外から来ました はい……いやまだ展開はできてない、かな? 〇日本代表 独立は完全にできてて、漏れ出してるって感じだと思う、多分 〇宇宙の起源 ああそうか、ルシファーと会いまくってたら、 〇日本代表 エアアアアそこ教科書なの?ラスボス教科書にしてんの?何してくれてんだよこの頭流星女…… 〇適切な蟻地獄 学習能力の無駄遣い 〇無敵 世界の滅ぼし方Ⅲ・C 〇鷲アンチ ルシファーは微積分なのか…… |
【学園祭1日目】TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA CHAPTER4【クライマックス!】 2,568,449 柱が待機中 | |
◇◇◇
レオフォーム解禁ッ!
右手をぐーぱーして、感覚が研ぎ澄まされているのを確認する。よしイケる。
新フォームでぶっつけ本番は避けたいんだけど、結構な確率でやらされてる気がするな。
『何だあれ!? 新型の魔法……?』
『身体に装甲として纏ってるなら、補佐系? でも見たことも聞いたこともないな』
『え、ちょっと待って? 近距離戦が通じなかったのに、もっと近距離戦の威力を上げに来た、ってコト……!?』
わたくしの姿を見てギャラリーたちがどよめく。
確かに、戦法が通じなければすぐ切り替えるのが賢いやつの戦い方だ。
しかしわたくしは賢さを超えたスーパー賢さを持つので、戦法をアップデートして対応できる。ついてこれるか? わたくしのスピードに。
「……おい。大悪魔の力をさらに引き出したのか」
「はい?」
そんなことを考えていると背後から声をかけられた。
振り向くと、メガネをかけ直したアルトリウスさんが冷たいまなざしを向けてくる。
──メガネをかけ直した? おいこいつ魔眼でこっち見てたろ!
「……なるほど、なるほど。それが
「アナタ……あれでしょ。魔眼を使って分析とかしたでしょ!?」
思わず悲鳴を上げるが、アルトリウスさんは視線を重ねたまま首を横に振る。
「観察眼だ」
「いや魔眼使ってたでしょう」
「魔眼という名の観察眼だ」
「語るに落ちましたわね!!」
見ただけで系統の再振り分けとか分かるわけねーだろ!
…………いや、ちょっと待て。
「系統の再振り分け? これってそういう力なんですの?」
「自覚していなかったのか!?」
〇TSに一家言 うそでしょ……
〇苦行むり わたくし何かしちゃいましたか(ガチ無知)やめろ
いや……知らん……新しい力だと思ってた……怖……
「君の
「な、なるほど……」
「ある意味では、
〇火星 え? 本当に魔眼でそこまで分かるか……?
〇日本代表 いや知らん知らん知らん! 『
フン、直接会ってみないと分かんないところだろうな。
相手の運命を見透かす、なんて高尚な言葉が通るほど優しい代物じゃねーぞこれ。
「いや……なるほど、無自覚だというのなら、それはそれで筋は通るのか。無意識下で制御している部分が、効率的な方法を導いている……ほお……」
眼鏡越しの視線。見定められているな、と嫌でも気づく。
舌打ちしながらユートに向き直った。
「では、そろそろ始めますか」
「……けっ。俺ァお前の新商品のテスターか?」
わたくしの右腕から視線を逸らさないまま、ユートが問う。
「正直御免こうむりたいですけどね。
装甲に覆われていない左手を掲げ、わたくしは人差し指をピンと立てる。
「一撃です」
「何?」
「次で、幕を引きましょう」
このフォームの理念は嫌というほどに伝わってきている。
本命の一撃を通せれば勝ちの戦場を作った上で、その本命の一撃を通す。
要するに、一撃で幕を引くも何も、初撃で決められなかったら終わりなんだよねガハハ。
「──
〇暇 なんとでもなるはずだ!
〇よぺ子 鳴らないことばをもういちd描いて
〇潔い男 ガンダムだと!?
〇よぺ子 あっごめんタイミング間違えた
〇潔い男 あああああ先走ったほんとごめん
人の配信欄のコメントで構文芸ミスるの本当に最悪ですからねアナタたち!!
このボケ共が!
