【RTA風味】ガンダムビルドファイターズ・古鉄チャート【スパロボ】 作:装甲大義相州吾郎入道正宗
ある意味、この小説で作者が一番盛り上がる所さん。
『大会運営からお知らせします。只今よりサプライズイベントと致しまして、本年度より発売予定のオリジナルガンプラ。メガサイズ【グルンガスト】による戦闘介入が行われます』
「ッ! 聞いていないぞアラン!」
一瞬の隙を晒したリグコンティオの胸部をビームライフルで撃ち抜くと、残心もそこそこに死角となるビルの外壁に身を隠すタツヤ。不穏な放送に対してオペレーターのアラン・アダムスに問い掛ける。
「こちらも初耳だよタツヤ。…デザイナーを雇ってガンプラを一から作っているのは知っていたが、こんな所で出すなんてね。…マシタ会長に直談判してこよう」
タツヤが所属するPPSE社ワークスチームの親会社はガンプラ選手権の大会運営の全般を担う企業であり、メイジン候補というビッグネームに連なる彼には、経営陣に対する発言権がある。
「頼む。あんなスケールサイズでファイターもなくバトルに介入するなど百害あって一利無しだ」
市街地エリアに陣取り、まるでレイドボスのように向かってくる選手を向かい打っていたユウキ・タツヤとそのガンプラ、アメイジングケンプファー。しかし地震と共に現れた異形のガンプラに警戒の色を隠せない。
遠目で視認出来るほどの巨躯。カメラアイから放たれたと思わしき謎のビームは、空中から襲い掛かろうとしたウィンダムやガンダムヘブンズソードを簡単に貫いてしまうなど威力が計り知れない。
『ーーーこのグルンガストにトドメを刺した選手には特別にポイント
が加算されますので腕に自信のある選手の方は是非ご参加下さい。なお、こちらの発売日には1/144.1/100と各種サイズを取り揃えておく予定ですので、是非ともご購入を検討下さいませ』
「しかも選手を生贄にして宣伝とは…。商魂逞しいと言うより、打算に過ぎるな!」
純粋なバトルを商社の思惑で汚された思いの彼は乗機のケンプファーアメイジングを荒野エリアに向けて加速させる。
しかし、無情にもマシタ会長からの指示は静観の一言で、企業に属する身の彼は上役の思惑に歯噛みをする。
「まずいな…あのグルンガストとかいうデカブツ、こっちに向かって来てるぞ」
地響きを立てながら悠然と歩みを進めるグルンガストは途中、ポイント欲しさに攻撃を仕掛ける選手達の攻撃を物ともせずに直進し続ける。まるでセイとレイジ以外は興味が無いかのようだ。
「撤退するか、フェリーニ?」
「へぇ若さに足が生えたようなレイジにしちゃ、クレバーな意見が出たな。…そうだな、所詮追加されるポイントは一名のみ。俺らは別だが他の奴に背中を撃たれてリタイヤだけは勘弁だ。ここは戦略的撤退…」
「モトハル君だ!」
「なに!?」
セイの叫びに冷静な判断を下そうとした2人がモニターに注目する。しかしその方向には何も映っておらず、辛うじて砂煙が舞う程度しか分からない。だが、彼は確信しているのか爛々と輝く瞳で一方を向き続けている。
「まさか…アルトアイゼンのファイターの奴、単機でやり合うつもりかよ。どう考えても火力が足り…いや、あいつなら何とかなるのか?」
フェリーニは第1ピリオドで見せた異常な火力のパイルバンカーをしっかりと記憶している。本戦では第8ピリオドまでの合計ポイントで決勝トーナメントへの出場枠を決める為、人数入り混じった多目的競技が多い。そのため直接対決の機会は低いが、もし相対した場合の対策をシュミレートしておく位には警戒を示す潜在的強敵だ。
もしそんな彼が、このジャイアントキリングを成し遂げれば、フェリーニのみならず全選手が彼とそのガンプラに対して一気に警戒度を跳ね上げるだろう。
ここは情勢を見定めようと静観を決め込むフェリーニ。しかし、隣の若い2人組みはそうではなかったようだ。
「だーかーらー! ワザワザ戦う必要はねぇって言ってるだろ!」
「モトハル君がピンチなんだよ! だったら助けなきゃ駄目じゃないか!!」
「それであのデカブツに目を付けられろってか? お前がこの世界大会で優勝したいってのは嘘かよ!」
「そ、それは…」
痛い所を突かれたとばかりに狼狽えるセイの姿に、まだ正常な判断力が残っていると安堵したレイジは説得を試みる。
「セイ。気持ちは…まったく分からねぇが兎に角、今回は諦めろ。別にモトハルも気にしたりしねぇ…」
「ーーーレイジは逃げたいの?」
「は?」
「あんなガンプラに僕達のバトルを汚されて、好き勝手に暴れられて…レイジはそれに背を向けられるの!?」
「セイ…」
