TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA   作:佐遊樹

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PART9 その鼓動、マグマに等しく

 時は少し巻き戻る。

 控え室でユートは、落ち着かない様子で椅子に腰掛けていた。

 思考を巡らせながらも、背筋を常に嫌な汗が伝っている。唇を噛み、彼は目を閉じ渋面を作っていた。

 

(……おかしい。いいやおかしかったのは俺たちだ。全てが前提から狂っていた)

 

 ロイの圧勝を見て、ユートは自分の考えが甘かったことを思い知らされていた。

 

(何かが違う。俺たちの国と、向こうの国は、根底で何かがズレているのかもしれない)

 

 御前試合の戦績など無価値だと思っていた。

 国王の前で子供同士がじゃれ合う遊びに、何の意味があろうか。

 二百戦無敗の女がいたところで、結局実戦を知らないガキだという評価は、諜報班も下していた。

 

(恐らく違うんだ。御前試合の結果だけは公表されているが、内実は不明。もしかしたら……あいつらは国王の前で、本気で殺し合ってすらいるんじゃないか)

 

 もしそうなら。

 御前試合という名前で、幼少期から実戦の空気を身体に取り入れているということになる。

 

(……俺の推測が正しいのなら、とんでもないことだ)

 

 身震いすらした。国家を挙げて、全ての魔法使いを他国のエース級に育て上げようとでもしているのか。

 

(もしそうなのだとしたら、圧力をかけるなんて自殺行為と言うほかない)

 

 今からでも上奏すべきか。

 次の、ユイとの試合は始まるまでもう間もない。

 

(……俺が何か言ったところで、意味などあるのか)

 

 既に方針は決定されている。

 第三王子という立場だけで覆せるような証拠はない。

 

(巫女は何を見て、マリアンヌを指名した? この一連の流れ、隣国を従える絶好の機会だと、巫女は本気で言っていたのか?)

 

 ハインツァラトス王国における教会の権威は極めて大きい。

 国王ですら、迂闊に言葉を差し挟むことは許されないほどだ。

 

(やはり何かがおかしい。俺の元に伝令が来た段階で、全てのシナリオは構築されていた。俺は巫女の予言を元に、勢力を拡大する最善の一手だと聞かされていたが……巫女の預言にしては、前提の食い違いが大きすぎる。今までにないことだ)

 

 息を吐いて、ユートは頭の中に図を描いた。

 選抜試合の結果を元に国力の差を暴き出し、各種交渉面などで強気に出る材料とする。そうして圧力をかけていき、国自体を弱めていく。

 流れだけなら、頷ける面もなくはない。国が国を攻めるのは、往々にして多少強引な側面を持つものだ。

 

(だが違う。違いすぎた。ロイが青騎士に、格の差を見せつけた。これでは逆効果だ!)

 

 頭を振った。

 既に試合開始時刻は目前だった。

 どうすればいいと呻く中、控え室のドアがノックされる。

 

「入れ」

「失礼します」

 

 するりと部屋に入ってきたのは、王宮の紋章を刻まれたマントを着た小間使いだった。

 彼は上品な水差しをユートに差し出した。

 

「こちら、第一王子殿下と第二王子殿下からです」

「何……?」

 

 小間使いが立ち去ってから、ユートは信じられないものを見る目で水差しを見つめた。

 兄たちが差し入れを渡すなんて、記憶にある限りでは初めてだった。

 ユートは遠慮がちに手を伸ばし、水差しから冷水をぐいとあおった。

 

(……兄上たちが、俺に期待してくれている、か)

 

 それだけが救いだった。

 揺らぐ水面に映る己の顔は強ばり、どうにもならないほど疲れ切っていた。

 方針は決まった。

 

「……なるほど。これは確かに、つまらない男だ」

 

 自嘲するような笑みを浮かべる。

 少なくともさっきの顔よりは似合っているように見えて、それがやるせなかった。

 

 

 

 

 

 

 

『続きましては、推薦によって選抜された気鋭の闘士、ユイ・タガハラと、第三王子ユートミラ・レヴ・ハインツァラトスの試合です!』

 

