TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA   作:佐遊樹

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PART6 誂えられた日常

次回の配信は未定です。
 
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日本代表 辞めます

外から来ました ダメです

日本代表 ああああああああああああああああああああ!!

雷おじさん え……また何かあったんですか……

火星 お嬢が記憶喪失になってコメント欄見れなくなった

雷おじさん はい???

火星 だから単純な記憶喪失じゃなくて、権能が完全に鎮静化してるっぽい

宇宙の起源 人間性との結びつきが強くなりすぎてたんだろうな

日本代表 本当に無理です、助けてください

雷おじさん これどうするんですか

外から来ました 知らね

雷おじさん 無慈悲過ぎる……

無敵 ていうかお嬢が無力化されたら本当に干渉する方法がないんだよな

日本代表 ……意図的に記憶を消された可能性があると思う?

火星 残念ながら、見てた感じでは、ない。完全に自滅してるだけ

日本代表 ですよね~ 解散! 閉廷! 終わり終わり終わり終わり!

無敵 終わってねーよ

タイトル未設定

7 柱が待機中

 

 

 

 ◇

 

 

 

「ユイ、あんた課題出してないわよ」

 

 日直であるリンディに声をかけられて、ユイはハッと顔を上げた。

 

「……すみません」

「ここ数日、ずっと呆けてるじゃない。シャキッとしなさいよ」

「は、はい」

 

 その言葉を聞いて、他の生徒たちもぎくりと身体を強張らせた。

 王立魔法学園中央校一年一組は、ここ最近どこか空気がぎこちなく、担任や副担任のアモンもそこを心配している。

 理由は明白極まりない。

 

「まあ気持ちは、分かるんだけどさあ」

 

 ぼやきながらリンディが視線を向けたのは、教室最後尾中央の席。

 いつも自分が世界の中心であると疑わず、不敵な笑みと共に騒動を引き起こす宵髪赤目の少女の席。

 

 その席の主、マリアンヌ・ピースラウンドが超大型雪だるまの崩壊と共に消息を絶ってから、一週間近くが経過していた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 王都中心部にある大聖堂の一室に、騎士二人の姿があった。

 

「ピースラウンド家のご息女が心配かい?」

「……はい」

 

 直立不動の姿勢で騎士団の制服を着こんでいるのは、竜殺しジークフリート。

 事務机を挟んだ対面に腰かけているのは、シュテルトライン王立騎士団団長である。

 

「我々だけでなく、憲兵団も捜索しているが……」

「発見されていないと。これは誘拐などを視野に入れて、大規模な捜索を開始するべきではないのですか?」

 

 ジークフリートの声には焦りが色濃くにじんでいた。

 根本的にシュテルトライン王国の次代の中心と言っていい、替えの利かない人材。

 それだけでも大変な事態だが、個人的に親交があればさらに不安は増す。

 

「確かに彼女は突飛な行動をすることの多い人間ですが、この長期間、何のメッセージもなしに姿を消すことは考えにくいです」

「自分の意思でいなくなったわけではない、と考えているようだね」

「確信しています」

 

 断言だった。

 紅髪の騎士にとって、この判断は自信の有無を通り越えた純然たる事実だった。

 団長は深く息を吐いて、声のトーンを少し落とす。

 

「君は個人的にも親交があるようだから教えておくけど……彼女は無事だと、陛下が直々に言っておられた」

「ッ! へ、陛下がですか」

 

 自分たちよりもはるかに権力を持ち、一般には知られていない情報網の全てを掌握しているアーサー・シュテルトライン。

 彼が言うのであればそれは真実なのだろう……とジークフリートの中の理性は納得した。

 しかし感情は別だ。

 

「ではなぜ、放置しているのですか」

「そこまでは分からない。陛下の真意を汲むのは難しいからね」

 

 椅子に深く座りなおして、団長は片手をひらひらと降る。

 