急に真面目になってどうしたんだ。喉まで出掛かった言葉を飲み込む。
「簡単な相手じゃないかも知れない…でも、僕とレイジと…スタービルドストライクなら必ず勝てるよ!」
そこにあるのは1人の男の顔だ。始めて出会った時と同じような、ただの遊びだと思っていたガンプラへ全力の情熱を捧ぐ一途な想いが見て取れる。久しく見なかったセイの純粋な意思を映し出した宝石のような瞳に、勝ちたいが為に臆病になっていた自分を叱咤する。
「そうだな。俺たちにはRGシステムもある! ここで前に出なきゃ男じゃねぇ!」
「レイジならそう言うと思った! 扱いやすくて助かるよ…」
【オメガレーザー】【発射】
「ハ、ハマーン様に栄光あれぇぇぇぇ!」
「マシュマー(っぽいの)が死んだ!」
「この人でなし!」
グルンガストに殺到する選手達。その殆どは一流ファイターと呼ぶにはやや劣る者がほとんどであり、特別ポイントを夢見て一発逆転に賭ける無鉄砲な突撃を繰り返していた。
「足だ、足を狙え! あんな巨体、一度崩せば立ち上がれない筈だ!」
何故かザクタンクで指示を飛ばすファイターの号令の下、空中に地上、果ては宇宙エリア端の成層圏からザンネックが長距離射撃で狙い撃つなど、一斉にグルンガストの左足を狙い撃つ。
しかし、
【念動フィールド】【展開】
「「「ふ、ふざけんなァァァァ!!」」」
総火力でいえば戦艦どころかコロニーすら落とすレベルの砲撃が直撃したにも関わらず、ソレは健在だった。確かに幾らかは損傷が認められるが、所詮は烏合の衆による攻撃なのか狙いが的確とはいえず、かなりの被弾箇所が拡散したのも原因なのか、その巨体は揺るぎもしない。
そして何より、機体表面に薄く展開されたバリアのような現象が厄介だった。総攻撃の内、何割かに混じった単発威力の低い攻撃が当たる直前。バリアに阻まれて僅かなダメージすら与える事が出来なかったのだ。
【ダメージレベル10%超過】【一部の武装を解禁します】
「え」
グルンガストから聞こえる機会音声を聞いた選手の1人は耳を疑った。これだけの防御力と破壊力を見せつけながら、まだ何かあるのかと。
その声に応えた訳ではないが、グルンガスト胸部の星形リレーフにプラフスキー粒子が収束し始め、やがて極光となって蓄えられる。その余りの眩しさにある者は潜在的な恐怖心を煽られて撤退し、ある者は呆然とそれを見送った。そして…。
【ファイナルビーム】【照射】
もはや悲鳴すら残さない殲滅の光。
胸部から放たれた極太の粒子波動は、逃げ遅れたガンプラを全て巻き込み、薙ぎ払い。それは大地に地割れを生んでなお止まらず、やがて天へと射角を移し、遥か彼方で待機していたザンネックすら撃ち落としてみせた。
「だ、駄目だ…奴には手を出すな!」
「運営の新型は化け物か…!?」
蜘蛛の子を散らすように四方八方へと逃げ惑うガンプラ達。
それが功をしてか彼らに追撃は行われず、再び真っ直ぐスタービルドストライクに向かい始めるグルンガスト。
その余りの強さに、憧れる者もいれば理不尽すぎる強さに憤慨する者。ガンダム作品ですらない事に憤りを覚えるなど、様々な感情が会場の中に渦巻いている。
もうアレには誰も勝てないのか。
熱狂に包まれる筈の世界大会において、指し示したかのように、一瞬の静寂が訪れそして、それら全てを貫く者が現れる。
「ようやく追いついたか。…通常時の足回りは何ともならんな」
藍色の弾丸。それまではお世辞にも速いとは言えない速度だったガンプラは有効射程圏内に入ったかと思えば、急加速。背中のバーニアを解放し爆発的な加速を生み出すと青白いノズルフレアの軌跡を一直線に描いて迫る。その速度はもはや視認すら難しい。
『あ、あれは…ホトギ選手のアルトアイゼン!!』
バトルロイヤルという多人数の戦いから実況を差し控えていたM r.レディゴーが思わず叫んでしまう。
超々高速度での突撃。一歩間違えば自損しかねない勢いのままで突っ込むと、リボルビングバンカーが無防備な膝裏に突き刺さる。
「どんな装甲だろうと…」
作り込まれた機構が戦慄き、弾倉チャンバーが回転。そして撃鉄を弾く。
「打ち貫くのみ!」
ーーーその結果は見ての通りだった。
通常サイズのガンプラを優に超える身長と体格の【巨人】は、その頑強な見た目に相応しい防御力を持っていたのだ。生半可な攻撃はバリアによって意味を成さず、例え直撃しても厚い装甲がそれを許さない、鉄壁の守り。
だがそれは同じく【巨人】の名を冠する運命にある機体にとって、障害足り得ない。
『グ、グルンガストが膝を突いたァァァァァァァァ!!』
ウァァァアアアアアアアアアアア!!!