 女の声に名を呼ばれて、ユイは緊張した面持ちでアリーナ中央に進み出た。

 向かいにはリラックスした様子のユートが既にいる。

 

「……よ、よろしくお願いします」

「おいおい。近所の付き合いじゃないんだ、気楽にやろうぜ」

 

 その言葉に、ユイは首を傾げる。

 言い様のない違和感を抱いた。彼女の卓越した観察眼は、ユートのリラックスした様子が、ほどよい緊張感すら脱ぎ捨てた、一種の弛緩状態であることを見抜いていた。

 

「あの、ユートさん。どうかしたんですか?」

「……どうもしないさ。いつも通りだよ」

 

 気だるげにユートが呟くと同時。

 試合開始を告げるランプが、順に発光を始めた。

 赤、赤と灯る、ユイもユートも素早く構える。

 緑の光が一際目立つように輝きを放った。

 

 

戦術魔法行使を許可します(E N G A G E F R E E)

 

 

 開幕の号令が響くと同時だった。

 ユイが距離を詰める。先手必勝。事前にロイからアドバイスされた通り。

 だがそれよりもユートの方が早かった。

 

灼熱の鎧よ(burning body)闇払う希望となれ(unbreakable soul)!」

「……ッ!?」

 

 彼の全身から焔が噴き上がった。

 想定していた攻撃魔法ではない。攻撃を貫通してそのまま正中線に三連撃を入れるつもりだったユイは、左へ鋭く方向転換して横に回り込む。だが彼の全身を隙間なく焔の鎧が塞いでいた。

 

(これは一体……!?)

 

 咄嗟の判断で靴底を地面に叩きつけ急制動。

 震脚と呼ばれる動作に指向性を持たせ、砂利を弾丸のように相手へ放つ。

 果たして、砂粒は炎に触れると片っ端から蒸発していった。

 

「何よあれ!?」

「防御というよりは常時発動型の攻撃だな。並の戦士では触れることすらできないだろう」

 

 客席ではリンディの驚愕と、ジークフリートの冷静な分析が飛び交っている。

 慌てて距離を取って、ユイは深く息を吐いた。

 

(……攻防一体にして万能の鎧。そんなもの存在するはずがない。いや、存在するとしても、必ず付け目はある……)

 

 落ち着いて様子を観察してくる彼女を相手取り。

 ユートの思考は、明瞭になった目的に向けて一本化されていた。

 

()()()()()()()()()()()()

 

 拳を構えながらも、思わず笑い出しそうになった。

 負けるために戦うなど初めてだった。

 ハインツァラトス王国が弱体化したわけではない。

 ただ、目の前にいる学生たちを育てている王国は、何かがおかしい。既に想定の範疇を超えている。

 

(前提で躓いてもらうしかない。俺すら負けることで、完全に誤っていたと証明する。無論、国力の差を逆に暴かれる形だが……虎の尾を踏むよりは遙かにマシだ!)

 

 勢いよく駆け出し、ユイめがけて拳を振るう。

 鋭角に抉り込まれるコンビネーションを、ユイは相手に接触しないよう注意しつつ捌いていく。

 

「どうした! 守ってばかりか!?」

「……!」

 

 挑発の言葉に対して。

 ユイは繰り出されるアッパーを最小限の動きで避けながら、首元のリボンをするりと解いた。

 

「?」

 

 目を丸くするユートの顔面めがけて、解かれたリボンが鞭のように打ち据えられた。腕のしなりを利用したのだ。布製とはいえ、ユイの身体操作技術を以てすれば立派な武装となる。

 パァン! という甲高い音。コンマ数秒遅れてリボンが焼け焦げた。

 

「……ッ、そんなことをしても意味はないぞ。どうした?」

「今、接触しましたね?」

「何……?」

 

 ユイは身体から力を抜き、上体をやや前屈させる。

 最小限の予備動作で前に飛び出せるよう、身体が覚えた戦闘姿勢。

 

(…………これ、簡単に勝てる)