「来いよ、マリアンヌ!」
呼びかけに応えるようにして、キッと顔を上げる。
流星の足場を展開するまでもない。わたくしは右の拳を地面に叩きつけた。
大地を爆砕し、その反動で身体が天高く舞い上がる。
「ユートオオオォォッ!!」
一気にゴーレムの頭上を取った。右腕の装甲各部がスライド、魔力を推力に転換・噴射して姿勢制御。流星の輝きを吹き上げて、斜め上から一直線に飛び込む。
名を呼べば、隣国の王子はキッと目を鋭くし、奥歯まで見えるほどの笑みを浮かべた。
「来いよ、
「
互いの戦意が極限まで高まる。
限界まで引き絞った右腕を、わたくしは絶叫と共に叩き込む!
「必殺・悪役令嬢かみつきブーストパァアアアアアアンチッッ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
わたくしのパンチと、マグマ・ゴーレムの右腕が正面から激突。
余波に校舎が軋みを上げ、空間が砕けていく。
「……っ!」
じりじりと、ゴーレムの右腕にヒビが入る。
だがそのヒビは、まるで金継ぎされるように、内側からせり上がったマグマによって塞がれていった。
「忘れたのかよ!? 一撃で砕けないんじゃ、俺の
最終的に。
圧倒的な超再生を繰り返すマグマゴーレムの右の拳は、砕けることなくわたくしのかみつきブーストパンチを完全に受け止めてみせた。
「──
「あら、この程度で
「えっ?」
拳を叩き込み終わった姿勢の状態で。
全身から噴き出す魔力が、まだ攻撃の体勢を維持している。
おかしいと思わねえのかよ。何を勝手に勝ち誇ってやがる。何を勝手に、このわたくしの一撃を受けて、生存してやがる。
──獅子が、獣の王が牙を突き立てたのなら、ただ一撃で死ぬべきだろうが。
「さあユート、行きますわよ」
呆然としているユートに対して。
ガゴン! と音を立てて、右腕の増設装甲がスライド。膨れ上がるようにして体積を増し、拳と拳をぶつけ合ったままのマグマゴーレムに、
「……ッ! 固定用のアンカーか!? だが、今更
「いいえ、獅子の本質は鋭い牙なんかではありません」
「何……!?」
「相手を畏怖させる、気高き咆哮こそが!」
食らいつく牙、それを固定用のアンカーと見破ったのは流石だ。
しかし本命が予期できねえようじゃ! わたくしと一緒に伝説の木の下へ行くのには! まるで程遠いんだよねえ!!
「超必殺・悪役令嬢パイルバンカーパァァ──────ンチッッ!!」
獅子の喉奥から迸る咆哮。
それはつまりパイルバンカーである。
腕に沿うようにして加えられていた増設ユニット、その内部に装填されていた鉄杭が、魔力を炸薬代わりにして撃発。
放たれた一撃がゴーレムの右腕を、肩口までまとめて吹き飛ばした。
「んなぁあああっ!?」
ナナチじゃん。ウケる。
余波でゴーレムの胸元までが砕かれ、全体のバランスを破壊。形を維持することができず、溶岩の巨人が膝をつき、崩れ落ちていく。
言ったろ、一撃だって。
「それ、は!」
「それは?」
目を見開くユートの言葉に、こてんと首を傾げた直後。
「それは咆哮じゃねえだろ──!?」
ユートの悲鳴を巻き込むようにして、ゴーレムがぶっ倒れ、学校が大きく揺れるのだった。
◇◇◇
「どんなもんです! 完全勝利ですわ! ぶい!」
ピースサインを突きつけてくるマリアンヌに対して、アルトリウスは、頬をバッキバキにひきつらせながら拍手をした。
「いや……そうだな……凄いな、君……」
「ふっふーん! そうでしょうそうでしょう! わたくしの凄さ、思い知りましたか!」
彼女の背後では、熱を失い倒れ伏したゴーレムの下から、生徒たちがユートを引っ張り出そうと大騒ぎになっている。
ここで彼が窒息死でもしようものなら外交問題まっしぐらなので全員青ざめていたし、本気も本気だったし、もうマリアンヌを伝説の木の下にとか言ってる場合ではなくなっていた。犯人だけが笑顔である。
(……この子。今、結果を相手に押し付けたな)
満面の笑みを浮かべる少女に対して、元王子は内心で戦慄に震えていた。
──最後の激突の際、アルトリウスは微かに魔眼殺しをずらし、その目で直接結末を見届けた。