会場を埋め尽くす大喝采。
生き残った選手や敗北した選手も、やってやったとばかりにアルトアイゼンの偉業を褒め称える。
凄まじい衝撃を受け、片膝立ちになったグルンガストは予想外のダメージにAI制御が覚束無いのか、反撃の予兆は無い。
一撃の後、自身の速度による勢いを殺し切れないアルトアイゼンは、脚部をアンカー代わりに突き立て、大地に轍を引きながら滑走する。
やがてターンをしながら砂埃を纏い、左腕を掲げてガシャリ!と次弾を装填すると、油断なく前傾姿勢を取って再突撃を試みる。
これに慌てたのは黒幕の男だ。
彼の目的はあくまで自社製品宣伝とアリアンからの刺客…と思わしき相手にお帰り願うシンプルなもの。それを訳も分からない馬の骨に邪魔されるなど勘弁できる筈もない。
すぐさま秘書に指示を出してファイターレベルを最大まで上げさせる。それに呼応してグルンガストの人型の瞳に輝きが増し、食い縛るかのように口元が歪められた。
【ファイターレベル最大稼働】
ここから始まるのは一方的な虐殺だよ?
黒幕は再び高らかに笑い、そしてその開いた口を暫くそのままにする事となる。
悪鬼の如き形相で立ち上がるグルンガストに思いもよらぬ援護攻撃が入ったのだ。明らかにサイズ違いの巨体であるこのガンプラとほぼ同格の大きさを誇る威容。
当初の予定とは違い【ある相手を探して】今まで戦線を離れていたファイター。ーーーライナー・チョマーの駆るガウ攻撃空母が直上で大量爆撃を開始したのだ。
「ふん…人形め。その程度の実力でベーオウルフをやらせるなど俺が許さん」
ダメージはともかくとして爆発による衝撃で身動きが取れないグルンガストは膝立ちのまま睨もうと首を回すがうまくいかない。
その隙にガウの格納庫が開かれると、本来通常サイズのガンプラであれば5体は優に収まるであろう内部をほとんど占有する巨体が顔を出す。
「随伴機として積んだ未完成品だが…ちょうどいい。貴様にも見せてやる…俺の本当の力を…!」
そこから飛び立ったのは彼のパーソナルカラーで染められたガンプラ…ではない。ライトブルーに塗装された大型MS。いやMAか。しかしその身には何の武器も携えず、スラスターやレーダーのような付属装備も無い。シンプルすぎる見た目。ただ、その巨大さと特徴的な造形に心当たりがある観客やファイターは改造元となった機体の名前を咄嗟に叫んだ。
「ーーーサイコガンダムmk=Ⅲ!?」
「否!」
チョマーは否定し、高らかに宣言する。
「これこそ俺の新たな愛機……ソウルゲインだァッ!」
規格外のグルンガストに比べれば身長は遥かに劣るが、アルトアイゼンの2倍以上はあろうかという巨大なガンプラ。
本来は全身にビーム砲を敷き詰め、近接戦闘には拳や脚で対応するという機体コンセプトだったが、チョマーはその遠距離攻撃方法全てを排除し、徹底的に格闘戦特化改造する事で驚異的な内部パワーと可動域を確保している。
ソウルゲインはまるで人間のような仕草で拳を引き絞り、チョマーの叫びと共に急降下する。
「食らうがいい…白虎咬ッ!」
上空からの重力を乗せた直滑降の蹴り。そこから巨躯を忘れるほどの速さで繰り出される突きは連打、連打連打連打の嵐で徹底的にグルンガストを打ちのめし、被弾箇所は見る見る内に破壊し尽くされる。数秒の後、圧倒的と思われた巨人の右腕を根本から吹き飛ばして奪い去る。
その余りの急展開に。今までのチョマーを知る者達も。知らない者も。驚きで理解が追いつかない。
「ふん…。たったこれだけで両腕がイかれたか」
ソウルゲインのダラリと垂れ下がった腕を確認し、破損状態を示すダメージメッセージを聞きながら、大した感傷もなく言い放つ。
「最後は譲ってやるベーオウルフ! さっさと決めて決勝トーナメントで俺と戦えぃ!」
未だ息のあるグルンガストを背を向けて去っていくソウルゲイン。元の彼とは比較にならない淡白な反応と態度に、先日のレセプションパーティーでの対比を思い出して彼は笑う。
「言ってくれるなライナー・チョマー。…あぁ、だがやはりガンプラバトルは、楽しいな」
未知なるライバル。新たなガンプラ。戦う度に自他共に精錬されていく全力を尽くせる遊び。
モトハルは今、心の底から楽しんでいる。
