渡り鳥 〜枷の嵌められない渡り鳥〜   作:後生さん

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渡り鳥講座

 

 

「なぁ、親父。気になってたんだがよ」

 

「ん?なんだ、エース」

 

 

 エースの呼び掛けにフォンは酒を呑むのを止めて振り返った。ついでに語らっていた白ひげや飯を食べていたルフィやサボなんかもこちらを見遣る。

 そんな中、戦争時の事を思い出してエースは問うた。

 

 

「戦争の時、サボと一緒にやって来ただろ?親父が軸をあらゆる場所に固定出来る能力持ちなのは知ってるけど、移動するにはその場所に行く必要があるだろ。なら処刑台にも行った事あるのか?」

 

「んー?あぁ、ないぞ」

 

「??じゃあなんで来れたんだよ?」

 

 

 首を傾げるエースに、フォンは笑ってエースを指さした。思わずその指を眺めたがピンとこない。フォンは更に含み笑いになると、エースの額をつく。

 

 

「固定すんのは、物体であれば何でも可能だ」

 

「?………!!!チートだ!!!」

 

「人聞きの悪ぃこと言ってくれんね〜」

 

「んぐっ、どういうことだ?」

 

 

 エースの驚愕にルフィが口カスをつけてハテナを飛ばした。代わりに隣に居たサボが口を拭ってやりながら苦笑混じりに答えた。

 

 

「つまり父さんは、エースに軸を固定してたってわけさ。例え行った事のない場所でも、軸を固定されているエースに瞬間移動すれば問題ないんだよ。俺も聞いた時マジで反則級のチートだって思った」

 

「!!ホントか!?スゲーな父ちゃん!!俺もエースに届くくらい腕が伸びてたらなぁ〜〜」

 

「お前らルフィを見習えよ。なんで兄2人が素直に父親を尊敬してくれないんだ」

 

「「あんたが悪い」」

 

「可笑しいな、ドラゴンとか白ひげなら今頃尊敬の眼差しなのに」

 

「グララララ!!そりゃしかたねーだろうよ」

 

 

 理不尽だと嘆くフォンに白ひげが呆れたように笑った。フォンはどの世代から見ても規格外としか認識されないらしい。フォンは更に項垂れた。

 そんなフォンに純粋なルフィは飛びつく。

 

 

「父ちゃん!!どうやったら父ちゃんみたいに強くなれるんだ??技もいっぱいあるしよ、やっぱ修行か?なー、教えてくれよ!!」

 

「……そうだなぁ…まぁ、確かに修行を積めば積む程自分の力は高まる。努力した分だけ身体に染み込むんだ、やって損なんかしないだろうな」

 

「そっかぁ」

 

 

 でもな、とフォンはルフィの頭を撫でて告げる。

 

 

「修行で強くなるのは当然だ。ただし、そのやり方、伸ばし方を知ってないと効率的には運ばない」

 

「…どういうことだ?」

 

 

 いつの間にかエースやサボも前屈みになっていた。兄弟だなァと白ひげも笑いながら、フォンの話を聞く。

 この男から学ぶものはさぞかし多いのだろうと、白ひげも自然と耳を傾けていた。

 

 

「修行は力をつけるものだ。しかし力にも様々ある。それに力のつけ方にもな。要は試行錯誤だ。例えば俺が一番始めに考えたのは、能力の使い方だな」

 

「能力の?」

 

「ああ。身体も勿論鍛えなきゃいけないがな、その為にまず自分が何が出来るかを考えるんだ。ルフィがゴムゴムの能力者であるならば、そのゴムの身体に何が出来るのかを考える。その性質は、よく伸びて縮む。そして電気が効かず、打撃は効かない。その代わり斬撃には弱く、伸びる範囲も決まってる。これで大体自分の能力については分かったな?」

 

「!ほへーーー…そういや俺、自分の能力のことちゃんと考えたことなかったや」

 

「いや、それはそれで問題だろ…」

 

「初歩中の初歩だ。だが、だからこそ自分の可能性が広がる。今考えた使い方で、技なんか幾らでも思いつくしそれについて幾らでも練習出来るからな。つまり、イメージが大事ってわけだ。俺の能力はそれの賜物さ。何も特別なもんじゃないだろ?」

 

 

 フォンの言葉に、エースとサボは確かにと頷いた。

 フォンが強いのは何も能力が特別強いのではなく、その発想力と応用力が凄まじいだけなのだ。そしてその実力が身体に見合っている。全て一つ一つ積み重ね、そしてその全てのレベルが高いのがフォンなのだ。

 二人は改めてフォンを誇りに思った。

 

 

「ルフィは今レイリーに修行をつけて貰ってるだろう?その中で自分がやりたい事を正直にやればいいんだよ。自分の想像通りってのは気持ちいぞ?」

 

「分かった!!やってみるよ!ありがとう父ちゃん!!早速レイリーに言ってくる!!」

 

「行動はやっっ!!」

 

「あっ、さり気なく肉持ってってやがる?!まだ食い足りてねーのかよ!!」

 

「っぶっアッハハッ!!」

 

 

 ギャグを生まねば生きられんのかと爆笑するフォン。嵐のようにルフィが去っていく様に肩を竦めた二人の兄弟が、次には何かを企むように顔を見合わせ、フォンに宣った。

 

 

「親父、腕試しに付き合ってくれよ。久々にさ!」

 

「どうせ体訛ってるんだろ?息子の成長見てくれよ、父さん」

 

「!」

 

 

 ギラギラと好戦的にフォンを見据える息子達に、フォンはキョトンとした顔をしたが、すぐにニィッと笑みを浮かべた。

 

 

「いいぞ〜?後で泣いても知らねぇぜ」

 

「泣かねーよ!そんな昔とは一回りもちげーんだ」

 

「誰よりも成長見てきたくせによく言うよ…まっ、むしろへばっちまうのは父さんの方だったりしてな?」

 

「そりゃ有り得るな。親父はもう歳だし」

 

 

 二人してフォンに挑発的なところ、どうやらよっぽど本気で掛かって欲しいようだ。白ひげは何処か懐かしそうにしながら、これは楽しみだとフォンの出方を窺う。

 フォンは、ほぉ?とニヤリとして──ぶわりと威圧感を醸し出す。

 

 

「「!!」」

 

「お望み通り相手してやらぁ。本気で来ねぇと、一瞬で終わっちまうぞ?さぁさ表に出ろガキ共!

──親の強さ、思い知らせてやんよ」

 

 

 悪どい顔のフォンに、これはやらかしたかとエースとサボは冷や汗を掻くも、それでもニタリと笑って、挑みかかった。

 

 

「「上等だッッ!!!!」」

 

「クハハッ!──掛かってこい!!」

 

 

 ──結果?んなもん教えるなんて、面白くねぇだろう?

 

 

 





鍛錬、それらしいこと言ってるでしょう?
でもよく考えてみれば中身ないですからね。
皆さん騙されないように。……え?見ればわかる?
じゃかましいですよ!私なりに頑張ったんです!! 

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お陰様で励みになってます!
だからといって話数は上がりませんけどね。ではでは!

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