(一撃必殺なんて名目を掲げていたが、違う。順番が逆だ。『
右腕を消し飛ばすだけの威力は確かにあった。
しかしその直後、マグマゴーレムが突如として機能を停止したのは、単なる威力によるものではない。明らかに不条理な力をもって、その活動を不活性化──誤解を恐れず端的に表現すれば、殺されたのだ。
(……理解が追いつかない。『
思考に沈むアルトリウスだったが、その手をマリアンヌが取り、思わず顔を上げる。
「っ? な、何だ」
「ぼうっとしている暇はありませんわ! 早くユイさんとロイを探さないと……って、あら?」
そこで不意に、マリアンヌは言葉を切った。
二人揃って勢い良く振り向いた。他の生徒たちも、同じ方向に顔を向け、訝しんでいる。
──伝説の木がある方向から、とてつもない魔力反応が感じられる。
◇◇◇
美術館に飾られた、一枚の絵のような光景だった。
余りの美しさは芸術的感性なんてものを飛び越え、人間が生来持つ、もっと根源的で観念的な感性の部分に強く働きかける。
伝説の木の下に二人佇む、ユイ・タガハラとロイ・ミリオンアークの姿に、全生徒、全来校客が見惚れていた。
「……スチルですわね」
「スチル??」
「あっなんでもありませんわ」
移動したマリアンヌとアルトリウス、ゴーレムの下から這い出てきたユートと彼を助け出したリンディもまた、その光景を眺めていた。
「でもロイ君、いいんですか。マリアンヌさんを探してるのに少し休憩なんて」
「ははは、この様子だと、今は大丈夫そうだからね。少しは英気を養っておかないと」
「なるほど……」
男女の組み合わせに反応したのか、大木からあふれ出る祝福の魔法が二人に降り注ぐ。
当の本人たちはというと。
「え? なんですかこの魔法……魔法?」
「さあ……君の祝福に近い気がするけど」
二人は自分たちが今何の木の下にいるのかをまったく把握していなかった。
「でも、祝福にしては指向性がありすぎるというか」
「そうだね。ただ有害なものではなさそうだ」
マリアンヌたちが見ている中で、ユイとロイの身体は伝説の木の加護をねじ伏せ、否定し、完膚なきまでに拒絶していた。
砕かれた祝福の残滓が、ダイヤモンドダストのような輝きになって空へ舞い上がっていく。
生徒たちは美しい光景を指さし、ただ見惚れることしかできない。
「うわあ……」
「……恐ろしい光景だな。何十年にもわたって蓄積されてきたはずの大魔法を、ただそこにいるだけで破壊できるとは」
この現象の恐ろしさに気づいているのは、目につく範囲ではマリアンヌとアルトリウス、遠方で顔を引きつらせているリンディとユート、後は一部の上級生や教師たちだ。
連綿と続いてきた強力な呪詛を、意識することなく、ただあるがままで二人は完全否定している。
「恋愛の神様が見たら怒りそうですわね。美男美女なんだから黙ってくっついてろ、みたいな」
「そんな乱暴な神様は嫌だな……」
肩をすくめるマリアンヌの言葉に、アルトリウスは苦笑する。
「いやしかし、恋愛の神か。いるのだろうか」
「そりゃいるでしょう。神様なんて無数に、数だけはたくさんいるのですから」
「え……? 君はその性格で神を信じているのか?」
「その性格でってどういう意味です?」
額に青筋を浮かべてマリアンヌは詰問した。
アルトリウスは数秒黙って、めちゃくちゃ慎重に言葉を選ぶ。
「意外だったということだ。少なくとも、信心深くは見えない」
「ああ、なるほどなるほど。そういうわけではなくて……まあそうですわね」
マリアンヌが数歩前に出て、それから振り向く。
砕けていく魔法の光を背景として、ふわりと黒髪がひるがえる。
「
柔らかく微笑みながらの問いかけだった。
「今も会えたりするのか?」
「今は無理でしょうね。でもいつか……この手でぶん殴ってやりますわ。いやマジで」
あんだけ好き放題煽ってきて無事で済むと思うなよ、とマリアンヌが怒りの炎を目に宿す。
ふざけた冗談のはずなのに、彼女が言うと本当に聞こえる。
いいやあるいは、本当に、常人には聞こえない声を聞いているのかもしれない。
だからアルトリウスは。
もしかしたら、と、一縷の望みに、また縋ろうとしてしまう。
諦めたはずの、閉じ切ってしまったはずのドアの鍵を、恐る恐る開いて。
