ドフィ視点の母様。
ほのぼのしたかったのでいれちゃいました。読み終わる頃にはめっちゃほのぼのすると思います。(強制)
母上が来ていると連絡があってから、オレは全ての仕事を急ピッチで終わらせ部屋へと急ぐ。
どうやらオレの部屋に居るらしく、どうにかニヤける口元を抑えてはいるが、足は無理みたいだ。
「──母上」
久方ぶりの姿が見れる。ロシーの話では疲れ気味のようだが、今はどうなんだろうか。やはり笑顔で隠すのか、それとも……早る気持ちのまま、扉を開けて──見えたその姿にオレは目を瞬かせた。
「……寝てんのかァ?」
備えてある柔らかなソファーに母上は座っていた。さらりと流れる金髪が傾いていて、長い睫毛によって瞼は閉ざされている。小さな呼吸音は寝息となり漏れていて、扉が閉まった音には反応しなかった。だいぶ深い眠りに落ちているようだ。オレはそっと近付き、美しい寝顔を眺めてから頬を触った。
「…おい。折角来たってのに、声が聴けねぇなんてあんまりじゃあねェか……なァ、母上」
しかもこうも疲れた様子で寝られると、起こす事も出来やしない。はァー、と深く溜息を吐いて肩を落とす。それにも母上はぴくりと反応してくれないことに、肩透かしをくらった気分で少しイラつく。
オレが寝転べるサイズで作られたお陰で、容易に横に座れるスペースが出来ているが、母上には逆に長過ぎるか。隅側に寄り過ぎだ。
「ベッドに連れてくかァ………?」
親子ではあるが、母上は天竜人だしなァ。こんなとこで寝かしちゃ罰が降る。疲れてんなら尚更だ。
とっとと抱えて移すか、と考えた直後に、オレの頭に名案が浮かんだ。思わずニタリと嗤う。
その名案とは……────。
数時間後。
身じろぐ母上に気付き、声を掛けた。
「よォ。寂しくて泣きそうだったぜ?母上…」
「ぁら……ドフィ…?ごめんなさい、眠ってしまったみたい。構ってあげられなくて申し訳ないわ…」
「全くだ。思わず眠っちまうくらい疲れてたんなら、本邸で休めばイイだろう。態々来るこたァねェんだぜ?オレは母上の元気な姿が見れりゃあ充分だ」
素っ気なく言えば、母上は眉を下げて困ったように笑った。ああ、悲しませちまったか。
「ごめんなさいね。ドフィに会えると思ったら気が緩んでしまったのね、失態でした。次からは気をつけるから……寂しい思いをさせたわね、ドフィ」
手を伸ばして俺の頬を撫でるその手を掴んで、自分から押し付ける。母上の手はいつだって暖かくて、安心出来る。気付くと全身の力を抜いていた。
「……構わねェさ。その分、堪能したからなァ」
「??──まぁ」
母上は気付いて、クスッと花を咲かせた。
そう、母上はオレを見上げており、オレは母上を見下ろしていた。しかしその距離は密着していて、こうして母上はオレに手を伸ばす事が出来ている。
つまる所……膝枕を母上にしているのだ、オレは。オレの硬い太腿ではなく、クッションを間に挟ませて母上の柔らかな頭をガードしているがな。
この状態を数時間。キツくは無かったが、度々覗いてきたファミリーの視線が鬱陶しかった。
「ずっと
「あァ。退屈しなくて済んだ」
「もう…悪戯好きなんだから……」
困ったように言う割には、母上は本当に愛おしそうに笑っている。
ああ、この顔だ。この顔に昔からオレは弱かった。何もかも受け容れ、受け止め、オレだけを見てくれるこの顔が、オレに何処までも自信を持たせてくれる。
「フッフッフッ。母上にはいつまでも敵わねェなァ…」
「あら。可愛い子ね」
さらりとオレを可愛いなんて言えるのも母上くらいだ。それすらも知ってる上で、母上はオレを甘やかす。だが、いくらなんでも流石にこの歳になってまで可愛いと言われるのは、心境的にはオレもロシーも微妙だぜ。
「敵わねェなァ……」
「ふふふ……ドフィ?そろそろ起き上がりたいのだけど、良いかしら?」
「ン?あァ、そうか…」
名残惜しいが、いつまでもこの体勢じゃ母上も疲れるか。
母上の手を離し、背中のクッションを一緒に押し当てながら母上を起き上がらせる。こうして触れてみてその体の軽さと小ささを実感して、思わず慎重になっちまうのは当然だ。こんな身の丈で世界と駆け引きしてんだから、それをぶち壊してまでオレが好き勝手にしちまうなんて、そんな親不孝な話あるものかよ?
