神浜アンノウンストーリーズ-Kamihama Unknown Storys- 作:TAICHI121
そんでここではご無沙汰です。始まります。
「確か・・・やちよさんに真山さんに薫さんでしたっけ」突然現れた3人を目の前いろはが言う。
「ご名答。覚えくれていたねぇ偉い偉い」薫が返す。
「そんな、・・・あんなに狙われたら流石に覚えてますよ、お二人は付いてきてくれましたし・・・」
「ま、まぁ成り行きですけど、」
「とりあえずやちよに警戒するのはやめてくれ、そいつの事情についてはやちよに話してある。」やちよに対して警戒している表情をするいろはに薫が言う。
「そう、私たちは忠告しに来たのよ。」
「忠告・・・ですか?」
「まぁ、そういうところ。」
「この町の中では絶対に、
「へ?」
「特に誰かに仲違いした時に言ってみなさい、たちまち絶交ルールの噂に囚われてしまうから・・・」
「何言ってるんですかこの人?」いろはではなく当麻が小声で薫に聞いた。
「忠告だよ。」
「でも、噂に囚われてるって・・・」いろはも尋ねた。
「仕方ないなぁ、こんな話が最近流行っててね・・・」
『アラもう聞いた?誰から聞いた?絶交ルールのその噂
フンだ!キライだ!ゼッコウだ!って言ったら見えないけどそこにある!
もしも仲直りしようとすると、連れて行かれてサータイヘン!
友達を落とした黒い少女に捕まると、無限の階段掃除をさせられちゃうって、
神浜市の少女の間ではもっぱらのウワサ
ヒーコワイ!』
「と、いうのが絶交ルールの噂さ。」
薫は絶交ルールの噂の語り口を語った。
「今のがそのうわさですか?」
「絶交と言えば最後、何があっても謝罪の言葉を口にしてはダメ。」
「ほんでやっぱ謝りたいと謝った瞬間たちまちバケモノに囚われちゃうのさ。・・・と言われてるけどねぇ」
「そんな突拍子の無い話を言われても・・・」
「信じておきなさい。今のところ"神浜うわさファイル"では非常に信憑性の高い噂だから。」
「何ですかその"神浜うわさファイル"って」
「・・・神浜にあふれているうわさをやちよが纏めたものさ。どうもここ最近その噂たちがこぞって怪異や都市伝説のように現実になってるらしく、大変だ」
「そして現実になったうわさ次第では行方不明者だって出てる・・・」
「ばんなそかな」
「そんな事って・・・」当麻といろはは返した。
「残念ながらホントだぜ。なんならそのキュウべぇと同じぐらいの謎だ、」
「えっ!?・・・ところで、やちよさんはまだモキュを狙っているんですか?」
「やっぱりまだ諦めて無いんですか?」
「だってさやちよ、結局コイツの処遇はどうするの?」3人の問いにやちよは
「環さん、あなたの回答次第よ。悪さをしてなければ狩る必要もないでしょうし」
「悪いことなんて起きてません・・・あったとしても、妹の事を思い出しただけで・・・」
「薫の言う通り・・・でも、そんな身近な人を忘れてたの?」
「・・・はい、ただ、お父さんもお母さんも妹のことは憶えて無いし、あの子の物も何も残ってないから・・・」
「要は証明のしようが無いと?」薫が聞く。
「・・・そうです!」
「でもやっぱりそんな身近な人を忘れていたのは絶対おかしいですよ・・・偽物の記憶だったとかは?」怪訝に思った当麻はいろはに聞いた。
「・・・それは分かりません、でも、あの子を思う度に温かい気持ちになるから・・・」
「なるから・・・?」
「だから私は思い出したことを信じてますし、妹を探したいと思ってます。」
「・・・つまり悪いことは起こってないと?」
「はい!不思議なことは起こっても悪いことは起こってません!」いろはは言い切った。
「ならよかったわ。・・・私から言う事は無いわね・・・」
「一応右に同じくってことで。」
「それに、
「え?」
「ど、どういうことですか?」やちよの意外な発言に当麻といろはは首をかしげると、やちよは改まった様子で
「・・・気にしないで、それじゃあ2人とも、行くわよ。」
「おう」「え、あ、はい!」
「うわさに気を付けなさい、とにかく忠告はしたわよ、」
そして3人はその場を立ち去った。
そのあと近くのカフェで情報をまとめるべくお茶をしたが、当麻はさっきやちよがいろはに向けていった、『分からなくはないしね・・・環さん、あなたの気持ちも・・・』という言葉の意味が気になって仕方がなかった。
聞こうにも、直後の態度を見る限りやちよは答えてくれそうにない。そうこう考えているうちに
「ねぇ、今日はここで解散ってことにしないかしら?」やちよが言った。
「ああ、まぁこんな時間だし、今日はここらで打ち止めでもいいだろう。当麻は?」
「・・・あ、はい!俺も今日はここまででいいと思います。」当麻はハッとなり、つい答えてしまった。
「じゃあ、決まりね」
会計を済まし、3人はそれぞれ店をあとにした
