【RTA風味】ガンダムビルドファイターズ・古鉄チャート【スパロボ】   作:装甲大義相州吾郎入道正宗

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鉄は紅の炎に焚べられ、鋼となりて再び吼える

「これが元メイジン候補の2人…!あの頃と何の遜色も無い!」

 

タツヤの放つフィンファルネルによるオールレンジ攻撃に対して、無駄な動きを一切見せず突撃を敢行する度胸。被弾こそしたものの、チタニウム塗装の効果を再現したという彼独自のビームコート技術によってダメージは少ない。

 

それだけでは無く、最高速下でありながら振り向き様に射撃を見舞う反応速度は素晴らしいの一言だ。

 

「だが、やっぱ当たらねぇか…。射撃の腕が悪い訳じゃねぇが、こればっかりは才能だぜ」

 

ガンダムのファルネルを粒子加速装置に見立てた強力なチャージ射撃を先読みで避けるアルトだったが、あらかじめ回避場所に潜んでいたフィンファンネルに撃たれてから右腕の動きがおかしい。戦艦の影でタツヤからは見えていないが、明らかに機能低下を引き起こしている。

 

「才能ならばモトハルも凄いじゃないか。あの至近弾なら並みのガンプラは肩ごと撃ち抜かれてもおかしくない」

 

ファイターとしてもビルダーとしても高いレベルでバランスの取れた実力の持ち主、ユウキ・タツヤ。

 

ビルダーとしての才能は前者を凌ぐが、戦闘面においては一歩譲るホトギ・モトハル。

 

両者の才能はガンプラ塾時代においてトップ3、ジュリアン・マッケンジーと合わせて三大巨頭と呼ばれた名に相応しい実力の持ち主だ。世間一般から見れば遠い場所の強者で括られる彼らだが、その実力が均衡した同士であれば、僅かな差が如実に現れる。

 

「ムサイを挟んでから両方とも動かねぇな。モトハルにしちゃあ、珍しい」

 

「君に言うまでも無いが、彼はファイターとしての不利を補う為に、バトルの駆け引きが影響しやすい長期戦を避ける傾向がある。強みを活かしやすい短期決戦をワザワザ選ばないはずは……」

 

ユウキ・タツヤもそれを知っているからなのか、ファンファルネルは周囲に展開したままで警戒を怠らず。重量のあるハイパーバズーカも投げ捨てて咄嗟の機動力を確保しているようにも見える。

 

「動いたぞ!」

 

「!」

 

ムサイの下側から回り込み、高速でバーニアを吹かせて迫り来る。

 

咄嗟の反応でビームライフルを構えるタツヤだったが、モニターに映る画像を見て、虚を摑まされた事に気づく。

 

「アームドアーマー:DE! こちらは囮か!」

 

よく見れば、盾に内蔵されたブースターでタツヤを狙うどこらか、明後日の方向へ向かっていく明らかなブラフ。

 

注意を逸らされた一瞬の隙を突いて、ムサイから極太の閃光が迸る。

 

「最大出力のビームマグナム…!」

 

余波だけで戦艦の艦橋を融解させる威力を持ったソレは、薙ぎ払う形で軌跡を描き、周囲に配置済みだったファンファンネルを巻き込んで破壊。辛うじて難を逃れた残機は本体への被害を防ごうとIフィールドバリアを展開するが、あまりの過負荷に耐えられず1つ残らず爆散する。

 

その隙に回避を済ませるタツヤの元へ。戦艦を蹴りつけて加速した、裂帛の気合いが襲い掛かった。

 

「ユウキ・タツヤァァァァ!!」

 

発射レートを上げたマシンキャノンの弾幕は今まで以上に激しく、防御の要を失ったタツヤは自身の持つシールドブースターに推力を上乗せしてギリギリ回避。それどころか真っ正面から向かっていく。

 

「その熱さ…!私の全力で受け止めよう!」

 

ガンダムは背面バインダーを変形させて大型剣に。アルトは鞘からシシオウブレードを抜き放ち、超高速のまま正面衝突。鍔迫り合いを繰り広げる。

 

力と力の愚直なまでのぶつかり合い。そしてアランとカイラは次の光景に目を奪われた。

 

「なんだぁ、ありゃ!?」

 

「あ、アレはメイジンの…」

 

ガンプラを動かすプラフスキー粒子が両者の気迫を感じ取ったのか、摩訶不思議な反応を引き起こし、宇宙ステージにオーロラが揺蕩う。

 

かつて2代目メイジンが愛機カテドラルガンダムにて実演してみせた、感情と技術を究極的に両立させる事によってのみ成立する現象。フィールドのプラフスキー粒子にすら干渉する無限の可能性。それを偶然とはいえ2人掛かりで成し遂げた彼らに、退塾を命じたメイジンはどう思うだろうか…。

 

「俺の道を塞ぐのであれば、例えお前だろうと容赦はせん!」

 

「かつて道を挫かれた過去を振り返らず、置き去りにするような戦い方ではいかんのだ! …モトハル君、君が再びガンプラを愛する為には、変わらねばならん!」

 