「神かどうかは知らんが……実は俺も────」
『ズモオオオオオオオオオ!!』
変な叫び声がアルトリウスの言葉を打ち消した。
二人は横を見た。
伝説の木が、大地を揺るがす咆哮を上げて起き上がっていた。
「…………」
「…………」
『ズモオオオオオオオオオ!!』
地面を砕いて姿を現した、伝説の木の根っこ。それが触手のように振り回され、人々を絡めとっていく。
あちこちで悲鳴が上がる。
逃げ惑う生徒や来校者たちで道がごった返す。
学園祭は一瞬にしてパニックムービーの一幕となった。
「…………」
「…………」
『ズモオオオオオオオオオ!!』
マリアンヌとアルトリウスは数秒硬直した後。
ゆっくりと、互いの顔を見た。
「帰らせてもらグブェ」
「あっぶないですわね! せ、先手取らないとすり抜けてそのまま逃げられてた……! 絶対逃がしませんわよ!? 一度乗った船なのですからね!?」
「ど、泥船……!」
「何か言いましたかぁ!?」
◇◇◇
『ズモオオオオオオオオオ!!』
わたくしの視線の先で、元伝説の木・現植物族モンスターが咆哮を上げる。
ちょっとしたビオランテだな。ゴジラ呼ぶしかねえ。
〇無敵 ここにゴジラの擬人化みたいな女がいて良かった
ドロップキックの練習しておきますわね
〇無敵 俺に打つつもりだろ? 本当にやめろ。すみませんでした
分かればよろしい。
わたくしは拳を握り、逃げ惑う人々の間を抜けてビオランテもどきの前に飛び出した。
「そこまでです! 今年の守人であるわたくしが、アナタの凶行を止めて差し上げましょう!」
『ズモオオオオオオオオオオ!!』
「は? 日本語喋れないんですか? そんなんでカップル成立の後押しとかできるわけないでしょう……」
『くっつくきのあるふたりぐみしかよこすなあああ────!!』
うわっ急に喋った! しかもめんどくせえカプ厨だ!
「ふん、問答無用でしばき倒したいところですが……」
ユイさんとロイの姿が見当たらない。太い根っこに掴まれているのか?
触手に絡めとられ、宙ぶらりんになっている生徒もいる。
これだとダメージを与えておとなしくさせてる余裕がない。やるなら一撃でぶち殺すしかないんだが……
「守るように言われていたもの相手に、どこまでやっていいのか……だな」
「アルトリウスさん」
隣にやって来た彼の言葉に、わたくしは頷く。
「そうなんですわよね。長年続いているらしいですし、どうしたものか」
「ふっ……意外とそのあたりを気にするんだな」
あと根本的に、どこをどうすればいいのか全然分かんねえしな。
ビオランテなんだかギジェラなんだか分かんないけど、こう、目立つコアみたいなのをきちんと露出してほしい。デカイ花を咲かせるとか。もうちょっとユーザーフレンドリーなデザインになってから出直してくれよな。
「フン。少し時間をくれ」
「アルトリウスさん?」
わたくしが腕を組んで悩んでいる間に。
アルトリウスさんが数歩前に踏み出して、さっと眼鏡をずらして、直接伝説の木を視認した。
「っ。まさか、見えるのですか?」
「ああ。反則技みたいなものだが……」
「サイッコーですわね! 超助かりますわ!」
うおおおおラッキー! そういうナビゲートシステムがあるんなら話は別だわ!
歓喜に飛び跳ねながらアルトリウスさんの顔を覗き込む、と。
「──────」
彼はわたくしを見つめ、心の底からぽかんとした表情を浮かべていた。
「どうしました?」
「……ふ、ふはは、そうか、流石だな。君にとっての正解と不正解は、境界線があるわけじゃなく、ただ最適解かどうかで決められるものなのか」
急に何? 怖いんだけど。
だが分かるのは、なんかこの人、今までより断然テンションが上がっているということだ。
「俺が誘導する。核を砕くぞ」
グローブをぎゅっとはめなおして、アルトリウスさんが言う。
「ええ! 長年続いていようと知ったことではありません、生徒を救うのが最優先ですわ!」
叫ぶと同時。
わたくしとアルトリウスさんは左右二手に分かれ、回り込みながら伝説の木へと駆け抜ける。
『おまえらカップルか!? カップルだろう!?』
うっせーなこいつ!