「大隊長からも報告を受けているが、陛下は魔法使いとして我々の理解を超えている。ピースラウンド家のご息女や、ハインツァラトゥスの第三王子殿下とフィールドを同じにし、だがその別次元ですら極致にいる」

 

 ジークフリートは息をのんだ。

 言外に、今名前が出た三名が禁呪保有者であることを、団長は把握しているのだ。

 

「おや……私がそのあたりを承知しているのが意外だったかな?」

「は、はい。失礼ながら……団長は三人を許容されているのですか」

 

 明言することは避けつつ、ジークフリートは問いかける。

 首を横に振って、団長は諦観に満ちた表情を浮かべる。

 

「いやあ、私が拒絶したところで意味はないだろう。聞けばピースラウンドさん、ウチのゴルドリーフを実力でぶちのめして、屈服させたそうじゃないか。そうなると私じゃ一瞬で負ける。事実上、選択肢がないのさ」

 

 参った参った、と笑う上司の姿に、ジークフリートは曖昧な笑みを浮かべた。

 

「とはいえ私も仕事はするさ。ピースラウンドさんの話はここまで、我々騎士団が関与できることはない。何かしたければ君個人で非番の日に動くことになるが……それも難しいだろう」

「と、いいますと、新たな任務ですか?」

 

 そういうことさ、と団長は頷き、手元の羊皮紙をジークフリートに差し出した。

 紙面には簡潔な文章と、教会の証明印が刻まれている。

 

「君にはタガハラ様からの指名で、教会のまつりごとに彼女が参加する際、護衛兼相談役として付き添うよう指示が出ている。これから生誕祭当日、つまり大礼拝までの間は、そちらの任務に就いてくれ」

 

 告げられた命令に、思わずジークフリートは眉根を寄せた。

 彼は既に護衛任務を受け、その真っ最中のはずだ。

 

「……自分は今、ユートミラ殿下の護衛ですが」

「そっちは君の部隊に担当させつつ、ゴルドリーフと彼の部隊をバックアップに置く。不安かい?」

「でしたら安心です」

 

 隊長の自分だけが出向に近い形で、ユイと行動を共にする。

 残された自分の隊をかの大隊長がサポートするのなら、布陣に文句はない。

 

「では早速ユートミラ殿下にお伝えし、タガハラ様の護衛へと向かいます」

「ああ、頼むよ」

 

 一礼して、ジークフリートは団長の事務室から出ていこうとする。

 その背中へと、団長は居住まいを正してから声をかける。

 

「……ジークフリート。一つだけ警告しなければならない」

「何でしょうか」

「大礼拝までの間、決して気を抜くな。教会が荒れるぞ」

 

 振り向けば、いつもは気の抜けた表情ばかり浮かべている己の上司が、いつになく剣呑な目をしていた。

 

「教皇様の限界が近い。先日補填人員の加護をいただくためお会いしたが、平均的な加護を分け与えていただくだけで精いっぱいだった」

「──!!」

 

 じきに来るだろうとは予想されていた、教皇の代替わり。

 それがいよいよ直近のものとなりつつある。

 

「しかし……大礼拝まで時間はありません」

「だからこそだよ、代替わりを公的に発表するのなら間違いなくベストタイミングだろう。そこで問題が一つある」

 

 ピンと指を立てて、団長は唇を開いた。

 

「教皇様の後を継ぐのが誰か、ということさ」

「……タガハラ様ではないのですか?」

 

 本人と話している時以外は、一介の騎士に過ぎないジークフリートは様付で彼女を呼ぶ。

 それは彼女が次期聖女であることが、教会や騎士団内では公然の秘密となっているからだ。

 にもかかわらず候補が誰なのか、という問いがなぜ出てくるのか。

 

「そう、そこなんだ。私も教会上層部も決まりだと思っていた、実際にタガハラ様に打診までしているしな。だが教皇様は、まだそれを確定させていないらしい」

「ですが他に候補がいるとは……」

「彼だけが恐らく知っているのさ、第二の候補を。あるいは……タガハラ様こそ、あくまで第二の次期聖女だったのかもしれない」

 

