TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA   作:佐遊樹

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PART13 不撓不屈ナイツプライド

 時は少し遡る。

 

 マリアンヌたちからは少し離れた地点でファフニールを相手取り、ジークフリートは剣を振るっていた。

 雨の中で視界が滲み、足下がぬかるむ。コンマ数秒でも気を抜けば死が待っているだろう。

 だが、彼の動きに淀みはなかった。

 

『先刻とは違うな……』

 

 前足の一振り、真っ向から叩き落とす。

 吐き出されるブレスは素早く回避。

 巨竜相手にまるで退かない。

 単身で挑みかかり、勝負が成立している。

 まさしく英雄譚の一幕だった。しかし。

 

『それほどの力、先刻にはなかったはずだ──何をした』

 

 訝しげに問う大邪竜に対して。

 濡れそぼった紅髪を振り乱し、ジークフリートは唇をつり上げる。

 

「教えてくれたのさ、貴様が」

『何……?』

「あの感覚……マリアンヌ嬢は気味が悪そうにしていた。だがオレにとっては心地よい感覚だった。貴様の影響であることは明白だ」

 

 先ほどの、空間そのものが変容したとした言いようのない感覚。

 誰もが言い知れぬ違和感を覚える中、ジークフリートだけは違った。

 

「察するに、大悪魔ルシファー、或いは大邪竜ファフニール。貴様たちのような上位存在は、存在するだけで世界を塗り替えていく現象を起こすのだろう」

 

 剣を振るって斬撃を飛ばす。

 ファフニールの堅牢な外皮が砕け、鱗が地面にばらまかれた。

 攻撃が通用するのを確認して、ジークフリートは全身を駆け巡る加護──そう、教会に与えられた加護とは異なる、()()()()()()()()()()()()()()()()()!──を全開に引き上げる。

 

「それは無意識であれ、力の出力だ。肌で感じれば分かる。オレが何に苦しめられ、力を発揮できなかったのか……そして逆算すれば分かる。これはこう使うのだろう?」

 

 身体の後ろに回した大剣を、思い切り振り上げた。

 地面を叩き割って爆走した衝撃波が邪竜の身体を深く抉る。

 確かな手応え。だが即座に超速再生が始まる。

 

『申し分ない一撃だ。しかしまだ甘いな』

「チッ……」

 

 ファフニールが翼をはためかせた。

 吹き荒れる暴風が、魔力によって指向性を与えられジークフリートに殺到。もはやそれは目には見えないハンマーだった。

 飛び退くと同時、数瞬前までいた地点の地面が爆砕される。

 

『半分正解と言っておこう。だがな、我が子孫よ。単なる上位存在は、確かに世界のルールを無視して活動する。しかしそれだけだ。自身のルールを他者に押しつけることはできない』

「何……? では、貴様は!」

 

 体勢を立て直すジークフリートを睥睨し、人々の安寧を脅かす邪竜が目をギラつかせた。

 

『我は天を見た。神の息吹を感じた。既にこの身は、お前たち脆弱なる者にとっての上位存在すら凌駕した!』

 

 雷雨の中で、空を覆いつくさんとする巨大なシルエット。

 相対する騎士が余りに頼りなく見えるほど、大きく、恐ろしく、翼を広げれば視界横一杯を埋めるほどの──超常存在。

 

『我が理は、『不死・再生』……範囲内の任意の存在を不滅の兵と仕立てる、最強の権能』

「不死、だと……まさか!」

 

 嫌な推測が組み上がると同時、ジークフリートの肩にて使い魔が叫ぶ。

 

【た、隊長ッ。敵兵の様子が変です! 何度打ち倒しても立ち上がってきます!】

【こちらB小隊。申し訳ありません、応戦の際に致命傷を与えました! しかし……! 確かに即死したはずなのに、蘇ってきます!】

「……! プラン変更! 侵攻を一時中断、学生たちと合流して防御陣形を組め!」

 

 素早く指示を飛ばしてから、眼前の邪竜を見上げる。

 

「貴様の権能か……! なんとでたらめな真似を!」

『脆弱な存在も、我の息吹を浴びれば話は変わる。刺し貫かれようとも、砕かれようとも、何度でも黄泉帰る。貴様たちのみが死に怯え、そして死ぬ』

 

 使い魔の声が、戦況が一気に崩れたことを叫んでいた。

 邪竜の一撃一撃を捌きながらも、ジークフリートは必死に考える。

 

(まずい……! 後ろが壊滅する前に、こちらで一気に決めなければならない! だがそれは簡単な話ではないはずだ、何せ不死を齎しているのはこの大邪竜! 最も殺しにくい相手であることは明白……!)