無数の蔓が、アルトリウスさんを無視してわたくしへと伸びてくる。
「
即座に顕現させた流星ビットで蔓を焼き切り、ボトボトと地面に落としていく。
馬鹿が。
「本命はこちらだ!」
がら空きになったスペースへ鋭く踏み込み、アルトリウスさんが地面に拳を叩きつけた。
「
間欠泉のように噴き上がった聖なる息吹が、伝説の木の枝を根元から吹き飛ばしていく。
『……!!』
いや、スゲーな。なんなんだこの人の戦い方。単節詠唱の速度感で、七~八節──相手が戦士だとしても、人間に撃つとまずい魔法──レベルの出力を平然と出してくる。
夏休みに何度か見たが、教会式戦闘術は
『しかし! そのていどでこのオーレリウス・ジュカインをたおそうなどとは!』
ダメージは与えているものの、まだ全然元気そうに伝説の木が叫ぶ。
その言葉に対して、アルトリウスさんは深く頷いた。
「うむ。俺が本命なのは大嘘だからな」
『は?』
悔しいが。
さっき、各部活を切り抜けるときにも思ったが。
戦闘に対する基本的なスタンスが、わたくしとアルトリウスさんの間で非常に似通っている。
だから言葉にしなくても、なんとなく分かる!
「──
先ほど顕現させたビットに起動命令を送り込む。
複雑に絡み合い、あちこちへ伸びる枝やツタの上を駆け抜け、わたくしは右手の指を伝説の木へ突きつけた。
「BANG!」
ビットが弾丸に転換され、一気に飛翔する。
ツタや枝を焼き切って、最後には伝説の木の主幹に直撃した。
しかし。
『そのまあいではな!』
直撃の火花が散った後、そこには表皮が多少焦げただけに留まる伝説の木の姿がある。
確かにこの距離じゃ、枝やらツルやらに阻まれて、たどり着くころには減衰しちまってるか。
「──勘違いも甚だしいですわね。近づく必要なんてありません。だってもう近づいてる人がいますし?」
『!?』
見えていた。
根っこだか蔓だかに絡めとられながらも、『うわ~これどうします? 即座に復帰するんじゃなくて……』『うん。不意打ち気味に解放即攻撃っていう作戦で備えていた方がいいよね? じゃあ詠唱しとくから』とアイコンタクトしてくる二人の姿が、見えていた。
馬鹿が! さっきの射撃は二人を捕まえてる枝を焼き切り、コアの位置を知らせるためのものなんだよ!
「無刀流──烈・嘩」
「
至近距離。
解放され、自由落下しながら、ユイさんとロイの攻撃が伝説の木を真上から削り飛ばしていく。
『あっ──でもびなんびじょにころされるならほんもうです!!』
断末魔を上げながら、巨大な伝説の木は、その歴史に幕を引かれるのだった。
◇◇◇
「おもしれーなッ! あいつらさあ!」
──遠くから一連の騒動を眺めていた影が、合計4つ。
「ツブしがいがあるじゃねえかよォォッ、全然学生レベルじゃねェじゃんか! アッ、学生相手にツブすはねーな、えーと……えーと……」
「倒す、とか。制圧する、とかじゃない?」
「おーそういうのそういうの! ポールはやっぱ物知りだな!」
「アバラが知らなさすぎるだけだよ……」
「言ってやるな。ちゃんと勉強はしているじゃないか、アバラだって」
「そうだともォ! カカリヤ、お前にちょいちょい聞いてるもんな」
三つの人影は騒いだ後、同時に振り向く。
「どうだ、できそうか?」
彼らの背後には、ゴルドリーフ・ラストハイヤーの姿があった。
「任してくださいよ隊長。
「僕も同意見です。黒騎士の力など借りずともやれますよ」
「侮ることはできない相手ですねえ。だが、やり様はあるかと」
それぞれの返事を聞き、ゴルドリーフが静かに頷く。
「備えなさい。決行は──明日だ」