「お節介を…!」

 

「役目さ! 先達として!」

 

速度で劣るアルトだが、馬力と推力は圧倒的に上だ。技術で斬り払われる前に力で無理やり押し潰そうと圧力を掛けていく。

 

ガンダムは頭部バルカンで牽制するが、機体性能で上回るアルトには目眩しにもならない。

 

このままいけるか。

 

ギャラリーの2人が意外な決着を予想するも、ユウキ・タツヤは熱く燃える魂を震わせて抗う。

 

捨て鉢の戦いは一歩間違えれば、愛着を忘れトラウマを産み、やがて愛したものさえ対価に差し出す修羅を生む。

 

かつて、仲間を守る為に自分の全てを犠牲にした少年は表面上こそ繕っていたが、心の芯は折れてズタボロだったのだ。それに気付かなかった己を今でもユウキ・タツヤは悔やんでいる。

 

…かつて孤独を生きた狼は、群れを知り、優しく強くなった。だが、それを護らんとする為に、自らの臓腑を捧げて剥製の置物になるなど悲しいにもほどある!

 

だからこそ、ただ立ち上がっただけでは駄目なのだ。再び心折られるくらいならば、あの哀しみに満ちた顔を見せるなら、ここで引導を渡す! それが、嫌ならば!!

 

 

「燃え上がれ、ガンプラァァァァ!」

 

「ぐっ…!?」

 

突如、叫んだと思えばガンダムのシールドブースターが分離、それを追うようにファンネルラック、右腕のナックルガードがパージされ飛んでいく。それは寄り添い連結し、鳥の姿へ変貌する。

 

「こいつは…独立支援機のアメイジングブースターか! …ファンファルネル無しで飛べるとは計算外だ」

 

「私とて成長する! メイジンを目指す者としてなら尚更だ!」

 

合体したアメイジングブースターは膠着状態の二機を旋回するように大きく回り込み、距離を離したかと思えば一直線に加速する。

 

それはまるでオーロラを貫く一条の矢。閃光は粒子を纏い、箒星のように尾を引くと、やがて鮮やかな紅に染まる。

 

「【紅の彗星】…ハイマニューバを遠隔兵器でも熟すか!」

 

「これが私の全力だ! このまま付き合って貰おう!」

 

出力差で優に上回る筈のアルトだが、ユウキ・タツヤの技術によって、鍔迫り合いの剣が吸い付くように離れず、更に力の向きをランダムにズラされて思うように動けない。

 

「ならば…!」

 

アルトの頭部もまた赤く燃える。一瞬で赤熱したヒートホーンが唸りを上げ、ギロチンめいて振り下ろされる直前。

 

背後から爆撃を受けて姿勢を崩す。

 

「な、なんだありゃ!?まだ別のブースターが!?」

 

「違う! HIνガンダムの片手を見るんだ!」

 

カイラとアランが注目する先。目を凝らしてみれば、一瞬の煌めきしか映さない光の糸が宙を舞い…投棄したはずのハイパーバズーカに繋がれていた。

 

 

「ワイヤートラップ撃ち…!アタシの戦法じゃねえか!」

 

「そこはνガンダムだろう!」

 

ギャラリーの突っ込みを他所に、バズーカによる直撃を受けたアルトの頭部はブリキ人形のように鈍い。もはやヒートホーンを放つのは無理だろう。

 

そしてタイムリミットは来た。

 

最高速に達したアメイジングブースターがアルト目掛けて突進を敢行。このまま直撃すれば如何に装甲が厚かろうと破壊されるのは想像に難くない。

 

そして、唐突に広がる走馬灯めいた圧縮時間の中で、ホトギ・モトハルとユウキ・タツヤは、裸となって言葉と感情を投げ掛け合う。

 

 

「……相変わらず過保護だな。自ら恨み役を買って出るのも酔狂に過ぎる」

 

「ふっ……君にとって伊達や酔狂も、嫌いではないだろう?」

 

「…確かに。ーーーそしてそれはガンプラにも言える」

 

「……そうだ。ガンプラは所詮遊びに過ぎない。しかし、だからこそ人は本気になれる。…なってしまう」

 

「…ガンプラ塾閉鎖後、あの事件に晒された俺はソメヤ・ショウキという外道に勝つ為だけに、アルトを無残な姿に貶めて戦い、代償に【かつて製作したガンプラ全てを破壊】され、【片手を潰された】。…だから今回、ただのアルトを用意してくれた事に感謝する」

 

「無用さ。あんな殺意の塊のようなガンプラは君に相応しくない。そして今までの動き…リハビリも順調そうで何よりだ」

 

安堵の反面、まだ産まれたての子鹿のような危うさを感じずにはいられない。

 

「私はあくまで、…友が再び、心と体に傷を負うくらいならと籠の鳥にしてしまう愚かな人間に過ぎない」

 

「ーーーただ戦うだけなら。ただ負けるだけならば、身も心も…撃たれて散らばるだけだ」

 