 

 戦場の空気が変わった。

 ジークフリートにとっては後押しとなる竜の気配。だが敵兵を不死身の兵士へ変貌させる最悪のフィールドでもある。

 

(このままでは──)

 

 打つ手を探し求めていた、その時。

 

『──────ッ!?』

「何……!?」

 

 騎士と邪竜が同時に動きを止めた。

 同じ系統に属する存在だからこそ、分かる。一瞬で感知する。

 

 遠方。マリアンヌとカサンドラが激突しているであろう場所。

 シルエットすら視認できない遠方のそこを起点として、爆発的に吹き荒れた、眩い神気。

 それが大邪竜の敷いた(ルール)に風穴を開け、完全な成立を阻害していた。

 

『馬鹿な! 我の理に抗っているだと……!? そんな……そんなことが……!?』

 

 大邪竜が驚愕に震える。

 感覚的に察知することはできても、紅髪の騎士は何が起きているのかを理解するには至らない。

 しかし状況から推察するのは、彼にとっては容易いことだった。

 

(そうか! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()……!)

 

 ジークフリートは知るよしもないが、単なる上位存在程度では、自分のルールを外部に押しつけることは不可能である。

 かつてマリアンヌが打倒したリザードは外部への押しつけこそできないものの、確かに上位存在ではあった。

 

 単なる上位存在に可能なのは、押しつけられるルールを無視して自分のルールで生きること。

 例えば、現実世界における『万物は引力に引かれる』というルールを無視して飛翔できる。

 例えば、現実世界における『身体を破壊されたら死ぬ』というルールを無視して生存できる。

 

 そして上位存在の中でも、ある種極まった領域に到達した者だけが、自分のルールを周囲に押しつけることができる。

 大邪竜ファフニールの『不死・再生』が一帯を塗り替えているのが実例だ。

 

 しかし。

 その法則に当てはまらない上位存在が、範囲内に存在すれば。

 理は成立しなくなる。敷かれるはずだった邪竜の世界に綻びが生じる。

 

「どうやら、彼女の方が一枚上手だったようだな!」

『小癪な真似を……! 構うものか。奴らの目的など知らぬ、我が直接あの小娘を潰せば済む!』

「させるものか!」

 

 このとき。

 ジークフリートの身体を満たすのは、奇妙な力だった。

 大邪竜の力が抑制されている──だから自然と、教会式の加護の出力を上げた。相反する加護が身体の内部で噛み合った。

 意図的なものではない。片方が弱くなり、それに合わせる形で引き上げた。すると噛み合った。

 

 偶然の産物。

 遠い並行世界において、『聖騎士(パラディン)』の名を冠した力。

 また別の並行世界においては、『無念無想』と呼ばれた力。

 

 二つの未来が、その予兆が、今の彼の身体に宿っている。

 結果。

 

「ツァアアアアアッ!!」

『な……!?』

 

 飛翔しようとしたファフニールを、ジークフリートが大剣の唐竹割り一閃で、文字通りに叩き落とした。

 大地が鳴動する。衝撃に崖地帯そのものがぐらぐらと揺れた。

 

 ──────()()()()()()()()()()()()が、刹那に行われた。

 

「好きにはさせない! 彼女の戦いは邪魔させない……ッ!」

 

 大剣を振るい、雷雨に姿を照らし上げられ。

 騎士は腹の底から叫んだ。

 

「貴様が言ったことだ! 大邪竜ファフニール、貴様の相手は──このオレだッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 遠くでなんか竜のシルエットが飛んだり跳ねたりしていた。

 あれ多分、ジークフリートさんにサッカーボールみたいにされてるんじゃねえかな。

 

「邪竜はなんだかんだ、ヴァカンスを楽しんでいるようですわね? あれが本場のビーチバレーですわよ」

「戯れ言を!」

 

 軽いジョークを発したが残念なことにウケなかった。

 カサンドラさんが流水のヴェールを鋭い刺突の形に変形させ、その切っ先を突き込んでくる。

 わたくしは微笑みながら、それらを打ち払う。

 

「今日のナンバーは少々早くてよ──Rock 'n' Roll!」

「ッ!?」

 

 超至近距離。

 一気に飛び込む。わたくしの真っ直ぐな右ストレートを、彼女は左腕で逸らす。

 同時に『流星(メテオ)』と『禍浪(フルクトゥス)』が激突した。

 刃となってぶつかり合う。互いに繰り出す可変鎧の攻防が、流星と禍浪の激突が、水飛沫と血飛沫を交互に上げている。

 

「素晴らしいですわね! 腕が六本あるみたいですわ!」

「ええ──そうね!」

 

 流石はカサンドラさんと言うべきか。

 天才であるわたくしは無論だが、彼女もまた、肉弾戦+展開した可変禁呪鎧の格闘戦を並列して実行できていた。

 

 

トンボハンター す……スゲェ……いや感心するには意味不明さがひどいんだけど、でもスゲェ……

つっきー こいつ、世界改変に抗ってる……んですか……?

