【RTA風味】ガンダムビルドファイターズ・古鉄チャート【スパロボ】 作:装甲大義相州吾郎入道正宗
だが私は謝らない(アンケートを盾にする)。
第七回ガンプラ選手権世界大会・本戦出場者限定レセプションパーティー。
長々と銘打たれた会場にはドレスコードを義務付けられるのがすぐ分かる程の、豪奢かつ煌びやかな一目で金を掛けているのが分かる設えだった。
真っ赤に染め抜かれた一面のカーペットに、金銀宝石輝く宝飾品が広いロビーを飾り立て、純白のテーブルクロスの上には古今東西の美食や珍味が所狭しと並べられた様相は、まさしく贅を尽くした催しと言えるだろう。
来場者の主役は本戦出場を決めた80人のガンプラファイターだが、そのパートナーやオペレーター。大会出資者にマスコミ関係者。ゲストとして呼ばれた各界の著名人を含めて多数の人種、人数で賑わっている。
ある者は単純に喜びを分かち合う為、ある者は対戦相手の情報収集の為。一期一会の出逢いに思いを巡らせ、至る所で談笑が弾む中、曇った顔つきのままノンアルコールドリンクで口唇を濡らす少年が佇んでいた。
その普段の少年らしからぬ大人しい仕草に、彼を知る1人の男が声を掛ける。
ーーーイタリアブロック代表選手。通称「伊達男」リカルド・フェリーニ。
「よう、どうしたレイジ。晴れの舞台で湿気った面見せると運が逃げるぜ?」
「ん? あぁ、お前から逃げるのは女だけどな…」
「はっはっはっ言うねぇ。…まだ彼女も出来た事が無いベイビーが吠えやがる!」
「あいててて!? アイアンクローなんて仕掛けて来るんじゃねぇよ!」
乱暴な叱咤ではあったが、俯きがちだったレイジは屈託のない笑顔を見せられ、幾分か元気を取り戻したようだ。
レイジとフェリーニの関係は出会って間もないにも関わらず、とあるキッカケからガンプラバトルのライバル兼師弟のような付き合いで気兼ねなく言葉を交わせる仲である。互いに年齢を超えた友情を感じ、口は自然と軽くなった。
「それで? お前さんは1人でどうしたんだ。セイの奴とは逸れちまったのか?」
「ぐっ……それは…」
「あん? なんだトラブルでもあったのか」
苦虫を噛み砕くような顔つきで、とある方向を指差すレイジ。フェリーニはそれに釣られて視線を動かし、そして…手に持ったカクテルグラスを床に落とした。
「ねぇモトハル君❤︎ こっちの鴨肉も美味しいよ? アーンして?」
「ちょっと肉ばっかり選んでんじゃないわよ! ほら、こっちの野菜が新鮮でおススメよん❤︎」
「は? 油物がキツくなってきたオバさんが色目を使うとか、辞めて欲しいんですけど?」
「は? ご主人…ホトギ君の健康も考えられないガキの癖に偉そうにしてんじゃないわよ」
「………」
1人は髪を明るいピンク色に染め、魅惑のボディラインを惜しげもなくアピールしているゲストのガンプラアイドル、キララ。つい1週間前に【運命的な衝撃】を受けてから隣の彼へ妄信的な愛を捧げる存在となった女性である。
もう1人と彼女に挟まれて、最近は慣れた無の表情で固まっているのは日本地区第5ブロック代表、ホトギ・モトハル。ドレスコードの場になぜか扇子を仰ぎながら紋付き袴姿で現れた彼は、かなり目立つ部類に入るのだが、それよりも気になる存在が直ぐ側にいた。
青のショートヘアに少しウェーブを掛け、華奢な身体を彩る簡素ながら生地の良さが伝わるフリルドレス。そこへ、ほんの少しだけ色気を乗せるような桜色のリップでコーディネートした小柄の少女。
の、姿をしたイオリ・セイが其処には居た。
「ーーー女装趣味なんてあったのか、あいつ」
「知らねぇよそんな事…。俺は何であいつと……うぐっ…ワリィ、ちょっとトイレ行ってくるわ」
「お、おう…」
死んだ魚の目をしたレイジにかける言葉が見つからず、更に知人の知りたくなかった側面を目撃してしまったフェリーニは流石に自分だけであの場に介入するのは困難だとして、今宵の無聊を慰めてくれる女性を求めて会場を練り歩く事にした。
(あのピンク髪の子。割と好みだったんだがなぁ…)
そういう趣味なのか、一回りは年下の袴姿の少年にちょっかいを出す様に、引きながらも後ろ髪を引かれる思いだ。
それに日本第五ブロック代表選手ホトギ・モトハル。彼にも純粋にファイターとして興味があり、声を掛けてみたかった。
「ん?」
気のせいだろうか?