 自分の表情がどんどん強張っていくのを、ジークフリートは感じていた。

 確かに次期聖女と目される少女と親交を持ち、護衛役に抜擢されるまでに至っているが、どう考えても一介の騎士が聞いていい内容ではない。

 

「何故それを、自分に……」

「知らずに相談に乗るわけにはいかないだろう。タガハラ様は聡明だ、じきに自力で気づく。自分がすんなりと聖女になれるわけではないと……そうなったときに支えられるのは、今は君だ」

「……承知しました。必ずや」

 

 そう、確かにそうだ。

 悩み事を、懊悩を足で蹴飛ばしてしまうような赤目の少女は、今はいないのだ。

 

「任せたよジークフリート。騎士っていうのは敵を斬るだけが仕事じゃない。人々の幸福を守ってこそだ。君なら、それが──」

「団長、お仕事です」

 

 ありがたい言葉の途中で。

 ドサドサドサ! と机の上に書類が積み重ねられた。

 団長はぎこちない笑みへとシフトしながら、風のように部屋に入ってきた秘書の女性へと顔を向ける。

 

「いや~……あれ? こんなにあったっけ?」

「先日マヤとのデート時間を超過し、私との待ち合わせに遅れましたよね?」

「はっはっは、それはあんまりにもマヤが可愛らしくねだるものだから」

「仕事をするか、死ぬか、どちらか選んでください」

「はい……仕事します……」

 

 いつも通りの光景を見て、ジークフリートは目を閉じた。

 騎士団団長の秘書室は、公認のハーレム状態となっており、団長を慕う美女複数名で構成されているのだ。

 

(……教育に悪いから、会わせるわけにはいかないな)

 

 健全な学生たちと接する機会の増えたジークフリートにとっては、今までよりもずっと居心地の悪い場面となるのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 トントン、とまな板の上で包丁の躍る音が聞こえた。

 それを聞いてリョウはぱちりと目を開いた。

 

「……っ」

 

 靄がかかるようにしてぼんやりした視界の中、頭を振る。

 なまっている、と自覚した。音がして気づくようではやっていけない。

 この一週間で自分の危機察知能力がほぼ機能不全に陥っているような錯覚すら覚える。彼女以外には、いつも通りに作動するというのに。

 

「あ、起きましたか? リョウさん、おはようございます」

 

 声をかけられて、寝そべっていたソファーの上で顔だけを動かす。

 緩慢な動作の末に、彼の視線は狭いキッチンに立ってこちらに振り向く、絶世の美少女を捉えた。

 

「今朝は鶏舎のみんなが卵を産んでくれたので、ベーコンエッグが作れましたよっ。あとは、普段通りに屑野菜のスープになっちゃったんですけど……」

 

 質素な服の上にエプロンを着け、宵の闇の色をした髪を二つに下げた少女が、笑顔でこちらを見ている。

 ぐらりとリョウの意識が傾きそうになった。彼はまだ現実を受け入れられていなかった。

 

「……別に朝食なんか作らなくていいって言ってるだろ」

 

 のそりとソファーから起き上がり、リョウは固まった身体をバキボキとほぐす。

 綺麗とは言えない、壁には傷やヒビが走るアパートの一室。

 

「でも作っちゃったから、仕方ないじゃないですか。それとも……本当に、要らないですか?」

「……要る」

「えへへ。じゃあ、食べましょう!」

「……分かってて言ってるだろ、マリア」

 

 少女ことマリアは、リョウと膝を突き合わせるようにしてローテーブルの前に座り、朝食を食べ始めた。

 

 

(……何を、何をやってんだよ、俺はッ!?)

