艦こREX!   作:Azzoo

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2-4-A「Power or Technique」

スピードの乗った巨体な鉄の塊がコーナーへ突っ込む。うまくブレーキングすることで少し車体を揺らし、タイヤの向きを変える。すると、車体は自然とコーナーの出口のほうを向いてくれる。揺らして不安定な車体をうまくコントロールしながら、コーナーを進む。そして、コーナー出口で一気にアクセル。これが峠のコーナーの攻め方なのだ。

雷は比較的落ち着いていた。自分の攻め方を信じる、それが出来ているのだ。六甲山を自分のものに出来ているとさえ感じていた。

それに対しての深雪…かなり不安定だ。

深雪(なぜ…なぜついていけない…?なんで…私だってここを走っているはず…なにが違う…!?)

感情とハンドルさばきはモロだ。素に出るタイプならなおさらだ。

バトルは表六甲最大の山場、二連続超ヘアピンカーブに入る。初心者ならばスピンからの事故は不可避。上級者ならばコース幅をうまく使ってドリフト。いわば、ここでコースの熟知度が一発で理解できてしまう。

まずは雷がコーナーに進入。ブレーキングで無難に対処して行く。ここは深雪も変わらない。

続いて二つ目。ここでは焦りが出る。

ここで雷ほあろうことかいつものクセでサイドブレーキを引いてしまう。そうしたことで、ハチロクはコーナー進入口でスピン状態。

雷「…!ヤバい!」

ストレート区間の差があるとはいえ、ここでのミスは最終セクションの連続コーナー群に大きく影響する。

そこで雷はバックにして対処した。

一方の深雪だが、ここも普通にクリアした。

ラスト最終セクション。

深雪(差は確実に狭まってる…いたっ!)

雷(っ!!)

ついにスターレットがハチロクを捉えた。ホイールベースが短い分、スターレットのほうが圧倒的に有利なのだ、ここでの追いつきは、雷にとってもかなりのプレッシャーになったはずだ。

深雪(行ける…勝てる!!)

雷(逃げて…ハチロクっ!!)

二人とも必死だった。コーナー群に並ぶ小型車二台は熾烈なデットヒートを繰り広げていた。それはギャラリーの目にも明らかだった。

ギャラリーA「おお!!スターレットが追いついてるぜ!!」

ギャラリーB「まさかあの差を縮めちまったのか…!?」

雷(とにかく…冷静に対処しなきゃ…!!対処しなきゃ…!!)

深雪(行ける…行けるんだ…!!あとちょっとなんだよぉ!!)

深雪は余計に焦っていた。速く勝ちたい。この緊張状態を速く解きたい。そのことで頭がいっぱいだったのだ。

最後セクションを抜けて、最後のトンネル。ここで深雪だが、燃えつきるようにスピードを落としていった。

ーーーーーーーー 六甲山 中腹駐車場 ーーーーーーーー

雷「バトルお疲れ様…大丈夫?」

深雪「え、えぇ…」

雷「バトルに勝敗はつきもの。それを理解して頑張って行くといいわ。とりあえず今日はゆっくり休みなさい。」

深雪「ありがとうござい…ました。」

深雪は沈んだ表情のまま、白雪にこう言った。

深雪「白雪ちゃん…強いよ、あの人。」

それを聞いた白雪は、こう深雪の耳元に囁いた。それを聞いた深雪は安心した表情を見せ、ポンと肩をとたたいた。

白雪「心配いらないよ…裏六甲は私の十八番(おはこ)だからね。」

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