艦こREX!   作:Azzoo

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2-4-B「私の領域」

夕張「それじゃあ、カウント行くわよ!!」

『5!4!3!2!1!GO!!』

夕張は、ゼロカウントで腕をおろすと共に、両手に持ったストップウォッチの片方をスタートさせた。

ハチロク先行、スターレット後攻の変則裏六甲バトル。変則というのは、まずはハチロクを先行させ、10秒後にスターレットがスタートするというもの。白雪曰わく、これは互いに干渉しあわないため、ドライバー同士の真の力が発揮出来るのだそうだ。当然先行は追いつかれれば負けは確定する。後攻は離されすぎれば負けなのだ。空間内でのバトルは、プレッシャーとの勝負でもあり、それに対する自分との勝負なのだ。

勢いよくスタートしていったハチロクを見て白雪は冷静に、

「深雪の分もあわせて、倍にして返しますよ。」

そう呟いてスタートしていった。

雷(さぁ、裏六甲ね…。おそらく道幅の関係で前のバトルのようにはいかなそうね…どう耐えるか…)

まずは最初の直線。ここは当然ハチロクの十八番だけど…その後が辛い。ヘアピンを曲がったところから、道幅は狭く、さらに複雑に入り組んだコーナーがだらだらと続く。ここはスターレットの十八番。なにより今回は後者の顔(姿)が見えない。余計にプレッシャーがかかる。どう攻めるかとかそういう問題じゃなくて、ここはとにかく自分を信じて目の前のコーナーと戦う。アクセルも踏めるところで踏む。それしか方法はない。

白雪(ここは、私の十八番でもあり、スターレット(この子)の十八番でもある。あとは自分の能力を使い切ってくれれば、自然と車はついてくる。)

雷も白雪も、至って冷静だった。しかし内心はヒヤヒヤものだ。

ーーーーーーー 六甲山 中腹 ーーーーーーー

深雪「大丈夫かな…白雪。」

夕張「大丈夫なんじゃないの?あんたも内心そう思ってるんでしょ?」

深雪「お姉ちゃん…そうだね。」

夕張「あんたが信じるなら、自ずと結果もそうなるものよ。」

深雪「う、うん…。」

バトルは、すでに半ばまできていた。

頂上では十秒差あったのが、ここでは八秒差。白雪がじわりじわりと雷を追いつめていた。

ひしひしと伝わる感覚に、雷は、まだ気づいていないようだった。なぜなら、自分の走りに集中していたからだ。

雷(まだ…もっといける…スピードに乗れば…)

ズルルルッ

雷(…!?)

タイヤが滑った。思わずカウンターを当て、そのまま乗りきろうとする。アクセルはちょん踏み。

打角をもとに戻してさらにコーナーを行く。

雷の座るシートには、汗がべったりだった。とにかくあいつから逃げる。その一心でハンドルを当て続けてきたからだ。しかし、それももう終わる。

雷(…!!来たっ!!)

フルアクセルで裏六甲の山を駆け下りれるところまで来たのだ。

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