TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA   作:佐遊樹

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PART3 遭遇-Starting-

 出禁を言い渡された翌日。

 

「まずアナタは、ご自身の現状を正しく認識するべきです」

 

 わたくしは私服に着替えた後、メガネをかけた家庭教師のお姉さんスタイルで『喫茶 ラストリゾート』を訪れていた。

 普段は日替わりメニューの一覧に使われている黒板を使い、みっちり講義をする予定だ。

 

 

宇宙の起源 うおおおおお新規立ち絵!!

red moon なんか既視感あると思ったら、やってることがルシファーだな……

つっきー まだルシ様の白衣イラストもらってないのマジどうなってんだ 契約を履行しろ

 

 

 契約した覚えがねえんだよ。

 あと、神様サイドから契約履行を迫られるのは普通にマジで怖いからやめろ。

 

 

みろっく それはそれとして、今ってこれどういうパートなの?

火星 原作だと運動会に向けて各メニューの練習をしていく疑似パワポケタイムなんだけど、なんか別の店舗経営シミュレーションゲーム始めてるところ

みろっく ごめん、よく分からなかったんだけど……

トンボハンター しかもライバル店舗の経営をしてる

みろっく 思っていたよりも分からなくなってきた

TSに一家言 俺たちも分からん

 

 

 そうなんだよな。

 昨日店をおいとましてからメイド喫茶に戻り、ギャルメイドに事の子細を伝えたところ『え、ウチらのこと裏切ってね? 大将が向こうにつくとかウケるんだけど』と指摘され自分の行動が明らかに常軌を逸していることに気づいた。

 でもまあ……始めちゃったし……別にいいかな!

 

「いやその、頼んだ覚えはないんだけどね」

 

 頬を引きつらせ、ロブジョンさんはちらちらとドアの外を気にしていた。

 

「大体さ、困るよ、君。お客さんが来たら……」

「はいはい面白い面白い。では本題に入りますわよ」

「え……!? 店に客が入ることを冗談として扱われてる!?」

 

 ちなみに本当は面白くすらない。

 ジョークはちゃんと精査してから言え。

 

「そもそも君って、学生だろう? お店の経営に口を出されてもさ」

「スーパー学生なので、王都に一店舗持ってますわよ。繁盛させております」

 

 わたくしの言葉に、ロブジョンさんは胡乱な目つきを向けてくる。

 

「本当かい? いくらなんでも、信じられないんだけど。もしそうだとしても、ますます僕の店を手伝う理由がないじゃないか。敵に物資を融通するようなものだよ」

「爆破するかどうか悩みましたが、色々と考えた結果、手伝おうと思ったのです」

「君って0か100しかできないの?」

「わたくしは5億です」

「話が……通じない……?」

 

 愕然とするロブジョンさん。

 まあすぐに受け入れてもらえるとは思っていない。

 

「ちゃんと分かってますか? ここは王都でも一等地。最近建てたとはいえ、資金繰りが立ち行かなければ即座に財産を没収されますわよ」

「むむ……」

「しかもこの様子では、コンサルタントにも断られているでしょう。今のアナタはまさしく藁にも縋る思い。で、学生とはいえ、藁は藁でしょう?」

「むむむむ…………」

 

 要するには、お前の店カス過ぎるから素人だとしても誰かの意見をちょっと聞いてみろよ、ということである。

 正直本来はそんなワケねーのだが、幸いにもわたくしはプロフェッショナルなので結果的に成立する。オラッさっさと話を聞け!

