VR艦これ カッコカリ   作:homu-raizm

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怒られたらR-15タグ付けます


第3話

 そういや間宮さんの甘味処に行くって話はどうなった。

 

「そんなずぶ濡れの状態で行けるわけないでしょ」

 

 それもそうか……ん?

 

「明日連れて行ってあげるわ。まずはお風呂よお風呂」

 

 お風呂イベキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

 

VR艦これ

 

 

 

 いよいよR18の本領発揮、とはいえ実質チュートリアルの段階でお風呂イベント発生とか本当に神ゲーっすわ。

 顔がにやけていくのが止められない。いやー、好感度イベントとか一切ないままむっちゃんと風呂とか姉妹艦サイコー!

 

「……何よ?」

 

 こっちの不躾な視線を感じたか、むっちゃんがいぶかし気に見てくるがそんなのは関係ない。こっちはちゃちゃっと脱いでいる、あとはむっちゃんの脱衣シーンをこの目に焼き付けるだけだ。自分の体? そんなのは後だ後、今はむっちゃんに全神経を注がなくてどうするんだ。

 ちなみに、このゲームに当然実装されている●RECボタンは神速で押している、抜かりはない。準備してある容量は最新の100ペタバイト、後々全方位から見直すことができるフルアングルモードでの録画は義務である。

 

「なんでもないよ?」

 

 うーん眼福眼福、あらゆる二次元スキーが格闘し続けてきた謎の光さんとか防御力高すぎ髪の毛さんとかそういった敵がいないってなんて素晴らしい。こっちに背を向け下着を脱いでいくその動作も滑らかすぎてやばい。

 

「さて……何してんの?」

「ありがたやーありがたやー」

「いや、何拝んでるの?」

「だってでかいし。おっきいし。ばいんばいんだし」

 

 全裸になってこっちに向き直った、その際にむっぱいがぶるんと揺れたのを見てついつい拝み倒してしまうのも無理はない。俺の発言になんとなく腕で前を隠すその動作も結局でかすぎて全然隠せておらず、むしろ煽るだけになっているのがたまらない。

 

「ちょっとやめってば」

「いやー、それはちょっと聞けない相談というか」

「ですよねですよねー。一体何食べればそんなドスケベ・ザ・エッチおっぱいになるのか、みーんな知りたがってるのに教えてくれないんですよ」

「漣!? いったいいつの間に……っていうか何よ今の!? 別にエッチでもスケベでもないわよ!!」

 

 いつのまにやら俺の隣には漣が同じように跪いてむっぱいを拝んでいた。音も気配も一切なかったんだけど、気にしたら負けだ。

 

「やーやー初めまして妹さん、第七駆逐隊の漣です。お姉さんと違ってひんぬーですがどうぞよろしく」

「こちらこそ初めまして同志、むっぱいに比べれば天と地ですがよろしゅー」

「いえいえいえいえ、同志のも十分すぎるほどだと思いますよ?」

「まあ、小・中・大で言えば中と大の間ぐらいという自覚はあるが、あれはどう見ても特大だからな」

「そうですねえ。特大ですよねえ。ぐぬぬ……なんだか腹が立ってきた、けしからん! けしからんですぞー!」

「ちょ、ちょっと漣!? 止めてってば!」

「むむむ、なんとうらやまけしからん! むっぱいを独り占めするなんて許さんぞ!」

「きゃ、ちょっと! 上総まで!? もう! 止めてってば!」

 

 なんという素晴らしい感触か、片手では到底収めきれないほどの大きさでありながら手のひらに確かに返ってくる抜群の弾力、にも拘わらずしっとりと吸い付いて離さないという二律背反を兼ね備えた――

 

「もう! 止めてって言ってるでしょ!!」

「あだっ!!」

「あいたーっ!」

 

 さすがにやりすぎたか、むっちゃんに拳骨を叩き落され漣と二人揃って頭を抱えて蹲る。

 

「ぐおお……」

「うっくぅ~、なんもいえねぇ~……」

「……何をやっとるんだ三人して」

「あ、長門」

 