ふと視線を外したその先、パーティ会場の窓に【小柄な少女】が張り付いていた気がしたが、ここはビルの上層階。そんなはずは無いと切り捨てる。昼間からアルコールが入りすぎたのかもしれない。
(ジャパニーズ座敷童子ってか? ハハハッその割りには目つきが凶暴すぎるけどな)
その後、あからさまに顔色の悪いレイジを見兼ねて、同じくパーティから抜け出した銀髪の少女が迷惑そうな顔をしながらも介抱していたり、警備員がビル外壁に不審者を見たなど騒動も起こったが割愛するべきだろう。
「…なぁアニキ。あれがあの鋼鉄の孤狼か? 全然、孤独でも何でもねぇじゃねえか」
「惑わされるなセリオ、姿形もエントリー情報も確認済みだ。あいつはガンプラ塾のホトギ・モトハルで間違いない」
蛇のように油断なく、狡猾に観察する目が2人揃って並ぶ。
「確か、メイジンに見初められて第2期生最年少としてガンプラ塾に編入した男。友人も作らず、ひたすら短期決戦重視の効率戦法を突き詰める姿から、群れから逸れた狼の狩りに例えられた鋼鉄の孤狼、ベーオウルフ。…だったっけ? だが閉鎖前には腑抜けて誰かの専属ビルダーに落ち着いたって話だろ。余裕余裕」
「情報が古いぞ。…ホトギ・モトハルは今年に入ってからガンプラバトルに復帰後、往来を彷彿とさせる戦い方でここまで進出している。…恐らく戦闘機動をとんでもない数だけパターン化して身体に染み込ませているんだろう。いくつか動きに共通点があるお陰で推測出来るが、動きに劣化を感じられない」
会場の隅。あえて人との接触を避けるように並び立つ瓜二つの男性が、虎視眈々と情報収集に明け暮れていた。
ーーーアルゼンチンブロック代表選手
マリオ・レナート
フリオ・レナート
長男であるマリオがビルダー兼オペレーターを務め、次男のフリオがファイターとして戦う「戦争屋」。
パーティの華やかさとは裏腹に、勝つ為の努力に一切妥協しない彼らはライバルとなる選手達への偵察に余念がない。
「つってもよぉ…。ここまで違うと前提情報が間違ってんじゃねぇの? ほら確か【右手に障害が残ってる】はずなのに普通にしてるぜ」
「………いや、あれをよく見ろ」
「あん?」
左右から女性…女性? に言い寄られている格好は別として、彼は【左手】に扇子を持ったまま棒立ちしている。
「情報ならアイツは右利きだ。それに加えて直近の戦闘データから武装の配置が左寄りに変更されているのを確認した」
「それってつまり…」
「奴は【右手が治り切っていない】可能性が高い。…もしくは無意識に避けているのかもな」
「へぇ…流石はアニキ。そこを狙えばいいって事か。まったく呆れるほど有効な戦術だぜ」
戦争は既に始まっていると、レナート兄弟はこの後も気付かれないようにあちらこちらへ会場内を移動し、情報収集に余念がない。
しかし、彼ら本来の目的は遂に果たせなかった。今大会のダークホース。スポンサー特別枠を2つも使用したメイジン候補が出席していなかったのだ。
1人はいけ好かない正々堂々としたスタイルを好むユウキ・タツヤ。
そして詳細が一切不明のファイター、ソメヤ・ショウキ。
特に後者は【まるでガンプラに関わった事が無い】くらいに周辺情報が手に入らない。その事実に言いようのない不安を覚える長男は個人的に嫌悪感を抱くユウキ・タツヤよりも彼への警戒を強めていた。
「あのガキが、ベーオウルフ? はっ祖国の言葉を借りただけの軟弱野郎だろ」
ーーードイツブロック代表選手
ライナー・チョマー
ニット帽と白黒マフラーを季節感を無視して着込む姿がトレードマークのガンプラファイターである彼は、レナート兄弟の会話を偶然耳にしながらも苛立っていた。
去年の世界大会で待望の彼女と仲良く観戦していたが不興を買ってあしらわれた挙句、イタリアのリカルド・フェリーニにトンビに油揚げを掻っ攫われる形で、独り身になってしまったのだ。
その恨みを晴らす為に、今年も代表選手になるまで勝ち抜き、このパーティで宣戦布告するつもりが肝心の相手がいないではないか!