 

 

 世界改変? よく分かんねーけど、あの気持ち悪い感じは腹切ってから治ったぜ!

 なんだよ、瀉血って効果あるんだなあ!

 

「ちょっと重いの、行きますわよ!」

「……!」

 

 地面を爆砕して踏み込み、力を込めて右腕を突き込む。

 瞬時に鮮血流星のヴェールを一部剥ぎ取ってドリル状に展開。

 

即時(インスタント)・悪役令嬢ロケットドリルパァ──────ンチッッ!!」

「何、よ、それ……ッ!?」

 

 盾のように展開された『禍浪』に真っ向から衝突。

 自信があるからこそ、咄嗟に受け止めるよなあ。

 残念だがそれは悪手だ。

 

天紅(アーマー)裂破(カット)ッッ!!」

 

 右手を覆う真っ赤な流星のヴェールが、勢いよく回転した。

 血飛沫を火花代わりに散らしながら、敵の盾を削っていく。

 言っただろ? ドリルパンチなんだよこれ。

 

「ぐっ……水華鏡月(マルチプルハイドロ)大翼(ウィング)ッ!」

 

 驚愕に目を見開いて。

 カサンドラさんは大きく飛び退くと、ヴェールを翼に変形させ、地面を蹴って飛翔する。

 え?

 

「ん? ちょっ、え? 何で飛んでるんですぅ!?」

 

 彼女は背中に水流を編み込んだ翼を生やして、空を飛んでいる。

 何だそれッ!? どういうこと!? なんで飛べんの!? 物理法則なんてお構いなしかよ!

 

「えっ……ウソ、え? 貴女、飛べないの?」

「は? ……はぁあああああああああああ!? 飛べますがー!? 一向に飛行可能ですがー!?」

 

 足下に流星(メテオ)の魔法陣を置いて、対抗するべく跳躍する。

 だが自在に宙を舞うカサンドラさんを追い切れない。

 

 

苦行むり そうか、お嬢は三次元戦闘に適応できたってだけだったか……!

日本代表 ファフニールの理を阻害してるだけで十分働いてる、立ってるだけでMVP物だ無理すんな!

 

 

 コメント欄が劣勢のわたくしに引き下がるよう勧めてくる。

 うるせえよ。一度走り出したからには止まらねえ! 顎に拳入れるまで諦めねえぞ!

 

「マリアンヌ──自在に飛翔できることと、空中を跳躍できることは余りに違う。違いすぎるわよ」

 

 カサンドラさんがこちらを嘲るようにして告げる。

 何もできないと思ってるのか?

 優雅にターンする彼女の軌道を読み、移動先に攻撃を置く。鮮血流星の一部を弾丸に転用し、射出する。

 

「そんなもの……!」

 

 急制動で軽やかに回避された。

 あの翼マジで何?

 

「今度はこっちの番よ!」

 

 カサンドラさんがこちらに右手をかざし、水の球体を形成・射出してくる。

 弾丸にしては大きく、遅い。あっこれやばいやつじゃん。

 

水華鏡月(マルチプルハイドロ)爆芯(グレネード)──遅延炸裂(ゼロバースト)!」

 

 炸裂した水の塊。飛んでくる水滴一つ一つから魔力反応を感じる。手榴弾ってワケかよ……!

 前面に鮮血のヴェールを集中させガード。

 盾のように展開して──()()()()()()()()

 

「それを待っていたわよッ!!」

 

 手榴弾のように飛び散った水滴を防いだのも束の間。

 破裂音と共に、展開した防護壁が破られた。向こう側から飛び込んでくるのは、『禍浪』を巨大なハンマーとして形成したカサンドラさん本人。

 

水華鏡月(マルチプルハイドロ)堅鎚(ハンマー)ッ!」

 

 向こうの水とは異なり、こちらは透過性のない鮮血で戦っている。

 恐らくどこかのタイミングでこれを狙うことに思い至ったのだろう。

 回避不可能。絶好のチャンス、真正面からの痛打が迫る。

 

 

「──カサンドラさん、()()()()()()()()ぇっ!」

 

 

 だから鮮血の壁を越えた先。

 既に拳を打ち出す準備を整えていたわたくしを見て、カサンドラさんが目を見開いた。

 フフン。スペック差があっても、読み合いじゃあ負けてやれねえな。

 展開した瞬間に気づいたよ。これ壁にしたら前見えねえなって。で、カサンドラさんは気づく。絶対にその脆弱性を見抜いて、仕掛けてくる。

 