 痛む頭を抱えながら涙で滲む視界を向けると、むっちゃんから事情を説明してもらったのか、心底呆れた表情でこちらを見下ろすながもん(全裸)と視線が合った。いつの間に来て脱いでいたのかはわからないが、パッと見でわかるほどに鍛え抜かれた全身と堂々とした佇まいからエロさが全く感じられない。むっちむちのむっちゃんとどこでどうして差がついた、コレガワカラナイ。

 

「……程々にな」

「いやー、反応が面白いからついつい」

「ですよねー。陸奥さんは色々余裕ぶってるわりに実は意外とピュアな点がギャップ萌え萌えなんですよ、すっげー分かりますー。ねえ、火遊びはやめてってば!」

「さすがは同志、よくわかっているじゃないか。むっちゃんはこのお色気ムンムンの中に純情さが混在している奇跡の存在なのだよ」

 

 がしっ、と右腕で漣の腰を抱え込み、左手で顎を軽く持ち上げ、互いの吐息が感じられるほどに顔を近づける。

 

「ふふ……おねーさん、本気になっちゃうぞ……?」

「むっはー! キタコレ!! 陸奥さん、宝塚ですよ宝塚!!」

「なーっはっはっは!」

「ひゃーっはっはっは!」

「あ、あんたたちね……」

「お前らな……」

 

 二人して馬鹿笑いしている俺たちを見るながもんとむっちゃんの視線が冷たい。しかし、改めて見てみるとながもんは腕を組んで下から乳を持ち上げているにも関わらずむっちゃんより胸が小さいように見える。いや、決して世間一般的に見て小さいわけではないのだが。

 

「でもながもんよ、ながもんは妹のが自分よりでかいことについて思うところはないのかね?」

「いや……普通ないだろう?」

「いやいや! それはおかしーですよ長門さん! なんで潮ばっかり! 潮ばっかり!! 昨日もブラが合わなくなったとかって言ってたんですよ!? 二か月前にも同じこと言ってたのに!! むきー!!」

「……いや、なんというか、すまん」

「……長門もこの間買い替えてたわよね」

「おい陸奥!?」

 

 背後からの突然の裏切りにながもんがうろたえる中、漣は漣で大きく目を見開き、俺の胸に突っ込んできた。

 

「うわーん! 同志ー!」

「おお、よしよし。ながもんよりちっさい俺のでよければ堪能してくれたまえ」

「ちょっとよこせ! 潮より大きくなるぐらい!」

「いでででで!」

「何やってるんだか……先入ってるぞ。陸奥、行くぞ」

 

 その後、風呂でどうにか言いくるめて背中を流すついでに義務とばかりに胸を揉もうとしたらながもんに腕ひしぎ食らったり、漣に背中を流してもらったら義務とばかりに背後から責められて若干気持ちよくなってしまったり、後から入ってきた愛宕と一緒にぱんぱかぱーんやったら愛宕の胸がむっちゃんと張り合うレベルでやばかったり、ついでにそれを見ていた漣の目からハイライトが消えていたりもしたけど、詳しくはわっふるわっふる。

 

 

 

 

 

 色々すったもんだあった風呂を上がり、長門型三人プラス漣とかいうよくわからん四人で食堂で飯を食い終え――胸をでかくしたければたくさん食えとながもんに煽られた漣が食いすぎで動けなくなったから放置してきたが――寮へと帰ってきた。

 一応姉妹艦ということで二人と同室になったのだが、ベッドはまだないということなので今日はソファで寝ることになった。むっちゃんの布団に入れてくれって言ったらむべもなく断られたからね、仕方ないね。

 

「はあ……なんだかどっと疲れたわ」

「うへへ、マッサージする?」

「いらないわ」

「つれないなー……まあいいや。んじゃ、寝る前に鎮守府の状況教えてよ」

「そういえばそんな約束もしてたわね……それじゃ、ざっと説明してあげる」

 

 ベッドに腰かけたむっちゃんが話してくれた内容を脳内艦これwikiに照らし合わせると、攻略状況的には南一号作戦を終えた、つまり鎮守府海域をクリアしたあたりであることが分かった。とはいえそもそも艦娘の数が足りないため、しょっちゅう侵入されていて完全に制海権を抑えているというわけでもないとのことだ。