イライラは時間と共に募り、やがて喧騒が集中する一角に視線が向く。そこで繰り広げられているのはまさしく彼へピンポイントで突き刺さる痴話喧嘩の最中だった。
「もう! いい加減にしてよ! そもそもモトハル君の好みはね、僕みたいなスレンダーな子なんだよ!」
「はぁあ? 悪いけど私は出るとこ出しては、引っ込めた大人の身体なの。正常な男でこれを嫌いになるなんてあり得ないわ」
ね? ご主人様❤︎
ドレスの胸元を少しはだけさせ、ウインクをバチンッと決めるキララだったが、モトハルは顔を背けてしまう。そしてその顔には何の赤みも差していなかった。
「え、嘘でしょ」
「ほらやっぱり! モトハル君は男が好きなんだ!」
違う、そうじゃない。
モトハルは訂正したかったが、2人の勢いは留まる事を知らずヒートアップを重ねていく。そろそろ警備員が止めに入るべきかと迷う頃、口火を切って乱入したのは件のチョマーだった。
「おうおうおう! 随分見せつけてくれるじゃねぇか、えぇ!? ガキがイキって彼女連れを見せびらかしてんじゃねぇよ! …どっちか紹介してください!」
そっちかよ…!
見守っていたパーティ出席者達は心の中から総ツッコミをした。
「あなたは確か…ドイツ代表のチョマーさん、ですよね。あの悪いですけど僕、モトハル君以外の男の人に興味ないので…」
「そこまでの純愛!?」
どうやらチョマーの目にはセイが本当に女の子に見えているらしい。
「くっ……ハァハァ…。こんな至近距離で放置プレイなんて新鮮だわ…! ここに先週みたいなガンプラバト…調教を受けたら、ふ…ふひひひ…!」
「こっちの姉ちゃんは予想以上に怖いな!?」
瞳にハートマークを浮かべながら、アイドルがしてはいけない顔で笑っているキララにドン引く。もはやなぜ彼女が大会のアイドルに任命されたのかは都市伝説レベルの謎になりつつあった。
こんな彼女が今後の本戦にて問題を起こすのは至極当然だったのだろう…。
「くっ…テメェもフェリーニと同類か! しかもその歳で…! 許せねぇ、許せねぇよ俺は…せめて…!」
チョマーの怒りは元から燻っていたフェリーニへの一年分の怒りと目の前のハーレム?を直視した事によって掛け合わさり、限界を超えた感情となって彼の心が噴火する。そしてあろう事か、無遠慮に差し出した手でキララを掴もうとした。
「いってぇ! 何しやがる!」
だが、彼女が悲鳴を上げる直前に手の甲を打つ扇子の一撃。例え迷惑している相手だろうと女性に乱暴は許さないとばかりに、前に出て盾になるモトハルの姿だ。
鋭く睨みつける視線に一瞬たじろぐチョマーだったが、相手が一回りも歳下である事を思い出し、羞恥と情けなさが入り混じる。
「ホトギ・モトハル! いや、ベーオウルフッ! 貴様はこの俺が必ず倒す、倒してみせる!」
なぜ、その名を…。と問いただす前に人前でありながら声を張り上げるチョマーは怒りで我を忘れているに等しい。
そこにいるのはもはや1人の修羅だ。理由はどうあれ彼は魂の根底から闘争に身を浸す人格に変わりつつあるのだ。
「次に会う時を楽しみにするが良い。…これがな」
肩で風を切りながら会場を後にするチョマー。突然事態から事態への推移に誰も対応出来なかったが、マスコミ関係者はとんだ因縁が出来たと記事に書き加えるのだった。
レイジは泣いていい。
そして誤字脱字報告兄貴達本当好き愛してる❤︎
本当に背中を押し過ぎたので自重しまふ。
視点切り替えに煮詰まっているので答えて頂ければ幸いです。
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ノンケパート増やせや猿ゥ!
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走者視点が基本ダルルォ!?
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第三者視点も好きなんだろぉ?
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それも1つや2つではない…全部だ
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セイきゅんとの三密濃厚接触