 

「ハァ……分かった、分かったよ。で、なんだっけ」

 

 観念した様子で、ロブジョンさんはがくりと肩を落とした。

 

「最初にアナタは自分が置かれている状況を把握するべきだ、と言っているのです」

「状況把握ってワケだね……なるほど」

 

 ロブジョンさんは席から立ち上がると、黒板にさささっとチョークの線を書き込んでいく。

 

「これは……ここ一帯の地図ですか。器用なものですね」

「陣を敷く周囲の地形は頭に叩き込むのが当然だろう?」

「陣……?」

 

 なんだか認識に激しめの齟齬がある気配がした。

 

「まずこの店の周囲には高所がない」

「そうですわね、他の建物も比較的背は低いでしょう」

「つまり、狙撃手のポジショニングが難しいんだ」

「待ってください」

「地形の有利が見込めないのなら、籠れる城を持っている僕の方が有利だ。材質も半端な魔法なら弾ける素材を選んでるし……」

「待てって言ってるでしょうが!」

 

 クソが! 元軍人とか言ってるけど思考が全然カタギに戻ってねえ!

 このおっさんと話しているとなろう版フルメタみたいになってしまう!

 あ、いや、なろう版フルメタというか、ファンタジー世界での俺ツエーを現実世界に落とし込んだのがフルメタと考えると先祖返りしてるのか? でも社会になじめない元軍人の話なんてラノベ以前から山ほどあるしな。あれ? ちょっとこの辺はまた後日精査したいな……ってそうじゃなくて!

 

「アナタ何と戦ってますの……?」

「いや、誰とも戦ってないよ? 単純に有事に備えてるだけさ」

「王都のまあまあ真ん中の区画で有事に……?」

「ちょっと前に、ゼールを出奔した皇女が王都で暴れた事件があっただろう?」

「あ~~~~……」

 

 やっべ、当事者オブ当事者だわ。

 確かにアレを引き合いに出されると、わたくしとしては分が悪い。

 

「とはいえ……他の店舗はそこまで気にしていないというか、気にするだけ無駄というか。騎士団で対応できない事態に何かできるとは思っていないはずですが」

「そのあたりは、他の人がどう考えてるのかはわからないよ。まだ出したばかりだからね、付き合いも全然ない」

「出したばかりなら仕方ありませんわね。そのうち、商工会経由などで顔を合わせたりするでしょう」

「うん。つまり現状は、敵に包囲されてる状況に近いかな」

「敵か味方かの二択しかないんですのね……」

 

 もう思考が常識からフライアウェイしてる。フライアウェイし過ぎて低軌道ぐらいに到達していた。

 経営経験ナシっていうか経営経験NASAじゃん。

 

「そうじゃなくて。商売としてはこの立地をどう認識しているのか、という話です」

「ああ、そういうことかい。ちゃんと僕だって考えてるんだよ」

 

 本当かよ。

 ロブジョンさんはくたびれた顔をちょっと誇らしげにすると、黒板を指で叩いた。

 

「ここは割と勝算があると思っていたんだ。競合店も少ないし、人通りはそこそこ多い。買い物を終えたお客さんが入ってくれると睨んでいる」

「あ、逆ですわね。競合店が少ないのはもっと人が通る場所に集中してるからですし、買い物を終えた人々がここを通る時は、既に他の店舗でお茶とかした後ですわよ。受けの姿勢で来客を見込むのなら、もう帰路についているけど小腹が空いている人、具体的にはかえってご飯食べるのが面倒になってしまった人あたりが主なターゲットになるはずですわ」

「………………」

 

 丁寧に説明してあげると、口をつぐんだロブジョンさんが恐る恐るわたくしを見つめる。

 

「君ってもしかして本当に経営者……?」

 

 逆にこの程度で信じるな! 大丈夫か、詐欺とか引っかかりそうだな。

 

「その上でこのセンスなので正直このままでは絶望的というか……あの、なんでこういうデザインにしてるのですか?」

 

 臓物クッションをぽんぽんと叩いて、わたくしは一番の問題点を指摘する。

 ぶっちゃけて言うと、退役したものの悲惨な戦場の中で感性が狂ってしまっていた、とかの可能性が高いんだが。

 

「ああ、いいだろう。小さいころからこういうクッションを手作りして、両親にも驚かれていたんだ」

「自然発生型の狂人!?」

 

 純粋に生まれ持った感性かよ!