 ゲームとしては1-1から始めるべきではないのかとも思うが、もしかしたら戦艦や正規空母なんかを選んだ場合は2-1スタートになるのかもしれないな。とはいえ残念ながらセーブデータは一つしか作れないので駆逐や軽巡でやり直すのはできなくもないがめんどくさいからやめておこう。

 それに加えて解放した海域の制海権維持という今までにはなかった要素が追加されていたりもする、これは少数精鋭の脳筋ゴリ押し主義をさせなくするための措置だろう、クッソ厄介な仕様だが、現実に即してみればさもありなんといったところか。

 

「なるほどねえ。押されっぱなしだったのをどうにか多少は押し戻したけど、こっちの数が全然足りなくてジリ貧、っと」

「ええ。どうにか維持はできているけど哨戒網が構築できないおかげで完全に排除はできないから、結局のところ本当に沿岸での漁ぐらいならともかく、民間船は外に出れないのよね」

「それってヤバくね?」

「ヤバいわよ。何よりも油が足りないわ、今はまだ何とかなってるけどね」

 

 メタハイやらなんやらでエネルギー資源そのものの輸入は減っていた日本ではあるが、艦娘はどうしたって動くのに油が必要になる。ブラウザ版にはタイムリミットはなかったけど、この状況がVR版でのタイムリミットなんだろう。とすれば海域を開放すればタイムリミットは伸びると思いたい。

 

「数かあ……」

「それに横須賀にばっかり艦娘増やすわけにもいかないしね。どのみち、石油を第一に考えたら呉や佐世保にもっと増やさないとだし」

「なるほどね。建造すりゃいいってもんでもないのか。その割に長門型なんて作ってるけど」

「いやあれは本当にエラーだったのよ。素材量的にはできて軽巡クラスの量しか入れてないのに」

「マジかい」

「おかげで建造ドックは全部封鎖して調査中よ」

「……俺のせいじゃねーし」

 

 とすると遠征を行う軽巡駆逐は他の鎮守府に任せてこっちはガンガン海域を開放していくしかないだろう。せめてブラウザ版でいうとこの2-4までどうにか超さないことにはタンカー護衛なんかもできなかったはずだ。

 

「攻める、って言っても哨戒がね……」

「そうは言っても攻めなきゃどうにもならんくね?」

「それはそうなんだけどね……どのみち決めるのは提督だし」

「そこは秘書艦なんだし上手いこと篭絡しなきゃダメでしょ」

「いや、しないわよ」

 

 まあ、艦娘が勝手に戦略考えて提督を手のひらで転がしてたらそれはそれで大問題だしな。してたらしてたで……いや、この場合は提督にNTRれたことになるのか? それはそれで興奮するぞ。何せ今の俺には生えてないからむっちゃんをひーこら言わせるのはきっと中々に大変であるからして。

 明石の好感度上げればエロアイテム作ってくれるかな、それとも秋雲の協力も必要だろうか、エロ同人みたいに。

 

「まあとにかく、現状はこんな感じ。わかった?」

「万事オッケーバッチコーイ」

「……不安だわ」

「終わったか。上総、明日は朝からテストだ。ちゃんと起きろよ」

「おねーちゃん起こして?」

「41cm砲で良ければな」

「あかん死ぬゥ」

 

 実際はゲームだから起きれないなんてことはないし、寝なかったからと言ってどうこうなるものでもない。疲労度の面からあまり起きてることが推奨されないのは現実と一緒だが。というか夜は寝たことにしてスキップできるしな。そんなわけで寝入ったながもんむっちゃんのすやすや寝息をしばし堪能したらシステム起動、夜スキップ。夜這いはまあ、もう少し好感度上がってからだな。41cm砲で迎撃されたらマジで死にかねん。

 スキップと同時に起床ラッパが鳴り響き、ぱっちり目を開けたむっちゃんとむっちゃんに布団から引っぺがされるながもんを尻目に歯を磨く。

 