 

 冷たい眼差し。

 叩き込まれた戦闘技巧が相手の弱点を暴き、磨き上げた戦闘理論が勝ち筋を構築する。

 

(炎を貫通することなんて考えなくていい。あの炎は確かに魔法だけど、形成し終わってる。もう物理的に存在してる。衝撃は通るんだ。外界と完璧に遮断できているわけじゃない)

 

 理性が告げている。楽な戦いだ。

 相手が自ら弱点をさらけ出しているようなもの。

 

(拳を打ち込みすぎるとこっちが焼かれるけど、表面に触れるだけなら『祝福』でしのげる。その一瞬で鎧通しを打てば、それで終わりにできる)

 

 ユイの戦闘用思考回路が、冷酷に数字を弾き出した。

 接近と同時の陽動に一手、データ通りなら動揺したところで体勢を崩させる二手、最後にトドメ、計三手でこの戦いに幕を引ける。

 ────しかし。

 

(………………だめ、だ)

 

 奥歯を噛みしめ、ユイは頭を振った。

 

(ユートさんの目は、誘ってる。そうしろって言ってる。なんでこんなことしてるの、ユートさん……こんなの、勝利じゃない。そんなの意味ない! ただ勝つだけじゃダメだ!)

 

 口を開けて上を向いていれば、勝利が降ってくるような状態。

 けれどユイは、そんな勝ちに対して、明瞭にノーを叩きつけた。

 

(違う! 認めない、認められない! あの人に譲ってもらった権利で、そんな無様な勝利をしてしまったら……私は、私を一生許せなくなる!)

 

 キッとまなじりをつり上げて。

 徒手空拳のまま、ユイは口火を切った。

 

「ユートさん。貴方、負けようとしてますよね」

「……ッ、何のことだ?」

「いや、答えなくていいです。だけど私、怒ってます。だから……」

 

 そこで言葉を切って、ユイは目を閉じた。

 静かに息を吸い、集中を高める。己の存在の核を感じた。

 

 

 

 ユイ・タガハラは、今一度、自分に問い直さなければならない。

 

 

 

(──私に、資格はあるだろうか)

 

 深く。

 胸の奥深くに、語りかける。

 

(──私に、意思はあるだろうか)

 

 答えなど返ってくるわけがない。

 必要なのは、前へ踏み出せるという確信だけ。

 

(嫌いだった。聖女に選ばれたところで、意味なんてなかった)

 

 過去の闇は深く、未だ振り切れない。

 存在理由は自分でなく、他者に決められるものだった。そう言われただけで存在したし、そう言われなければ存在できなかった。

 

(だけど私は、違う私になりたいって。今までの私じゃなくて、ああなりたいと思えたんだ)

 

 瞳を閉じればいつでも浮かぶ、その姿。

 脳裏に焼き付いた、流星の少女。

 

(誰よりも気高く。誰よりも真っ直ぐに。そう、()()()()()()()()()()()!)

 

 夜空を切り裂く流星があるのなら。

 それを目印にして、果てのない暗闇だって歩いて行ける。

 ユイは彼女にそう教えてもらったのだ。

 

(私の心臓を動かす原動力は、きっと──!)

 

 聞こえる。

 もう聞こえている。

 私はここに生きていると叫ぶ、心臓の音が!

 

 

 

 だから。

 ユイ・タガハラは、もう二度と、自分に嘘をつきたくなどない。

 

 

 

 そして──開眼。

 視線を重ねられ、銃口を向けられたような悪寒がユートの全身を舐めた。

 

「……ッ!」

 

 次期聖女の双眸に宿った、静かな、静かすぎる炎。

 己が身に纏ったものとは対極の、冷たい焔──!