 す、すごいな。生まれちゃいけなかった命ってやっぱりあるんだな……

 

「え~っとですね、客を呼びたいのならば、まずは多少でも不気味さを軽減するべきですわ」

「う……ど、どれくらいかなあ」

「理想は全撤去です」

「絶対いやだ」

 

 ロブジョンさんが臓物クッションを抱きしめてわたくしを威嚇する。

 何も可愛くねえ。ふざけてんじゃねえぞ美的感覚限定サイコパスが。

 

「抜本的な改善をしなければ正直厳しいのですが……まあ、そういうことならもう少しこまごましたところからやっていきましょうか」

 

 黒板の地図を消して、わたくしは『メニューの充実』とチョークで書く。

 

「具体的にはフードですわね。軽食がパンなどの乾物ばかりですから、今はお茶目的で来た人しか喜ばないメニューになってしまっています」

「ああ……料理か。簡単なのなら作れるけど、手の込んだものはどうにもね」

 

 力なく笑うロブジョンさん。

 何でそれで店開こうと思ったんだよ──と聞きたくなり、ぐっとこらえた。

 背景を考えると、うかつに踏み込みにくい。

 

「パスタぐらいは多少用意してもいいでしょう。単純なミートソースやトマトソース、ベシャメルソースを常備しておくだけでも幅が広がりますわよ。具材を追加して煮詰めるだけでもパンの添え物になりますし」

「へえ……」

 

 わたくしは自前のエプロンをさっと着て厨房へと向かう。

 

「学生とはいえ、魔法使いなんだから君は貴族だろう。何故料理を?」

「趣味ですわ。道楽と言い換えても構いません」

「変わってるねえ」

 

 店に来るにあたって、必要な材料や調味料はすべて持ち込んだ。

 こきりと首を鳴らして、料理人のメンタルに切り替える。本物のシェフには負けるが、メイドカフェのフードメニューの大体はわたくしが開発した。負けるわけにはいかねえ。

 

「ほら、メモぐらい取りなさい」

「ああいいよ、口頭伝達は問題なく暗記できる」

「……ならいいです」

 

 本当に──方向性で全部台無しになってるだけで、軌道に乗りさえすればうまくいくような気がしている。

 いや矯正は必要ではあるのだが……正直、この話題性はあんまり損ないたくない。

 意図的な特徴としてアピールできれば、普通に客を呼べると思うんだよな。まあもうちょっとライトな感じにするのは必須だけど。

 

 ゆくゆくの方向性としてだが、メイドカフェとコラボしてもいいかもな。グロ背景の可愛いメイドさんで王国民の脳と性癖を破壊してえ。

 そんなことを考えながら、わたくしはロブジョンさんに軽食のメニューを教えるのだった。

 

 

 ◇

 

 

 マリアンヌが王都にて『喫茶 ラストリゾート』のサポートをしているころ。

 放課後の学園は、対抗運動会に向けて無事だった施設を使い生徒たちが練習に励んでいた。

 

「すまないね、ヴァーサスに出る予定はないのに」

「いえ、これぐらいお安い御用ですよ」

 

 施設の不足から使用に時間制限のある屋内アリーナにて、ロイとユイが対峙している。

 防護用シールドに区分けされ、アリーナは10ペアほどが同時に模擬戦を行っていた。

 

「それにしても、君がヴァーサスに出ないのは痛手だね……」

「あはは……その、流石に次期聖女なので。単体戦力であることをアピールしても意味ないな~って……」

 

 しれっとユイは将来の打算に基づいて競技を選択していた。

 彼女が出場するのは騎馬戦(ナイトフォース)かけっこ(ファストボール)になっている。

 一方でロイが出場するのはヴァーサスとかけっこ(ファストボール)だ。

 両者ともに国内で非常に強い立場にあり、うかつな敗北は許されない。

 故に必勝を期するべく、出場競技数は二つに絞られることとなった。

 

雷霆来たりて(enchanting)邪悪を浄滅せん(lightning)