「そんな──」

「お帰りはッ、大地(あちら)ですわァッ!!」

 

 乾坤一擲。

 振りかざされたハンマーごと打ち砕く、右ストレート。

 衝撃が身体を打ち据える手応え。空中で吹き飛ばされたカサンドラさんが、眼下の地面に墜落し、派手に泥の飛沫を上げるのが見えた。やっべ、服の弁償とか請求されちゃうかなこれ。

 

「すみません、お洋服が泥まみれになってしまいましたわね……ああでも、万能でしたっけ? 『禍浪』で洗濯ぐらいできますわよね?」

 

 彼女の後を追って魔法陣を階段のようにぽんぽん飛び降りて着地する。

 真正面で、地面からゆっくりと立ち上がるカサンドラさん。目の上を切ったのか、顔の右側を血が伝っている。

 

「油断していたわけじゃない……貴女が、想像より遙かに強かった。認識を改めるわよマリアンヌ……!」

 

 彼女が腕を振るうと同時だった。

 一帯のぬかるんだ地面が意思を持ったように蠢き、鋭い槍を象った。

 

水華鏡月(マルチプルハイドロ)尖槍(ランス)!」

「……なるほど、水分を吸った大地を操作しているのですね」

 

 次々に飛翔してくる槍たち。

 それらを、身体捌きだけで避けていく。

 

 

火星 マジかよ……! 本当に、流星で禍浪と渡り合ってる……!

みろっく 渡り合ってるっつーか優勢だけど、そんなに凄いの?

火星 ジムでユニコーンと戦ってるみたいなもん

みろっく マ?ヤバすぎて草

 

 

 誰がジムだよオイ。

 言いたい放題言われてる気はするが、まあ褒められてると解釈しておこう。

 

「そろそろスパートといきましょうか!」

 

 ツッパリフォームの全力稼働中とあって、狙うべきは間違いなく短期決戦だ。

 ファフニールはともかく、()()()()()()()()()()()()()()な。

 

星を纏い(rain fall)天を焦がし(sky burn)地に満ちよ(glory glow)!」

 

 四方八方から無尽蔵に飛来する槍。

 わたくしはそれらを華麗に避け、時に拳で砕き、時に裏拳で破壊しながら、優雅に舞う。

 

悪行は砕けた塵へと(sin break down)秩序はあるべき姿へと(judgement goes down)──裁きの極光を、今ここに(vengeance is mine)ッ!」

 

 六節詠唱完了。

 右手を天にかざし、カサンドラさんに照準を定める。

 お互いに距離は離れ、けれど視線が重なっているのは明白。

 

「しィずゥめェェェェ──────ッ!! ……ですわ!」

 

 テンション上がりすぎて口調吹き飛んでたわ危ねえ。

 右手を振り下ろす。

 同時、衛星軌道上にて生成されていた流星(メテオ)の魔力砲撃が降り注いだ。

 地表への到達には数秒もかからない。カサンドラさんの姿が、砕け散る大地の中に消えた。連続する流星の落下に、一帯が滅茶苦茶に破壊される。

 ……これで終わりなら、万々歳なんだけどなあ。

 

 

外から来ました やったか!?

 

 

 テメェ!!!!!!

 さすがに絶叫しそうになった。

 だがそれより先に、視線の先で存在感が膨れ上がった。

 

「……ッ?」

 

 雷雨に溶けるようにして爆炎がかき消えた、爆心地。

 球体が存在した。透明な水の、完全な球体だった。

 内部に銀髪の令嬢を守護した、完全防御だった。

 

水華鏡月(マルチプルハイドロ)球護(スフィア)

 

 今のでノーダメかよ。

 思わず舌打ちが漏れそうになる。

 つーかさっきからやたらかっこいい名前叫んでるけど、もしかして各フォームに名前あんの?

 いちいち名前付けてるの恥ずかしくないのかな……

 

「あは」

 

 ?

 

「あはは」

 

 えっ……砲撃が頭に当たっちゃったのか?

 

「あはははははははははは!!」

 

 哄笑を上げて、カサンドラさんが天を仰ぐ。

 銀色の美しい髪から泥が剥がれ落ち、輝きを取り戻す。天を見上げて口を大きく開けて、ひたすらに笑い続け。

 最後にガバリとこちらへ顔を向けた。その大海の如き碧眼から、蒼い稲妻の光が迸っている。

 

「もっと! もっとよ……! もっともっともっともっと! もっとヤりましょう、マリアンヌ……!」

 

 ぞわりと背筋が粟立った。

 違う。何かが変わった。切り替わったのだ。

 

水華鏡月(マルチプルハイドロ)烈風(ハリケーン)──ッ!!」

 

 刹那だった。

 わたくしめがけて、前兆も何もなく、四方から津波が襲いかかってきた。

 こいつ! 豪雨を片っ端から『禍浪』に変換しやがった!