「ながもんのが朝弱いのね、意外」

「……私としては上総が起きてることの方が意外だわ」

「失敬な、こう見えてちゃんとやるときゃやるんだぞ」

 

 実際はチートなんだけどな。中の人は朝なんか永遠に来なければいいと思っているタイプの人間だし。

 ちなみに、このゲームには他にも入渠スキップと移動スキップが搭載されている。入渠については提督がバケツ使ってくれればいいけどそうじゃない場合戦艦や空母は下手すりゃ一日以上風呂に入りっぱになっちゃうから、ゲーム内時間は過ぎるけどさすがにそこはスキップできるようになっている。もちろん、たまたま同じタイミングで誰かと入渠になったら満足するまで堪能したうえで途中からスキップできる神仕様だ。

 移動スキップに関してはゲームが進めば当然遠方の海域での戦闘になってくるが、現実世界を模している以上そこには当然ブラウザ版になかった移動時間というものが存在してしまうわけで、じゃあ例えば前にあった大型イベの欧州救援とかってなった場合、最終的にそっちまで移動する必要が出てくるけどもそうするとその間何週間も移動し続けるだけになってしまい、それはさすがにどうなのよということだ。だからゲーム内時間は過ぎるけどもスキップできるという仕様になっている、これはどこの海域でも同じという神仕様。閑話休題。

 

「長門、ほら、しっかりしてってば」

「うー……」

「なにこのながもんカワイイ」

「ながもん言うなー……」

「毎朝こんななん?」

「毎朝こんなもんよ。明日からはあなたにも手伝ってもらうわよ?」

「マジか! 朝からながもんにセクハラし放題とか!!」

「……ま、私が被害にあうわけじゃないから好きにして」

「姉を売るなー……」

 

 その後は洗面台までむっちゃんに引きずられ、溜められた水の中に容赦なく顔を叩きこまれるながもんがギャーギャー言いながら朝の支度を整えていくのをひとしきりからかって、三人で朝飯。どこか空いてる席ないかなと探していると、昨日死にかけてた漣が七駆の面々と食べてる隣が開いてたのでそっちに行く。

 

「やっほー同志漣、おはよーさん」

「おや同志上総、おはよーごぜーますですよ……あり、おっぱい姉妹は一緒ではないので?」

「ああ、それなら……」

 

 朝っぱらから飛ばしている漣だったが、残念ながら我が姉二人は今お前の後ろで仁王立ちしているんだがな。隣の朧が殺気に当てられて箸取り落としてるし、気付いてもよさそうなもんだが。

 

「誰がなんだって?」

「おぅ……」

「あらあらあらあら漣ちゃん? 食が進んでいないわよ? それじゃダメねー、成長できないわよ? どこがとは言わないけど。ねえ、長門?」

「そうだな、やはり体の成長にはたくさん食べることが大事だ。どれ、おにぎりを分けてやろうじゃないか。遠慮せずに食え」

「もがもがもが!!」

 

 あーあーあー、ながもん仕様のおにぎりを三つも口に突っ込まれてら。口は災いの元とはよく言ったもんだ、くわばらくわばら。

 

「死ぬんじゃね?」

「この程度で死んでたまるか」 

 

 まあ、漣に三つくれてやったのにも関わらずながもんのお盆には馬鹿でかいおにぎりが五個乗ってるし、戦艦基準で考えたらそりゃ死なないとは思うけども……。

 

「さ、漣ちゃん!? しっかり!?」

「…………」

 

 白目向いてる漣とその背中を叩く朧、二人を尻目に着席したながもんは悠々とその馬鹿でかいおにぎりを頬張るのだった。

 

 

 

 

 

 

 さて、朝からなんか色々あった気がするが、とりあえずながもんの指示通り演習場へ向かう。そこにはながもんとむっちゃん、はいいとして何故か一航戦二航戦その他もろもろに加えて提督までが揃っていた。

 

「遅かったな」

「いや、マルキューマルマル開始って言ったよね、今マルハチゴーゴーなんだけど」

「言ってみただけだ」

「心臓に悪いからやめれって」

「はっはっは、悪い悪い。だが、緊張は解けただろう?」

 