──そうさ、壊す方法は分かりやすい暴力で無くてもいい。恐怖と支配は簡単に味わわせれるが、それじゃあただの子供の地団駄だ。ガキみてェな行動で母上を怒らせちまったら後が怖ェからなァ。それならもっと、優雅に立ち回りてェだろう。手本はいつだって、オレのすぐ傍に。
体を軽く解した母上は、オレに小首を傾げた。
「悪い顔。一体何を企んでいるのかしらぁ?」
「フッフッフッ!母上よりかは小さなモノさ」
「そう……ふふ、そうなの。お好きになさい」
母上との約束。オレの行う事に何も口は出さないし、手も出さない。それでも母上は息子であるオレの味方で、オレの母上だ。…勿論ロシーもだが。全てを失敗したって、オレには母上がついてくれている。母上が見守ってくれている。一体何を恐れようか。何を踏み留まろうか。
母上の影響力は既に世界に浸透している。
権力だけで心は動かせない。心まで惹き寄せるカリスマ性があるからこそ、母上は偉大なんだ。そんな母親を持つオレが、出来ないわけねェじゃあねェか!!
ああ──そう見れば。全てが母上の目指す、“理想の世界”に近付いている。大海賊時代なんてよく言うよなぁ?その以前よりも遥かに平和な世になった。
母上が動くと全てが母上に味方しちまう。いや、従っちまうか?フッフッフッフッ…!!
まるで母上の為の世界みてェじゃねェか!?
「なァ母上?」
「なぁに?ドフィ」
「世界を相手にするってのは、どんな感じだ?」
オレの不敵な笑みに、母上はそれはもう美しい微笑みを携えて、甘く、柔らかに言葉を紡いだ。
「ドフィ。──転がすのは、人なのよ」
世界なんて、ただ広いだけなの。
……ああまただ。母上がとんでもなく大きな人に見えてしまう。その背は息子であるオレよりも小さいのに、母上は誰よりも大きかった。
「……フフフフ…フッフッフッフッフ…!!!!全くその通りだなァ!世界なんざ、結局人間の形成したモンだよなァ!!流石母上だぜ。自慢しかねェなァ」
「貴方も私の自慢の息子よ、ドフィ」
「フフフフ!オレの家族は揃って自慢だ」
ファミリーも、家族も。オレを構成してくれた大事なパーツ。誰一人として欠けちゃならねェ。欠けるなんざオレが赦さねェ。……親父は母上に必要なパーツだからな。
オレは何も言わねぇさ。
「母上、もう少し傍に居てくれ」
「!……私の可愛いドフィ。その通りにしてあげましょう」
肌の体温が触れ合うほどに母上に寄り添い、オレは目を瞑る。母上は昔よりも細く感じる小さな指でオレの手を握ってくれたが、その温もりは昔と何一つ変わっていない、優しく滑らかな母の手だった。
「私の可愛い子。愛しているわ、ドフラミンゴ」
「あァ……オレも愛してるぜ、母上」
オレの手がどれだけ汚れ、どれだけ世界を穢しても。
母上はきっと、元から穢れているのだと笑うから。ならば穢れた親子に、今更綺麗な時間など必要ないのだろう。
──それでも。今この時間が、とても美しい時間なのだとこのオレが知っているのだから、それでいいのさ。
ドフィにマザコンとか当てはまらないですよね。
だってコンプレックスじゃないもの。それだとロシーもか。
如何でしたか?暴虐の王なんてどこにも居ないでしょう?
いやそもそもドフラミンゴって何王だったんだろうか。
ジャンルが残虐、暴君、冷酷……いやお前本当悪名しかねぇな。
そんなドフラミンゴが大好きです。だがやらせん!!
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