前髪が長く、表情がよく見えない特徴的なモトハルの髪が風もないのに揺れ動く。呟くような言葉に反比例して、はっきりとした意思が籠っている。

 

「?」

 

「俺はあの時、外道に勝つ為に同じ外道へ堕ちたのは事実だ。…だがな。そこにあったのは間違いなく全力だ。純粋なる闘争! 俺は…知らず知らずに牙を失い、甘えるだけの飼い犬に落ちぶれていた…!」

 

「モトハル君!」

 

「あんな悪を知り、安穏に過ごすなど俺には出来ん! 一か八かで勝てぬのならば……今度は零か十! だが、全ての賭けに勝って、今度こそ俺はアイツを貫くッ!!」

 

「!」

 

ユウキ・タツヤは【勘違いしていた】。彼に眠る感情は、あの頃よりずっと熱く燃え盛っていたのだ。そこに卑屈さなどなく、ただただ純粋に、己で乗り越えると彼なりに結論を出しているではないか。

 

ーーーいつのまにか、モトハルは正面をしっかりと見据えて髪を搔き上げると、天を衝くように逆立てた荒々しい髪型になっている。そこにある瞳を通じて、タツヤは全てを感じ取った。

 

そして圧縮された時間が解放され、アメイジングブースターが衝突する直前。それは彼方より飛来し、ブースターへの自爆めいた特攻でアルトの窮地を救う。

 

突然湧いて出た事態にただ1人を除いて、目を見開く一同。

 

瞬間的に見たソレは完全に意識の外にあったからだ。

 

「囮のアームドアーマー!? ただの盾がなぜこちらへ…いやこれはまさか!」

 

損傷したブースターのカメラモニターを介して【自分へと】視線を向けるタツヤ。そこに映し出されていたのは、思いもよらない現象だった。

 

「サイコフレームの光…! だがこの色は緑…ヴレイブのものでは無い…!」

 

「……これだけ密着しているんだ。共振作用が起こる確率は…0じゃない」

 

サイコジャック。もしくは心の光。

 

宇宙世紀作品にてサイコミュを持たない機体だろうと、サイコフレーム搭載機に精神波を共振させる事で、一時的に操作を可能とする不可思議な現象。

 

そんなインチキめいた機能などガンプラバトルに正式登録されているはずもない。ただ…プラフスキー粒子がサイコフレームのように人の心に呼応する作用を持つ以上。オーロラを引き起こす前例があるならば、その確率は決して【 0 】ではない。

 

「……まさしく、零か十…!」

 

「賭けには勝った。…俺はどうも無愛想でな、籠に収まる鳥には向いていない。…行き掛けの駄賃だ。俺がいつまでも子供だと思わないよう、しっかりと焼き付けろ!!」

 

虚を突いたシシオウブレードで大型剣を跳ね上げ、ガンダムの拘束から逃れる。その一瞬の隙を、この距離を、彼はもう逃さない。

 

 

 

 

 

「全弾…持っていけッ!!!」

 

 

 

 

肩のランチャーが展開し、至近距離で破壊が撒き散らされる。

 

既にブースターを切り離し、シールドすらないガンダムは無防備そのもの。これを防ぐ手段も、回避する方法も残されてはいなかった。

 

圧倒的質量の爆発によって宇宙の暗闇に光が満ち、爆音が鳴り響いたと思えば数瞬の後、全てが嘘だったかのような静寂が訪れると、オーロラの虹色と宇宙の黒が混じり合う。

 

残酷にも映る虚無の空間に、それでも満ち足りた姿で生き残ったのは1人の男の矜持だ。

 

 

「モトハル!」

 

待ち切れないといった様子で首に飛びつき、ぶら下がり、我が事のように喜んでくれる少女。それをしっかりと抱き止める。そして誰よりも忙しい時期であろうにも関わらず、対戦を申し込んでくれた相手に感謝の一礼を送る。

 

……確かにこの一戦が無ければ、心の何処かにシコリを残したままアレと戦う羽目になるところだった。そしてユウキ・タツヤもまた、これによって迷う事なく全力を尽くせるだろう。

 

 

 

ーーーさぁここからだ。

 

最後の敵は見えた。道筋も照らされた。

 

あとはただ突き進み、その喉元に己の牙を突き立てるのみ。

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、

 

鉄を燃やせ、

 

古き想いを鋼鉄に、

 

孤独の恐怖に杭を打ち、

 

地を駆ける狼よ、今こそ吼えよ高らかに

 

天を撃ち落とす

 

 

巨人の如く。

 










>特殊改造:
アルトアイゼン・リーゼが解放されました。


>最終目標:
宿敵ソメヤ・ショウキを撃破せよ!


視点切り替えに煮詰まっているので答えて頂ければ幸いです。

  • ノンケパート増やせや猿ゥ!
  • 走者視点が基本ダルルォ!?
  • 第三者視点も好きなんだろぉ?
  • それも1つや2つではない…全部だ
  • セイきゅんとの三密濃厚接触
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