 

「チィィ──!」

 

 真上へ跳び上がる。真上しか逃げ道がなかった。

 だから当然のように、カサンドラさんが眼前にいた。

 

()()()()()()、マリアンヌッ!」

「な……ッ!?」

 

 間合いを殺された。一瞬だった。

 至近距離。

 彼女の青い瞳の中に、驚愕するわたくしの顔が映り込んでいる。

 カサンドラさんが右手に携えるは──ドリルのように渦を巻いた水のヴェール!

 

水華鏡月(マルチプルハイドロ)螺旋(ヘリックス)ッッ」

 

 突き込まれたのはドリルを纏った右ストレート。

 咄嗟に前面へヴェールを広げてガードするが、激しく回転するドリルがあっという間に防壁を破壊する。

 直撃。意識が一瞬明滅した。気づけば地面に転がっていた。

 

「ご、ば……ッ」

 

 おなかが吹き飛んだかと思った。

 えずきながら、必死に頭を振って、意識をはっきりさせる。

 

「馬鹿! やりすぎだカサンドラ、勝負をもっと長引かせろ!」

 

 遠くから少年の声が聞こえる。

 気力で立ち上がる。ぼたりと、深紅の可変鎧から、血の滴が落ちた。制御が緩んでいる証拠だ。

 前方でカサンドラさんがゆっくりと舞い降りる。背中に巨大な翼を、右手には凶悪な螺旋を巻き付けて、悪逆令嬢が嗤っている。

 

 ……クソ。分かった。分かっちまった。

 何故相手の行動や魔法をコピーするのか。その理由がやっと分かった。

 ナメプとかじゃない。

 相手と同じことを、相手より高い精度でやれば絶対に負けないからだ。

 

 思考が研ぎ澄まされていく。

 今までの自分には見えていなかったものが見える。

 

 改めて対決してみれば、分かる。分かってしまう。

 わたくしが持っていないものを全部持っているんだ。

 

 卓越した戦略センス。部下を冷徹にまとめ上げるカリスマ性。全能の域へと至った禁呪。

 

 なんてデタラメ。なんて反則。

 

「嬉しいわ、マリアンヌ! こうして渡り合える! こうして、今までで最大の壁と出会えた! 貴女を倒して、(わたくし)は更なる高みへと至れる!」

「……ッ!」

 

 

無敵 まずいまずいまずいんじゃないのこれ

つっきー 出力上がってるの、か?

 

 

 立ち上がろうとして──不意に、抱きかかえられた。

 

「マリアンヌ嬢ッ!? その傷は……チィ、これほどとは……!」

 

 紅髪の騎士。ジークフリートさんだった。

 わたくしが大きく吹き飛ばされたことによって、二つの戦場が合流してしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 マリアンヌの白いブラウスが真っ赤に染まっているのを見て。

 咄嗟にジークフリートはその場から大きく飛び退いた。カサンドラとファフニールに挟撃される位置取りだけは避けなければならない。

 腕の中の少女の呼吸は浅い。瞳の焦点も定まっていない。

 

(マリアンヌ嬢がここまでやられるとは! 認識が甘かったのか……!?)

 

 雨の中で、カサンドラとファフニールが互いを一瞥する。

 

『いい仕事をしたな。あの小娘は我が殺す。それによって、完全なる世界法則の上書きが完了する』

「お断りするわ。彼女を倒すのは(わたくし)よ」

『……何だと?』

 

 邪竜の声に剣呑な色が混じった。

 

『状況を理解出来ていないのか。我の法則が完成すれば、それで全ては完了するのだぞ』

「貴方の意見なんて聞いてないわよ。それに彼女と戦うのは(わたくし)だと、脚本にも書かれていたでしょう?」

『貴様…………』

 

 思わずジークフリートは眉根を寄せた。

 

(仲間割れ、か?)