 

 

「……二重祝福(ブレッシング・ダブル)

 

 

 ユイが小さく呟いた直後、だった。

 大地が爆ぜた。何の予備動作もなく、真正面からユイが間合いを殺していた。

 

「な──」

()ィィッ!」

 

 最小限の動きだけで腰肩腕へ順番に力を伝導・爆発的に増大させ、最後には拳を以て叩きつける。

 空気の破裂する音すら響かせて、ユイの神速の一撃が放たれた。

 避けることも察知することもできないまま、ユートの鼻面へ正確無比に右ストレートが吸い込まれる。

 

「──────────」

 

 音すら置き去りにした拳の衝突は、接触時と衝撃伝導時の二回分の音がほとんど同時に聞こえた。それはあたかも、空間自体が悲鳴を上げているような、歪で軋んだ音だった。

 気づけばユートは宙を舞っていた。

 

「が……ごッ!?」

 

 数十メートルにわたってノーバウンドで吹き飛ばされ、外壁に激突。

 余波に左右数十メートルにわたって壁がヒビを走らせ、根元から崩れ落ちていく。

 客席に座る来賓たちが絶句する中。

 

「だから……だから、ユートさん。今から貴方を殴ります!」

 

 ユイは焦げ跡一つない右手を握り、胸の前に掲げて叫んだ。

 

 

 

「もう殴ってない?」

「もう殴ってるな……」

 

 リンディとジークフリートは、『これは彼女の中では殴るに入らないのだろうか』と、ちょっと震えた。

 

 

 

「……こぷ、っ」

 

 血の塊を吐き捨て、ユイは眼光を鋭くする。二重加護の反動で身体内部がめちゃくちゃになっていた。

 大なり小なりの動揺が広がっていく中、それでもユイは不動の構えを崩さない。

 視線の先では、ユートが砂煙のヴェールに包まれながらも、確かに存在するのだ。

 

(…………なぐられた、のか)

 

 砂煙が口の中に入る。

 視界がぐらつく中、ユートは恐る恐る右手で自分の頭を触った。

 

(……なくなった、かと、おもった……)

 

 ひとまず生きている。それだけ分かれば良い。

 衝撃こそ甚大だったが、まだ動ける。意識の照準を絞り、一息にユートは砂煙から飛び出した。

 

「ユイ・タガハラ……! やはり本物だな、お前の強さ!」

「ええ、そうです。私は自分が本物であることを! ここに存在することを高らかに謳い上げましょう!」

 

 次の瞬間。

 それを知る者たちが一様に目を丸くした。

 ユイは右手を、天を衝き上げるように伸ばし、その人差し指を天頂へビシィと伸ばしたのだ。

 

「私はユイ・タガハラッ! 流星を目指し、流星に追いすがる女! 私の存在証明のためには、打倒するべきは、今のあなたじゃ意味がないッッ!!」

 

 今だけはあの姿を借りよう。

 心奪われ、焼き焦がされるような想いを向ける、あの少女に肖ろう。

 

 

「だから本気で戦ってください! 本気で……本気の、その先で戦えッッ!! ユートミラ・レヴ・ハインツァラトス──!!」

 

 

 ここに次期聖女は、拳を突き上げ君臨した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「必殺☆悪役令嬢パンチver八節詠唱版ッッ!!」

「ぐわあああああああああああああああああああああああッ!?」

「兄上ェェ──────────!?」

 

 流星アッパーが直撃し、第一王子が天高く舞い上がった。

 じゃあな。後でお前の弟も打ち上げて双子座にしてやるよ。

 こうしてポルックスとカストルは星座に召し上げられたのだった。

 

 

鷲アンチ 双子座の主要恒星数は8なんだよなあ

適切な蟻地獄 俺たちが見てる前でよくもまあ神話捏造できるなこの女

ミート便器 喧嘩売る相手間違えるだけでここまで変わるのか……

red moon 原作だとユート√で結構な強敵だったのにな、この二人

 

 

 ん、いやまあ、実際そのへんの雑兵よりは遙かに強いと思いましたわよ? ですが、相手が悪かったようですわね

 

 

無敵 相手の頭が悪かった?

 

 

 っせーですわね! マジムかつきましたわ今の!

 

 

 大体頭は良いんだよわたくし。

 今だって数発牽制撃って向こうの防御上限把握してから八節パンチ叩き込んだし。はい頭脳プレー。わたくしのIQ五億!