「じゃ、また明日ー、何かあったら連絡する」
「ええ、分かったわ。」
「当麻もよろしくー」
その日の帰り道
「・・・当麻、帰り道の方向が同じなのか?」薫と当麻はともに帰路についていた。
「いや・・・どうしても聞きたいことがあって」
「嫌だ」
「即答ですか?」
「どうせやちよの事だろ?」
「そうですけど・・・薫さんなら何か知ってるかもって」
「まぁ知っちゃあいるが答えたくない。それだけ。」
当麻はそこを何とか、と言おうといしたが、薫の様子をみても、答えてくなさそうだと感じた。
そして会話のないまま公園の前を通りかかると、何かを言い争っている声がした。
「薫さん、あれって」
「おお、ももこ達じゃあないか」
「しかもまたもめてますよ」
「どうする?仲裁しに行くか?」
「え?」「じゃ仲裁しに行ってみるか」少し困惑する当麻を放棄し薫は公園に向かった
「ちょっと!流石に女子同士のけんかに割り込むのは・・・」
さすがに異性の喧嘩に入るのはまずいと考えた当麻も追った。
「だーから、落ち着けよ、いったい何で喧嘩してんのさ」言い争うレナとかえでをなだめるているももこの後ろに
「よう」「十咎さんどうしたんですか?」当麻と薫があらわれた
「薫さん、当麻、この2人に何か言ってくれない?全くアタシの口を聞いてくれないんだ。」
「ふーん」「それだとなおさら無理な気が・・・」
「とにかく頼むよ」
「仕方ない、ROSSのカフェオレ3本で手を打とう。」
「え?引き受けるんですか?」
「悪いか?」
「いや別に」
「ってことで」薫はバッとコートを揺らすとレナとかえでの元へ行く。
「やぁ何をもめてるんだい?」
「そんなの薫さんには関係ないでしょ」レナが言った。
「そうだよ薫さんは黙ってて!」便乗するようにかえでも声を上げた。
「ほら言わんこっちゃないですよ」当麻はそんな3人を見てももこに耳打ちをした。
「ROSSのカフェオレ、あとでレナとかえでにも1本づつ買わせるか」ももこも当麻に耳打ちをして言う。そこに
「あれ、ももこさんに真山さん?」いろはが現れた。
「関係ないとは限らない、とりあえず何でもめてるか教えろって」それでも薫は同じ質問を投げかけた。
「だから薫さんには分からないわよ!」
「だから薫さんは黙って!」レナとかえで、薫は互いに一歩も引かない状態だった。
「おいおい年上になんて口の利き方をするんだ?俺はいいが他だったらなんていう?」
「う、う、うるさい!もうかえでとは
「あー言った!そう言うならレナちゃんとは
薫がくるっとももこと当麻の方向を向き、一言
「失敗した」
「やっぱ薫さんに頼むんじゃなかった」ももこがやっぱり、という顔をする当麻を差し置き言った。
「そういうことは軽々しく口にすんな、ってか、これで何回目の絶交だよ?」
「そうだ、だから何があったか教えてくれ」ももこに続くように薫もいったが
「・・・・・・」レナは一瞬黙り込んだと思うと
「いちいち首突っ込むなこの過保護お節介野郎と面白がりボサボサ野郎!」声を荒げダっと逃げ出した!
「な、お、おい!レナ!」
「地味に傷ついたぞ」
「ちょっと水波さん逃げないで!!」当麻はレナを追い駆け出した!
「な!!」足の速い当麻はレナとの距離をどんどん縮めている、そこに、
「わぁ・・・」と小声でつぶやくいろはの姿を見た当麻は「あ!環さん!ちょうどよかった!水波さんをつかまえて!」と叫んだ。
「え?え?・・・止まってぇー!」わけもわからないままいろはは変身し叫ぶ。
「アンタ・・・! くっ!」このままだとレナは挟み撃ちになってしまう。ならばと「アンタ、真山の知り合いか何か知らないけど、容赦はしないからね!」カッとレナが光に包まれたと思えば彼女も魔法少女姿に変身した。
「わわっ!変身した!」一瞬当麻は立ち止まってしまった。
「ここまでくればその射程も形無しね!」レナはいろはに接近し言い放った。しかし一瞬ひるんだとはいえ当麻はまだ追ってくる。
「ならばこれでもくらえ!」
「な!?」「なに!?」
再びレナが光に包まれたと思うと
そこにはいろはの姿があった。
「え!?私!?」
「た、環さんが2人!?」当麻といろははまたひるむ
「スキあり!」いろはに変身したレナは通せんぼしたいろはを軽く吹っ飛ばす。
「キャッ!」「環さん!」
「フンッ、事情も知らない奴が纏めて首突っ込んでじゃないわよ!」
レナはそういって当麻たちの方を向くと
「バーカ!」
そう言い放って走り去っていった。
「あっ水波さん!」
「うーん逃げられたか」
「ってかあんなに絶交って言ったらまずいのでは?」ふと当麻がつぶやいた。
next story6. 乙の章 絶交ルールの謎 その3
不定期更新なのでこんなに間が空いてしまいましたが私はお元気なのでご心配なく。
とりあえずしゅみ丸出しメーカーでオリキャラの設定も固めてます。
ってことでまた次回。