 

 明らかに意見が噛み合っていない。

 今すぐに互いを攻撃してもおかしくないほど、悪逆令嬢と大邪竜の表情は、互いへの敵意を滲ませていた。

 その刹那。

 

「ごちゃごちゃと、何を……!」

 

 腕の中から響く声。

 見れば美しい深紅眼に、昏い焔が宿っていた。

 

「……マリアンヌ。貴女が見るべきは、こちらよ。ほら」

 

 カサンドラは服のポケットから、シルバーのネクタイピンを引き抜く。

 びくんと、マリアンヌの肩が震えた。ジークフリートはまずいと呻きそうになった。

 

「返して欲しいでしょう?」

「…………カサンドラさん」

「遺品よ。これがなくなってしまえば。これを失ってしまえば……貴女のお父様がこの世界にいた証なんて、なくなっちゃうわ。だから欲しいでしょう? なら立ち上がって、全力で戦いなさい。それが貴女にできる、最後の親孝行──」

()()()()()

 

 カサンドラはマリアンヌの顔を見て、息を止めた。

 深紅眼から、マグマが噴出するが如く、激昂の光が漏れている。

 それは稲妻のように空間を裂き、見る者を震え上がらせる威光を携えていた。

 

「絶死に値します──死になさい。ここで今すぐに死になさい。でなければ生きているのを後悔するような死に方をさせますわ」

 

 ゆっくりと立ち上がり、マリアンヌは流星のヴェールを全力で展開させる。

 各所から黒い火花が散る。どす黒いそれは、時間が経って血液が凝固していく様にも似ていた。

 

(マリアンヌ嬢……!)

 

 誰がどう見ても、感情のボルテージは負に振り切れていた。必死に押さえ込もうと、表情を苦悶に歪めていても、感情が憎悪に染まるのに時間はかからないだろう。

 そんな彼女を見て、カサンドラは嬉しそうに微笑んでいる。

 このままでは、また同じだ。彼女は憎悪のままに戦うことになる。

 

 自分は──騎士として、あるいは騎士でないジークフリートという一人の男として。

 また見ているだけなのか。

 

(……オレは)

 

 眼前の光景。

 大邪竜と悪逆令嬢に相対して、小さな背中で立ち向かおうとする少女を見て。

 

 ジークフリートの胸中に、不意に原初の記憶がよぎった。

 

 

『その力を、扱いこなせるようになれ』

『ジークフリートはしょーらい、最強の男になるな!』

 

 

 ────最強の騎士になりたかった。

 

 決して崇高な義務感はなかった。

 ただ、期待に応えたかっただけ。

 

(ああそうだ、騎士を手段と捉えていた)

 

 ゆっくりと立ち上がり、マリアンヌの隣に並ぶ。

 彼女はこちらを見ない。眼前の敵だけ見ている。眼中になかった。

 

(オレは誰かの期待に応えたかった。誰かのために在りたかったんだ)

 

 師と仰いだ保護者と。

 受け入れてくれた親友と。

 彼らの眼差しが、ジークフリートの進む道を決めた。

 

(そして今のオレは。彼女のために在りたいと願っていたはずだ)

 

 旅館での会話を忘れてはいない。絶対に忘れてはならない。必ず呼び戻すと約束した。その約束を守れずに、何が騎士か。

 胸の内側で、バチリと火花が散る。

 

 ジークフリートの瞳の中で焔が燃え盛った。

 それは覚悟と呼ばれる、戦士に最も必要な、大事なパーツだった。

 

『消え失せろ』

 

 カサンドラが何かする前に、ファフニールがブレスを吐き出した。

 流星を右手に集中させ、マリアンヌが対抗すべく威力を集中させようとする。

 

 だが────

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」

 

 少女の眼前で、紅髪が踊った。

 飛び込んできたのは、鎧を身に纏った騎士。

 

「……ッ!? ジークフリートさん!?」

 

 大邪竜のブレスを、彼は真っ向から剣で受け止めていた。

 禁呪保有者ではない、単なる騎士だというのに。

 

「自分を見失うな、マリアンヌ嬢!」

 

 絶句するマリアンヌに対して。

 極光を真正面から防ぎながら、背中越しにジークフリートは叫ぶ。

 

「憎しみを抱くのが人間だ──しかし、憎しみに呑まれてはいけない!」

「……ッ」

「君が求める輝きは、本当にそんなものだったか!?」

 

 押し負けそうになる。

 余りの威力に、剣が軋みを上げていた。だが譲れない。

 この瞬間だけは、絶対に譲るわけにはいかない。

 

「あの日、オレを救ってくれた光は……!」

 

 ファフニールのブレスに対して。

 両足で踏ん張り、一歩、一歩ずつ。

 真っ向から押し返していく。

 

「オレの人生を丸ごと変えてくれた君の輝きは……ッ!」

 

 苦悶の息が漏れる。マリアンヌがやめろ、逃げてと叫んだ。

 退くはずがない。

 少女のために戦うのは──誰かのために戦うのは、騎士の本懐なのだから。

 

「そんなものじゃ、なかったッ! そんな風にくすんではいなかったッ! だから──だから、オレはここにいるッ!!」

 

 満身の力をもって。

 ついに騎士が、大邪竜の息吹を真っ向から耐え抜いた。振り抜かれた剣がブレスの残滓を断ち切る。

 肩で息をして、全身を駆ける激痛に顔を歪め。

 それでも佇む大きな背中。

 