 

 いつもの二節詠唱を発動させ、ロイが刃引きした練習用ロングソードに稲妻を纏わせる。

 相対するユイも構えを低く落とし、瞬時に戦闘を開始できるように意識を切り替えた。

 

「近接戦闘の組み立て方でいいんですよね?」

「ああ。君から学べることは多いと思うから」

「分かりました。では、好きなタイミングで仕掛けてきてください」

 

 美男美女の戦い──それだけではない、中央校一年生の中でも屈指の実力者同士の激突──に衆目が集まる。

 そんな中でユイだけが、ふと、違和感を抱いた。

 

「……っ」

 

 チリ、とロイの目の中で火花が散った。

 彼の視線が昏く、鋭いものになる。

 並行して普段はまばゆい黄金の輝きを放っている稲妻が、禍々しい赫を混ぜた色合いに変貌していく。

 

(……あれ? なんだろう、新しい魔法にしてはおかしい、ような)

 

 様子を眺めていたユイは一瞬眉根を寄せて、その刹那に口を開いた。

 

「──! 三重祝福(ブレッシング・トリプル)一極集中(スナイピング)!!」

 

 度重なる激戦を潜り抜け、かつては過負荷に苦しんでいた三重の祝福なら呼吸をするように発動できるようになったユイ。

 その瞬間的な強化は、身体能力を人間の限界の向こう側へと届かせる。

 

()()()! ()()()()()()()()()!?)

 

 ロイが剣を振りかぶった、そのコンマ数秒後には、彼の姿は眼前にあった。

 

 

 

()()ッ!!」

 

 

 

 文字通りの雷速。

 踏み込んだという事実は、人間に観測できる範疇を超えて目視を許さない。

 刃が閃き、空間ごとあらゆる物質を断ち切る。

 

 ──相手がユイ・タガハラでなければ。

 

 

「無刀流──徹・羅」

 

 

 無刀流の術理が想定する敵は、魔法や加護を用いて超常の力を振るう存在だ。

 故に相手が超高速で移動していようとも、そこでの対応力を損なってしまえば意味はない。

 

 ユイの両手が蛇のようにしなり、ロイの直線的な斬撃を絡め取る。

 合気道の要領で力を受け流し、加速によって発生したエネルギーを利用して、ユイはロイの身体を地面へと叩きつけた。

 

「ぐば……っ!?」

 

 甲高い音を立てて、彼の手から離れた剣が地面に転がっていく。

 様子を見ていた生徒たちは、何が起きたのか分からず目を白黒させ、相も変わらず二人は自分たちの遥か高みにいるんだな、とだけ認識した。

 

(ロイ君の斬撃にしては、あまりにも直線的だった。考えて放ったものじゃなかった……もっと、衝動的な……)

 

 だからこそ対応は可能だった、と冷や汗を拭う。

 もしもあの速度域で駆け引きなんてされたら、今頃自分は真っ二つになっていたかもしれない。

 

「今の、私じゃなかったら死んでましたよ」

 

 膝をついて肩で息をするロイを見下ろして、ユイは無表情のまま口を開く。

 

「う……何、の、話だ……?」

「え?」

「そもそも、僕は、今一体何を……」

 

 ユイは先ほどの光景を思い出した。

 社交や計略に長けていようとも、ロイという人間の軸がまっすぐなのを、ユイは知っている。

 だからこそ、あの時彼が向けてきた目が、ロイ・ミリオンアークという人間とは結び付かない。

 

「……っ」

 

 嫌な予感がした。

 ユイは静かに拳を握ると、ロイの異変について、マリアンヌたちへ相談する必要がある、と決断するのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「……むう」

 

 ロブジョンさんに一通りフードメニューを教えた後。

 彼はレシピを早速試し始めたのだが、見事な手際だった。見て覚えろと言ったつもりはないが、事実として見て覚えてしまったらしい。完璧にだ。

 そのせいでわたくしは暇になったのだが、そこで彼はひとまずのお礼として、今王都で流行っている劇団のチケットをくれたのだ。

 