「だからこそ、貴様のような木偶に負けるなどあり得ん。ディーラーが誰か知らんが…思い知らせてやる!」
過剰なまでの前傾姿勢から一気に最高速を叩き出して迫るアルトアイゼン。
その両肩に設置された装甲ハッチが弾かれたように開くと、そこにはびっしりと実弾が詰め込まれた弾薬庫の姿。最大火力の暴風が射出の時を今か今かと待ち受けている。
そしてこれから起こる反動をブレーキ代わりにするかの如く、減速もせずに突っ込むと、至近距離でソレを解放した。
「クレイモア…! 耐えられるなら、耐えてみせろ!!」
ボッ! と。発射音と思わしき炸裂の音色が響き渡ると、詰め込まれた弾頭を一斉に吐き出した反動で高速度下にあったアルトアイゼンが空中で急停止する。
武器名:スクエアクレイモア。
その正体は小型のプラスチック弾を【一発一発作り込んで装填】した究極の実弾武装。プラフスキー粒子に拠らない質量の暴力は、エアガンのように【充填された圧縮ガスを解放する事で発射】されている。そこから生み出される理外の破壊力は、いとも簡単にグルンガストを弾痕塗れの案山子へと変貌させた。
余剰ガスがまるで硝煙の如く立ち昇る煙を靡かせながら佇むアルトアイゼン。そして第2ピリオド終了のブザーが鳴り響く。
「殺し切れたがギリギリだったな…。もっと弾数を増やすか」
その日のガンプラニュースは黒幕の思惑とは真逆の結果となり、一面を飾ったのはアルトアイゼンとソウルゲインの華々しい活躍ばかりだった。
『波乱の第2ピリオド! 二体のガンプラに迫る!』
『アルトアイゼンとは? ホトギ・モトハルとは? 徹底解剖!』
『チョマー選手で辿るガンプラ世界大会』
代表選手達も警戒度を軒並み上げる結果となったこの戦い。少し先の未来に記事を飛ばせば、一様にこう呼ばれる邂逅となった。
巨人と巨人の戦い。
ギガントマキアの序章だとーーー。
「ねぇちょっとベイカーちゃん!? 最後のやつおかしくない!? グルンガストが、スーパーロボットが蜂の巣にされちゃったんだけど! もはや蓮コラだよアレ!」
「調べてみましたが、その、合法です…。プラフスキー粒子の解明で先鋭的なガンプラが散見する大会で、弾を全て実弾化するという時代に真っ向から逆らった旧式なんですが…」
「難しい事は分かんないけどさ! アレはヤバイって、何かこう良い感じに対策打てない? ベイカーちゃん」
「…(困り顔の老け顔まじ可愛い)マシタ会長のご指示とあれば万全に」
「なら、よろしく頼むよー!」
商才と権力だけある駄目男と、それに惚れた因果な秘書が暗躍を仕掛ける中、
イオリ・セイといえば
「しゅごい…しゅごいよモトハル君…どこまで僕を高みに連れて行ってくれるの? あぁ凄い…ガンプラ…男…宇宙…そうか、ガンプラとは…ゲッター線とは……」
完全にトリップしていた。
アルトアイゼンの力の秘密は【全弾手作り】【発射機構も作り込む】という狂気の沙汰でした。
鉄製パーツは恐らく制限があるのでガス注入口以外はプラスチック製。装填回数は大きさ的に3回の、正にとっておき。
セイやニルス達がプラフスキー粒子を前提にした次世代技術に突き進むのに対して、時代に逆行したリアル模型的コンセプトなのがホモ君。
まさしく【新しいプラスチック】と【古い鉄】。これがやりたかったのデース。
視点切り替えに煮詰まっているので答えて頂ければ幸いです。
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ノンケパート増やせや猿ゥ!
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走者視点が基本ダルルォ!?
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第三者視点も好きなんだろぉ?
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それも1つや2つではない…全部だ
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セイきゅんとの三密濃厚接触