 

 

 ベーコンエッグをもしゃもしゃと口の中に詰め込みながら、リョウは内心で絶叫する。

 そんな彼の懊悩には気づくことなく、マリアは笑顔で白身を小さく切り分けて、口の中へと慎ましやかに運んだ。

 

 少女と雪景色の中で出会った後。

 リョウは彼女にマリアと仮の名前を与えて、自らが生活の拠点としているアパートまで連れてきていた。

 そこはアパート全体がリョウの所属する一味の根城となっているのだが。

 

「あ、そういえばゴードンさんが、昼にリョウさんと組手をするって言ってましたよ」

「ああ……そんな予定があったな」

「先生とも朝に会って、今日は畑の作業を手伝うことになりました!」

「ああ……虫が出るから、長袖着ていけよ」

「はいっ」

 

 嬉しそうに今日出会った人との会話や、任せられた仕事について語るマリア。

 それを聞きながら、リョウはますます気が遠くなる感覚に襲われた。

 

「……よくなじんだな、お前」

「そ、それはその、私がどうこうというか、みなさんが受け入れてくれた結果ですから……」

 

 はにかむ少女の顔に、一瞬だけ視線が外せなくなり、即座にリョウは顔ごとそっぽを向いた。

 

「……ごちそうさま」

 

 勢いよくベーコンエッグを食べきって、リョウは窓際のソファーに戻る。

 今日は仲間を組手形式で指導した後に、夕方からは外出予定があった。

 

「お前」

「んっ……はい?」

 

 口の中にあったベーコンエッグを慌てて水で流して、マリアは顔を上げる。

 

「畑仕事、昼過ぎぐらいに切り上げて、シャワー浴びとけ。夕方から一緒に出るぞ、服は先生に言えば貸してもらえる」

「えっと……私とリョウ君ですか? でも買い出しなら、昨日しましたよ?」

「別件だ。それなりに重要だから、ちゃんとした服を着ないといけないんだ」

 

 そ、それに私がついていくんですか……!? とマリアは驚愕する。

 

「まあそういうことだ。詳しい話は、服をもらう時に先生に聞け」

「は、はい」

 

 それきり、部屋にはマリアが食事をしながらリョウに世間話をして、リョウが緩慢に相槌を打つだけの時間が流れる。

 やがて(リョウに比べると随分時間をかけて)ベーコンエッグを食べ終わったマリアは、二人分の食器を洗った後に部屋を出ていった。

 

 リョウは彼女が出ていったドアに一瞬だけ視線を送った後は、ぼうっと窓の外の空を眺めていた。

 考えることが多すぎた。自分が衝動的に彼女を、宿敵足り得るはずの禁呪保有者を連れてきてしまったこと。彼女が記憶を失っていること。すっかり身内として馴染んでしまったこと。

 

(あいつがマリアンヌ・ピースラウンドだとは、俺と先生以外は知らない。だからみんな仲良く……味方として扱っているし、あいつもみんなのために、色々としている。しかし、本当は……)

 

 と、その時アパートの外で、いましがた出ていったマリアと彼女に話しかける少年の姿が見えた。

 

「マリア姉ちゃんのごはん、今日も美味しかったよ!」

「ふふっ、ありがとうマァル君」

 

 聞こえる会話からして、どうやらマリアはリョウの部屋で朝食を作る前に、アパートに住む子供たちの食事も用意していたようだ。

 

「こ……これ! 咲いてたんだ、お花!」

 

 リョウの視線の先で、少年がマリアに一輪の華を差し出した。

 ませたガキのやることだなと斜に構えた感想が出るが、それと同じぐらいに驚きもあった。

 マァルは引っ込み事案なところがあり、アパートに住む面々の中でも友人が少なく、同年代の子供たちの輪に入れていないところをよく見る。

 

(あのマァルを手懐けるとはな……)

「わあ……! すっごくキレイ! お姉さんこれつけてもいいかな?」

 

 幼い少年が大人びた少女の笑顔に、顔を赤らめる。

 少女は屈託のない笑顔を浮かべて花を髪に挿すと、少年の頭を撫でる。

 その光景を、リョウはアパートの窓から見下ろしていた。

 