 確かにどえらい驚かされた分緊張はすっ飛んだけどさあ……。なんか素直に認めてやるのは癪だ。

 

「してねーっての」

「そうか、まあそれならそれで構わん」

 

 笑顔のままであることを見るにどうやら見抜かれているようだ。ちくしょう、明日の朝覚えてろよ。

 

「さて、さっそく始めるぞ、まずは航行からだ。駆逐艦、吹雪!」

「ひゃ、ひゃい!!?」

「……そう緊張するな。ここのところやっていた航行練習をやってもらう、ただし速度は微速で、だ。上総、お前は吹雪に付いていけ」

「りょーかい。吹雪よろしゅー」

「よ、よろしくお願いします……」

 

 ながもんたちが見守る中着水し、吹雪の後ろに着く。するとシステム画面が立ち上がり、チュートリアルその二のウィンドウが浮かび上がった。それに合わせて視界に車のメーターパネルのような表示が出る。速度、燃料、弾薬、風速、波、方角……こりゃすごいな。

 

「……というか、これ全部見ながらなおかつ相手に砲撃しなきゃならんの?」

「何をぶつぶつ言っている。始めるぞ」

「……ま、取り合えずやるだけやってみますかね。車と同じでその内慣れるだろ」

「航行テスト、はじめ!」

「駆逐艦吹雪、行きます!」

「戦艦上総、抜錨!」

 

 何々、パネルに表示されているエンジンキーを捻り、スキーの要領で前に体重をかけることでスタートできると。速度についてはある程度体重の掛け方で操作、大きな変更についてはギアを入れ替える必要あり、クラッチ操作のいらないマニュアル車みたいな感じか。ギアはパネル上にアケこれの旋盤があるのでそれをカーソルで動かすイメージと。今はチュートリアル中なのでロックが掛かっているが。

 

「お……おお!」

 

 動いている、ただそれだけのことなのにとても感動する。それと同時に足元が波で不規則に揺れて、思っていたよりもバランスを取るのが難しい。

 

「か、上総さん!?」

「おおっと、あっぶね」

 

 そして足元にばっかり注意していると前方不注意でこうなると。いやはや、免許取りたての若葉だってここまで前見ないってことはねーぞ、こりゃ難しいわ。

 

「……大丈夫ですか?」

「わりわり、もう大丈夫。多分」

「た、多分……」

 

 吹雪の表情がひきつるが、こればっかりは慣れるしかないだろう。ヒントにもあった通りスキーと同じ要領だ、足を肩幅程度に開き、へっぴり腰にならないように背筋を真っすぐにし、そこから少し膝を落として軽く前傾姿勢を取る。これが基本姿勢、内ももと体幹でバランスを取り、前方への体重はこの前傾を深くすることで調整だ。

 

「えっと、もうすぐで少しだけ左に曲がりますよ」

「あいよ」

 

 左、左か。スキーを思い出せ、左に曲がるためには右に体重を掛ける、だな。前方にポールが見える、そこを左に抜けていくんだろう。吹雪が左に動いたのに合わせて右足を踏み込み体重を掛ける。

 

「お、おお……おおおっ!?」

 

 確かに曲がった、曲がれた。基本的な考えは間違ってなかった、間違っていたのは掛ける体重の分量とでもいえばいいか。ほんの少しで良かったはずの体重移動を思いっきりやらかしたことで車で言えば超急ハンドル、直角に近いレベルで体が曲がり、上半身が遠心力に耐えられず大きく煽られ、左足が浮いたうえに右足が伸び切る。全体重が右足に乗った状態でとどめとばかりに波に右足を攫われた。つまり、思いっきりすっころんだ。

 

「おわたー」

「うひゃあ!」

 

 ばっしゃーん、と景気よく水柱が立ち上る。いやあ、これもスキーと一緒だな、転んで覚える。うん、頑張ろう。

 

「だ、大丈夫ですか?」

「あっはっはっは!」

「……ええー」

 

 吹雪はぷかぷか浮きながら大笑いをする俺をドン引きした様子で眺めていた。

 

 

 

 




勝手な設定・想像

上総:88
長門:92
陸奥:96

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