「……ジークフリート、さん」

 

 ぎゅっと胸元で拳を握り、マリアンヌは自分の視界が勝手に滲むのを止められなかった。

 

『まだ理解が及んでいないか、竜殺しの騎士よ』

 

 つまらなさそうにファフニールが鼻を鳴らす。

 

『貴様の眼前に存在するは、邪竜であり、運命でもある。悲嘆しろ。絶望に沈め。貴様の運命は、ここで果てることだ』

 

 それは厳然たる事実だった。

 否定のしようも、覆しようもない真理だった。

 

 だというのに──彼は。

 ジークフリートは、唇をつり上げ不敵な笑みを浮かべる。

 

「運命! そうか、運命か! 面白い……! 相手として不足はない!」

『……ッ』

 

 まるで邪竜など眼中にないと言わんばかりに、ジークフリートは勢いよく後ろへ振り向いた。

 

 

「見ていてくれ、マリアンヌ嬢」

 

 

 視線を重ねて、騎士が少女に優しく語りかける。

 雷雨の中でもその眼差しはハッキリと見えた。

 

 

「あの日、君に光を見た。君がオレの人生を変えたんだ。だから君に報いてみせよう。今、ここで」

 

「……ジークフリートさん。わたくしは……わたくし……」

 

「いいんだ。少し休めばいい。代わりにオレが証明する。君には憎しみ以外にも、たくさんのものがあって。そのおかげで、オレがここにいられるんだと。だからただ、見ていてくれ」

 

 

 剣を携え。

 騎士は少女を背中に守り、一歩前に踏み出た。

 

 

 

「君が最高の騎士だと信じてくれた男は──運命如きに屈したりはしない!」

 

 

 

「………………」

『何を勝手なことを! 貴様など、我の存在の木っ端だろうが!!』

 

 堂々と向かってくるジークフリートと、その背後で立ちすくむマリアンヌを。

 唇を噛み、何かひどく恨めしそうに、けれど眩しそうにカサンドラは見つめ。

 激昂するファフニールは再びブレスで一帯をまとめて薙ぎ払おうとして。

 

 

 

 

 

 分岐点が訪れる。

 未来は切り替わる。

 

 小石が水面に波紋を広げるように。

 惑星に流星が落ち、生態系を次世代へ進めるように。

 

 一人の少女から始まった破壊と創造が、ここに一つの極点を導き出す。

 

 

 

 

 

【新規接続者を確認】

 

【主権者からの認可を待機……エラー。処理の不具合を確認】

 

【必要条件を確認。緊急性を確認。擬似認可を許諾】

 

【第三天との接続安定化を確認】

 

【迎撃権限を譲渡】

 

【適切な処置を行い、対象の未確認プログラムを排除せよ】

 

【そのために】

 

 

 

 

 

【────汝に不屈(キボウ)の加護を与えよう】

 

 

 

 

 

 

 

 流石にあんな乙女ゲーパート入ったら頭冷えるわ。

 あぶねえ。危うくまた闇落ちしそうになったが、なんとか耐えた。

 まあ耐えたって言うかより強い衝撃で上書きされた感は否めないが……

 

 ……正直顔クッソ熱いしなんかもう心臓バックバクで死ぬ。死ぬわこんなん。ぐええええええええ落ち着け! おつつけっ、おちつてつけ!!

 

 落ち着けッつってんだろ!

 

 

日本代表 ジークフリートさんのファン死んでそう

無敵 ………………

第三の性別 おっ生きてる音がするじゃーん

 

 

 ジークフリートさんは数歩前に進み出た後、数秒顔を伏せていた。

 いや、しかしだよ。

 あんだけ言わせた後に、普通に戦闘参加していいもんなのかなあ。

 でも流石にカサンドラさんとファフニールを同時に相手取るのは、ジークフリートさんとはいえ無理じゃん。

 これどうすんの? あの超直球乙女ゲースチル回収の後にボコられる騎士は見たくねえんだけど……

 

 

無敵 やば、い

宇宙の起源 え?

無敵 そっち、ていうか、こっちで、数秒だったけど

日本代表 何? 待って聞きたくないやだもう言わなくていいマジでやめてくれ

無敵 ジークフリートさん、が、俺の神域に直接アクセスしてきた……!

日本代表 ああああああああああああああああああああああもうやだああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!

 

 

 は?