(馬鹿げてる……何で拾っちまったんだ、あんな女。最悪だ、本当に自分でも意味分かんねえ。姉さんに嫉妬したのか? だとしたらとんでもないクソガキだぞ、俺)

 

 渋い表情で、リョウは己の頭をがしがしと掻いた。

 それから息を吐いて、背後へと振り向く。

 

「先生……」

「リョウ、彼女の様子はどうですか」

 

 いつの間にか部屋の中には、カソックコートに身を包んだ、神父姿の男性が佇んでいた。

 丸眼鏡をかけたその男性に対して、リョウは振り向いて頭を下げる。

 

「……『流星(メテオ)』の権能は失われたというよりは、沈静化しているだけのようです」

「魔導器すら使えなくなっているのは、どう考えますか」

「恐らくですが『流星』の鎮静化に伴い、魔法使いとしての思考回路に異常が発生しているのかと。意味言語自体が読めるかどうかは、魔法使いがいないので確認できていませんが」

 

 そこで神父姿の先生は手をかざし、リョウの言葉を遮った。

 

「まったく、何度も言っているでしょう。ここに集まった仲間に、上下はありません。私相手に敬語を使う必要はありませんよ」

「いえ、命の恩人ですから。上下というよりは、尊敬です」

「口の回し方まで教えたつもりはなかったのですが、そう言われると弱いですね」

 

 先生は困ったように笑った。

 

「あなたが俺を手引きして逃がしてくれなかったら。あの時、傷を負っていた俺を治療してくれなかったら……今ここに俺はいません」

「おっと、それで私が善人だと判断するのは早計ですよ。私は無刀流の目的には賛同していたからこそ、師範代の一人として教えを施していましたからね」

 

 リョウにとって目の前の男性は、自分が今ここに生きていることの最大の恩人だった。

 教会の秘匿戦闘部隊の襲撃を受けた際に、ほとんど致命傷に近い傷を負ったリョウを連れて逃げ出し、治療を尽くして命を救ってくれたのが、先生と呼ばれているこの男だ。

 

「でも、あのやり方は……子供たちの命を徒に消費し、使い捨てて、存在するはずの可能性ごと捨てていく方策は、良くなかった」

「今なら俺も、分かります。命は使い捨てのゴミなんかじゃないのに」

 

 暗い過去を思い出して、リョウの拳に力がこもった。

 

「それで、ピースラウンドなんですが……どうにか、利用しますか。囮ぐらいなら」

「いえ、ここでの暮らしに馴染んだ以上は、マリアもまた仲間です」

 

 正気か、とリョウは目を見開いた。

 いつも穏やかで、誰に対しても理解を示す先生だが、よりにもよって今回の相手はマリアンヌ・ピースラウンドである。

 

「あまりにも合理的じゃないですよ。仮想敵の中心も中心じゃないですか……!」

「そこを考えるのならば逆ですよ、リョウ。我々は敵の本陣中枢から、司令官を奪い取ったに等しい状態なのです」

「……だと、いいのですが」

「君が彼女を拾ってきたこと……まだ理由は言語化できていないようですね。しかし我々にとっては喜ばしい結果になるでしょう」

 

 先生はリョウの隣に並び、窓から眼下の光景を見下ろす。

 そこでは宵髪赤目の少女が、幼い少年からもらった花を髪に挿して、嬉しそうにはにかんでいる。

 

 

「──リョウ、君は最大にして最強の懸念事項を、一切の苦労なく排除してみせたのです、胸を張りなさい」

「いえ、あの女が完全に自滅しただけだと思いますが……」

「……なぜ我々はあの少女を障害と見ていたのか、疑問に思ってきました」

 

 

 自分もです、とリョウは深く頷くのだった。

 

 









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若本規夫さんの「マリアンヌゥ」呼びに毎日震えるほど興奮しています
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