『本当は僕が行こうかと思ったけど、もう三回は見ちゃったから。せっかくならお礼も兼ねて、君に見てほしいかな』

 

 断る理由はない。

 相手が、普通の人間なら。

 

「パンフを見る限りは、普通に面白そうなのですが……」

 

 あのロブジョンさんおすすめとなると、流石に身構えてしまう。

 だが会場は一般客で盛況だし、あらすじなどを確認しても過剰なグロ表現はなさそうだ。

 わたくしは壁際から二番目の席に座った。観劇中はいくら何でもアレなので、ツッパリフォームを珍しく完全解除している。癖になってんだ、2%ぐらい常時発動しておくの。

 

 そうこうしているうちに会場の照明が緩やかに絞られて行き、喧騒がぱたりと止んだ。

 冒頭のナレーションが始まり、わたくしは腕を組みながら、ロブジョンさんのセンスを拝見するべく劇に集中し始める。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 前半が終わった──期待をはるかに超えて面白かった。

 

 マートンという魔術師の男を主人公に据えたこの演目は、彼が悪しき魔法使いと戦う、笑いあり涙ありの一大スペクタクルだった。言葉にすると安く聞こえてしまうが、本当に途中で声を上げて笑ったし、ほろりと泣きそうにもなった。

 そして前半のクライマックスにおいて、マートンはついに黒幕と対峙する。しかしそれは己の父親であり、マートンが彼の前にたどり着くことまで、黒幕の計画通りだったのだ。

 父親の手で冤罪をかけられたマートンは、今まで行動を共にしてきた仲間たちからも引き離され、一人辺境の地へと追放されてしまった。

 

 ……ここからどーなんの!?

 

 いやまじで面白い。マートンは結構ひょうひょうとしているのだが、仲間の想いには誰よりも向き合うし、その姿がこれまで絆を紡いできた。

 しかし絆すら失われ、今の彼には何も残っていない。

 ど、どうなってしまうんだマートン……!

 おい! これ幸せに終わらなかったら暴れるからな!

 

「失礼」

 

 内心で興奮しきっていた時、隣の席から声をかけられた。

 壁際の席に座っていた青年が立ち上がっている。お手洗いにでも向かうのだろう。

 

「ああ、すみません」

 

 顔を上げると、その豪奢な長い金髪が目に入った。

 黒いスーツ、黒いシャツ、黒いネクタイと黒一色の服装に身を包んだ、見た者を残らず魅了するほどに美しい男がいた。

 平民っぽくないな。貴族か?

 

「………………」

 

 相手は、わたくしを見て、ド絶句していた。

 なんだ? 顔に何かついてる? もしかして涙で化粧が派手に壊れていたりするのか?

 

「えっと?」

「あ、ああいや……こんなところで出会うとは思わず……」

「わたくしのことをご存じで?」

「……そうか、君は私を知らないのか。ならば、自己紹介しなければフェアじゃない」

 

 こほんと咳ばらいを挟んでから。

 彼は驚愕に染まっていた表情をフラットに、冷淡なものにした。

 

 

「私はナイトエデン・ウルスラグナ。開闢(ルクス)の覚醒者にして、【七聖使(ウルスラグナ)】のリーダーだ」

 

 

 手の中からパンフレットがこぼれ落ちた。

 今度はこっちが絶句する番だった。

 

「マリアンヌ・ピースラウンド。流星(メテオ)の禁呪保有者にして、大悪魔ルシファーの因子を保有する、我が宿敵──初めましてだな」

 

 その()()()()()に、驚愕するわたくしの貌を映しこみ。

 ナイトエデン・ウルスラグナは、喧騒に包まれるホールの中で静かに佇むのだった。

 

 











先日コミカライズ版更新されております、よければ読み終わった後のGOODもよろしくお願いします~
https://ichijin-plus.com/comics/23957242347686

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