 そうこうしているうちに、天高く打ち上げられた向こうの王子が、重力に引かれ地面に舞い戻ってきた。

 ベシャ、と第二王子がそれを受け止めて地面に潰れ、なんか死体の山みたいになる。

 勝ったぜ。わたくしは天を指さし勝利の勝ち鬨を上げる。

 

「わたくしを相手取ろうという分不相応な夢を見るのは自由ですが、実行に移すなど無知蒙昧の極み! 何故ならばッ! わたくしはこの世界で最も選ばれし存在! 王子だろうと何だろうと関係なく平伏なさい! 最強は! そして最優最高最善最新、総ては! わたくしのためにある言葉! わたくしこそが──最強最優最高最善最新令嬢ッッ!!」

「最悪の間違いだろ!?」

「お黙りなさい」

 

 さっき瞬殺した部下たちがそこらにぶっ倒れているのを眺めながら、王子の片割れが絶叫した。

 左手の指をくいっと動かして、わたくしの周囲をビットのように公転していた『流星』でまだ元気な方の王子の頭を小突く。

 

「イッデェッ……おか、おかしいだろお前ッ! なんで選抜されてないんだよ!?」

「出場権を譲ったからですわよ」

「ゆゆゆ譲るゥ!? 譲ることあんのこれ!?」

「まあ、別にいいかなって……」

「そんな軽いノリで譲るもんじゃねえから出場枠! つーか御前試合しか経験ないって話なのに、なんでそんな場慣れしてんだ!?」

「え……だって御前試合、普通に殺傷できる出力でやりますわよ。大人が割って入るために控えてますけど絶対じゃありませんし。ていうか死亡事例ありますわね確か」

「おかしい! お前らの国の御前試合は明らかにおかしい!」

 

 えっ……そうなの!?

 こっちの世界だとこれが普通なんだ、うわあ野蛮とか思ってたけど、あのジジイの倫理観が狂ってただけ? やっぱあいつ頭おかしいよ。

 思わず嘆息してから、わたくしは兄に心臓マッサージを施している弟を眺める。

 美しい兄弟愛だなあと思った。

 

 

第三の性別 その兄弟を永遠に引き裂きかけてるのはお前なんだが……

日本代表 片方だけが死んだら寂しいからとか言ってもう片方も殺しそう

 

 

 ひでえ言い草だと思った。

 わたくしは額にビキバキと青筋を浮かべながらも、そこらでぶっ倒れてる王子たちの部下をイイ感じに組み上げ、テーブルと椅子にして優雅に腰掛ける。

 魔法で水出して茶葉出して温めてはいインスタント紅茶!

 

 

 あとは、ユイさんが勝てば一件落着ですわね

 

 

TSに一家言 一件落着って何が?

みろっく 落着したの見たことなし

 

 

 え、これゲームでも選抜試合あったんですわよね。国と国のバトル、勝利するのが当然なのでは?

 

 

苦行むり いや……こうなんていうか……

101日目のワニ 勝敗だけじゃなくて国同士の策謀とか、個人の葛藤とか、そういう方が大事なイベントなんですけお……

 

 

 は? 勝たなきゃ意味ないじゃありませんか。勝ってから考えるべきですわ。他の面でどれほどアドバンテージを得たとしても、試合に勝てなければそれら一切に価値などありませんわ

 

 

外から来ました それはそうなんだけど、それはそうなんだけどお!

第三の性別 こんなに恋愛ゲームの才能ないやつおる?

火星 さっさと無双アクションゲーの世界に帰ってくれ

 

 

 好きで恋愛ゲームの世界に来たわけじゃねえんだよなあ。

 インスタント紅茶を一口すすり、息を吐いて天を仰いだ。どうやら蘇生に成功したらしく、弟王子は兄王子の名を呼んで抱きしめていた。美しい光景だ。良かったね。

 

 

 

 もう一発殴れるドン!

 

 

 







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そして何よりも、誤字報告、本当に助かっています……誤字、減りません……

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