 思わずジークフリートさんの背中をガン見したその刹那。

 

 

「出力リミッター解除。体内循環加護を最大値へ」

 

 

 ジークフリートさんの全身から眩い加護の輝きが放出され始めた。

 教会にて齎された加護を、全開に高めているのだ。

 しかし────

 

 

「転輪せよ、悪逆の光──不屈(キボウ)の詩歌を響かせよう」

 

 

 同時、真反対の輝きも眼を灼いた。

 身体から溢れ出るは暗黒のヴェール。

 噴出したそれが加護の光を食い破らんと猛り、蛇のようにのたうち回っている。

 

 

「……何、を。しているのです、か」

「ああ。教会からいただいた加護を最大限に高め、そして今、新たに得られた能力も最大限に出力を増し──()()()()()()()

「なんて???」

 

 

 いや…………

 

 なんて??

 

 

 オイなんですのこれェ!?

 光と闇を合わせて最強にしようとしているのですが!?!?

 

 

火星 これっ、これまさかアレか!?アレなのか!?

みろっく あ、あれって……?

火星 原作でジークフリートさんが到達する二つの最終フォーム! 敵としては加護を最大限に高めた『聖騎士(パラディン)』、個別ルートでは加護を捨てた『無念無想』!

みろっく えーと、つまり?

無敵 ……アルティメットとダグバでフュージョンしようとしてる

みろっく なにそれこわい

 

 

「オレが掴んだ未来は、誰から差し出されたものでもない」

 

 完全に宇宙猫と化したわたくしの目の前で。

 騎士が、その剣を構える。

 カサンドラさんとファフニールが、ただその姿を見ただけで数歩後ずさった。

 

「何、よ、それ……!?」

『馬鹿な。ありえん、ありえないだろう貴様それは! それだけはありえないだろうにッ!!』

 

 漆黒の鎧から吹き荒れる、爆発的な神威。

 それは光が固形化したように、鎧の節々から鋭角に伸び、制御翼のようになっていた。

 

 敵として相対すれば死を。

 そして味方なら絶対的な安心感をもたらす存在。

 あと多分原作を粉々に破壊する存在。

 

 笑えるぐらいなんかもう何これ?

 何?

 この人何してんの?

 

「ただこの手で、自分の意思で掴み取った物だ。だからこそ、オレが名付けよう」

 

 いやこっち一回振り向いてフッって微笑まれても困る。

 まさかわたくしのせいなのか。君のおかげでとか言われても全力で拒否させて欲しいんだが。ファフニールドン引きしてんじゃん。

 

 そんな、こっちの気持ちなどつゆ知らないまま。

 

 

 

 

 

覚醒(めざめ)の時だ────光輪冠するは不屈の騎士(レギンレイヴ・ジャガーノート)ッ!!」

 

 

 

 

 

 紅髪の騎士が。

 降り注ぐ豪雨の中で、最終フォームへ到達した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

配信中です。
 
上位チャット▼


苦行むり これどうすんの?これどうすんの?????????

鷲アンチ 加護と加護を、合わせて番狂わせ~

宇宙の起源 うるせえよ!なんで加護勝手に融合させてんだよ!!

火星 詠唱パターンがお父様と同じやつだったな……これ、何なんだ……いや……マジで何……?

適切な蟻地獄 あの、俺たちの知らないDLCやってるわけじゃないんですよね?

日本代表 むり

red moon つらそう

太郎 これも全部雷おじさんとお嬢のせいなんだよなあ

外から来ました これ本当に聖騎士(パラディン)と無念無想を混ぜてんの??

TSに一家言 ジョグレス進化かよ…(ドン引き)

無敵 マジ……なんか……来てた……びっくりした……うわあ……推しと喋っちゃった……あ……チェキとか……撮ってもらえばよかった……

日本代表 さがさないでください

つっきー どうせ岩戸だろ出てこい

【ルールを守って】TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA CHAPTER3【楽しく覚醒!】

1,962,776 柱が視聴中

 













ぬくもり様よりジークフリートのイラスト・設定画をいただきました!

【挿絵表示】

CHAPTER3の実質的な主役です。
最高のタイミングで掲載できてビックリしています。
ロイとは反対のキャラ付けになるよう外見を設定していたのですが、なんだこの色男、好き……
実は固有の装備を使ってなくて、あくまで中隊長用の一般装備で戦っているのですが、そこも拾って無骨な鎧と剣に仕上げていただきました。なんで通常装備で戦ってるんですかねこの人。
髪下ろしてるバージョンがある +500000000点
シャツベスト~~~~~~~!シャツベスト!シャツベスト……シャツベスト~!!!シャツベスト!!!!!!!
こんなん頭流星チンパンジーも女の顔になるってもんですよ。分かるよお嬢、分かる……



一話あたりの文量完全に終わってて本当に申し訳ないです。
CHAPTER3はマジで最悪の場合、ここから最終話までこれぐらいの文字数になるかもしれません。
次チャプター以降は調整します……本当にすみません……
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